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例句を挙げる。

あはれさは粽に露もなかりけり 正岡子規
いぢわるをされて粽の緒の長々 大石悦子 百花
うみづきの目の冴えてゐる粽の夜 田中裕明 花間一壺
おん母の食べよと言ひし粽かな 細川加賀 生身魂
がさ~と粽をかぢる美人哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
くるくると粽を解くは結ふに似て 加藤三七子
こしき今噴き匂ひたる粽かな 新上一我
こひしらぬ女の粽不形(ふなり)なり 鬼貫
さつきまで粽を結ひし紐なりし 能村登四郎
さんさんと海の砂照る笹粽 友岡子郷 日の径
ざわざわと山の鳴りくる粽かな ふけとしこ 伝言
すぐ覗く弱さいましめ粽解く 村上 光子
たてまつる女禰宜の島の葭粽 黒田杏子 花下草上
どの席もいつか空く席粽結ふ 手塚美佐 昔の香 以後
なぐさめて粽解なり母の前 炭 太祇 太祇句選
ひとの家に粽結ふ見え妹許へ 下村槐太 天涯
ひと妻の提ぐる粽を見て買ひぬ 杉山 岳陽
ふるさとの早き蚊を打ち粽食ふ 皆吉爽雨
ほどきては粽の紐をもて余す 能村研三
ほどき置く粽の笹の動きけり 大川ゆかり
みちのくの粽結ふ日に来りけり 大石悦子 百花
みな遠き故郷持ちて粽食ふ 村越化石
やはらかき水仙粽御所好み 後藤夜半 底紅
やゝこげし粽の灰を打ちたゝき 松藤夏山 夏山句集
ゆきずりの老舗で買ひぬ笹粽 高見孝子
デパートの産地訛の粽売り 炭谷種子
ハルビンの八重子の噂粽結ふ 阿部みどり女
ボロ市や湯気の中より笹粽 小林実美
一つづつ分けて粽のわれに無し 石川桂郎 含羞
三方に恭しさの粽かな 野村喜舟 小石川
不出来なる粽と申しおこすなる 夏目漱石 明治三十年
丹念に結ひし粽の解きやすく 粟津松彩子
乳吸はせゐて食ぶ粽乳となる 品川鈴子
乾山の彼の鉢出でぬ笹粽 松本たかし
亡き母の仕草を真似て粽結ふ 川口 厚子
写真また鬼籍へひとり笹粽 中島斌雄
利根べりに住みしことあり粽食ぶ 森田峠 避暑散歩
十あまり五つをかぞへ笹粽 川崎展宏
厄年の手に受け止めし鉾粽 太田蕗子
叉銃のごと青き粽を樹てて置く 山田みづえ
古盆やのせて年々大粽 楠目橙黄子 橙圃
夜の街はかつての租界粽結ふ 日原傳
大いなる山見し夜の笹粽 兒玉南草
夫に解く一つしか無き笹粽 山崎佳美
妻の国の粽の粽のさみどりに 中拓夫 愛鷹
妾が家は江の西にあり菰粽 炭 太祇 太祇句選
小さき蝶は二枚重ねて粽結ふ 吉田 立冬子
屈原の日の粽結ふ少女かな 黒田杏子 花下草上
山の鳶ふたたび山へ粽解く 阿部みどり女 『陽炎』
山刀伐の笹の青さの粽かな 三宅句生
左手で粽を結ふを見てゐたり 大山文子
幟とも竹のよしみや笹粽 横井也有 蘿葉集
御岳のこと聞いてゐる粽かな 原田喬
恋こめて妹が手伝ふ粽かな 青白
恋しらぬ女の粽不形なり 上島鬼貫
故郷は昔ながらの粽かな 高浜虚子
文もなく口上もなし粽五把 服部嵐雪
明日は粽難波の枯葉夢なれや 松尾芭蕉
時鳥繁く鳴く夜の粽かな 野村喜舟 小石川
月鉾の高きよりとぶ粽かな 岸風三樓
朝の茶の粽を解きて旅をはる 水原秋櫻子
母と出て青粽など街にもなし 石川桂郎 含羞
母の膝娘の膝や粽結ふ 高野素十
母の香の粽や母の百ヶ日 高橋寒山子
母結ひし粽と直ぐに見分けたる 斎藤すゞゑ
江に添うて家々に結ふ粽かな 巣兆
流寓のみじかき茅に粽結ふ 木村蕪城 寒泉
湯気立てて韓愈流謫の地の粽 日原傳
火口見て来し眼に粽みどりなり 宮下翠舟
猫の子のほどく手つきや笹粽 一茶 ■文政四年辛巳(五十九歳)
男の子うまぬわれなり粽結ふ 杉田久女
白磁には夢盛り易し笹粽 鍵和田[ゆう]子 浮標
白鷺や芦の葉分のむき粽 西調 選集「板東太郎」
直筆の船鉾粽もらひけり 茨木和生
