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泰山木の花

泰山木の花

例句を挙げる。

「天緑」は咲きたり泰山木の花 渡辺恭子
あけぼのや泰山木は蝋の花 上田五千石(1933-97)
あさの客泰山木を挿して待つ 及川貞
おほらかに泰山木は咲きにけり 椎橋清翠
すべてこれ泰山木より落つ木の葉 高澤良一 随笑
なが雨や泰山木の花堕ちず 杉田久女
まだ珠の泰山木の白蕾 八木林之介 青霞集
ザングリトアラビテ泰山木の花 中田剛 珠樹以後
ロダンの首泰山木は花得たり 角川源義 『口ダンの首』
不幸経し眼のふりあふぐ泰山木 中山純子 沙羅
中空に素の香を流す泰山木 高澤良一 随笑
二階の灯とんで泰山木の花 細川加賀 『玉虫』
人知れず夜を飛ぶ泰山木の花 菅原鬨也
仁王立泰山木の花咲けり 高澤良一 鳩信
今日の興泰山木の花にあり 高浜虚子
仏頭の泰山木の花に向ふ 長谷川かな女 花寂び
光り降る泰山木は花か鳥か 原裕 『王城句帖』
初咲きの泰山木に晴れつづく 武内夏子
十指もて泰山木は未知の花 大西泰世 『こいびとになつてくださいますか』
句夫婦に泰山木の花二つ 八牧美喜子
咲ききつて泰山木は雲となる 山田晴彦
国賓に泰山木の花ひらく 京極杞陽 くくたち上巻
壺に咲いて奉書の白さ泰山木 渡邊水巴 富士
夕暮の手がさみしくて泰山木 金田咲子 全身
夢殿や泰山木の花ひらく 穴井 太
大風や泰山木の花ゆがめ 小山白楢
天の無垢泰山木の花染むる 有地紫芳
太陽と泰山木と讃へたり 阿波野青畝
妻と居れば泰山木に海の闇 佐野まもる 海郷
妻の背に泰山木の花裏に 古舘曹人 能登の蛙
子を抱いて泰山木の花の下 下村梅子
存分に泰山木の雫切る 高澤良一 随笑
孫夫婦よ泰山木一樹花溢れ 松村蒼石 雁
岬暁くる力泰山木咲かす 加倉井秋を
年歩む泰山木の幹直ぐに 館岡沙緻
後れ揺れて泰山木の花一つ 八木林之介 青霞集
徹夜稿泰山木に朝の神 原裕 青垣
手のひらの熱き泰山木の花 栗島 弘
新車車庫に泰山木の花匂ふ 野村喜舟
旅を来て魯迅墓に泰山木数華(すうか) 金子兜太 遊牧集
日のさして泰山木の低き花 岸本尚毅 舜
日本に住み古り泰山木咲けり 藤木清子
日本武尊泰山木ひらく 原田喬
昂然と泰山木の花に立つ 高浜虚子
明るくて泰山木の花に蟻 八木林之介 青霞集
春の闇泰山木にとなりの木 金田咲子 全身 以後
暁の空気泰山木咲けり 星野立子
月光を吸ふ音のして泰山木 加藤慶二
朝の膳泰山木の一花あり 和田耕三郎(1954-)
林泉や雨よくかゝる泰山木 渡邊水巴 富士
梅雨久し泰山木は花腐ち 高濱年尾 年尾句集
樹の下に泰山木の夏落葉 今井杏太郎
毛蟲寧し泰山木の鏡葉に 下村ひろし 西陲集
波羅羯諦(はらぎゃてい)泰山木の花咲けり 高澤良一 ねずみのこまくら
泰山木おのが木暮に花咲かす 長倉閑山
泰山木かをるやひと日家に籠る 水原秋桜子
泰山木くだつ霖雨や通し鴨 渡邊水巴 富士
泰山木けふの高さの一花あぐ 岸風三樓
泰山木けふ咲きけふの蘂こぼる 福永 耕二
泰山木けふ咲くけふの白さもて 岡部六弥太
泰山木こずえまで咲き泣き止めり 増田まさみ
