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ちやつきらこ なまはげ かまくら えんぶり

ちやつきらこ なまはげ かまくら えんぶり

例句を挙げる。

●ちやつきらこ
ちやつきらこありしあとにて縄跳びを 田中灯京
ちやつきらこお伊勢・鎌倉ほめ唄に 荒井正隆
ちやつきらこよくそろひゐておちよぼ口 高澤良一 ねずみのこまくら
ちやつきらこ今日へ戻りし船首見ゆ 二見柳糸
ちやつきらこ扇ひらけば鳩が翔つ 斎藤春楓
ちやつきらこ舞ふや沖より晴れて来し 吉田木蓉子
ちやつきらこ舞ふ娘に海が騒ぐなり 志摩芳次郎
ちやつきらこ荒き男の眼に見らる 磯貝碧啼館
ちやつきらこ間違はぬやう泣かぬやう 笹尾照子
ちやつきらこ青き汀も遠唱ひ 野澤節子
前髪に目出度花挿しちやつきらこ 上村占魚
塞神のうしろ帆が過ぎちやつきらこ 中川美亀
宮庭に崎の日溢れちやつきらこ 古賀まり子
波音を聞きちやつきらこ歌まねる 寺田木公
魚干して唄ひ手となるちやっきらこ 金子篤子

●なまはげ
お祓ひの済みてなまはげ放たれし 高澤良一 ももすずめ
なまぬるき夜風なまはげ去りしあと 大畑善昭
なまはげが立去り蓑の零れ屑 高澤良一 寒暑
なまはげと旅の記念の写真とる 安斉君子
なまはげにおびえ上手な子もありし 池田 崇
なまはげにしやつくり止みし童かな 古川芋蔓
なまはげにむんずと肩を掴まれし 安達実生子
なまはげに声かけられてゐたりけり 黒坂光博
なまはげに持ち込まれたる土間の雪 川瀬一貫
なまはげに父の円座を踏まれけり 小原啄葉
なまはげに襲はる森の一軒家 松崎鉄之介
なまはげに酒のこぼるる大座敷 大洲みき
なまはげのくる夜家中明るうし 高澤良一 ももすずめ
なまはげのずいと茶の間に踏み込みて 高澤良一 ももすずめ
なまはげのずぶ濡れ蓑を身ぶるひて 安藤五百枝
なまはげのどかと去りたる囲炉裡かな 磯貝碧蹄館
なまはげのひとり畦みち帰りけり 小原啄葉
なまはげのひらたき蹠が踏み鳴らす 今田拓
なまはげのもぞと酒盃に手を出しぬ 高澤良一 ももすずめ
なまはげの一歩一歩に怒濤音 荻原都美子
なまはげの出る夜を雪の降りしぶる 高澤良一 ももすずめ
なまはげの去るを呑み込むうるし闇 高澤良一 ももすずめ
なまはげの喚びに榾火くづるるよ 遠藤みや子
なまはげの子の泣声にたぢろぎし 竹中弘明
なまはげの役に侍す犬身じろがず 久保田月鈴子
なまはげの松明雪に挿し憩ふ 桑田青虎
なまはげの汗だく学生アルバイト 高澤良一 寒暑
なまはげの眼鼻より洩れ息白し 藤原星人
なまはげの素足につけし藁脚絆 安川掴雲
なまはげの聞きしに勝るおらびごゑ 高澤良一 ももすずめ
なまはげの胸ぬらしけり雪と酒 竹田晶洞
なまはげの脱ぎし草履を揃へをり 伊藤絹子
なまはげの蓑より祈願の藁をぬく 川井玉枝
なまはげの解せぬ口上秋田弁 杉山青風
なまはげの訪ふさきざきの杉と月 宮津昭彦
なまはげの赤子の尻を撫でにけり 石島 岳
なまはげの足踏み鳴らす屋台骨 高澤良一 ももすずめ
なまはげの躍り狂ひし座敷掃く 西沢信生
なまはげの逸りてあげし灰かぐら 宮下翠舟
なまはげの酔ひて本名呼ばれけり 児玉小秋
なまはげの面の中より優男 鍋谷福枝
なまはげの鬼の口より酒の息 本谷久邇彦
なまはげを襖のかげで見る子かな 中村苑子
東京からなまはげになる子が帰る 三浦てる
海吠えを真似てなまはげ来りけり 木内彰志
海鳴りの闇へなまはげ吠えにけり 佐藤清香
男鹿なまはげ踏絵に勝る足跡なし 相原左義長
真夜の雪なまはげ道も消えゐたり 皆川白陀
藁沓を脱ぎなまはげは酒ねだる 佐川広治
雪空をなまはげの闇おりてくる 平井照敏 天上大風
眉緊めて尿に立つ子よ生身剥 宮野斗已造