空ひろき越後に祝へ笹粽 森澄雄
窯出しに届きし粽招ばれけり 中戸川朝人 星辰
竃もえ粉ナ捏ね粽いそがしや 西山泊雲 泊雲
竿かけにかざり粽の幾通り 斯波園女
笛吹いてくれろと粽そへらるる 田中裕明 櫻姫譚
笹の葉のかそけくありぬ粽解く 上和田哲夫
笹粽ひとたび燃えて落ちゆく日 友岡子郷 春隣
笹粽ほどきほどきて相別れ 川端茅舎
笹粽わけ来し道のおもはるゝ 加舎白雄
笹粽吊りて昨日とちがふ海 水野宗子
笹粽旅の朝餉に添へくれし 高濱年尾
笹粽結ふも食ふにも二人きり 瀬川蒼
笹粽誰れ分けそめて砂糖の露 露旬 選集「板東太郎」
笹舟になつてしまひし粽かな ふけとしこ 鎌の刃
粽とく子連れ女の萩江節 加藤郁乎 江戸桜
粽なしあやめの節会来つれども 臼田亞浪 定本亜浪句集
粽など低くつるすや草の宿 会津八一
粽の盆胸の高さに六年生 川崎展宏
粽の香戸毎に匂ふ端午かな 李 國民
粽ほどく手もとは似たり経の紐 立花北枝
粽もつさてはうつゝの草むすび 服部嵐雪
粽供ふ宝物館の鎧にも 品川鈴子
粽出て菓子の歳時記夏に入る 鈴木栄子
粽笹桶に漬けある青さかな 富安風生
粽結う死後の長さを思いつつ 宇多喜代子 象
粽結ふかた手にはさむ額髪 芭蕉
粽結ふことにもしつけ厳しけれ 池内たけし
粽結ふそばから祖父は粽解く 如月真菜
粽結ふ一束の笹深山より 前田普羅 能登蒼し
粽結ふ夕べ明るき濤頭 福島勲
粽結ふ板敷に風心地よき 西村和子
粽結ふ母に被爆の家のこり 中尾杏子
粽結ふ母も柱もむかしかな 宮下白泉
粽結ふ片手にはさむ額髪 芭蕉
粽結ぶ皇太后の逝きし夜に 大類つとむ
粽蒸す火色鮮し雷のあと 山岸治子
粽解きけふは妻子とともにあり 長谷川櫂 蓬莱
粽解きつつ山のこと母のこと 野中亮介
粽解くにも弟の負けてゐず 西村和子 夏帽子
粽解く指のしびれを子に言はず 石田あき子 見舞籠
粽解く斯く虔しく生き継がむ 石田波郷
粽解く晩学の指節太に 千代田葛彦 旅人木
粽解く男に貸す手なかりけり 大石悦子 百花
粽解て芦ふく風の音聞ん 蕪村
粽長し淀の芦もて結ひたれば 下村非文
粽食ひぬ早や相抱き枯るゝ笹 島村元句集
粽食ふ二階に樹々の秀と空と 井沢正江 一身
粽食ぶ母をわらひぬ勿体なし 小松月尚
終に苦しかやつりぐさの錯粽は 山口誓子
結ひし藺のつよくぬれゐる粽かな 原石鼎 花影以後
結び目のかなしき粽ほどきけり 加倉井秋を 午後の窓
結び目のほぐれて粽蒸し上る 豊田いし子
結び目の愛しき粽ほどきけり 加倉井秋を
習ひたるやうには結へず笹粽 松尾緑富
腹中の泪羅測らん青粽 高橋睦郎
舞妓居る二階にとかく投粽 楠井光子
花の宵粽の葛に舌冷やす 石川桂郎 四温
茶の下に真菰はくべてむき粽 広瀬惟然
草の戸の粽に蛍来る夜かな 正岡子規
草花にくくり添へたる粽かな 一茶
菰粽田水流るゝにほひして 廣江八重櫻
葭粽すすきで結ひて山家かな 吉田みち子
蒼ざめし男の化粽桜樹下 柿本多映
蛙囃す荵ほど長き芦粽 百合山羽公 寒雁
襖みな明けしひろさや粽解く 増田龍雨 龍雨句集
貼りかけの傘そのまゝや粽結ふ 亀山其園
越の湯や鬼粽添へ朝の膳 岡田日郎
還暦やことし粽の紐固き 井上雪
鉾粽飛び交ふ下の老舗かな 佐々木紅春
鉾粽食べるものにはあらざりし 細川加賀 生身魂
雨を帯びて麗はしの粽到来す 尾崎紅葉 紅葉山人俳句集
雨烈し粽に紐の卍なす 森田博
雪車に乗りしこともありしを笹粽 井上井月
頼らるる事のまだあり粽結ふ 深町まさこ
風わたる粽の下の晝寝かな 会津八一

以上
by 575fudemakase | 2014-05-06 08:22 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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