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羽抜鳥

羽抜鳥

例句を挙げる。

いつからか使はぬ井戸や羽抜鶏 大木あまり 火球
おっとりと過ごしてゐては羽抜鳥 高澤良一 素抱
かの群は人間の筈羽抜鳥 栗林千津
さなぶりへ総出の家の羽抜鶏 青木綾子
そもそもは夜店のひよこ羽抜鶏 若月勝男
なかなかに安堵顔なり羽抜鳥 一茶
はばたける朱き腋見ゆ羽抜鶏 山口誓子
ふりたててとさかさびしき羽抜鶏 鷲谷七菜子 花寂び
まずしきもの寄合えば羽抜鳥めきて 細谷源二
まとひつき人語を解す羽抜鶏 富永 小谷
まなこ閉ぢ海女に抱かるる羽抜鶏 梶原 宇良
み仏の時間をずらす羽抜鶏 栗林千津
やすやすと抱かれて腕の羽抜鶏 深見けん二
スランプや聖者の貌の羽抜鶏 浅沼眞規子
ハーモニカ吹けば寄り来る羽抜鶏 岸本尚毅 舜
ピアノ連弾走り出したる羽抜鶏 佐川広治
フルートを吹かずにおれば羽抜鶏 伊達甲女
一塊の肉羽ばたきて羽抜鶏 福田蓼汀
一本の縄たれてゐる羽抜鶏 原田喬
一羽より一匹となり羽抜鶏 斎藤由美
二葉亭四迷の墓や羽抜鶏 有馬朗人 天為
亡妻の形見といふは羽抜鶏 上原恒子
人土に還りしあたり羽抜鳥 坊城俊樹
余所者を窺ふ佃の羽抜鶏 伊東宏晃
卵白し天を仰ぎて羽抜鶏 西東三鬼
口閉づるとき聳えけり羽抜鶏 加藤秋邨 吹越
喪の庭に鬨をつくれる羽抜鶏 渡辺大年
四五羽にて川を見てをり羽抜鶏 原田喬
土間に人畳の上に羽抜鶏 岸本尚毅(1961-)
大いなる門の開かれ羽抜鶏 中村若沙
太陽は焔ひき燃ゆ羽抜鶏 山口青邨
太陽へ大手を振つて羽抜鶏 和田耕三郎
奪衣婆にいためられたる羽抜鶏 黒川芳穂
学校の隅にまばたき羽抜鶏 原田喬
寵愛のおかめいんこも羽抜鶏 富安風生(1885-1979)
寺の庭駆けて身軽き羽抜鶏 金箱戈止夫
尋常に餌を啄ばめり羽抜鶏 原田喬
川よりも低きに飼はれ羽抜鳥 見留貞夫
己が白き抜羽眺めて羽抜鶏 野澤節子 黄 瀬
己が羽くわえて歩く羽抜鶏 穴井太(1926-97)
己が羽の抜けしを啣へ羽抜鶏 高浜虚子
己れ動けば句もまた動く羽抜鶏 石原八束 仮幻の花
年暮れぬ己れや醜の羽抜鳥 石塚友二 光塵
強がりのわれにも似たり羽抜鶏 吉木フミエ
後悔のみたびは忌みぬ羽抜鶏 河野多希女 こころの鷹
戒名の文字をうかがふ羽抜鶏 原裕 出雲
旗に風ある都電を見しや羽抜鶏 磯貝碧蹄館 握手
時つくることをしきりに羽抜鶏 冨田みのる
松風や関はむかしに羽抜鳥 白雄
棒立ちに佇つが見えたり羽抜鶏 百合山羽公
森閑とわが眼前の羽抜鶏 嶋田麻紀
母呼べば馳せてくるなり羽抜鶏 日原傳
気骨あるその歩きぶり羽抜鳥 高澤良一 鳩信
水を飲むときも真顔の羽抜鶏 長田等
水呑んで喉のかなしき羽抜鶏 土方 秋湖
水売りの漢につきて羽抜鶏 藺草慶子
水際は人にもさびし羽抜鶏 下村槐太 天涯
波止に出て闊達の歩の羽抜鶏 福永耕二
無精卵産みつづけゐて羽抜鶏 上村占魚 『方眼』
燈台の昼羽抜鶏かくれなし 秋元草日居
片足を地にゆづりあひ羽抜鳥 雨宮抱星
瓢々と歩きつかれぬ羽抜鶏 吉武月二郎句集
男気の廃れたる世の羽抜鳥 高澤良一 燕音
