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桜にまつわる自句

桜にまつわる自句

以下
「ねず」は句集「ねずみのこまくら」、「もも」は句集「ももすずめ」、
「さざ」は句集「さざなみやつこ」、「ぱら」は句集「ぱらりとせ」の略。


●花 花の山 花の昼 花の鳥 花堤 花の風 花明り  
他愛なく花を見てゐる旅ごころ  燕音
花なんぞ見向きもせざる畑鴉  石鏡
花見むと来しリハビリに気散じに  暮津
花咲くと鳥もすっかりその気になり  燕音
早咲きの花のいたづら心かな  寒暑
勘違いして咲く花に相違なき  寒暑
花ほつほつ咲き出す山に悪路なし  寒暑
可借花散らしその形大き鳥  もも
鵯飛来花散るからに散るからに  鳩信
花散らす風の無理強ひしたりけり  素抱
酔どれのそれそれそれと散る花を  暮津
千鳥ケ淵
花の間鴨広がりて広がりて  随笑
花の間を何処まで飛翔長き鳥  随笑
花の間尾長が通り過ぎしのみ  寒暑
鳥ごゑに奥行き深き花の山  ぱら
だっこしてまたおんぶして花の山  随笑
花の山絶えず子供のこゑがして  寒暑
上からも下からも人花の山  素抱
見通して奥行のある花の山  素抱
禽ごゑのひろがりすぼまり花の山  素抱
花の山騒がしにくる目白かな  素抱
鳥よりも人よく遊ぶ花の山  素抱
精米所横よりのぼる花の山  素抱
いぶりがっこキザミがっこに花の昼  宿好
花の昼人を焼く間の腹ごしらえ  石鏡
垂直に上枝に移る花の鳥  燕音
来年も又来ておくれ花の鳥  燕音
花の鳥あれこれいふを聞き遣りぬ  燕音
間近に来目許くりくり花の鳥  随笑
枝移りして花の鳥こゑ大きく  素抱
すいと来てこんどは小柄花の鳥  素抱
何事かまくし立てたり花の鳥  素抱
桧木内川高堤いま花堤  宿好
花堤万の莚を敷き詰めて  宿好
花堤さてとここらで折り返そ  寒暑
飛来せる一羽花間へもぐり込む  もも
花房に縋れる鳥の紡錘形  もも
首伸ばしすくめつ鵯の花食める  もも
鳥の尾の上下頻々花隠り  もも
花を発つ鳥の胴より翼出で  もも
木を替へて花ついばめる鳥営々  もも
雨に風加はり花を駄目にする  もも
花このまゝ仏生会までもたせたし  さざ
一体に海岸ぷちの花早し  さざ
ときめける花に湿りをくれに雨  さざ
花乏し降られづめなる鵯に  さざ
ほころぶと告ぐる言葉の花より浮く  ぱら
花の風鯉の背鰭を吹きにけり  ぱら
鉛筆を走らす花鳥諷詠漢  ぱら
言語野に射して言の葉花明り  ぱら
当たりゐし山の日を花逸したり  ぱら
雨ありし上野の山の花の首尾  ぱら
花揺るゝは船酔に似て昼日中  ぱら
何もって本復巷は花の頃  鳩信
高遠花祭り
花に浮かれ来たる奴に高遠城  鳩信
藩校の教場抜けて花の風  鳩信
一雨に花崩れたり北の丸  鳩信
真っ白な花に群がる風一目  鳩信
その説に服しぬ花よ鳥よと詠む  燕音
折角の花が霞んで仕舞ひけり  燕音
ゆとりより生るゝものに花の風  燕音
藤右衛門さんのはちまき花談義  燕音
花も又花を了へたら一服す  燕音
花噴いてぼこんぼこんの桜の幹  燕音
花開くまでいろいろな事があり  燕音
気ふさぎの重たき花となりにけり  燕音
花を押す南アルプスよりの風  燕音
内船寺
花の下先師のおはち頭かな  燕音
老若の一切を度す花の風  燕音
割烹
対岸の花を肴に枕流亭  宿好
中尊寺
清衡が夢みし花の仏国土  宿好
花は楚々岩は恢々厳美渓  宿好
魁の一花百花の気概もて  宿好
花照る中チンパンジーは何誇示す  随笑
白隠の書画踏み破る花ごころ  随笑