●かまくら
うどん屋の隣かまくら出来にけり 辻桃子
かまくらあそび燭の火ふつくらと招く 村上一葉子
かまくらで預かつてゐる迷子かな 館容子
かまくらといふもの雨にあはれなり 高濱年尾
かまくらといへる人待ち顔のもの 後藤比奈夫
かまくらとかまくらの間雪満てり 三好潤子
かまくらにありても母の膝が好き 桑田青虎
かまくらになほ新しき雪加ふ 岸風三樓
かまくらに入り手土産を持て余す 橋本榮治 逆旅
かまくらに幼馴染みが膝そろへ 長谷川祥子
かまくらに灯の数ふえて更けゆけり 神 緑郎
かまくらに燈の入る知りて寝まりけり 石川桂郎 高蘆
かまくらに積りし雪のやわらかく 高橋秋郊
かまくらに給(た)ぶあつあつの甘酒(あまゆっこ) 石川桂郎
かまくらに莨火ひとつ息づけり 横山房子
かまくらに餅焼く誰の母ならむ 上田五千石 風景
かまくらのうしろの闇へ炭火捨つ 牧石剛明
かまくらのこぼれ灯道に踏みかがむ 上村占魚
かまくらのとばりに垂れし萩簾かな 西本一都 景色
かまくらのまろきひかりの絵らふそく 田代 靖
かまくらのもらす灯のうち人の過ぐ 神蔵 器
かまくらの一夜の火種貰ひおく(横手) 河野南畦 『硝子の船』
かまくらの中のをさなき恋敵 後藤立夫
かまくらの中三輪車入れてある 辻桃子
かまくらの人立てば燭揺らぎけり 館岡沙緻
かまくらの入口沓の凭れあふ 片山由美子 天弓
かまくらの夜をしめくくる木菟のこゑ 佐藤 国夫
かまくらの子の赤き頬二つづつ 木谷島夫
かまくらの子らにつれなき雨となる 伊藤とほる
かまくらの子らに神父の招かるる 沼澤石次
かまくらの心臓として燭をともす 岡部いさむ
かまくらの揺らめく燭や横手川 内山 茂
かまくらの月のひかりや震災忌 久保田万太郎 草の丈
かまくらの浅き流れのさくらかな 永井龍男
かまくらの灯さへ奪らむと吹雪くなり 岸風三樓
かまくらの灯の輪町角曲るたび 三好潤子
かまくらの灯より人家の灯の貧し 岸風三楼
かまくらの灯るを待たず旅人去る 森田峠 三角屋根
かまくらの燠かこむ子等膝おくり 福田蓼汀
かまくらの童女こけしの眉をもつ 中島花楠
かまくらの肩まろやかに雪積る 館岡沙緻
かまくらの裏側雪が雪呼んで 河野南畦
かまくらの過ぎれば雪の疎ましく 小玉艶子
かまくらの高さは神の背の丈よ 佐藤恵子
かまくらは一夜の祭更けてゆく 高木晴子 花 季
かまくらへゆつくりいそぐ虚子忌かな 黒田杏子
かまくらへ城と童女と雪明り 河野多希女 月沙漠
かまくらへ降る雪生死ひとつなる 河野多希女 月沙漠
かまくらも犬の子市も吹雪中 西本一都 景色
かまくらやひいふうみいよ灯のともる 鈴木十歩
かまくらや亡き友も亡き姉もゐて 林 民子
かまくらや今日は嬶座のわらべたち 堤 京子
かまくらや天に星撒く童神 林 翔
かまくらや星の言葉の雪が降る 佐藤 木鶏
かまくらや水神雪も司り 木原苑生
かまくらや犬にも一つ御なん餅 一茶
かまくらや童女童話のごと座り 衣川 砂生
かまくらをいまうちこむや秋の蝉 道芝 久保田万太郎
かまくらをこぼれたる灯に雪の舞 橋本榮治 逆旅
かまくらを崩したる雪捨てに行く 茨木和生 往馬
かまくらを覗きゆきしと雪女 後藤比奈夫
かまくらを覗く手形を雪に押し 原子公平
かまくら水神男の子の膝のくづれざる 河野多希女 月沙漠
がらんどう昼見て雨のかまくらは 石川桂郎 高蘆
ここに又かまくらの子の繭ごもり 松村幸一
また来よとかまくらをとめ指きりす 西本一都
ゆびきりの子のかまくらのいづこぞや 西本一都 景色
城に灯が入りかまくらもともるなり 大野林火
城山へ千の目くばせ小かまくら 白井 爽風
子供等にまだかまくらの空昏れず 川上玉秀
小かまくら現し世の灯をまたたかす 木下ふみ子
山がらは花見もどりかまくらもと 内藤丈草
川沿ひの小路かまくらの五つ六つ 杉本寛
廃校に灯せし千の小かまくら 橋本榮治 逆旅
母が待つ灯のごと点る小かまくら 古賀まり子
漱石忌かまくら山の夕灯 柴田白葉女 花寂び 以後
火種撥ねかまくらへあく勝手口 下田稔
煮炊き暖かにかまくらはワンルーム 清水衣子
燭のためかまくら星のため夜空 鷹羽狩行
燭足してかまくらに子らまだ遊ぶ 橋本美代子
睫毛は蕊かまくらの中あかあかと 成田千空 地霊
筵戸の裾かまくらの灯を洩らす 館岡沙緻
箱橇で来てかまくらの小さき客 菊地映楼
興ざめの雨のかまくら誰知るや 石川桂郎 高蘆
莚戸の裾かまくらの灯を洩らす 館岡沙緻
葛湯吹くかまくらの灯に招かれて 伊藤いと子
藁ぐつに母の意溢れかまくらや 河野多希女 月沙漠
藁香にかまくらの銭落しけり 出牛青朗
身半分かまくらに入れ今晩は 平畑静塔(1905-97)
隠国のかまくらの灯を洩らし継ぐ 津根元潮
雛市やかまくらめきし薄被 一茶 ■文化五年戊辰(四十六歳)
駅降りてはやかまくらの見ゆる町 桑田青虎

