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若竹

若竹

例句を挙げる。

あなどれぬものに囲まれ今年竹 朝倉和江
いづれ若竹七夕笹として剪らる 吉野義子
いま竹でありたき風の今年竹 今瀬剛一
おろそかにいのちを思ふ今年竹 斎藤玄 雁道
ずんぐりとやがてすらりと今年竹 高澤良一 鳩信
たけくらぶ吾子はあらずよ今年竹 角川源義 『冬の虹』
ためらひて降る雨ならず今年竹 有働 亨
つと触れし指あとしるき今年竹 関口 湖舟
とめられて尚句を思ふ今年竹 松藤夏山 夏山句集
ぬきんでて宙の淋しき今年竹 小林康治
ぬきんでて虚空さみしき今年竹 小林康治
もてなしの今年竹見てもらふのみ 石川桂郎 高蘆
わが伏屋若竹一本貫けり 沢木欣一
一夜一尺今年竹伸び盛り 辻田克巳
久に着し絣匂へり今年竹 小松崎爽青
京の夜を薙ぐ一本の今年竹 柴崎左田男
人の声光のごとし今年竹 町田しげき
今年竹あまりに遺語の短しよ 角川源義 『冬の虹』
今年竹いつもどこかが揺れてをり 小島花枝
今年竹すでに潮焼け安房の国 大屋達治 龍宮
今年竹どしやぶりの灯を流したり 岸田稚魚 筍流し
今年竹はや暑がりの目を置ける 石川桂郎 高蘆
今年竹はらりと解くや子の母校 蓬田紀枝子
今年竹ひかりを水に通しけり 大串 章
今年竹ゆすりゆさぶり浮浪児か 加藤楸邨
今年竹三日見ざればよそよそし 山田みづえ 手甲
今年竹伸びをそろへし村に入る 杉本寛
今年竹叩きて踵ひるがへす 橋本美智代
今年竹同じ高さに二本かな 高野素十
今年竹四五本白鶏あそぶなり 柴田白葉女 花寂び 以後
今年竹壮年の竹と仰ぎけり 朝倉和江
今年竹天の配剤思ふべし 行方克巳
今年竹宵は白磁となつてゐし 鳥居美智子
今年竹年年に空はるかなり 宮津昭彦
今年竹意地に生くるも限りあり 鈴木真砂女 夕螢
今年竹憂き世の風も知らずして 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
今年竹手紙かきたく墨すりだす 榎本冬一郎 眼光
今年竹指しなやかにピアノ弾く 上田五千石 田園
今年竹指につめたし雲流る 田中裕明 山信
今年竹数へて生家去りがたし 志城 柏
今年竹昏れがての唇ひかりけり 岸田稚魚 筍流し
今年竹晩齢の涯蒼茫と 中島斌雄
今年竹木戸に亡母佇つおもひして つじ加代子
今年竹柩づくりは柩造り 和知喜八 同齢
今年竹業平寺に皮脱げり 宮田正和
今年竹檜傾く嵐かな 石田波郷
今年竹沸水のこゑ放ちけり 鍵和田[ゆう]子
今年竹泳げる蔓にとびつかれ 西山泊雲 泊雲
今年竹湧水のこゑ放ちけり 鍵和田釉子
今年竹白馬は粉糠だらけかな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
今年竹皮剥ぐころの汗少し 鈴木真砂女 夕螢
今年竹眺めの席や普茶料理 亀岡一渓
今年竹矗と混沌此岸かな 石塚友二 光塵
今年竹立ち並びたる閑居かな 高野素十
今年竹筆とればはや退路なし 野澤節子 黄 炎
今年竹紛れ入るには青すぎて 野見山ひふみ
今年竹老婆も水に足浸けて 飯田龍太
今年竹自らを曲げ風通す 三好潤子
今年竹軒の高さに伐られけり 辻田菊子
今年竹遠目にありて二三本 岸田稚魚 筍流し
今年竹降り出してゐる空があり 蓬田紀枝子
今年竹雨は烟りて奔るなり 高澤良一 鳩信
今年竹露ふりこぼす二つ星 齋藤玄 飛雪
今年竹魂うつろなる美青年 香西照雄 素心
今日伸びしけふの高さの今年竹 池田秀水
会はざりし日の若竹に日の当る 中村汀女
伸び切つて空を分け合ふ今年竹 三枝静代
伸び悩むらし一本の今年竹 大木あまり 火球