この先も斯うした花の日和あれ  随笑
むさき身を花の押照る中に入れ  随笑
花畳なはり大観の朦朧体  随笑
かんばせに受けて花吹き余る風  随笑
花房へすうっと鳥の首が伸び  随笑
花つきのよき木とあふぐ二人連れ  随笑
朝夕の殊に夕べの花の相  随笑
花眩しむ人を眩しみ通りたり  随笑
花は花椨は椨にて押し通す  随笑
宴闌けて花びらいろの貫主さま  随笑
花は葉に東鑑にのる社  随笑
花の情一入なれば酒にせん  寒暑
花は今高知の城下に来てみいや  寒暑
靖国神社
かんばせに靖国神社の花の風  寒暑
えらき坂の花の靖国神社かな  寒暑
御社に花の東京の標準木  寒暑
満開のけふを逃して何とする  寒暑
無理強いをして花奪ふ風の暴  寒暑
大鴉姿くらます花の奥  寒暑
動くもの一物もなき花の景  寒暑
走り根の傍へが花の死に処  寒暑
一昼夜風に揉まれて花濃くす  寒暑
五人百姓花に広ぐる風流傘  寒暑
称名寺古図には無かり花の布置  寒暑
さきほどの花も佳けれど此も佳し  素抱
さゑずりのありかは花の奥の奥  素抱
大岡川観桜
おしどりに吹雪ける花の余り風  素抱
棒切れで地図を描ける花の許  素抱
野毛花見
花愛づる毛唐の大首横濱絵  素抱
横濱の花を観るなら掃部山  素抱
花愛でて今様本田平八郎  素抱
花啄まむと鵯身をひねり  素抱
かるめ焼きなど賞味して花の人  素抱
花の蜜くすねに来たる大き鳥  素抱
しばし居る木椅子は花のつめたさに  石鏡
花の日々御飯ふっくら炊きあがり  石鏡
写生の眼花と画帖を往き来して  暮津
花奪ふ風に尻尾のあるごとし  暮津
日曜画家絵筆に含ます花のいろ  暮津
花の下ベルのよく鳴る三輪車  暮津
十日程花遅れたり建長寺  暮津
沿線の花に急かされゆくごとし  暮津
いちにち雨心に烟る花を観て  暮津
空耳に盈ち盈つ花のせりふかな  暮津
●花時 桜時  
身延山
祖師さまの山へのぼらん桜どき  燕音
この人のかうゆう句が好きさくら時  宿好
さくら時堤ゆく人豆粒大  宿好
銭湯の熱くて痒し桜どき  随笑
花どきの鵯のうわまえはね雀  随笑
花どきの乳首の脇へ聴診器  寒暑
里山の下り口三つさくら季  石鏡
●花冷  
花冷の河馬の図体ただよへる  ねず
増上寺
花冷えの此の鐘撞かば木更津まで  もも
花冷えの青天井に及びをり  ぱら
身延山花冷からかね灯籠に  燕音
もくもくと花冷えどきの樺細工  宿好
動物園
花冷えのコンドル無垢の襟巻す  随笑
達磨圖にべたと花冷え花押かな  随笑
花冷えの坊ちゃん列車待機せる  寒暑
花冷えのしんしん山鳥黙すとき  石鏡
花冷えの底出棺の釘打たる  石鏡
●花守 桜守  
わからんと云ひて笑へり櫻守  燕音
●桜 朝桜 夕桜 夜桜 大桜  
鳥入れてさくらのうつらうつらかな  ねず
追ひ追ひに池の廻りのさくら咲く  さざ
横浜絵おろしや
野毛山のさくら馬上に魯西亜人  さざ
曙のさくら一鳥抱へをり  ぱら
幹に花咲かせてさくらはちきれさう  ぱら
海渡りさくら咲かせに一暖雨  ぱら
宿毎に伊那路のさくら愛でゆくも  鳩信
怪童の腕のやうなさくらの枝  鳩信
夫婦して見にゆくさくらありにけり  鳩信
昃りてさくらに彩の戻るなり  鳩信
名庭園ならんとさくらの木も努める  燕音
ソメイヨシノ
人間が構ってやって咲くさくら  燕音
俳句仲間へ
もう十年程ご一緒にさくらの世  燕音
奥山のさくらは白く舂づける  燕音
つくづくとさくら花満ち日に重る  宿好
北国の餅肌いろのさくら咲く  宿好
をととひのさくらがふっと泛かびくる  素抱
