冬の日(その1)

冬の日(その1)

冬の日 冬日 冬日向 冬日影 の例句
(俳句例句DBより)


この草をわが草として冬の日のうすくなるまで横はるなり 土屋文明
たゝかひのまなかの冬の日と仰ぐ 高橋馬相 秋山越
つつしみ繰る平家の系図冬の日に 杉本寛
どすんと冬の日が暮れ一人の獄は一人なり 橋本夢道 無礼なる妻
ふるき帽いただき冬の日にちかく 細谷源二 鐵
まな鶴も短き冬の日あし哉 也有 (真鶴ケ崎)
ハンモックの吾子冬の日が桐の木に 中山純子 沙羅
一軒のために冬の日ある如し 山中みね子
全身が書に飢えて冬の日は海となる 橋本夢道 無禮なる妻抄
冬の日 青い魚が せわしく買われて暮れた 吉岡禅寺洞
冬の日が墓墓の影を天に吊る 下村槐太 天涯
冬の日が羞らひともる児の耳に 林翔 和紙
冬の日が風にゆらゆら骨納め 細川加賀
冬の日が鷺を舞はせて充ちてをり 高橋馬相 秋山越
冬の日とわれと消ぬべき一呼吸 齋藤玄 『雁道』
冬の日と余生の息とさしちがふ 齋藤玄 『雁道』
冬の日にのけぞる檻の羆かな 太田鴻村 穂国
冬の日に埴輪掘りたる人死ぬか 萩原麦草 麦嵐
冬の日に焼けて今年の猟終る 甲斐 謙次郎
冬の日に透けてウツボの天日干し 高澤良一 随笑
冬の日に釦をかがる卒寿かな 阿部みどり女 月下美人
冬の日に駱駝の鼻先白っぽく 高澤良一 鳩信
冬の日のあをむところに針魚干す 友岡子郷
冬の日のいちばん底にゐるつもり 糸屋和恵
冬の日のいま松に落ち畦に落つ 水原秋櫻子
冬の日のおだやかなる息苦しけれ 冬の土宮林菫哉
冬の日のこの土太古の匂ひかな 飯田蛇笏 霊芝
冬の日のしばらく照らす我身かな 高野素十
冬の日のふつと離るる余呉の湖 下條杜志子
冬の日のまぶしくなりて力抜け 阿部みどり女
冬の日のみるみる低き供華挿せる 齋藤玄 『玄』
冬の日のむごき墓石選びかな 斎藤玄 雁道
冬の日のやつがれいくや出でていくや 加藤郁乎
冬の日のゆめに入りたる橋一つ 宇佐美魚目
冬の日の三時になりぬ早や悲し 高浜虚子
冬の日の乳よりも濃し楮汁 沢木欣一 地聲
冬の日の亡夫の木椅子揺らし遣る 殿村菟絲子 『菟絲』
冬の日の今はなくとも観世音 星野高士
冬の日の刈田のはてに暮れんとす 正岡子規
冬の日の古墨のはなしそれ限り 宇佐美魚目 天地存問
冬の日の喪服の肩のうすぼこり 土田 広
冬の日の夕照橋を渡りけり 青木重行
冬の日の失せたる塔を仰ぎをり 五十嵐播水 播水句集
冬の日の小藪の隅に落ちにけり 子規遺稿子規句集 正岡子規
冬の日の尼をふり向く夫ありて 殿村莵絲子 牡 丹
冬の日の川釣の竿遺しけり 宇佐美魚目 秋収冬蔵
冬の日の我が影を置く都かな 佐藤惣之助
冬の日の暮の畳に酒を吸はれた 人間を彫る 大橋裸木
冬の日の朝晴全き静けさよ 青峰集 島田青峰
冬の日の杉うごき雲の動きひとり居 安斎櫻[カイ]子
冬の日の柵に相寄り象と人 小間さち子
冬の日の水をはなれし鯉の息 宇佐美魚目 天地存問
冬の日の沈むを惜しむわれのみか 星野立子
冬の日の海に没る音をきかんとす 森澄雄
冬の日の照りゐる嶽のうらおもて 栗生純夫 科野路
冬の日の眩しと吾子や病めるなり 石塚友二 光塵
冬の日の眼に満つる海あるときは一つの波に海はかくるる 佐藤佐太郎
冬の日の筆の林に暮れて行く 正岡子規
冬の日の羅漢寄せあふ咽喉佛 古舘曹人 砂の音
冬の日の胸かい抱き町を行く 阿部みどり女
冬の日の落ちて明るし城の松 子規句集 虚子・碧梧桐選