先んじて風の意に添ふ今年竹 木村 風師
去りがてや目立つ四方木屋の今年竹 及川貞 夕焼
句作りに鞭鼻さきの今年竹 石川桂郎 高蘆
吊りそめし蚊帳の夜明けぬ今年竹 碧雲居句集 大谷碧雲居
吹き撓む若竹長き堤かな 横光利一
吹き降りの一ト日ありけり今年竹 行方克巳
啼く夜鷹若竹の節泛びけり 千代田葛彦 旅人木
地酒注ぐ猪口も徳利も今年竹 黒坂紫陽子
垣根破るその若竹を垣根かな 山口素堂
壁こぼつ埃の中や今年竹 月の本為山
夏雲濃し厩の馬に若竹に 飯田蛇笏 霊芝
夕陽すりよる谷底の今年竹 福田甲子雄
尺刻み寸を刻んで今年竹 永川絢子
尼寺のはづれ細身の今年竹 岸田稚魚 筍流し
島の日の赫つと照りだす今年竹 皆川盤水
己が胃をつくる残生今年竹 竹中龍青
弟子僧に喩へし竹の今年竹 後藤夜半
御陵や秘色かがよふ今年竹 高瀬 史
惚れること惚れられること今年竹 秋元不死男
成長の止まりて揃ふ今年竹 荒井英子
揺れやすき高さとなりて今年竹 木内怜子
故園荒る松を貫く今年竹 高浜虚子
数幹の若竹交る明るさよ 星野立子
昼鐘や若竹そよぐ山づたひ 内藤丈草
暗みより天へ抜けたり今年竹 滝沢伊代次
朝靄に*ろうかん曇る今年竹 木村蕪城
朝風や藪の中なる今年竹 日野草城
業平の若竹蔓を拒みてあり 林原耒井 蜩
槍のごと若竹の穂の澄みにけり 柑子句集 籾山柑子
水口にはらりと皮や今年竹 飴山實 辛酉小雪
濃かにしてしづかなる今年竹 日野草城
濡縁に母念ふ日ぞ今年竹 石田波郷
濡縁へかたむいて来し今年竹 五十崎古郷句集
父の日や若竹のみな節高に 小林康治 『存念』
玄室の上に突き出て今年竹 辻桃子
男ゐて雲ひとつなし今年竹 櫛原希伊子
留学の子の卒業期今年竹 及川貞 榧の實
白蛇生むごとくに月の今年竹 鳥居美智子
百幹の若竹あをき人語生む つじ加代子
直情といふ言葉あり今年竹 大橋敦子 匂 玉
空 へ 若 竹 の な や み な し 山頭火
窺ふや書院を匿す今年竹 石川桂郎 高蘆
童顔のままに育ちて今年竹 浦野芙美
竹林の外へ外へと今年竹 南雲 糸虫
笑みこぼれ子の歯二粒今年竹 福永耕二
節冷えて朔太郎忌の若竹ぞ 岡田貞峰
節長の若竹背丈まづ父並みに 香西照雄 素心
経蔵に万巻眠る今年竹 有馬籌子
繋ぎ来しいのちの前や今年竹 杉山岳陽
群を抜く若竹にしてしなひをり 飯村周子
聞香の障子ひと重に今年竹 佐野美智
若竹とうづまきの尾の犬もよし 滝井孝作 浮寝鳥
若竹となり常冷えの肌を持す 岸田稚魚 筍流し
若竹と成て千里も遠からず 千代尼
若竹にちさき姫もや柴屋寺 中勘助
若竹にふしなき中のむすびかな 上島鬼貫
若竹に七のかしこきならねども 松瀬青々
若竹に月のうすものかづけけり 松岡青蘿
若竹に梅雨雲張りて弛みなし 石塚友二
若竹に猫の寝てゐる畳かな 雑草 長谷川零餘子
若竹に雀二三羽雨青し 筏井竹の門
若竹に青き大空ありにけり 嶋田 つる女
若竹に響く閑日月の日よ 古館曹人
若竹に風雨駆けるや庭の奥 前田普羅 新訂普羅句集
若竹に飯食うて居り時はづれ 阿部みどり女 笹鳴
若竹の*ろうかん苔に立ちならぶ 水原秋櫻子
若竹のかげのちらつく写しもの 富安風生
若竹のその一本の大撓み 下村梅子
若竹の中と思へぬ暗さかな 鷹羽狩行 十友
若竹の光おさまるけしきかな 小林康治 四季貧窮
若竹の冷え伝ふなり真昼の手 櫛原希伊子
若竹の撓ひて風の行方追ふ 中井啓子
若竹の白き洋館さらさらす 高橋孤影
若竹の皮脱ぎをはる一番寺 中川克子
若竹の皺びて枯るゝたぐひかな 立花北枝
若竹の空に摶ちあふ古戦場 長谷川閑乙
若竹の筆になるべき細り哉 正岡子規
若竹の節々勁くなる日暮 根岸善雄
若竹の節の粉を噴く陶の里 堀北久子
