師走

師走

師走、極月、臘月の例句を挙げる。


*ほうぼうの鰭を師走の街へ立つ 加藤耕子
「雲雀運輸」とは優しき社名飛ぶ師走 田川飛旅子 『使徒の眼』以後
あかんべのように師走のファクシミリ 小沢信男
いそがしく時計の動く師走哉 正岡子規
いま一つ赤らみ欲しき師走雲 高澤良一 鳩信
うぐひすの啼や師走の羅生門 蕪村 冬之部 ■ 春泥舎に遊びて
うすうすと紺のぼりたる師走空 飯田龍太
うちこぼすささげも市の師走かな 正秀 芭蕉庵小文庫
うるむ瞳の師走の妻よ何も云ふな 杉山岳陽 晩婚
おほまかな煤取りしたり降り師走 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
かくれけり師走の海の鳰 芭 蕉
かくれ家に金のとゞきし師走かな 比叡 野村泊月
かくれ家を訪ね佗びたる師走かな 比叡 野村泊月
かく多き人の情に泣く師走 相馬遷子 山河
かにかく帰りし白くあたたかく師走の空 古沢太穂 古沢太穂句集
がんがんと鉄筋のびる師走かな 高柳重信
くわん~と炭火おこれり師走店 温亭句集 篠原温亭
けだものの肉喰ひ師走の町に出づ 福田蓼汀 山火
けろ~と師走月よの榎哉 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
こざかしき師走の草の生れたち 斯波園女
この街の芭蕉の辻も師走かな 原田青児
この頃の師走さびれや娼家の灯 富田木歩
さいかちのこぼれこぼれつ師走かな 室生犀星 犀星発句集
さびしさや師走の町の道化者 増田龍雨 龍雨句集
しみじみと山に向へばすぐ師走 前野雅生
じたばたのじたの師走のちんどん屋 高澤良一 鳩信
すれ違ふ妻の気附かず町師走 榊原八郎
そら死や師走の町の酔倒れ 尾崎紅葉
そろばんをおくや師走の女房ぶり 高橋淡路女 梶の葉
つくろはぬものや師走の猿すべり 加舎白雄
とぎ水の師走の垣根行きにけり 木山捷平
なまじひに市に隠れて師走かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
ぬくぬくと師走日和や麦の丈 集馬
のぼりつめて師走満月葱もて指す 寺田京子 日の鷹
はしなくも彼と師走の書舗に逢ふ 高橋笛美
ふるさとの橋のかずかず師走かな 飯田龍太 山の木
ほのぼのと師走月夜や昔斎忌 飯田蛇笏 山廬集
わが師走即ち一児病院に 石塚友二 光塵
わが生れし町名消ゆる師走寒 下村ひろし 西陲集
わびすけのくちびるとけて師走なる 室生犀星 犀星発句集
インディオの鳥になりたる師走かな 佐川広治
ウインドの銀器に映る街師走 西村和子 かりそめならず
キッド観てひとり師走の涙かな 岸田稚魚 『萩供養』
シスターの背へ押されけり師走の駅 橋本いさむ
トランペット鳴き上げて師走大詰め 河野多希女 彫刻の森
バスの窓かたく閉じられてゆく師走 市原正直
ベッドより別の病院見て師走 里見善三郎
ペン皿に硬貨殖えつつ師走来ぬ 米澤吾亦紅
マカダミアナッツ師走の船便にて 高澤良一 ぱらりとせ
メモ一つ消して師走の一と日暮れ 稲岡長
一歩だにあらばとうめく師走かな 幸田露伴 拾遺
下駄の歯を蹴欠いて戻る師走かな 鳳朗
世に住まば聞(きけ)と師走の碪かな 西鶴
世の外の身にも師走のあらし哉 松岡青蘿
予定なき師走の客の応対に 松尾緑富
事務机師走めきつつ古びつつ 成瀬正とし 星月夜
事足りて而も師走の月夜かな 尾崎紅葉
二匹飼ひし犬の機嫌も師走かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
二日寝て師走に越されゐたるなり 石塚友二 光塵
亡き友の遺著また届く師走かな 上林暁(1902-80)
交差点踏み出す半歩街師走 小川濤美子
人の親の病悲しき師走かな 赤木格堂
人はいざ師走を我の端居かな 会津八一
人口肛門(オストミー)のおなら優しき師走かな 秋元不死男
仕事場に泊り込みなる師走かな 森川暁水 黴
仕事場の振子の音も師走かな 菊池 輝行
仲見世の新仲見世の師走人 有川淳子
伊勢藤に師走の客の四人かな 岸田稚魚
佃路地師走発たすと風日和 古沢太穂
何にこの師走の市にゆく烏 芭蕉
何もなき師走の流れ早きかな 高橋淡路女 梶の葉
何んとなく師走顔なる厨妻 丸木千香