人気なきときをさくらの旺んなり  素抱
人ごゑが近みさくらがそはそはす  素抱
平日の山のさくらを一人占め  石鏡
大石の昼行燈にさくらは似  暮津
枝張りも根張りも石割大桜  宿好
山中に達者なりけり大桜  随笑
山中に何時かは亡ぶ大桜  寒暑
根っこより見上げ端山の大桜  石鏡
朝の気の漲る石割桜是  宿好
北上川の朝の水勢さくら満つ  宿好
この静寂破るものなく朝ざくら  素抱
墨堤の浮浪者に湧く朝ざくら  石鏡
蛇口より水迸り朝ざくら  石鏡
朝桜禽掻い潜り掻い潜り  暮津
夜桜にあがる焔の二タ柱  さざ
夜桜に誘ってみてはと付け足せり  鳩信
夜桜にしこたま冷えて戻りけり  鳩信
夜桜もぼんぼりの灯もほたほたと  宿好
夜桜の雪洞尽きるところまで  宿好
夜桜の人に混じりて華やがん  寒暑
道後公園
貸し練炭貸し茣蓙夜桜真っ盛り  寒暑
夜桜の冷え込み上着一枚分  寒暑
夜ざくらを口あんぐりと開けみる児  暮津
夜桜の雪洞高くここ低く  暮津
たんたんと咲く夜ざくらに飛行音  暮津
夜ざくらに酔ふて地に置く紙コップ  暮津
夕桜すっと色調落しけり  宿好
夕風に揉まるる桜ここから帰路  暮津
人の出も日増しにソメイヨシノかな  ぱら
ひよひよと大島桜吹かれをり  ぱら
鳥らいそいそ河津桜の原木へ  ぱら
幹ずんと押し出しのよき里桜  ぱら
行水所コヒガンザクラ明りして  鳩信
長官愛づ櫻なりきと顎引く  鳩信
横須賀安浦旧鎮守府長官  官舎
鎮守府の櫻の上に海展け  鳩信
なかなかの櫻と幹に手を掛けて  鳩信
満開の心を一に濠桜  鳩信
このとほり櫻は場所を選ばない  燕音
櫻の幹叩き鼓舞せる男あり  燕音
大櫻之ある哉の裁判所  燕音
日本の櫻を他国に植う話  燕音
雨ありてあとは櫻の花次第  燕音
振り返る桜がそこにあればなり  燕音
沿線の桜見ながら汽車ぽっぽ  燕音
曙の桜どの木も気を張りて  燕音
年寄ったなりの咲き方桜もす  燕音
咲く桜暦代りの世も絶へて  燕音
思ひも見よ山の桜の根の張り方  燕音
桜には桜の営みそを通す  燕音
野暮天のソメイヨシノといふ勿れ  燕音
いずくにて死に候とも墓を身延の沢にさせ候べく候 日蓮
一わたり歩き身延の沢櫻  燕音
風はたと絶えし桜の日に重る  宿好
石割桜
石割のえらい桜を一目見ん  宿好
あれまあと石ぶち割って咲く桜  宿好
野毛の桜昭和の戦見て来しと  随笑
先手取るごとく咲き出すこの桜  随笑
桜誉むこゑもいろいろ女衆  随笑
奢るとはめっそうもなき家桜  随笑
鳥がゐて写真家がゐて桜の木  寒暑
お天道様山の桜に花授け  寒暑
一雨のあと立ち直る桜かな  寒暑
瀬戸内の桜見え来て機は下降  寒暑
都内にしてもう咲く大島桜かな  素抱
失敬す大島桜の花房を  素抱
ひとびとは立ち去り櫻は残りけり  素抱
この山の一押し桜咲きにけり  素抱
枝のさきまだ咲く余地のある桜  素抱
散りしきる桜に欲しき越天楽  素抱
模糊と見て桜のなかに末期の眼  素抱
スタジオに持ち込む河津の初桜  石鏡
平日の桜の中を通りけり  石鏡
水道で洗ふ掌赤し初ざくら  石鏡
馬の背みち山の桜はまばらが佳し  石鏡
横須賀海軍鎮守府
鎮守府の苔むす桜何見て来し  暮津
●山桜  
山ざくら吹き割る風のいくそたび  もも
いつときは光帯びけり山桜  ぱら
揺れ出して息呑むほどの山ざくら  ぱら
本来の彩は斯くなる山ざくら  ぱら
日本語乱れ初めても山櫻  ぱら
山櫻さう山櫻葉の臙脂  鳩信
好きな木を一つ挙げれば山櫻  燕音
地味ありて枝隆々の山櫻  燕音
ぽんぽんと山桜置き遠山並み  燕音