冬の日の落つるを沼は息ひそめ 石井とし夫
冬の日の言葉は水のわくように 鈴木六林男
冬の日の障子白さや吸入器 碧雲居句集 大谷碧雲居
冬の日の雁の背丈の寸づまり 齋藤玄 『雁道』
冬の日の露店のうしろ渡るなり 岸田稚魚
冬の日は墜ちーぽんの葦のこる 富澤赤黄男
冬の日は赤く涙はあたたかし 萩原麦草 麦嵐
冬の日やざしきぼつこがゐはせぬか 山田みづえ 木語
冬の日やすがたただせし軍鶏の丈ヶ 松橋利雄
冬の日やつれなく残る蓮の茎 松瀬青々
冬の日やとけては氷る忘れ水 一鼠
冬の日や亡児がうつしゑの曇り拭く 林原耒井 蜩
冬の日や仏の花の松ぼくり 野村喜舟 小石川
冬の日や兄のかたくななつかしき 野村喜舟 小石川
冬の日や写真の隅をいつも占む 八牧美喜子
冬の日や前に塞がる己が影 村上鬼城(1865-1938)
冬の日や去るに遺せし印一つ 宮武寒々 朱卓
冬の日や園の中なる径の枝 尾崎迷堂 孤輪
冬の日や塩の中なる浄め塩 鷹羽狩行
冬の日や大きな柳ゆれてゐる 岸本尚毅 選集「氷」
冬の日や富士を残して落ちにけり 種市清子
冬の日や屋上の吾を見ぬ人等 香西照雄 対話
冬の日や庭木の枝の地に近く 南 うみを
冬の日や指しぬきぬるき魚の棚 水田正秀
冬の日や樹を伐仆す五六本 石井露月
冬の日や欄の埃を吹いて凭る 龍胆 長谷川かな女
冬の日や歯医者が鳴らす金属音 伍賀稚子
冬の日や火種大事にやきとり屋 金子佳子
冬の日や父が手擦れの菓子木型 石嶌岳
冬の日や知らぬ町に来て人を訪ふ 室生犀星 犀星発句集
冬の日や磯路は濡れて松落葉 有働亨 汐路
冬の日や縁の下まで箒の目 長谷川櫂
冬の日や老もなかばの隠れ笠 智月 俳諧撰集玉藻集
冬の日や臥して見あぐる琴の丈 野澤節子(1920-95)
冬の日や苔に水打つ法善寺 青木重行
冬の日や蜂も親しきもののうち 奥野桐花
冬の日や蝶々が吸ひ水減りぬ 金子晋
冬の日や象の病気をみておわる 宇多喜代子
冬の日や障子をかする竹の影 芥川龍之介 蕩々帖〔その二〕
冬の日や雀煤けて駅の屋根 野村喜舟 小石川
冬の日や馬上に氷る影法師 芭蕉
冬の日や馬關の潮瀬衰へず(下関) 上村占魚 『橡の木』
冬の日や鵜匠の羽織る黒紬 殿村莵絲子 花寂び 以後
冬の日や龍の落し子長汀 野村喜舟 小石川
冬の日をだんだら縞に幹の幸 細谷源二 砂金帯
冬の日をまぶしみ母のふところに 椎橋清翠
冬の日を仰ぎ目くらむ一事かな 岸田稚魚 『紅葉山』
冬の日を高きに陸上競技場 片山由美子
冬の日を鴉が行つて落して了ふ 橋本多佳子
冬の日聰きもの鯉は人に竹林は風に 安斎櫻[カイ]子
古都歩きゐて冬の日の真あたらし 鷲谷七菜子
壁の荒れ慈しむ目と冬の日と 殿村莵絲子 牡 丹
太幹のしづかさ冬の日をながし 長谷川素逝 暦日
峠に見冬の日返しゐし壁ぞ 深見けん二
左右ありや子の沓冬の日に穿かす 皆吉爽雨
恋破れたり冬の日のスタジアム 和田耕三郎
旧くて大きな銀杏が冬の日と話す 磯貝碧蹄館 握手
月桂樹剪られて冬の日に匂ふ 山田登美子
梟の眼に冬の日午なり 子規句集 虚子・碧梧桐選
泥沼に冬の日の堕ちゐたりたり 上野泰 春潮
炎々と燃ゆ冬の日の遠きゆえ 萩原麦草 麦嵐
父と母の御墓一つ冬の日に 長谷川かな女 雨 月
珈琲を飲むとき冬の日は斜め 今井杏太郎
石に水触れ冬の日のちりぢりに 斉藤夏風
穏やかな冬の日着物たたみけり 猪俣千代子 堆 朱