余白すぐ消ゆる師走の予定表 八木久江
僕キツネ私タヌキの店師走 高澤良一 燕音
光り澄む師走の星のみな低し 新井 石毛
党への票強まる病躯師走の投票へ 橋本夢道 無類の妻
公園の喧嘩美声に師走の子 赤松[けい]子 白毫
出逢ひたる人もそゝくさ師走街 阿部みどり女 笹鳴
切りほどきありたるといふ師走かな 龍岡晋
前燈尾燈照らし合ふのみ師走寒 香西照雄 素心
前輪を後輪追へる街師走 高澤良一 ももすずめ
北陸の師走の街に吾もまじり 高木晴子 晴居
古梅園師走の音を隔てたり 西村和子 かりそめならず
名号を母が鵙ひし師走かな 石田波郷
吾も見き師走の湖のその鳰を 相生垣瓜人
呼びからす声や師走の市の人 魯白
喜劇座に一夜笑ふも師走かな 四明句集 中川四明
嘗めもので酒呑む師走日和哉 小澤碧童 碧童句集
噴水の丈切り詰めて師走来る 橋本榮治 麦生
国引の師走の月の力見ゆ 榎本 好宏
坂本の里の蕎麦屋の師走かな 久保田万太郎 流寓抄以後
坐しをれば師走の心遠のきぬ 阿部みどり女 『光陰』
塩鮭の風に吹かるる師走かな 田中冬二 麦ほこり
売文の筆買ひに行く師走かな 永井荷風
夕霧より伊左さま参る師走かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
外湯出てすぐに師走の山仕事 大島民郎
夜の駅の月の鋭き師走かな 梅田圭一郎
夜は月に橋あらはるる師走かな 蓼太
大切な指を傷つけ師走妻 柳本津也子
大声にさわぐ師走の鴉かな 正岡子規
大寺の静まりかへる師走かな 正岡子規
大幅の達磨かけたる師走かな 正岡子規
大根の丘に現れ師走富士 遠藤梧逸
大空のあくなく晴れし師走かな 久保田万太郎 流寓抄
大空を亀這ひゆきて師走なる 冬の土宮林菫哉
大筆にかする師走の日記かな 正岡子規
大鍋の売れで師走のほこり哉 幸田露伴 拾遺
大阪の師走をあとに帰りけり 玉越琅々
大黒の小槌の塵も師走かな 加藤耕子
天井へ浮いてはりつく師走の夢 横山白虹
夫の蹠洗ふベツドに師走の日 石田あき子 見舞籠
失いしことば失いしまま師走 楠本憲吉
奈良に来て師走ともなき一日かな 山口一秋
女を見連れの男を見て師走 高浜虚子
妻として師走を知りしあはれさよ 杉山岳陽 晩婚
妻を抱き師走なじめず仮の家に 杉山岳陽 晩婚
嬉野や油こぼれし師走風 横光利一
子供等は羽子ついてゐる師走かな 高橋淡路女 梶の葉
学問も小判も囓つてみて師走 櫂未知子 蒙古斑
寝る前になりて物書く師走かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
小角力取物荷ひ売る師走哉 丑二
小鼠の行列つづく師走哉 正岡子規
山の上師走ごころを日にさらす 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
山伏の見事に出立つ師走かな 服部嵐雪
山茶花の咲いてことしも師走かな 久保田万太郎 流寓抄
山陵の壱歩をまはす師走哉 榎本其角
川痩せて師走の町を流れたり 相馬遷子 山国
市に入りてしばし心を師走かな 山口素堂
市に暮るゝ師走の人の眉太し 青峰集 島田青峰
師はひとり痩身の師の師走また 河野薫
師走かな餅つく音の須磨の浦 野澤凡兆
師走くる靴屋に靴をはきながら 秋山巳之流
師走すぐ目の前にして急く心 高浜年尾
師走ぞと呵る妻あり舌ありや 高井几董
師走てふ物入り月が目の前に 高澤良一 随笑
師走とて刷ろはむ翼もなし 石塚友二 光塵
師走とて忘れもせずに訪ひくれし 高浜年尾
師走と云ふ言の葉ゆゑにせはしくて 池上不二子
師走のバス水に沿うては鳥の翔つ 原田種茅 径
師走の些事その一つにてひと死にき 及川貞 夕焼
師走の分野是かや春の物狂ひ 榎本其角
師走の夜のつめたい寝床が一つあるきり 尾崎放哉
師走の夜の釣鐘ならす身となりて 尾崎放哉
師走の夜鬢どめ一つうじうじと 栗林千津
師走の川一と吹き吹いて風なかり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
師走の店の妻には欲しきものばかり 臼田亜浪 旅人
師走の旅を行きつめてま青なる海 人間を彫る 大橋裸木
師走の日まだある障子灯を入るゝ 久米正雄 返り花
師走の木魚たたいて居る 尾崎放哉
師走の枯山海見ゆるまで登り来し 内藤吐天 鳴海抄