法燈の山櫻いろ夕づきぬ  燕音
野毛山の十日も早き山ざくら  寒暑
尾根辿れば当り籤めく山ざくら  寒暑
山ざくら遽か下界といふものあり  寒暑
一行に飛花ふるまへり山ざくら  寒暑
山桜天を伝ひて風響き  寒暑
山ざくら散るとき音色あらまほし  寒暑
烈風にどうするどうする山桜  石鏡
●八重桜  
かろがろと昼月上げて八重櫻  もも
八重桜大社を巫女の往き交へる  随笑
八重桜瞼重たくなりにけり  随笑
日は闌けに闌けて悶々八重櫻  暮津
八重櫻足懈く道戻りけり  暮津
●遅桜  
山腹に鳥を下ろせし遅櫻  もも
●桜蘂降る  
さくら蘂降る制服の紺の肩  ねず
桜蘂ばかりの赭き木となれり  ぱら
桜蘂降らすや三嶋大明神  随笑
樹下にゐて雀もさくら蘂浴めり  寒暑
良寛像足許埋む桜しべ  寒暑
桜蘂降らせて雨の粗くなる  暮津
●花見 花見客 桜狩 桜見に 花筵  
昼下り自転車で来てさくら狩  燕音
当山の門徒ならねど桜狩  燕音
桜狩たぷんと水筒背に鳴りて  石鏡
地下街で稲荷購ひ桜狩  石鏡
花を見る心ええならええ花見  燕音
花見客杖を忘れし身延線  燕音
ネクタイをして花見とは上野山  宿好
出来れば近場妻との花見何處にせん  宿好
川沿ひにセスナ機飛んで花見時  宿好
東京の花見がてらの通院日  寒暑
花見支度し居れば雨や肩すかし  寒暑
お花見のおあづけとなる朝の雨  寒暑
腰どんと地べたに据えて花見かな  寒暑
松山中学校跡
濠端の花見に夏目金之助  寒暑
花見客もう百段に顔見合はせ  寒暑
称名寺鴨も花見と洒落にけり  素抱
その頃となれば花見に徒心  素抱
花見弁当ひらけば鳩の優しく寄る  石鏡
沿線の花見切符を撫しながら  石鏡
母の云へる
米寿まで生きたついでの花見せむ  石鏡
花見衆持ち込む小ぶりの瓦斯ボンベ  暮津
花見客に唸る屋台のバッテリー  暮津
かわず掛け河津が郷のさくら見に  ぱら
楽しんでよるひるざくらあさざくら  燕音
夜ざくらを見にゆく元気既になし  燕音
花は佳し桜しべまで見尽して  燕音
まどろんで先師が花に遊べる図  燕音
人間の勝手放題花を見る  燕音
根っからの浜っ子野毛の桜見に  燕音
ホテル
花巡り今日の泊りは武蔵坊  宿好
花莚抱え挨拶交しをり  随笑
花を見る目配りにさへお人柄  寒暑
花を見て花の生み継ぐ風を見て  寒暑
沿線の桜見ながら羽田まで  寒暑
花筵てふ大仰なもの持たず  素抱
靴脱げる処が玄関花筵  暮津
走り根の出っ張り避けて花筵  暮津
●花人  
墨堤に花人となる足慢ろ  寒暑
花人にはいごめんよと上り駕籠  寒暑
花人の足腰問はる象頭山  寒暑
明日雨の予報に繰り出す花の人  石鏡
●花疲  
大仏を割愛したる花疲れ  随笑
花疲れまくりしシャツの袖おろす  石鏡
●落花 花散る 散る花 花吹雪 花屑 花の塵  
 飛花  花筏
散るさくらタイムカプセル埋めし地に  ねず
*北条実時銅像。重時は極楽寺殿、時頼は最明寺殿と称されれば
称名寺殿の頭に花散れり  さざ
一巻の終りの花の水に散る  燕音
海浜の雨は曲者花散らす  燕音
堤より花の散り込む遊び舟  宿好
あとは散るばかりの花にふふむ酒  随笑
けふあたり出向きおかねば散る花ぞ  寒暑
朝風に流離流離と花散るも  寒暑
石手寺に花は散るのみ徒遍路  寒暑
山鳥の呂律に合はせ花の散る  石鏡
日曜の花散らす雨罪作り  石鏡
登り詰め櫻吹雪の別天地  燕音
横目にて象は吹雪ける花を見ぬ  随笑
花吹雪次の一ト吹き待ちゐる眼  随笑
花吹雪そびらに駈け出したくなりぬ  随笑
花吹雪く度に両掌をひらく人  随笑
