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HAIKU201309sono4

HAIKU201309sono4

胴叩き遣る裸木の充実ぶり
幾年懸け磨きのかかる大夏木
きちんと云へダリアではなくダーリアと
家内(いえうち)を覗きゐる花ダーリアぞ
延焼の火元の家の黒ダリア

初産以来
妻の勲章静脈瘤は露草いろ

夏暁より妻の洗濯ごくろうさん
畑の空日毎に澄んでダリア咲く
鳴き移る虫ゐる空の広らかなり
捨子花などと碌でもなき呼び名
またひとり晩夏のはらから連れ去られ
「死」に関するエッセイ拾ひ読む短夜
夏暁のポストに押し込む新聞紙

横浜パシフィコ
マンモスの小僧展ある夏休

宿題先づ算数片づけ夏休

小沢昭一
唐来参和黄泉にて再演変哲忌

男気のぷんぷん万燈練り御輿
列島を湿舌ねぶりゲリラ雨
ゲリラ豪雨に遭ひしと声す玄関口
稲びかり軋む雨戸を引き納め
花鳥の名銘に織り込む地酒の秋
お小皿を四方に侍らし今年酒
しろしろと雲澄むほどに夜の更けぬ
近頃とんと泥酔を見ず星月夜
木枯らしに喚き散らして千切れる声
穂草戦がす風が其処にはありました
歳晩の篭の端から覗く葱
冬に入る蕪の色白葱の清冽
藺枕を抱きよぎれる八畳間
夕焼中葉書片手に買物へ
店混で安値のもやし値の張る葱
夕焼けの今もとあふぐ西の空
夕焼けの余韻を今も西のそら
今も授業で教ふか緑肥のげんげ畑
推敲ややたらいじっていけない文字

中原道夫さんより「百句百話」を賜る
端居して自句自解てふ蘊蓄本

夏呆けもいいとこ原発続けると
鳴きながら蝉玄関に入り来るよ
其処起って庭を横切る秋の風
簾に慣れ裸身暮らしも大胆に
覚束ぬ蝉音も金銭感覚も
昼寝して扨てそれからが問題だ
妻の云ふ「蟻にご飯をあげずとも」
付きまとふ暑さかわすに大昼寝
類焼に逢ふごと蝉音の退きゆくは
夕端居手術の傷痕すべすべす
延焼のごとく退きゆく蝉音とも
秋の風家の回りの木を渡り
前の風後ろの風に追ひつかれ
木より木へ移ろふものに秋の風
昼寝して折々風の抜ける家
竹箸の尖が焦げゐる蝉しぐれ
トラクター唐黍の影圧(へ)し折りゆく
感受性桃の産毛によう似とる
頭に句集乗せて欣(よろこ)ぶ獺祭り

何で
「五百句」と命名するも雪月花

また昼寝脊椎狭窄患ひて
長雨に柿の結実詳らか
黄ばみては柿の結実始まれり
こよなく降る雨といふものすいかずら
柿の実の見えくる空に透けるビル
猛暑にも独り奮闘救急車
銭湯をぬと出て対す扇風機
八月来巨き石には巨き翳
夏磧石てふ石のまとふ翳
あめんばう出番が来たと滑走す
半島の小玉西瓜に高値付く
獅子唐の炒めご飯に食さかん
八月の水酷使され洗濯機
夜濯ぎにでんぐり返る水道水

「濱」最終同人会
白芙蓉閉づを見守りゐる心地

実珊瑚に意気消沈の径つづく
向日葵の前傾姿勢県警前
さわやかや黒地に白抜きPOLICEの文字
秋草に硬軟の茎搖れ違え
いつとなく穂の白くなるゑのこ草
そよそよとそよの字を描く狗尾草

自嘲
人並みに體格立派いぼむしり

銭湯の秋ともなれば煤け不二
裸身(はだかみ)に湯屋の天井高きこと
天高し同じく湯屋の天井も

文化遺産登録
銭湯の富士も遺産の仲間裡

大正エビ一人に六匹とは豪勢
大正エビ夕餉の膳に涼流し
バス停は虫音に埋もれ夜の秋
一礼し膝を気にする負力士
樟の木の蝉声白雨に払はれて
紙袋提げて降り立つ盆の駅
紙袋幾つも提げて盆帰省
自転車のスポーク秋光跳ね返し
裏返す灼けてぶつぶつ云ふ秋刀魚
水筒を首より提げて蝉捕る子
孟宗の百幹の間涼気過ぐ
捕虫網肩にぞろぞろ遺跡の森
延々と蚯蚓を呑みて蟻の列
はたはたと蜻蛉沿ひ飛ぶ墳墓群

都筑民家園
やぶめうが薄きひかりをまとひけり

里芋の畑の一角ばらけをり
蜻蛉と云へばムギとシオカラムギが飛ぶ
潜水艦も蜻蛉もものの底を這ふ
銭湯に午から浸かり終戦日
日盛りの銭湯にゐて搖蕩(たゆと)ふ身
炎天のバス停ほんに無一物
遮蔽物何一つ無き真炎天
コンクリに灼け萎えるのみ一穂草
盆花の葉屑藁屑ごちゃまぜに
夏書して鎮め得るもの鎮まらせ
墳山に産毛のやうに生ふ穂草
ランニングシャツ駆け抜けてにほふ汗
ランニングシャツ一枚に透ける胸
待ち合はせ駅にて待てば昼の虫
接触し車は大破灼け舗道
蜻蛉より遠眼が利くと峠見て
樹といふ樹名札ぶらさげ秋に入る
木の廻り誰がぶちまけし青どんぐり
かまきりと蝶囚われて一つ篭
揚羽来てニレ科ブナ科の多き森
狼藉の跡詳らか捨てどんぐり
ものの芽のポツポツ墳の盛り土に
佳き風の通るところに夏爐あり
落蝉のむくろ見しより白む風
工房に親子の集ふ夏休み
紅蜀葵蝶に秋波を送るなり
風来れば擦れ合ふ垂穂に聞き耳たて
瑠璃揚羽に色目をつかふ曼珠沙華

てめえこらそこまでやるか水鉄砲
墳巡る連れは塩辛蜻蛉にて
水鉄砲遣りたい放題濡れねずみ
高床住居床下麦藁蜻蛉(ムギワラ)潜りゆく
竪穴住居炉端涼しと暫し居る
竪穴住居集落蜻蛉に付き従ひ
まだ解かれぬ現場検証葛の昼
一、二に突進角力は勝機掴むまで
蕎麦畑に落ちておらぬか石鏃
吸ひ付ける鱗が苦手潮汁
骨に番号附けて陳列夏館
豊作まで指を銜えて金次郎

以上
by 575fudemakase | 2013-09-29 17:32 | 自作 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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