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外山滋彦著「俳句的」の指摘した頂門の一針 (高澤良一)

外山滋彦著「俳句的」の指摘した頂門の一針 (高澤良一)
外山滋彦著「俳句的」の指摘した頂門の一針 (高澤良一)_b0223579_07140403.png
「生」の感情は時の試練に耐えられない
 第一人称の重要な言語における叙情詩はどうしても吼えるような調子になりやすい。おれが、おれがという詩である。ところが第一人称をなるべくあらわにしない言葉を使って生活しているわれわれの詩はまず表面的な自我をいかに殺すかが重要な課題である。主観丸出しでは月並みにもならない。自分を押しつけては相手に失礼である。控え目に、そっと語りかけるのが床しい。いかなる大工も生木で家を建てることはしない。かならず枯らした木材を使う。生木はかならずヒズミが来る。ナマな感情や主観を詩にするのはいわばは生木の家を建てるようなもので、時の試練に耐えられないのは明らかである。
(中略)

(故に)俳人に老作家が多いことは当然であり、むしろ、誇るべき伝統であるとしてよい。問題はその伝統にあぐらをかいて、妙にものほしげな枯れ方をしていることがないかどうかである。

俳句や短歌は詩なのか
 すべての芸術活動のうちで、詩がもっとも早く完成に到達することも注目される。中でも叙情詩が早く成熟する。純粋なものほど結晶も早いということを意味するのであろうか。詩は青春の花である。老いたる詩人とは冬の花と言うのと同じくらい自然ではないことである。ところが、われわれには、元来、詩は円熟した人間を背景にしていっそう美しさが増すものであるように感じられている。老いた詩人は若い詩人に劣らず、あるいは、それ以上に華やかな存在であり得る。少なくとも俳句、短歌と短詩型文学においては、円熟した作者は若い作家にないものを持っていることを承認している。ヨーロッパ流の芸術心理学が、叙情詩を最も早く完成すると主張してみても、現にそうでない叙情詩の伝統があるのだからいたしかたがない。どうしても外国の詩観の顔を立てたいなら、和歌、俳句をいわゆる詩から外せば良い。

詩の「うまい」と「偉大」は別物
 書も詩も、うまいのと偉大なのとは、すこし違う。うまいかうまくないかはいわゆる芸術の問題だが、偉大で素晴らしいかどうかは、それを作った人の人間とそれを見る人の人間との間で決まる。超芸術である。

以上



# by 575fudemakase | 2024-03-28 07:13 | ブログ | Trackback

山本覚馬

山本覚馬

会津藩士、京都府議会議長、同志社総長

山本 覚馬(やまもと かくま、旧字体山本 覺馬文政11年1月11日1828年2月25日) - 明治25年(1892年12月28日)は、幕末会津藩士、砲術家、明治時代の地方官吏、政治家京都府顧問、府議会議員(初代議長)として初期の京都府政を指導した。また、同志社英学校(現:同志社大学)の創立者・新島襄の協力者として、現在の同志社大学今出川校地の敷地を譲った人物としても知られている。相応斎[1]

山本やまもと 覚馬かくま
山本 覺馬
山本覚馬
生年月日1828年2月25日
出生地日本の旗 日本陸奥国会津郡若松
没年月日1892年12月28日(64歳没)
死没地日本の旗 日本京都府京都市
出身校日新館
前職会津藩
称号従五位
配偶者樋口うら(1857頃 - 1870)
小田時栄 (1870 - 1886)
親族

横井時雄(娘婿)

新島八重(妹)

新島襄(義弟)
宗教キリスト教(プロテスタント会衆派→カトリック教会)

選挙区上京区
当選回数1回
在任期間1879年 - 1880年

京都府の旗 京都府議会初代議長
在任期間1879年 - 1880年
テンプレートを表示
山本 覚馬
山本覚馬・八重邸宅跡石碑(京都市中京区)
教会プロテスタント→カトリック教会
教派会衆派(受洗当時)
洗礼名ラザロ(カトリック改宗時)
受洗日1870年代前半
テンプレートを表示

https://ja.m.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E8%A6%9A%E9%A6%AC&action=edit&section=1