窓を拭く冬の日は手で包めさう 西村和子 かりそめならず
緑蔭の冬の日に似るレストラン 京極杞陽 くくたち上巻
花屋敷冬の日の乗る観覧車 高澤良一 燕音
苔さわぐことなき冬の日なりけり 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
蕪干せば冬の日低うなりにけり 松瀬青々
身起すや冬の日が先づ心火挙ぐ 成田千空 地霊
長いまつ毛して冬の日病んでいる 荻原井泉水
降るものに数ある冬の日よりかな 渡牛 五車反古
露座仏の背に冬の日のありにけり 井上一灯
頭重き冬の日ことに神は近し 田川飛旅子 『外套』
魚剖きて余念なかりし一枚のうす刃となりてありし冬の日 安永蕗子
鯉の朱の澄みぬ冬の日深むごと 橋本榮治 麦生
「いろはにこんぺえと」地を跳べ地が父冬日が母 磯貝碧蹄館 握手
「黄金バット」が吃るよ冬日が眼にしむよ 磯貝碧蹄館 握手
いかに生きよといふにや冬日晴るゝのみ 安斎櫻[カイ]子
いくさ経し罅硝子戸の冬日かな 徳永山冬子
いつぽんの幹のさへぎる冬日なり 長谷川素逝 暦日
いつもここで冬日の終り川一条 千代田葛彦 旅人木
いつ失せてもよき瀬戸物屋の冬日 加倉井秋を 『欸乃』
いづこにも冬日いちにち来給はず 飯田龍太
お化け煙突冬日を赤児のごと抱けり 磯貝碧蹄館 握手
かくれ鬼冬日の塀に顔あてて 上野泰 佐介
かげる山のうしろ照る山冬日低し 相馬遷子 山国
かすかにも冬日のさして来りけり 高木晴子 晴居
かの日さながら路傍冬日の肥桶達 赤城さかえ句集
から~と落込んで行く冬日かな 高浜虚子
ぎつしりの材木の底にある冬日 臼田亞浪 定本亜浪句集
くくり女と同じ冬日にうづくまる 細見綾子 存問
くちづけは永きものかな冬日華奢 齋藤玄 『玄』
くらしつまるか村人に美しき冬日の空(戦時體制) 安斎櫻[カイ]子
くれなゐのこゝろの闇の冬日かな 飯田蛇笏
けだものの食欲る目もて冬日見る 右城暮石
ここいら松ばかりの冬日の小さい家がある 人間を彫る 大橋裸木
ことごとく冬日に顔を突き出し征く 石橋辰之助
すがれゐしものにあまねき冬日かな 稲畑汀子
すきまなくかたまる羊冬日落つ 石井とし夫
すぐ翳る冬日の家も捨てかねつ 清水基吉 寒蕭々
すでにすでに冬日を鼻におん屍 石塚友二 光塵
すべり台冬日溜りへ子等こぼし 塙告冬
すめらぎの城壁の冬日雉子いでず 渡邊水巴 富士
せきれいの来て一閃の冬日さす 柴田白葉女 遠い橋
そのあとの冬日昃ることもなく 波多野爽波 鋪道の花
たまたまの風音にかすむ冬日かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
つかの間の冬日つかの間逢ひ得たり 成瀬桜桃子
つかの間の冬日にたれし日覆かな 中尾白雨 中尾白雨句集
ときのまの黄瀬戸の色の冬日見し 相生垣瓜人 微茫集
とろ~と冬日が溶ける埴輪かな 萩原麦草 麦嵐
どすんと冬日男は鉄器女は土器 窪田丈耳
にはたづみ冬日まみれや白毫寺 岸田稚魚 筍流し
はなやぐ冬日昔国禁の書なりしを 内藤吐天 鳴海抄
はりつめし人の面に冬日かな 阿部みどり女 笹鳴
ひとやさし背に置かれし冬日また 木下夕爾
ひとりゆけば雉子たつ墓の冬日かな 龍岡晋
ひよどりの持ち来し冬日墓の上 岸田稚魚 筍流し
ひよどりの瘠せ眼に立ちて冬日なる 室生犀星 犀星発句集
ふたまたの幹へながれて冬日かな 長谷川素逝 暦日
ぶらんこを漕ぎ上げてゆき冬日蹴る 川口重美
