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辻田克巳句集『春のこゑ』

辻田克巳句集『春のこゑ』

私が興味をもった句。
いちいち解説しようとおもったが
入力がめんどくさいので止めた。
確かこの句集 俳人協会賞をもらった句集?


●新しき自転車浜の子の三日
●補助輪のもう要らぬ子や春の風

●正月の八坂詣も恋がらみ
●三川落ち合うてそれからゆつくり春
●守山
 ホタル座のホタル公園蛍川
●焼酎は「美山」と申し翁も召す
●てのひらの九月一滴化粧水
●尾花蛸とてぞんざいにわし掴み
●貼りかへし障子の外を鞍馬線
●お茶漬にのせて白沢庵の品
●炬燵出て取りにゆくのも億劫な
●大き葉を落とせしあとの朴の空
●久保幹児死す
 氣をおつけ下さい寒いから暗いから
●ほこほこのひじきごはんの設けなり
●ふれ太皷てんてん浪花場所天満
●囀に羽摶くのみの籠の鳥
●鳥籠の落し戸かるき春の朝
●堰の落椿に刻の滞る
●椿落つ人にもあつといふ刹那
●ホーホケキョ俳人正樹ありけりと
●囃子どんひやらぺんぺんと春祭
●隧道の三半規管ぬけ首夏へ
●蠅群れて誹謗し合うてゐる如し
●腋さむく行水名残とぞ思ふ
●おしろいやこはいおばさんだつたけど
●冬支度やれ押入ぢゃ物置ぢゃ
●伊予行
 子規堂を恋ひ来てみれば秋の暮
●去年のこと言ひながら妻種を採る
●理髪灯小春日和のねぢりあめ
●年の湯の老の身によく言ひきかす
●ごばうこんにやくしし鍋は何でも可
●三寒の過ぎし思ひや水に塵
●厠に起つ夢の厠も寒かりき
●あたたかきこととしよりによきくすり
●岩屋寺
 殊に春寒受付の筆硯
●度忘れを麗らの所為にしてをりぬ
●木瓜咲いて韓紅の上天気
●チューリップ全開パアといふ揶揄語
●きりりころろと田蛙の音合(チューニング)
●蕗剥いてすこやかに主婦五十年
●糸みみず戦ぎ政令指定都市
●夏布団起きざまはこのていたらく

●降る雹にイタイイタイは塗炭屋根
よく子供のころ、腕なんかを家具にぶつけると「痛い痛いの、飛んで行け~」と腕をさすっ てもらった記憶があるのではないかと思います
●灸花急に欠席とは非道い

●山水の二荒は爽氣より霊氣
●秋冷を檄湍にして大谷(だいや)川

●種ぎしと通草は甘き餅包(ぐる)み

●大根をあたため直す餉なりけり

●日はかつと寒気貫き持国天
●焚火びと大きな話してをりぬ
●落葉焚器物を叩き割りてくべ
●酌みながら身を捩ぢて降る雪を見る
●もぐり込む毛布老には老の明日
●大年の搬びて重きものばかり



●木の根つこふと子兎になりすます

因みに辞書類で調べると次のようである。

「待ちぼうけ」(まちぼうけ)は、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の唱歌(童謡)である。1924年(大正13年)に、満州唱歌の一つとして発表された。

歌詞

1.
待ちぼうけ、待ちぼうけ
ある日せっせと、野良稼ぎ
そこに兔がとんで出て
ころりころげた 木のねっこ

2.
待ちぼうけ、待ちぼうけ
しめた。これから寝て待とうか
待てば獲物が驅けてくる
兔ぶつかれ、木のねっこ

3.
待ちぼうけ、待ちぼうけ
昨日鍬取り、畑仕事
今日は頬づゑ、日向ぼこ
うまい切り株、木のねっこ

4.
待ちぼうけ、待ちぼうけ
今日は今日はで待ちぼうけ
明日は明日はで森のそと
兔待ち待ち、木のねっこ

5.
待ちぼうけ、待ちぼうけ
もとは涼しい黍畑
いまは荒野(あれの)の箒草(はうきぐさ)
寒い北風木のねっこ


守株待兔

歌詞は中国の法家の思想書の一つ『韓非子』の中にある説話「守株待兔」(しゅしゅたいと、くひぜをまもりてうさぎをまつ)から録られたものである。説話の内容は、

昔宋に農民がいた。彼の畑の隅に切り株があり、ある日そこにうさぎがぶつかり、首の骨を折って死んだ。

獲物を持ち帰ってごちそうを食べた百姓は、それに味をしめ、次の日からは鍬を捨て、またうさぎがこないかと待っていたが、二度と来なかった。そのために作物は実らず、百姓は国の笑いものになった。

ここから守株(しゅしゅ)という成句ができた。本来は、古い習慣に確執し、全く進歩がないこと、また、臨機応変の能力がないことの意味であり、韓非はこの説話を、古の聖人の行ったような徳治を行うべきだという儒家の主張を批判し、「昔の統治方法をそのまま用いるのではなく、時代に合わせて変えるべきだ」という文脈で用いた。


同様に唱歌がらみで次の句がある。
●耕筰の秋夕焼のなか帰る

次句も唱歌がらみであろう

●よく遊べ蝌蚪は水の子光の子

「われは海の子」
作詞作曲者不詳/文部省唱歌(六年)


我は海の子白浪(しらなみ)の
さわぐいそべの松原に、
煙(けむり)たなびくとまやこそ
我がなつかしき住家(すみか)なれ。

生れてしおに浴(ゆあみ)して
浪(なみ)を子守の歌と聞き、
千里(せんり)寄せくる海の気(き)を
吸(す)いてわらべとなりにけり。

高く鼻つくいその香(か)に
不断(ふだん)の花のかおりあり。
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽(がく)と我は聞く。

(今の教科書では、以下は載せていません)

丈余(じょうよ)のろかい操(あやつ)りて
行手(ゆくて)定めぬ浪まくら、
百尋(ももひろ)千尋(ちひろ)の海の底
遊びなれたる庭広し。

幾年(いくとせ)ここにきたえたる
鉄より堅(かた)きかいなあり。
吹く塩風(しおかぜ)に黒みたる
はだは赤銅(しゃくどう)さながらに。

浪にただよう氷山(ひょうざん)も
来(きた)らば来(きた)れ恐れんや。
海まき上(あ)ぐるたつまきも
起(おこ)らば起れ驚(おどろ)かじ。

いで大船(おおふね)に乗出して
我は拾わん海の富
いで軍艦(ぐんかん)に乗組みて
我は護(まも)らん海の国

次句は佳句ではなかろうが 現代の語彙 言葉の使い方を踏襲していて
何かやいわんやである。

●暖かの今日は自乗とでもいふか
●在五忌のヘアトニックの匂ふ老
●いちじくや平成のイヴ眼鏡かけ
by 575fudemakase | 2013-07-04 08:38 | 句集評など | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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