# by 575fudemakase | 2024-03-28 05:53 | ブログ | Trackback

【桜餅】といえばどっち派?全国各地で「関西風」が優勢 (高澤良一)

【桜餅】といえばどっち派?全国各地で「関西風」が優勢 (高澤良一)
【桜餅】といえばどっち派?全国各地で「関西風」が優勢 (高澤良一)_b0223579_05212113.png
桜の季節、スーパーの和菓子売り場に桜餅が並んでいるのを見かけるようになりました。

桜餅には、水溶きした小麦粉をクレープ状に焼いた皮で餡を巻く「関東風(長命寺)」と、道明寺粉(水に浸した餅米を干して粗めにひいたもの)を蒸した生地で餡を包む「関西風(道明寺)」の2通りあります。

はたして東西の分かれ目はどこにあるのか、ウェザーニュースがアプリの利用者に調査をしました。

全国各地で「関西風」が優勢
【桜餅】といえばどっち派?全国各地で「関西風」が優勢 (高澤良一)_b0223579_05320701.jpeg
2022年の調査結果

お店に並ぶのはどちらの桜餅?という質問に対して、選択肢を「関東風」「関西風」「両方」で聞いてみました。その結果は、「関西風」が並んでいるとの回答が一番多く54%、「両方」との回答が32%となり、関西派の流通の方が優勢なことがわかりました。

一番多い回答で県ごとに色塗りしてみると、長命寺が店頭に並ぶのは秋田や青森、また関東など東日本に偏った結果となりました。

東西の桜餅の起源は?
2つの桜餅はどのように生まれたのでしょうか。和菓子の老舗、株式会社虎屋に尋ねたところ、2014年に開催された「第77回虎屋文庫(虎屋の菓子資料室)資料展 甘い対決『菓子の東西』展」の資料を提供していただきました。

その資料によると「関東風」の桜餅は、江戸時代の後期に隅田川の川岸に植えられた桜の葉を利用して売り出され、花見客の人気を集め全国に広がった、とあります。

現在のような小麦粉生地がいつからあるかははっきりしませんが、天保年間(1830~44年)の錦絵に、桜餅の生地を焼く様子が描かれているので、その頃にはクレープ状の生地があったことが伺えます。


一方、「関西風」の桜餅は明治30(1897)年頃、京都で「嵯峨名物桜餅」として売り出されました。嵯峨には桜の名所として知られる嵐山があり、隅田川の桜餅に対抗する思いもあったのかもしれません。こうして見ると、「関西風」の桜餅の起源は意外に新しいのです。

関東では「桜餅」は長命寺?
冒頭に紹介したように、いまや“新興”の「関西風」桜餅が全国を席巻しているようですが、今回の調査で寄せられたコメントを見ると店頭に並んでいるのは両方でも、桜餅として売られているのは「長命寺」の方であるという回答が見られました。

・桜餅と言えば長命寺。道明寺は道明寺として売られていることが多かったですが、最近は道明寺も桜餅になってますね。(神奈川県茅ヶ崎市)
・両方とも並んでますが、桜餅は長命寺が多く、道明寺はあまり桜餅とは書かれていないかも。(埼玉県富士見市)
・長命寺は「桜餅」として、道明寺は「道明寺」として売られています。(神奈川県相模原市)
・地元では長命寺を桜餅、道明寺を道明寺と呼んでます(東京都荒川区)

昔から桜餅としては長命寺のほうが馴染みの深かったエリアでは、道明寺は「道明寺」として楽しまれている所も多いようです。

この季節にいただく桜餅、あなたはどちらを召し上がりますか?

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

以上

桜餅 /
桜餅芳香うれしき限りかな 随笑
もの音を推量する耳桜餅
桜餅つまむ指先こんな感じ
雨の日は雨のおもひに桜餅


椿餅 /
椿餅えにしの一人また欠けぬ
ほんたうの処濁して椿餅 随笑
生き難き世の中いふや椿餅


草餅 /
消費税込みの草餅にて判然
てらてらの力士の腹や蓬餅
草餅の石のごときがやわらかし
花どきの最たるものに草団子


鶯餅 /
鶯餅五十がらみの男買ふ 素抱
つまみては口に放てる鶯餅 素抱
うぐひす餅それでと話促せり 宿好
旨きかな遠くに目遣る鶯餅
鶯餅つまみし感触まだ指に
鶯餅あの感触を恋へる指
意外なるつめたさもてる鶯餅
鶯餅粉のついたる指の腹
鶯餅つまむに作法あるごとし ぱらりとせ
暖雨去りうぐひす餅のやうな島 ねずみのこまくら
おもたせの鶯餅に雨の客 ねずみのこまくら
(末尾は句集名)


# by 575fudemakase | 2024-03-27 05:17 | ブログ | Trackback

あまおう」と「とちお...

