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春の鳥

春の鳥

例句を挙げる。

ちらばつて春禽風の行方かな 近藤一鴻
はなびらに似て春禽の舌紅し 宮本啓子
わが叔父は木で病む男惜春鳥 寺山修司 花粉航海
旅二日身も春禽となりにけり 渡辺恭子
春禽がみがかれてゐる小鳥店 萩原麦草 麦嵐
春禽にふくれふくれし山一つ 山田みづえ
春禽に色をたがえて沼いくつ 大津希水
春禽のこゑ華となる林かな 山田みづえ 草譜以後
春禽のすこし汚れて橋の上 藺草慶子
春禽の声も万物相の中 富安風生
春禽の散り翔つ王子稲荷かな 深見けん二
春禽の瑠璃の羽立てて嘴曲ぐる 水原秋桜子
春禽の羽音の端の竹箒 大岳水一路
春禽やよろひ戸閉して教師館 及川貞 夕焼
春禽や仁王の臍に紙礫 古館曹人
春禽や供華の色消す鏡石 古舘曹人 砂の音
春禽や切口ほうと楢の薪 藤田湘子
春禽や橋の影ある谷の底 大串章 朝の舟
春鳥きて鳴けり衰弱も花のよう 金子皆子
春鳥のうすむらさきを哭いてでる 松澤昭 面白
春鳥や軒去らぬ事小一日 一茶 ■寛政十一年己未(三十七歳)
森が抱く春禽の数入学期 野澤節子 牡 丹
楢林春禽微雨をたのしめる 西島麥南
玄き諸仏春禽宙に愛しあふ 磯貝碧蹄館 握手
玉三郎来る春禽の大騒ぎ 吉原文音
空に拡がりしとき春禽と思ひけり 大串章
絶間なく春禽こぼす父祖の山 中村汀女
荒谷を降り春禽となりにゆく 鳥居おさむ
菱喰の彼方は真雁春禽舎 三好達治 路上百句
赴任して春禽の名をまだ知らず 金箱戈止夫
雨もよひして春禽のとほきまま 中田剛 珠樹以後
(苑)鴛鴦をそのまゝ春の鳥なりけり 尾崎迷堂 孤輪
「又こいよ」と目にゆく春の鳥辺山 橋本夢道 『無類の妻』以後
いっしゅんの鳥いっしゅんの春の翳 酒井 弘司
おのがこゑに溺れてのぼる春の鳥 飯田龍太 遅速
お社の大きな木より春の鳥 佐藤洋子
しほからき断崖を巻き春の鳶 正木ゆう子
そらそこの紅らむ枝に春の鵙 高澤良一 素抱
つちくれに歩きかくれて春の鳥 銀漢 吉岡禅寺洞
ゆく春に佐渡や越後の鳥曇 許六 三 月 月別句集「韻塞」
わが墓を止り木とせよ春の鳥 中村苑子(1913-2001)
タンカーも鳥も寝姿春の雨 渋谷道
ドルメンの火焚きしあとに春の鳥 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
一と日啼き暮れて狂はず春の鳥 青柳志解樹
丹の欄にさへづる鳥も惜春譜 杉田久女
人は影鳥は光を曳きて春 永方裕子
人居らぬ方へ方へと春の鵙 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
仏壇や春潮を羽つよき鳥 宇佐美魚目 秋収冬蔵
休日の学校に来る春の鵙 高澤良一 素抱
休日や甘え啼きして春の鵙 樋笠文
剥製の鳥の埃や春浅し 柴田宵曲
北陵の春料峭と鳶のこゑ 飯田蛇笏
吐く息も吸ふ息も春諸鳥よ 堀米秋良
地は緩く回りにけりな春の鳥 今坂柳二
天嶮に春の鳶の輪檜皮葺 古舘曹人 砂の音
天馬駆く春暁の夢朱鳥の訃 阿部みどり女
夭逝のかのうま酒や春の鳶 佐藤鬼房 朝の日
女出で鳥籠を吊る春の月 有馬朗人 耳順
子をよびて尾をひろげたる春の鵙 飯田蛇笏 雪峡