もちの木の上の冬日に力あり 高野素十
やはらかき餅の如くに冬日かな 高浜虚子(1874-1959)
ゆらゆらと冬日のたばこ稼ぐ時間 椎橋清翠
ゆるすまじ富士真ッ向うに冬日の基地 栗林一石路
よこたはる杖を冬日がじつと見る 竹中宏 句集未収録
よび出して聞きたる声に冬日さし 長谷川かな女 雨 月
わが山のしゞまぞ冬日耳に鳴り 石橋辰之助 山暦
わすれゐるときのうれしさ冬日濃く 木村蕪城 一位
われぬくめ没りし冬日よ誰れあたたむ 中戸川朝人
をちかたのみどりさだまる冬日かな 長谷川双魚 『ひとつとや』
をとこにありてをんなにあらぬ冬日暮 平井照敏
タンカーの曳きずつてゆく冬日かな 下田水心子
トマス小崎身丈かなしく冬日浴ぶ 下村ひろし 西陲集
バラックも並めば冬日にこの明るさ 香西照雄 対話
ポストの頭冬日てらてら虚実古り 木村蕪城 寒泉
マッチ擦る横浜の坂冬日満つ 皆吉司
マリヤの前母亡きわれの背に冬日 成瀬桜桃子 風色
ローンテニス冬日の肩の触れあふも 萩原麦草 麦嵐
ヴェニスにて死ぬべし冬日沈むとき 有馬朗人
一人旅気楽で淋し冬日浴ぶ 山田弘子
一度だけの波音冬日昏れにけり 桂信子 黄 炎
一日の暖かなりし冬日落つ 上村占魚 球磨
一隅をひたと照らして冬日去る 鬼塚梵丹
七面鳥冬日の中にわらひけり 原石鼎 花影以後
中年工女冬日笑むごと弁当開く 岩田昌寿 地の塩
主も大工冬日ぬくめし鑿を買ふ 有馬朗人 知命
乳ふくむ仔豚が冬日の芯となる 岩田昌寿 地の塩
乳を滴りて母牛のあゆむ冬日かな 飯田蛇笏 霊芝
乳牛のそよりと動く冬日哉 中川宋淵 詩龕
二間貰て冬日のひくしみだれ籠 廣江八重櫻
五分粥の一匙にある冬日かな 井上雪
五重の塔の朱は朱からず冬日落つ 阿部みどり女 笹鳴
井桁に乾し薪を冬日の塔となす 川口重美
亡き人の鼎に現るる冬日かな 永田耕衣 物質
人たちて椅子の冬日もいつかなし 福田蓼汀 山火
人として冬日の鹿の眼過ぐ 神蔵器
人の家辞し市電の隅にこの冬日 香西照雄 対話
人よれば驢馬うれしがる冬日哉 阿部みどり女 笹鳴
人を待つ冬日に頬を輝かし 成瀬正とし 星月夜
人刺しし蜂が冬日を煌めかす 山田弘子
人家あるところ冬日のよく當り 上村占魚 『霧積』
人遠く低き冬日のもとにあり 木村蕪城 一位
人黙り冬日の岩にいどみゐる 石橋辰之助 山暦
今しがたありし冬日の其処に無し 粟津松彩子
今下りし塔に冬日や浄名会 雑草 長谷川零餘子
今在りし冬日の何処へ十賊刈 高澤良一 ぱらりとせ
今日もきて冬日百くる真珠筏 和知喜八 同齢
何か慌し立つは冬日のどん底に 赤尾兜子
何ごともなかりし如く冬日あり 星野立子
何よりも冬日が馳走仏日庵 高澤良一 さざなみやっこ
使へる鉛筆地上に拾ひ冬日拾ふ 磯貝碧蹄館 握手
俳句とは冬日だまりのひとり言 今井杏太郎
倶利伽羅の西にまはりし冬日かな 前田普羅 能登蒼し
傷兵の冬日を犬がかきみだす 横山白虹
傾いて地蔵艶なる冬日かな 橋石 和栲
僻地校さらば冬日の葱坊主 堀井春一郎
兵児帯を探す机辺の冬日沿ひ 原裕 葦牙
円柱の並びつらなる冬日かな 比叡 野村泊月
冬日あたるうぶ毛の中のひよめき正し 篠原梵
冬日あびるに桜の園のひろすぎる 川島彷徨子 榛の木
冬日からりと歩み居る己れ無くもかな 中島月笠 月笠句集
冬日が 陰影を與えて ビルを墓石とした 吉岡禅寺洞
冬日が照る山容に応ふべし 中塚一碧樓