あまおう」と「とちおとめ」は近縁!?
イチゴの “家系図”

イチゴの新商品開発も半導体の新商品開発に劣らず
激しく、難しそうですネ😁
top

2024/03/23 11:15 ウェザーニュース

あまおう」と「とちお..._b0223579_04040780.jpeg

イチゴが美味しい季節ですね。店頭にはさまざまな種類のイチゴが並んでいますが、今人気の「あまおう」「とちおとめ」には意外な関係があるそうです。詳しい話を野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

農水省データベースには414種類も登録

農林水産省の品種登録データベースはさまざまな農林水産植物が登録されています。このデータベースによれば、イチゴ属だけで414種類も登録されています。(2024年3月22日時点)

「登録出願者などはもちろんですが、品種ごとの特徴や品種改良のための交配についても掲載されています。もちろん、最近人気を二分する『あまおう』『とちおとめ』も掲載されていて、あまおうは福岡県、とちおとめは栃木県が品種登録者になっています」(吉田さん)

「とよのか」に代わった西の横綱「あまおう」

かつて福岡県はイチゴの西の横綱と呼ばれた「とよのか」を中心に、生産量トップの栃木県に迫る生産量全国2位につけていました。

「しかし、近年は現在の東の横綱と呼ばれるほど人気になった栃木県の『とちおとめ』の登場により、全国2位は維持しているものの、栃木県にはとどきませんでした。そこで福岡県では、少しでも差を詰めるべく2005年に満を持して『あまおう』を投入。

あまおうは、品種名は『福岡S6号』ですが、実の特長を表す4つの言葉、『あ・赤い』、『ま・丸い』、 『お・大きい』、『う・うまい』の頭文字に加えて、『甘いイチゴの王様になるように』という願いが込められて一般公募で命名された販売名です。

あまおうは大粒で味も良いため、一気に人気が高まって、現在西の横綱と呼ばれるようになり、東の横綱『とちおとめ』と人気を二分するようになりました。

そこで栃木県では、近年、あまおう人気に押されないようにと、とちおとめに代わる濃厚な甘みの新品種『とちあいか』をデビューさせ、2027年にはとちおとめととちあいかの栽培面積を逆転させて、世代交代を図る計画だそうです。まさにイチゴ戦国時代ともいえるのではないでしょうか」(吉田さん)

# by 575fudemakase | 2024-03-24 03:42 | ブログ | Trackback

一茶 生きもの句帖 小学館文庫を読んで (高澤良一)

一茶 生きもの句帖 小学館文庫を読んで (高澤良一)
   高橋順子 編 岡本良治 写真 2002・12・1初版
一茶 生きもの句帖 小学館文庫を読んで (高澤良一)_b0223579_13311378.jpeg
上書より好みの句を選出。

雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
むつましや軒の雀もいく世帯
雀らもしょうばん(相伴)したり蓮の飯
雀子を遊ばせておく畳かな
我と来て遊ぶや親のない雀
雀来よ炬燵弁慶是に有り

痩藪の下手鶯もはつ(初)音かな
来るも来るも下手鶯よ窓の梅
鶯が呑むぞ浴びるぞ割下水(わりげすゐ)