若竹の粉に触れ熱き掌 殿村莵絲子 花寂び 以後
若竹の粉をふく胸辺やすらかに 千代田葛彦 旅人木
若竹の艶見す親竹並みてみせ 香西照雄 素心
若竹の花筒つくり何彫らむ 川島彷徨子 榛の木
若竹の逆光青を深めたる 松本陽平
若竹の青闇が抱く新古墳 つじ加代子
若竹の風は日に日にかわりけり 千代尼
若竹の風を見て居る嬰児の瞳 長谷川かな女 牡 丹
若竹の高さすぐれたり秋の空 渡辺水巴 白日
若竹は月にやしなふ景色哉 暁台
若竹も傾きわれもかたむけり 八木林之助
若竹も塩硝くさし組屋敷 中村史邦
若竹やかくれ家めきて桂郎居 及川貞 夕焼
若竹やふし目立たぬが伸のよき 幸田露伴 谷中集
若竹や一夜々々のちから草 水田正秀
若竹や丈山すねて幾年ぞ 大谷句佛 我は我
若竹や伸びきりて夏の薄月夜 内田百間
若竹や十日は月の肥え過ぎたり 巌谷小波
若竹や夕日の嵯峨と成りにけり 蕪村
若竹や子供遊べる潦 松藤夏山 夏山句集
若竹や宿の女の朝化粧 吉川英治
若竹や尚なよ~と月の前 尾崎迷堂 孤輪
若竹や廻る月日に朽つる臼 西山泊雲 泊雲句集
若竹や握手の中の一握手 赤松[ケイ]子
若竹や故人しきりに夢に入る 会津八一
若竹や数もなき葉の露の数 炭 太祇 太祇句選後篇
若竹や敷居拭かれて真一文字 今村俊三
若竹や日はまだ八つの通り雨 几董
若竹や暗がり走る水の音 鳳嘴
若竹や村を出る水もり上り 大峯あきら 鳥道
若竹や橋本の遊女ありやなしや 與謝蕪村
若竹や橘本の遊女ありやなし 蕪村 夏之部 ■ 諸子此枝の僧房に會す、余はいたづきのために此行にもれぬ
若竹や海に入る日をすだれ越し 蘇山人俳句集 羅蘇山人
若竹や海へ飛び散る朝雀 村沢夏風
若竹や淡々として昼の月 松根東洋城
若竹や湯殿に水をそゝぐ音 上村占魚 鮎
若竹や烟のいづる庫裏の窓 曲翠
若竹や砂に落ちたる蝸牛 比叡 野村泊月
若竹や神事すませて馬遊ぶ 碧雲居句集 大谷碧雲居
若竹や竹より出て青き事 立花北枝
若竹や筑波に雲のかゝる時 巴人
若竹や緑にうつりて猫とほる 大峯あきら 鳥道
若竹や肩の力のしなやかに 周防淑子
若竹や蜘蛛や朽ちたる縁の穴 寺田寅彦
若竹や連れ立つて来る白き雲 細川加賀 生身魂
若竹や雨をこぼして走る雲 龍岡晋
若竹や鞍馬の奥の花いまだ 竹冷句鈔 角田竹冷
若竹や鞭の如くに五六本 川端茅舎
若竹や髪刈らしむる庭の椅子 正岡子規
若竹を吹き曲げにけり青嵐 横光利一
若竹を風かたまつて離れけり 宮津昭彦
若竹抜く若杉一幹村の教師 香西照雄 対話
行く末は笛になるかも今年竹 福島裕峰
見るかぎり今年竹なる起伏かな 千原叡子
讃ふべし皮捨てて立つ今年竹 朝倉和江
豊頬の月若竹の穂に乗りつ 野澤節子 牡 丹
近づきてゆく今年竹日当れる 岸田稚魚 筍流し
鉢前や二本ちひさき今年竹 梅沢墨水
闇ながらさだかに見えて今年竹 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
降られてはその後晴れては今年竹 高澤良一 随笑
雉翔ちしあとの若竹騒ぐなり 石川桂郎 高蘆
雨の中父情かなしや今年竹 角川源義
雨音のまづ走り来る今年竹 古賀まり子 緑の野以後
雨音を消す若竹の茂りあひ 野澤節子 『存身』
霧のぼる闇深々と今年竹 阿部みどり女 『光陰』
風ごとに葉を咲き出すや今年竹 千代女
風まとふ高さとなりて今年竹 飯島正人

以上
by 575fudemakase | 2014-06-16 00:23 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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