目が合うて波止につきくる羽抜鳥 小関 芳江
眼光はピカソのごとし羽抜鶏 堀越せい子
砂跳ねて羽抜鶏消ゆ日本海 能村登四郎 枯野の沖
立ち出づるより脛吹かれ羽抜鶏 稲島帚木
絶叫のあとうろたえて羽抜鶏 河合凱夫 飛礫
縄文の地層を駆くる羽抜鶏 屋山漫太郎
羽ばたきて一尺宙に羽抜鶏 近藤一鴻
羽抜鳥この身の末をみよとかな 久保田万太郎
羽抜鳥とぶがらあきの北の空 成田千空 地霊
羽抜鳥みてくれよりは達者なり 高澤良一 寒暑
羽抜鳥卒然として駈けりけり 高浜虚子
羽抜鳥墓光を沈め戻り来る 角川源義 『秋燕』
羽抜鳥子育て下手な親叱り 樋笠文
羽抜鳥折り積む柴にかくれけり 大谷句佛 我は我
羽抜鳥暮光を沈め戻り来る 角川源義
羽抜鳥河原に死んでゐたりけり 白水郎句集 大場白水郎
羽抜鳥瞼ゆるめて眠りをり 上野澄江
羽抜鳥知らぬ強みといふがあり 平子 公一
羽抜鳥胸の熱くてうづくまる 佐藤鬼房
羽抜鳥花野に熱き卵置く(奥日光周辺) 殿村菟絲子 『樹下』
羽抜鳥身を細うしてかけりけり 高浜虚子
羽抜鳥逃ぐるに羽根をつかひけり 中里 結
羽抜鳥逐ふとなく湯屋へ行きにけり 中島月笠 月笠句集
羽抜鳥風に吹かれて歩むかな 楠目橙黄子 橙圃
羽抜鳥馳けて虚無僧通りけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
羽抜鳥高き巌に上りけり 前田普羅
羽抜鳥鳴きて声佳きことかなし 稲畑汀子
羽抜鶏いたく己を顧みる 萩原麦草 麦嵐
羽抜鶏いましかがよふ風の沼 岸田稚魚
羽抜鶏うらがへされてゐたりけり 仙田洋子 雲は王冠
羽抜鶏おのが想ひの潰えけり 河野多希女 こころの鷹
羽抜鶏かなり神経使うなり 吉田さかえ
羽抜鶏かゆくかなしく走り出す 横山衣子
羽抜鶏しづかに蛇を跨ぎけり 神生彩史
羽抜鶏なほも律儀に産卵す 加藤富美子
羽抜鶏のどふくらみて鬨なさず 山崎冨美子
羽抜鶏はたとつるむや花南瓜 太田鴻村 穂国
羽抜鶏はばたきながら下りて来る 岸本尚毅 舜
羽抜鶏ふかれてはある爛れかな 中田剛 竟日
羽抜鶏みなをんどりでありにけり 小笠原和男
羽抜鶏もんどりうつてスコール来・・・タイ、インドネシア 高澤良一 ねずみのこまくら
羽抜鶏中仙道へ出没す 原田喬
羽抜鶏人目憚るがに歩む 小松崎爽青
羽抜鶏傷つき合うてみな生きて 村越化石 山國抄
羽抜鶏刻つくりても谷の底 成瀬桜桃子 風色
羽抜鶏刻つくるべき曇りかな 岸田稚魚
羽抜鶏吃々として高音かな 高浜虚子
羽抜鶏吊せば束子まはりけり 長谷川双魚 『ひとつとや』
羽抜鶏向き変へ風を驚かす 長谷川双魚 『ひとつとや』
羽抜鶏吾も患ひ髪失せし 品川鈴子
羽抜鶏咄咄逃ぐるお伊勢道 田中英子
羽抜鶏地にくくられて鳴くばかり 太田鴻村 穂国
羽抜鶏天地の間に呼吸して 栗林千津
羽抜鶏子路を愛して知命過ぐ 北澤瑞史
羽抜鶏山桑畑に来て追はる 石橋辰之助 山暦
羽抜鶏常に人後に立つ如し 萩原麦草 麦嵐
羽抜鶏広き肩胛あはれなり 山口誓子
羽抜鶏影を掃かれてをりにけり 柴崎七重
羽抜鶏怒れば羽の又とべり 堤剣城
羽抜鶏怒濤に向ひたかぶれる 加藤かけい
羽抜鶏悲運のごとく追はれけり 小林康治
羽抜鶏愛して猫を愛さざる 日原傳