泰山木しどけなき花つけたるも 中田剛 珠樹以後
泰山木すこしさがりて水に見る 松澤昭 安曇
泰山木ずりおちさうな花とどめ 高澤良一 ももすずめ
泰山木の一花は友の母の座よ 野沢節子 八朶集
泰山木の一花やことに風湧きて 永方裕子
泰山木の一花や葬り永からず 北原志満子
泰山木の一花結印白雲に 近藤一鴻
泰山木の大き花かな匂ひ来る 臼田亞浪 定本亜浪句集
泰山木の巨いなる蕾自信欲し 石田あき子 見舞籠
泰山木の木蔭に入りて出でずゐる 岸田稚魚 『紅葉山』
泰山木の花ありつたけ崩壊秘め 加藤楸邨
泰山木の花かげに鶴もゐたり 栗林千津
泰山木の花に怒りの相を見し 波多野爽波 『一筆』
泰山木の花の中より楸邨忌 原田喬
泰山木の花の香追善茶会なり 及川貞 榧の實
泰山木の花の高さに日照雨 白鳥順子
泰山木の花を淋しと騎手が言ふ 友岡子郷
泰山木の花を目標として一宿一飯 長谷川かな女 花 季
泰山木の花白ければ神宿す 高井北杜
泰山木の蕊くづるるは噎ぶなり 松村蒼石 雪
泰山木の蕾にをりし蟻消えぬ 八木林之介 青霞集
泰山木はひと厭ふ花空に泛く 石田あき子 見舞籠
泰山木ひらきおくれの花一つ 星野麦丘人
泰山木ひらき僧の子ひとり遊ぶ 稲垣法城子
泰山木ひらき即ち古びに入る 橋本多佳子
泰山木ひらく港は霧の涯 殿村莵絲子 花 季
泰山木まづ日にささぐ第一花 薄木千代子
泰山木一羽一羽のごとき花 田口紅子
泰山木一花を朝の日に捧ぐ 岸風三樓
泰山木一花を残し日昏れけり 榎本尹子
泰山木乳張るごとくふくらめる 阿部みどり女 『石蕗』
泰山木仰ぐ躬を寄せ過ぎゐたる 岸風三樓
泰山木匂ふ距離より仰ぎけり 朝倉和江
泰山木厳冬花は無かりけり 渡邊水巴 富士
泰山木君臨し咲く波郷居は 及川貞 夕焼
泰山木咲いて決意をすくひけり 野澤節子 遠い橋
泰山木咲いて潮の土佐の国 森澄雄 浮鴎
泰山木咲かまく厚葉押しあぐる 岸風三樓
泰山木咲きて法王常に老ゆ 中村草田男
泰山木咲きて織部の茶*碗かな 佐藤美恵子
泰山木咲き白雲へ風届く 川村紫陽
泰山木咲くたび小さくなるわたし 橋本敏子
泰山木咲くはじめから終の白 吉田紫乃
泰山木咲くはつとしてほつとして 益田 清
泰山木咲けり押入のものを出す 下村槐太 天涯
泰山木夜の割れさうにはじまりぬ 金田咲子 全身 以後
泰山木天にひらきて雨を受く 山口青邨
泰山木夫病む夕べ花満てり 平田よしこ
泰山木妻へ傾く夜の雲 原裕 葦牙
泰山木家出るたびの遠目ぐせ 野澤節子 黄 炎
泰山木崇し祈りは平和のこと 小松崎爽青
泰山木崩れて白き地の恚り 小松崎爽青
泰山木巨らかに息安らかに 石田波郷
泰山木拝見磴の端借りて 高澤良一 ももすずめ
泰山木散る滅却といふ言葉 高澤良一 ねずみのこまくら
泰山木昃れば雲に乗りて咲く 向山隆峰
泰山木明日に向かひて香を放つ 苗代 碧
泰山木明日咲く花を月に挙げ 伊東宏晃
泰山木昨日の花に錆にじみ 西村和子 窓
泰山木樹頭の花を日に捧ぐ 福田蓼汀
泰山木瀧の肺腑は青かりき 齋藤愼爾
泰山木無明を掬ふ別れかな 伊藤敬子
泰山木父恩の高さもて咲ける 渡邊千枝子
泰山木狂ふはむしろ愉しからん 栗生純夫 科野路
泰山木王妃ひとりの刻に似し 筑紫磐井 未定稿Σ