孟春や鳥影須臾もとゞまらず 光岡朶青子
小野の鳶雲に上りて春めきぬ 飯田蛇笏 霊芝
山の辺に春鳴く鳥は鋭くて 細見綾子 黄 炎
山河春二羽の鳶を目のあたり 阿部みどり女 月下美人
山鳥の尾をふむ春の入日哉 蕪村 春之部 ■ 西山遲日
微苦笑の山のあたまを春の鳶 山田みづえ
情絶ちてをんな生きよと春の鵙 稲垣きくの 牡 丹
憑かれたるものまね鳥よ春の暮 柿本多映
日の入るを忘れて伊勢の春の鳶 中拓夫
明らかに鳶の尾楫や春の風 大峯あきら
春がすみ鳥より高き山に立ち 太田寛郎
春たつ日庵にまづくる鳥は誰そ 中勘助
春の夢鳥のことばのよく解り 太田寛郎
春の海魚と鳥と寝るならば 田中裕明 櫻姫譚
春の潮ほんとは淋しい阿呆鳥 上原勝子
春の虹鳥になる子を育ており 杉田桂
春の鳥あけぼの楠をはなれたり 幸田露伴 拾遺
春の鳥くればもてなす用意あり 夏井いつき
春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕 北原白秋
春の鳥徽宗皇帝に描かれけり 尾崎迷堂 孤輪
春の鳥赤鉛筆の芯太し 下村槐太 天涯
春の鳶が覗きしブイヤベースかな 岸田稚魚
春の鳶寄りわかれては高みつゝ 飯田龍太
春の鳶木ッ端の如く落ちにけり 行方克巳
春の鵙くせみ那須ケ嶺雪霞 小松崎爽青
春の鵙こんな日もあるこんな日も 高澤良一 素抱
春の鵙しづかに水のわくところ 夏井いつき
春の鵙声あやまたず定まらず 野沢節子
春の鵙常盤木ばかり森をなす 下村槐太 天涯
春の鵙泥亀這ふを見下せり 萩原麦草 麦嵐
春の鵙濡れたる石が曇りけり 加藤楸邨
春の鵙紅の眦切長に 橋本鶏二 年輪
春の鵙雨まつすぐに切株に 中村明子
春はあけぼの鳥の子の襖にも 岡井省二
春や今水に影ゆく鳥と雲 去来
春光に人語鳥語の谺かな 梅谷紀子
春光や下りかぢ取りて流れ鳶 寸七翁
春嶺の気流に孤独の鳶乗れり 渡邊日亜木
春愁の鳶かも知れず沖めざす 勝又民樹
春昼の音に啼く鳥をきく墓か 稲垣きくの 黄 瀬
春昼やちよと来いと鳴く山の鳥 石塚友二 光塵
春暁の鳥叫び玻璃戸かゞやかし 金尾梅の門 古志の歌
春暁やいの一番の美しき鳥 津曲つた子
春暁や見たきもの巣の時鳥 渡辺水巴 白日
春更けて諸鳥啼くや雲の上 普羅
春月や寝鳥がたちし雑木原 水原秋櫻子
春深む大嶺ひとつに雲の鳶 飯田蛇笏 椿花集
春澄にとへ稲負鳥といへるあり 榎本其角
春耕のひとりは鳶に掠はれん 大谷碧雲居
春荒れて鳥のちぎれてながれけり 平井照敏
春陰や玩具の鳥のよく啼ける 中西徳太郎
春陰や鉛筆立てに鳥の羽根 宇佐美蘇骸
昨日の声たれにゆづりし春の鵙 野澤節子 黄 炎
月山へつばさをまはす春の鳶 黒田杏子
木々涵したる春の空ほろほろ鳥 千代田葛彦 旅人木
来ぬ人や火食に春の鳥や魚 宇多喜代子 象
枝の鳥春の言葉を選りてをり 櫛原希伊子
椹木の鳥をねむらせ春の雪 森田公司
汽笛の尾のこる町裏春の鵙 木下夕爾
沖へ去る鳥影重し春の海 原裕 葦牙
浅春の欅に鵙のむかう向き 高澤良一 宿好
浅春や田に来て白き海の鳥 篠田悌二郎
浮島を鳥翔つ春の浅きかな 辻桃子
海坂に貌しげしげと春の鳶 猪俣千代子 秘 色
海峡の渦潮にのり春の鳶 椎橋清翠
海鳥の荒々しきも徂春かな 志貴美子
潮満たす磯長の春の鴎鳥 原裕 青垣
燈籠に巣ふ鳥あり春の園 銀漢 吉岡禅寺洞