古郷(ふるさと)の見えなくなりて鳴く雲雀

雉なくや彼の梅わか(若)の泪雨
走る雉山や恋しき妻ほしき
雉鳴くや関八州を一呑みに

紅粉(べに)付けてづらり並ぶや朝乙鳥
店かりて夫婦かせぎの乙鳥かな

やあれまて声が高いぞ時鳥
三日月とそ(反)りがあふやら時鳥

行々し(子)大河はしんと流れけり
行々しどこが葛西の行き留り
よし(葭)雀(きり)に水盗人(ぬすっと)の行衛かな

かはほりも土蔵住居(ずまひ)のお江戸かな
かはほりや仁王の腕にぶらさがり

けふの日やけぶり立つるも鵜のかせぎ
小けぶりや鵜匠代々鵜も代々

一ならび千鳥高麗(こま)よりつゞくかな
浜千鳥ひねくれ松を会所(くわいしよ)かな

打つ鉦と互ひ違ひやかんこ鳥*郭公の異称。転じて、人の訪れがなく閑散としたさまを「閑古鳥が鳴く」という。
大酒の諫言らしや閑古鳥
死んだならおれが日を鳴け閑古鳥

相伴(しゃうばん)に鳩も並ぶや大師粥

けふからは日本の厂(かり)ぞ楽に寝よ
雁よ雁いくつのとしから旅をした
帰る日も一番先や寡雁(やもめかり)
行く雁や子とおぼしきを先に立て

鶏に一葉ふるまふ若葉かな
花の木に鶏寐るや浅艸寺(せんそうじ)
春雨や喰はれ残りの鴨が鳴く

糞土(ふんど)より梅へ飛んだり斤鵙(みそさざい)
野はこ(糞)せん見ることなかれみそさゞい

大鶴の身じろぎもせぬ日永かな

三絃(さみせん)で鴫を立たする潮来(いたこ)かな

梟も面癖(つらくせ)直せ春の雨
梟よのほゝん所かとし(年)の暮れ

妙法(めうほふ)の火に点を打つ烏かな
かまくら(鎌倉)や十夜くづれの明烏
起きてから烏聞くなりおこり炭

痩蛙まけるな一茶是に有り
象潟(きさがた)や桜を浴びてなく蛙
木母寺(もくぼじ)の花を敷寝(しきね)の蛙かな
我が菴(いほ)や蛙初手から老いを鳴く
卯の花や水の明りに鳴く蛙
おれとしてにらみくらする蛙かな
小便の滝を見せうぞ鳴く蛙
艸蔭(くさかげ)にぶつくさぬかす蛙かな
かゝる世に何をほたえて鳴く蛙
赤蛙皮むかれても飛びまはる
天文を心得㒵(こころえがほ)の蛙かな
ゆうぜんとして山を見る蛙かな
蛙鳴き鷄なき東しらみけり
夕不二に尻を並べて鳴く蛙
芦の葉に達磨もどきの蛙かな

雲を吐く口つきしたり引蟇
稲妻につむりなでけり引蟇

あなう(憂)世としらでや蛇の出て歩く
蛇(くちなは)も一皮むけて涼しいか
御仏の膝の上なり蛇の衣(きぬ)
今の世や蛇の衣も銭になる

蔵住や田螺に似せてひとり蚊屋

それなりに成仏とげよ蝸牛
練塀(ねりべい)や廻りくらするかたつむり
戸を〆(しめ)てづんづと寐たりかたつむり
雨一見(いつけん)のかたつぶりにて候よ
でゝ虫の捨(すて)家いくつ秋の風

汚れ猫それでも妻は持ちにけり
梅がゝ(香)にうかれ出(いで)けり不性(ぶしやう)猫
でくでくと蚤ま(負)けせぬや田舎(ゐなか)猫
蚤かんで寝せて行くなり猫の親
のら猫が仏のひざを枕かな
な(菜)の花にまぶれて来たり猫の恋
恋猫や答へる声は川むかふ
猫の恋打切棒(ぶつきりぼう)に別れけり

つく羽を犬がくはへて参りけり
花寒し犬ものがれぬ嚔(くさめ)かな
山盛(やまもり)の花の吹雪や犬の椀
卯の花の垣根に犬の産屋(うぶや)かな
赤犬の欠(あくび)の先やかきつばた

古郷や馬も元日いたす㒵(かほ)
一つ舟に馬も乗りけり春の雨
どかどかと花の上なる馬ふん(糞)かな
順礼が馬に乗りけり秋日和
柴栗や馬の尿(ばり)してうつくしき
松の木に馬を縛つて角力(すまふ)かな
雪解けにしなのゝ駒のきげんかな