冬日が磨く骨董市のトランペット 西村和子 かりそめならず
冬日くさし一日離れてゐたりし子 細見綾子 花寂び
冬日こぼるるなら町の奈良格子 三輪陽子
冬日さし色のかげんの草の山 岡井省二
冬日さすあんかうの肌かはきけり 室生犀星 魚眠洞發句集
冬日さすこの道がまた楽しくて 中村吉右衛門
冬日さす上段の間に明治帝 木村蕪城 寒泉
冬日さす土間ぬち牛の孕み腹 木村蕪城 寒泉
冬日さす寝部屋恋部屋人待つも 岩田昌寿 地の塩
冬日さす式台ひろき山屋敷 西島麦南 人音
冬日さす柱列賽者ゆかしむる 皆吉爽雨 泉声
冬日さへ遠きに隔て門跡寺 大橋敦子 手 鞠
冬日さむう蜉蝣くづれぬ水の面 室生犀星 魚眠洞發句集
冬日さやかと告ぐれば頷く死迫る額 赤城さかえ句集
冬日しかと匙の光となりて澄む 柴田白葉女 遠い橋
冬日すぐかげる木椅子を毎日出す 中山純子 沙羅
冬日たかし乙女らがいて琴ひく家 古沢太穂 古沢太穂句集
冬日といふこのいとほしきもの膝にあり 角川春樹
冬日なき芝にマッチの軸こぼす 横山白虹
冬日なめらか今は父母なきたしかさよ 石塚友二 光塵
冬日に伸ばす皺を無限に狂女の老 岩田昌寿 地の塩
冬日に干す籠に縋りて貝死なず 林翔 和紙
冬日に微笑師弟切磋は会へば足る 香西照雄 対話
冬日のぼる焼跡大きな影のごと 桜井博道 海上
冬日の松皮剥げやすし一人居む 内藤吐天 鳴海抄
冬日の枝に鴉も去んでしまつてまたオルガン 三好草一
冬日の縁弾み通せり今金色 香西照雄 対話
冬日の象べつの日向にわれらをり 桜井博道
冬日の馬うなづくはばのみ進む 安東次男 裏山
冬日は一つ幸福もまた多からず 細谷源二 砂金帯
冬日もとより人をなぐさむるものでなく 細谷源二 砂金帯
冬日やさし濃娘壺抱くは添乳めき 成瀬桜桃子 風色
冬日よぎる軽子の畚翼めき 小林康治 玄霜
冬日よりあをしイエスを描きたる 野見山朱鳥
冬日を頒つ友なし山を開拓す 細谷源二 砂金帯
冬日一ぱい受けて障子を閉し居る 青峰集 島田青峰
冬日今瞼にありて重たけれ 高浜虚子
冬日伸び狂人の手が伸ぶこぼれ飯 岩田昌寿 地の塩
冬日低し吾と子の間妻急がん 石田波郷
冬日低し鶏犬病者相群れて 石田波郷
冬日去る柱の影のついて行く 松本巨草
冬日呆 虎陽炎の虎となる 富澤赤黄男
冬日宙少女鼓隊の母となる日 石田波郷
冬日宙湧水八重にひらきけり 高澤良一 ぱらりとせ
冬日宙見る見る孤児が煙草吸う 石橋辰之助
冬日強し愛吉を殺した被爆の船の朽ちざま見よ 橋本夢道 無類の妻
冬日抱きゴールキーパー立ち上がる 藺草慶子
冬日掬ふ如き両掌や日向ぼこ 池内友次郎
冬日柔か冬木柔か何れぞや 高浜虚子
冬日浴びをる夫の背緋鯉の背 中山純子 沙羅
冬日浴び鳶の炯眼彫り深し 香西照雄 対話
冬日浴ぶとき翼せり翌檜 松山足羽
冬日消えとほき島山に紺還る 篠原梵 雨
冬日消え池のほとりの女消え 高野素十
冬日消ぬわが悔恨にかゝはりなく 横山白虹
冬日消ゆオコジョのやうにすばしこく 高澤良一 寒暑
冬日消ゆ道は築地を左右となる 皆吉爽雨 泉声
冬日澄む天のまほらゆ火は降るや 久米正雄 返り花
冬日濃きことに心を集めをり 後藤夜半
冬日濃く林泉の橋さへ苔匂ふ 岸風三楼 往来
冬日濃しわが手汚さぬことばかり 岩岡中正
冬日濃し冬日淡しと干す瓦 後藤比奈夫 初心
冬日濃し山羊の毛残る土器太鼓 都筑智子
冬日燦々さよならを終の一語とす 赤城さかえ句集
冬日移るちりめん白地一寸織られ 橋本多佳子