立ちつくしそのまま浴びぬ花吹雪  随笑
花吹雪人の話の腰折りて  随笑
吹雪くたびこれはこれはの山ざくら  随笑
こんな日が三日続けば花吹雪  寒暑
林間を真一文字に花吹雪  寒暑
花吹雪こりゃまたなんと佳き風情  寒暑
花吹雪ぱっぱと金比羅大権現  寒暑
花吹雪雪洞にまだ吹き足らず  素抱
花吹雪小公園を突っ切りて  素抱
谷戸住みの醍醐味は是花吹雪  石鏡
花吹雪易者は八卦うち振りて  石鏡
春疾風それに倍する花吹雪  暮津
唐破風をつゝと花屑奔りけり  ぱら
花屑に小旋毛風立ちぬ愛宕山  燕音
走り根に花屑の風堰かれけり  燕音
蹼のたわたわ花屑踏みつけに  燕音
シーソーの花屑吹いて跨りぬ  燕音
花屑の犇めき合へる轍あり  随笑
花屑の中のひとひら返す風  随笑
夕雀花屑蹴って発ちにけり  随笑
花屑に風そろそろとたちつてと  素抱
青空へ一二三と飛花発ちて  燕音
本山の飛花つきあたる堂障子  燕音
身延山ひたすら空を亘る飛花  燕音
飛花よぎりけり北之坊岸之坊  燕音
繽紛と飛花の舞ふ方衣川  宿好
渓底の甌穴に飛花あやまたず  宿好
オオヘビガイ出土貝塚飛花よぎり  随笑
杖を突く音のぱったり飛花あふぐ  随笑
石畳飛花着地して石のいろ  随笑
風太郎よこぎる飛花に眼を上げて  寒暑
鼻先をよぎりて飛花の舞踏団  寒暑
一行に飛花ふるまへり山ざくら  寒暑
腰下ろすところへ飛花の次から次  素抱
てのひらに飛花を掬へば浮き立つ彩  素抱
弘明寺観音観桜
赤塗りのひょうげた仁王飛花よぎり  素抱
飛花の風辺りが透けて見えにけり  素抱
飛花当る雪洞舟和の芋ようかん  石鏡
洪鐘に飛花の当たりてはたと落つ  暮津
エナメルの靴先に飛花舞ひ込める  暮津
とびっきり遠くへとべる飛花一つ  暮津
飛花舞はす風の一変フォルテッシモ  暮津
只管になること落花には如かず  鳩信
階に池に落花の選り好み  宿好
落花ひとひら二本松少年隊  宿好
落花踏み歩む堤よ北上よ  宿好
高館の落花しづしづ静の舞  宿好
クルス
外人墓地十字架の間を落花抜け  随笑
上枝より落花飛脚の発つごとし  随笑
落花受く地べた凹凸ありにけり  随笑
落花嗅ぎ年寄る象の浜子さん  寒暑
町雀雨の落花を足蹴にす  寒暑
赤銅いろ陸上トラック落花馳せ  素抱
鷲掴み落花放してみせにけり  素抱
花筏などとはとても云へぬもの  燕音
花降れる地べたに雀色動く  燕音
川原石の隙を見つけて花の塵  燕音
花筵山の夕冷え払ひけり  寒暑
花筏日を経し彩を泛かべをり  石鏡
石組の石を押すなり花筏  暮津
●花曇 養花天  
鈍器もて物を割る音花曇り  燕音
嘴のずんと重たき花曇り  燕音
養花天選挙合戦空ラ響き  素抱
●葉桜  
葉の混んできたるさくらの幹にほふ  ねず
葉ざくらの候と書き出し本降りに  ねず
身の廻り小出しに詠ひ葉ざくら季  ねず
葉ざくらに一も二もなく染まりけり  ぱら
葉ざくらに葉ざくらのいろ正受庵  燕音
葉ざくらの葉末までゆきわたる風  宿好
葉桜を猶猶蒼く風吹けり  随笑
無為の日々葉ざくらを風養へり  随笑
百葉箱葉ざくらの青一途なる  寒暑
葉桜の毛虫垂るるによき暗さ  素抱
葉ざくらや日の斑を顔に胸肩に  暮津

以上
by 575fudemakase | 2014-03-31 07:45 | 春の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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