●えんぶり
えんぶりの列整へば山重なり 加藤憲曠
えんぶりの摺り抜けて行く風の街 村田近子
えんぶりの笛いきいきと雪降らす 村上しゆら
えんぶりの笛恍惚と農夫が吹く 草間時彦
えんぶりの逸(はぐ)れ大黒舞ひて寒し 村上しゆら
えんぶりの雪照り道を影の列 加藤憲曠
えんぶりや土も香にたつ雪畳 林 翔
えんぶりや烏帽子地に摺る子らの舞 太田三菜子
えんぶりや雪にぬくもりあるごとし 北嶋淑晃
えんぶりや雪の鍛冶町大工町 藤木倶子
えんぶりや雪止んでなほ雪催 藤木倶子
えんぶり笛山より春を引き連るる 苫米地優子
おでん焼藷えんぶりの尾にゐて寧し 小林康治 玄霜
日の厚みえんぶり組の出揃へば 阿部思水
えぶり棒雪の女体を突きにけり 沢木欣一 遍歴
えぶり舞ふるさとの血が濃くなるよ 木附沢麦青
えぶり鉦囃せば海のふぶきだす 宮岡計次
はだれ野のはだら雪踏みえぶり来る 阿部信子
住み古りて他郷は知らず杁(えぶり)笛 栗山光子
日あたれる方に座を占めえぶり鉦 木内彰志


以上
by 575fudemakase | 2014-01-12 09:46 | 新年の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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