しぐるゝや牛に引かれて善光寺

初午に無官の狐鳴きにけり
もう一つ狐の穴へ御慶(ぎよけい)かな

往来の人にすれたる鹿子(かのこ)かな
足枕手枕鹿のむつまじや
夜あらしの鹿のとなりに旅寐かな
奈良山の神の御留主(おるす)に鹿の恋
むら萩に隠れた気かよ鹿の㒵(かほ)

舞猿や餅いたゞきて子にくれる

狙丸(さるまろ)が薬礼ならん柿ふたつ
狙引(さるひき)は猿に持たせて几巾(いかのぼり)

とし棚や闇(くら)い方より福鼠
春風や鼠のなめる角田(すみだ)川

瓜の香に手をかざしたる鼬かな

木がらしにぐすぐす豕(ぶた)の寝たりけり

白魚のどつと生まるゝおぼろかな

鵜の觜(はし)をのがれのがれて鮎さびる

大江戸や犬もありつく初鰹

うたかたや淡(あは)の波間の平家蟹
芦の穂を小楯(こだて)にとつて平家蟹

ふぐ汁やもやひ世帯の惣鼾(そういびき)
五十にして鰒(ふくと)の味を知る夜かな
誰やらが面(つら)にも似たる鰒(ふくと)かな
とら鰒の何をふくるゝ年の暮
浅ましと鰒や見るらん人の顔

永の日を喰ふやくはずや池の亀
どこへなと我をもおぶへ磯の亀

住みづらい里はないとや身寄虫(がうな)どの

魚どもは桶と知らでや夕凉
萍や魚すくふたる小菅笠

深川や蠣殻(かきがら)山の秋の月

人ならば仏性(ほとけしやう)なるなまこかな

古郷は蠅すら人をさしにけり
もろともに須磨一見か笠の蠅
やれ打つな蠅が手を摺り足をする
剃り立ての頭(つぶり)を蠅に踏まれけり

はつ蝶の夫婦連れして来たりけり
初蝶のいきほひ猛(まう)に見ゆるかな
蝶見よや親子三人寝てくらす
むつましや生まれかはらば野辺の蝶
墨染の蝶もとぶなり秋の風

初蝉といへば小便したりけり
小坊主や袂(たもと)の中の蝉の声
蝉鳴くや山から見ゆる大坐敷
寒いぞよ軒の蜩唐がらし

蚤の迹(あと)数へながらに添乳(そへじ)かな

うつるとも花見虱(じらみ)ぞよしの山
形代に虱おぶせて流しけり

我が袖に一息つくや負け螢
行け螢手の鳴る方へなる方へ
手の皺が歩み悪(にく)いか初螢
大螢ゆらりゆらりと通りけり
辷つたをそれ見たかとや行く螢

人ありや更けて蚊叩く庭の月
昼の蚊やだまりこくつて後(うしろ)から
蚊の声に馴れてすやすや寝る子かな
年寄と見るや鳴く蚊も耳の際(きは)
むらの蚊の大寄合や軒の月

人喰ふた虻が乗るなり蓮の花
痩脛(やせずね)や凉めば虻に見込まるゝ

店先(たなさき)に釣し捨てたり袋蜘(ふくろぐも)

孑孒が天上するぞ三ヶの月
孑孒も御経の拍子とりにけり

たをやめの側へすりよる毛虫かな

蟻の道雲の峰よりつゞきけり

蟷螂(たうらう)や五分(ごぶ)の魂見よ見よと
蟷螂が片手かけたりつり鐘に

御仏の鼻の先にて屁ひり虫

蜂の巣のぶらり仁王の手首かな

みぞ(溝)川をおぶさつてとぶいなごかな

やあしばらく蛼(こおろぎ)だまれ初時雨
蛼が髭をかつぎて鳴きにけり

そば所と人はいふなり赤蜻蛉
蜻蛉(とんぼう)の尻でなぶるや角田(すみだ)川
遠山が目玉に映るとんぼかな
馬の耳ちよこちよこなぶるとんぼかな

蛬(きりぎりす )鳴くやつゞいて赤子泣く
蛬身を売られても鳴きにける
凉風や力一ぱいきりぎりす
寝返りをするぞそこのけ蛬
蛬きりきり死にもせざりけり

以上



















以上

# by 575fudemakase | 2024-03-18 13:28 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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