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麦打

麦打

例句を挙げる。

いたはりて病後の妻と麦を打つ 清田松琴
ぎくりはつたんと麦を打つ音よ 小杉余子 余子句選
末の世のかなしき麦を打ちにけり 中川宗淵
柿の木の影の来そめし麦を打つ 五十崎古郷句集
横たはる麦打棒をまたぎ行く 堤俳一佳
火の國の火の山裾に打てる麦 中島斌男
蝉鳴くや麦を打音三ゝゝ 服部嵐雪
鶏小屋も麦打つ埃舞ふあたり 松林尚志
麦を打つ頃あり母はなつかしき 高野素十
麦を打つ麦を打つ日の傾きもなく 安斎櫻[カイ]子
麦を打ほこりの先に聟舅 炭 太祇 太祇句選後篇
麦打ちのまた向きかへて鼻低し 細谷源二 砂金帯
麦打つや老いの唐竿低けれど 緒方句狂
麦打に三女夫並ぶ栄へかな 炭 太祇 太祇句選
麦打の人のかはりて音かはり 金光紫川
麦打の仏壇の灯のことを言へり 米沢吾亦紅 童顔
麦打の打ちそろひつゝ向きかはる 篠原駄骨
麦打の掃き浄めたる一ところ 軽部烏頭子
麦打の遠くの家に見ゆるなり 松藤夏山 夏山句集
麦打の遠くの音の眠たけれ 松本たかし
麦打の音に近づきゆきにけり 星野立子
麦打や夕日を招く竿の影 蝶夢
麦打や開けある我戸気にしつゝ 西山泊雲 泊雲句集
麦打や風呂たきつけてマ一ト息 西山泊雲 泊雲句集
麦打唄何度胎内にて聴きし 松本旭
けふをかけて麦扱の二三日の家かげ 中塚一碧樓
ふるさとの麦埃墓地をも汚し 榎本冬一郎 眼光
傅て無きか云ふ他所行く娘麦埃 内田百間
僧の頭に麦扱きの音絶間なし 飯田龍太
全身に麦埃つけ貧乏性 大熊輝一 土の香
嚏して犬通りけり麦埃 内藤吐天 鳴海抄
垣越しに隣より降る麦埃 西山泊雲 泊雲句集
屍室の仏菓の上の麦埃 西岡菩提樹
山寺の大炉の蓋や麦埃 西山泊雲 泊雲句集
強靭な農婦の腰の麦埃 萩原麦草 麦嵐
机上にも麦扱の音濛々と 飯田龍太
松の風麦扱器械よくまはり 高浜虚子
柵にぎつしりつまり麦埃 西山泊雲 泊雲句集
極楽も陸続きなる麦埃 桑原三郎 春亂
此さとの住居いふせし麦埃 蝶夢
水といふ水にありけり麦埃 高浜虚子
瓢たんの花とおぼえつ麦埃 上島鬼貫
納屋の前に乾ける足跡や麦埃 西山泊雲 泊雲句集
裏山に日がさすときの麦埃 桂信子 遠い橋
言葉要らぬ麦扱母子影重ね 西東三鬼
軽々と浮き重なりぬ麦埃 高浜虚子
門口に吹出してをり麦埃 久保青令
麦埃あふひに副ふて上りけり 松藤夏山 夏山句集
麦埃いとふ白機織りすゝむ 西島麦南 人音
麦埃うすうすながれ伊賀の山 橋本鶏二 年輪
麦埃かぶせ掃きかぶせ畑の火に 西山泊雲 泊雲句集
麦埃かぶりし供華を切りにけり 松藤夏山 夏山句集
麦埃かぶり漕ぎ行く車椅子 山田 百穂
麦埃かぶる童子の眠りかな(洛陽) 芥川龍之介 蕩々帖〔その一〕
麦埃こぼれつゞけり渚まで 西山泊雲 泊雲句集
麦埃ただよひ沼に日沈む 橋本鶏二 年輪
麦埃に乗りて亡父母遊ぶらむ 河原枇杷男 定本烏宙論
麦埃一動乱を起しをり 村山古郷
麦埃丘にしづもり昼の月 久米正雄 返り花
麦埃島の聖地をおそひけり 朝倉和江
麦埃旅の時間は生きてゐる 中村草田男
麦埃浮べて利根の一支流 水原秋桜子
麦埃腑抜けきつたる面晒し 小林康治 四季貧窮
麦埃赤光の星森を出づ 川端茅舎
麦埃遠き飯場に燈の敷布 香西照雄 素心
麦埃鯰は池に伏して笑ひ 永田耕衣 吹毛集
麦扱きのこの日漁家たる状もなし 佐野まもる 海郷
麦扱きの満月となりし家そと 中塚一碧樓
麦扱きを距てをぐらく昼を臥す 今枝蝶人
麦扱といふ生産の埃かな 猪俣千代子
麦扱のお茶の蓆は別に敷き 上野泰 佐介
麦扱の三日ばしかで済めばよし 石口光子
麦扱の音分校にひびきけり 棚山波朗
麦扱の麦天日に噴きつづけ 伊達利根男
麦扱機しづまり月の夜がひらく 久保皓嗣
麦扱機憩へり鳩が歩み寄り 小池双葉
麦扱機折り折り軋みつゝ無事に 古賀 三春女
麦殻の柱並み立て今も小作 西東三鬼
麦殻を焚くや遠くの農夫耀り 萩原麦草 麦嵐
麦殻を焚く火か否か伊豆に入る 加藤楸邨
麦殻を焼く火の闇のなほはろか 長谷川素逝 暦日
麦殻を焼く火消ゆれば螢かな 福田蓼汀 山火
麦殻焼く甲斐なかぞらの黒煙 中拓夫 愛鷹
麦焼の煙の切れて母がゐる 森田清司
麦焼の阿修羅の如く火をくぐり 山口青邨


以上
by 575fudemakase | 2014-05-19 06:13 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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