冬日縁はなし一とときはずみけり 飯田蛇笏 山廬集
冬日缺けても人を敬いて座しいたり 細谷源二
冬日義理ほど石山の石切るに 津田清子 二人称
冬日見え鴉かたまり首伸ばす 西東三鬼
冬日踏む宗祗の碑より十歩ほど 細見綾子 天然の風
冬日蹴るくびれのふかき勁き足 篠原梵
冬日逃げるな河原の穴に石取女 沢木欣一 塩田
冬日透る子の駈けぼこり学強ひねば 香西照雄 対話
冬日閑薄き顱頂を笑ひ合ふ 石田あき子 見舞籠
出鉄を見し眼冬日の運河越ゆ 桜井博道 海上
分銅と冬日の縁に再会す 原田喬
切株に冬日二段の鋸の跡 大串章
刑務所も枕む冬日も汚れをり 成瀬正とし 星月夜
削る度冬日は板に新しや 香西照雄 対話
化粧成り女冬日に立ちいづる 波多野爽波 鋪道の花
千代田城げに太極の冬日かな 飯田蛇笏 春蘭
号外を見つつ冬日を来る二人 阿部みどり女
合はす掌の揃へば冬日燦爛と 下村ひろし 西陲集
向かひゐて禅問答に似る冬日 櫂未知子 貴族
吾が佇てば墓石傾ぎ来冬日の中 石塚友二 光塵
吾子の掌をつつみ冬日を掌につつむ 古館曹人
吾子生まる冬日幽かの妻を覗く 石川桂郎 含羞
呪文とけ冬日の亀が歩き出す 桂信子 遠い橋
噴火口のぞく片頬冬日が染む 鈴木真砂女 夕螢
噴火烟町に降るなる冬日かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
国愛しむまことに松の冬日かな 石塚友二 方寸虚実
垣へだてとなりの庭も冬日の菜 篠原梵 雨
埋立地冬日は己彩り射す 有働亨 汐路
城壁にあれば冬日が野に落つる 長谷川素逝 砲車
城頭に冬日衰へゆくときに 京極杞陽 くくたち下巻
塩田の上の冬日の頼母しき 高野素十
塩買ふや紫がかる冬日暮 細見綾子 花 季
墜ちてゆく 燃ゆる冬日を股挟み 三橋鷹女
墾田殖え墓殖え冬日あまねきのみ 香西照雄
壇上の教授の足に冬日あり 安原葉
売る本の重さ冬日の中に佇つ 飴山實 『おりいぶ』
多摩一すじ冬日に展け光なす 古沢太穂 古沢太穂句集
大いなる寺跡に来し冬日かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
大きなる空あり冬日あふれしむ(都築蕃椒居) 上村占魚 『石の犬』
大仏に袈裟掛にある冬日かな 高浜虚子
大仏の冬日は山に移りけり 星野立子
大仏の肩に冬日も風もながれ 京極杞陽 くくたち上巻
大仏の頬ゆたかなる冬日かな 池内友次郎 結婚まで
大仏は親し冬日はあたたかし 伊藤柏翠
大佛の冬日は山に移りけり 星野立子(1903-85)
大佛の冬日何よりなつかしく 池内たけし
大佛の頬ゆたかなる冬日かな 池内友次郎
大和国原冬日が額にあつまりぬ 細見綾子 黄 炎
大悪人虚子墓前なる冬日かな 行方克巳
大木の幹に影あり冬日濃し 上村占魚 鮎
大木をすべり落ちたる冬日かな 雑草 長谷川零餘子
大空の少し低きにある冬日 粟津松彩子
大空の片隅にある冬日かな 高浜虚子
大阪の冬日やビルにひつかかり 京極杞陽(きよう)(1908-81)
大阪市ぬくもりがほの冬日かな 日野草城




以上
by 575fudemakase | 2013-12-07 08:52 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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