師走の灯まばゆくあびて仏具買ふ 石原舟月 山鵲
師走の灯前後にて恥らひぬ 杉山岳陽 晩婚
師走の燈にひたりし金の靴を売る 斉藤夏風
師走の肩摩疲れ深きが弾かれて 香西照雄 素心
師走の蝶遠き元禄誘ひ出す 河野南畦 『元禄の夢』
師走の身触れあふ緋鯉長挨拶 香西照雄 対話
師走の風が吹き暮るる寺の釣鐘 人間を彫る 大橋裸木
師走の風をとほせんぼして火を擦る母 磯貝碧蹄館 握手
師走はや夫の病床花乏し 石田あき子 見舞籠
師走はや妻に借りたる銭かさむ 米沢吾亦紅 童顔
師走はや心斎橋の人通り 高濱年尾 年尾句集
師走ひと夜救世主曲聴衆の中にあり 及川貞
師走ひと日仔犬もらひて抱きてかへる 及川貞 夕焼
師走ひと日時計の埃はきにけり 室生犀星 犀星発句集
師走もつともスクランブル交叉点 岩岡中正
師走三日月家路は誰も靄まとう 古沢太穂 古沢太穂句集
師走中幸うすき手と知りて蹤け 杉山岳陽 晩婚
師走人堰きてはエスカレーターヘ 谷野黄沙
師走何ぢや我酒飲まむ君琴弾け 幸田露伴 江東集
師走八日汝はも病魔に克ちたらずや 林原耒井 蜩
師走六日初雪消えて髭のびて 林原耒井 蜩
師走六日母に文書く暇得たり 林原耒井 蜩
師走共しらで遊ぶや鴛鴎 水田正秀
師走圏外金色を経て一紫雲 香西照雄 素心
師走妻うしろをよぎり前よぎり 高澤良一 ぱらりとせ 冬
師走妻剥きかけみかん置いて起つ 高澤良一 宿好
師走妻算盤はじく眼をしたり 高澤良一 随笑
師走妻風呂敷にある稜と丸み 香西照雄 対話
師走寒し血を出す罪と火を出す罰 磯貝碧蹄館 握手
師走尽友をたづねて白き飯 栗生純夫 科野路
師走曇りに柿の木の小さくなる 松村蒼石 雪
師走朔日母があぶりし海苔食べて 百合山羽公 故園
師走来ぬ相触れて人の肩かたし 中山 良章
師走某日壺の酒欲る恋ごころ 萩原麦草 麦嵐
師走校了カレーライスを注文す 斉藤夏風
師走空暮るると見つつ眠りたり 原田種茅 径
師走街ゴーストップの今は青 高木晴子 晴居
師走記者筆の疎略を慎まん 吉井莫生
師走閑に羽つくろへる孔雀かな 原石鼎
干蝮この軽きこと師走市 山田千秋
床屋出てさてこれからの師走かな 辻貨物船
底ぬけに晴れて師走を早めをり 西村公鳳
座布団も綿ばかりなる師走哉 永井荷風
廓への用いくつもや師走人 白水郎句集 大場白水郎
建長寺さまの托鉢来て師走 宮下翠舟
影淡き師走の寺や笹子鳴く 角川春樹 夢殿
心電図師走の波形出でをらむ 高澤良一 さざなみやっこ
忠信が狐に戻る師走かな 辻桃子
思ひきの母の長病み師走来る 大橋敦子
怨霊物四番も見たる師走かな 瀧井孝作
愧かしき三百余日師走かな 喜谷六花
我も亦師走の人よとかへり見る 高濱年尾 年尾句集
手を上げてながされ別れ師走町 皆吉爽雨
打ちこぼす小豆も市の師走かな 水田正秀
抜け道もその抜け道も街師走 稲畑汀子
持舟の皆かへりつく師走かな 大塚羽山
掛嫌ひ通して老いし師走妻 平野一鬼
故郷の山しづかなる師走かな 吉田冬葉
数刻のひまを花挿す師走かな 高田蝶衣
新しく溝板かへて路地師走 菖蒲あや 路 地
新聞小説ハッピーエンドせり師走 藤木清子
旅寝よし宿は師走の夕月夜 松尾芭蕉
旅衣あでに師走の女衒かな 石原舟月 山鵲
日のさせば巌に猿集る師走かな 原石鼎
日暮里へ師走のみちのつゞきけり 久保田万太郎 草の丈
日曜の出勤もはや師走なる 長野深郷
星照るや師走八日も明けちかき 乙二 選集古今句集
暗闇の師走狐のくをんと啼く 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
暮て行時雨霜月師走哉 井原西鶴
暮るる湖見つめ師走の外にあり 柊 愁生




以上
by 575fudemakase | 2013-12-19 09:14 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
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その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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