泰山木瓣落ち飛んで松の下 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
泰山木白波のごと崩れ去りぬ 木下杢太郎
泰山木終の一花として高し 畠山譲二
泰山木終りの花が発光す 八木尋子
泰山木耿々たりし花了る 千代田葛彦 旅人木
泰山木花の崩れに空かしぐ 上田日差子
泰山木花の玉杯かたむけず 上田五千石 風景
泰山木花上に雨後の重き天 林翔 和紙
泰山木花衰ふるときも激し 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
泰山木花高く亡き人は無し 渡邊千枝子
泰山木落葉木片降る如く 高澤良一 鳩信
泰山木葉隠れに咲き師よ癒えよ 館岡沙緻
泰山木見て庭踏まぬ蛇嫌ひ 堀口星眠 営巣期
泰山木鏡なす葉に咲かむとす 水原秋櫻子
泰山木開くに見入る仏像ほし 加藤知世子
泰山木開く気配に躓きぬ 一ノ瀬タカ子
泰山木隠愛(なびはし)の花かかげたる 加倉井秋を 『隠愛』
泰山木隠愛の花かかげをる 加倉井秋を
泰山木離れて花のあまた見ゆ 木津柳芽
泰山木高みに咲いて月に逢ふ 高澤良一 随笑
泰山木高みに咲きて仏がほ 高澤良一 随笑
涅槃西風泰山木は拍手の音 加藤知世子 花 季
満月に放心泰山木の花 吉本 昴
無垢といふ勁さ泰山木咲けり 小野恵美子
無限憧憬泰山木は父の花 原田喬
町医者のおおらか泰山木咲けり 野村あつし
病葉を拾えば泰山木堅し 西村我尼吾
白猫は汚れ泰山木の花 依光陽子
皓々と泰山木のけさの花 日野草城
真近くて泰山木は初ひの花 岸田稚魚 『雪涅槃』
碧天を花器に泰山木の花 筏奈雅史
磔像や泰山木は花終んぬ 山口誓子
神の一鞭泰山木のくづれざま 朝倉和江
移り香に泰山木の花終る 原裕 青垣
能の出の待たる泰山木一花 荒井正隆
舟着いて泰山木は花殖やす 佐川広治
芯生きて臙脂こぼしぬ泰山木の花 長谷川かな女 花 季
花割つて平凡な日の泰山木 古館曹人
花暮れや泰山木の海凪げり 石 寒太
花見えぬ不安泰山木の樹下 朝倉和江
荒雫梅雨ならではの泰山木 高澤良一 随笑
葉がくれに泰山木の花終る 園田弥生
葉の混み来てアンリルソーの泰山木 高澤良一 ぱらりとせ
葉を一つ落とし泰山木の花 深見けん二
蒸し暑き花掲げたり泰山木 高澤良一 ももすずめ
蟻んこに泰山木の影さしぬ 高澤良一 寒暑
街路樹に泰山木を咲かす国 稲畑汀子
谿ちかく絶唱の白泰山木 友岡子郷
近よれば泰山木の花見えず 阿部みどり女
長雨や泰山木の咲き替り 千原草之
門構へ泰山木に負けてをり 高澤良一 ねずみのこまくら
雨あとの磴打ち泰山木病葉 高澤良一 ももすずめ
雨払ひ立てる泰山木雄々し 高澤良一 寒暑
雲流れ泰山木の花のころ 柴田白葉女
頂の泰山木の花に逢ふ 殿村莵絲子 花 季
頭脳明晰泰山木いま開かむと 栗林千津

以上
by 575fudemakase | 2014-05-04 09:17 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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