片肺が春まつ鍋色の鳥がとび 寺田京子 日の鷹
牛乳を飲ませてあげる春の鳥 渡辺誠一郎
盗みする鳶も舞けり春の空 闌更
目かくしの木にまつさをな春の鳥 三橋敏雄 眞神
真黒な杭にしばらく春の鳥 柿本多映
眦(まなじり)に金ひとすじや春の鵙 橋本鶏二(1907-90)
眦に金ひとすじや春の鵙 橋本鶏二
石棺に鳥の声沁む竹の春 二反田京子
祝別の春の山とて鳶舞へり 下村ひろし 西陲集
窓明けよ燦燦たるは春の鳥 金箱戈止夫
糀屋にこゑを落さず春の鳶 宇佐美魚目 天地存問
絶命の寸前にして春の霜 野見山朱鳥(1917-70)
羽根二枚つかいきるとき春の鳥 永末恵子 留守
羽根二枚使いきるとき春の鳥 永末恵子
脇甘き鳥の音あり春の闇 三橋敏雄
臆しつつ賦役にたてば春の鵙 百合山羽公
臆しつゝ賦役にたてば春の鵙 百合山羽公 故園
虫鳥のくるしき春を不為(なにもせず) 高橋睦郎
虹消ゆるまで城めぐる春の鳶 川村紫陽
蟲鳥のくるしき春を無為(なにもせず) 高橋睦郎
行く春や鳥啼き魚の目は泪 芭蕉
行く春を巣立ちて鳥のもう見えぬ 原裕 葦牙
行く鳥と来る鳥遇はず春の山 藤田湘子
行春の鳥のいさかふ草の上 露月句集 石井露月
行春の鳥の啄む水泡かな 石井露月
行春や鳥啼き魚の目は泪 芭蕉
衰ふる春より啼ぬかんこ鳥 松岡青蘿
襤褸市や羽影すぎゆく春の鳶 石田波郷
諸鳥の止まれる春の朝ぼらけ 三橋敏雄 長濤
貌見ゆるまで鳶近く春来る田 西村公鳳
身かはすとき翼平らや春の鳶 吉野義子
軍艦に落ちゆく鳥や春の鳥 中村苑子
近々と鳥のまなこや春の風邪 酒井絹子
追憶のぜひもなきわれ春の鳥 太宰治
金髪に染めてみやうか春告鳥 森川恭衣
鍋洗ふ女房見よや春の鳥 岡本松浜 白菊
長々と蛸も伸びする春の海 大サカ-附鳥 三 月 月別句集「韻塞」
青年に春の鳥きて名告りけり 鳴戸奈菜
飛ぶ鳥や氷柱はあれど春の山 大串章 山童記
飛ぶ鳥を飛ぶ鳥越ゆる春の昼 太田紫苑
飢ゑも春のどかに鳥の話をかく 中勘助
鱶の胃に春の港と鴎鳥 阿部誠文
鳥 けもの。遊べる園に入り来たり、けうとくゐたりー。春すぐるなり 釈迢空
鳥つぶてつぎつぎ放ち春の山 有吉桜雲
鳥ないて春のたまりし山わかな 中勘助
鳥の全身描ききれずに春の雲 対馬康子 愛国
鳥の眼の春愁洛中洛外図 中原道夫
鳥の羽に見初る春の光かな 樗良
鳥倦んで春漲るや淀の橋 松瀬青々
鳥声を呑んで地にあり春の雲 暁台
鳥寒し生駒につゞく春の水 移竹
鳥影は大柄にして春の鵙 高澤良一 素抱
鳥籠に鳥がゐなくて春終る 皆吉 司
鳥飛んで鳥の如くに春立つ日 今井竜蝦
鳶に鳶からめり春の霜柱 栗生純夫 科野路
鳶のかげ笠にかかるや春の空 吉田ひで女
鳶の笛島おだやかに春暁くる 阿部みどり女
鳶の背を縁どる春の光りかな 高橋馬相 秋山越
鳶は輪を大きくしたり春の海 中拓夫
鵙のこゑひびきてこの世暮春なる 濱田俊輔
鵙のゐし木をまじまじと春の昼 宇佐美魚目 天地存問



以上
by 575fudemakase | 2014-04-13 09:48 | 春の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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