羽抜鶏暮光を沈め戻りくる 角川源義
羽抜鶏梯子見上げてゆきにけり 河合照子
羽抜鶏歩む王家の石畳 品川鈴子
羽抜鶏水あふぎのむ眼澄み 小原菁々子
羽抜鶏湖へ駆けだす出島村 北見さとる
羽抜鶏溝川へおちてけたたまし 中尾白雨 中尾白雨句集
羽抜鶏無聊の犬の視野歩む 矢島房利
羽抜鶏片目にわれをとらへけり 古館曹人
羽抜鶏牛に一目置きにけり 太田土男
羽抜鶏生みし卵を笊に盛る 加古宗也
羽抜鶏男は無口通しけり 成田昭男
羽抜鶏空みし眼もて人をみる 柴田白葉女 『月の笛』
羽抜鶏童に追はれ蘆の中 水原秋桜子(1892-1981)
羽抜鶏羽ばたくたびに痩せにけり 近藤一鴻
羽抜鶏羽ばたくときの胸の張り 能村登四郎
羽抜鶏羽抜けしままに交みけり 近藤一鴻
羽抜鶏翔ぶ姿して駈け出せり 猪俣千代子 堆 朱
羽抜鶏背負ひあきんどと門を出づ 米沢吾亦紅 童顔
羽抜鶏見て奧の間の磔刑図 藤田湘子(1926-)
羽抜鶏見事に鬨をつくりけり 大木あきら
羽抜鶏走れ痛いの痛いの飛んで行け 正木海彦
羽抜鶏蹴つたる羽を被きたる 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
羽抜鶏蹴りたる羽を被きたる 佐々木六戈
羽抜鶏身を削りたる如くをり 大石暁座
羽抜鶏追はれつんのめり起きて闊歩 福田蓼汀
羽抜鶏追はれて墓も笑ふべし 桂樟蹊子
羽抜鶏追ひこむ山雨しみし門 米澤吾亦紅
羽抜鶏逃げそこなひし口ひらく 加藤秋邨 吹越
羽抜鶏風に向ひて羽摶ちけり 木村保博
羽抜鶏馳け出して憂さ晴らしけり 鈴木真砂女
羽抜鶏駈けて山馬車軋り出づ 水原秋櫻子
羽抜鶏高き巌に上りけり 前田普羅
羽抜鶏高足おろす露けくて 加藤楸邨
羽抜鶏鬨を忘るる影ひきて 吉野トシ子
羽抜鶏鳴くまではわが内に飼ふ 小檜山繁子
羽抜鶏鶏冠火燃つし雌を愛しむ 石塚友二
羽抜鶏黙殺といふ別れ方 中尾杏子
老犬と飼はれて睦む羽抜鶏 浦野芙美
胸に飼ふひとりひとりの羽抜鶏 栗林千津
蕗とりの僧を追ひゆき羽抜鶏 岩城のり子
記念写真をよこぎつてゆく羽抜鶏 大石雄鬼
辺陲に道ふとかりし羽抜鶏 中田剛 竟日
追ふ鳥も追はれる鳥も羽抜鳥 栗林 典子
逆光に人哀します羽抜鳥 倉田素香
道の辺に羽抜鶏とて追はれしや 小林康治 玄霜
道路ほど寂しきは無し羽抜鶏 永田耕衣(1900-97)
選挙ビラ漁村にあまり羽抜鶏 中本柑風
門内をうちひろげたる羽抜鶏 石田勝彦 秋興
雄心のまだ少しくは羽抜鳥 大井戸辿
雨止んで庇の下に羽抜鶏 岩田由美
風いでしあたりを歩く羽抜鶏 長谷川双魚 『ひとつとや』
風吹かば吹けと雌雄の羽抜鶏 平井照敏 天上大風
風雨来る垣の頽れに羽抜鳥 妻木 松瀬青々
飛白着て羽抜鶏ほど駆けしのみ 貝塚放朗
首伸ばし己たしかむ羽抜鶏 右城暮石(1899-1995)
鶏冠の燃えて首立つ羽抜鶏 西村公鳳

以上
by 575fudemakase | 2014-06-07 00:55 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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