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例句を挙げる。

あかつきの萍たたく山の雨 桂信子 黄 瀬
あげらるゝ筌の萍まみれかな 草野駝王
いづこよりわく水ならむ萍に 久保田万太郎
かりそめの世に萍の泛くところ 齋藤愼爾
かるの子や首さし出して浮萍草 惟然
つぎの世の扉の色か萍は 攝津よしこ
はるかなるものに帆を張り花萍 伏木ケイ
われ旅にあり萍は水にあり 倉田紘文
一聯の萍引きし小鮒かな 島村元句集
三々五々萍川旅田を出でて 香西照雄
人散って言葉残れり萍に 清水冬視
今の雨萍の葉に置きて過ぐ 高濱年尾 年尾句集
古池や花萍の昼淋し 鳴雪
堰近く萍まはりはじめけり 松本美簾
塔をうつす水の萍もみぢかな 稲垣きくの 黄 瀬
壕汲めば萍なぞや水を打つ 尾崎迷堂 孤輪
天に雲なし萍に隙間なし 塩沢紫翠
家も木も皆萍とさそはるゝ 子規句集 虚子・碧梧桐選
岩の亀萍に乗る亀落とし 長谷川かな女 花 季
心いま萍を見てゐるにあらず 清崎敏郎
心許すべきか萍曇りゐて 倉橋羊村
旅の掌に萍掬ひ水にかへす 成瀬桜桃子 風色
昼過ぎの湖萍をふやしけり 柿本多映
晩涼に池の萍みな動く 虚子
曲江にみる萍や機上の婦 飯田蛇笏 山廬集
月さすや萍の咲きをはる花 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
次の世の扉のいろか萍は 摂津よしこ
母のせて舟萍のなかへ入る 桂信子 緑夜
水中花萍よりもあはれなり 渡辺水巴 白日
水古くして萍と倉の影 昭彦
水強し萍流れ盡すべし 中川富女
水泡より小さく萍生ひ初めし 片山由美子
水澄んで何時か萍なかりけり 五十嵐播水 播水句集
水音の萍ひとつ離れをり 山上樹実雄
池畔ゆき青萍の香にむせぶ 誓子
池遠見萍の座の光り見ゆ 高浜年尾
流れつゝも萍青し秋の風 碧雲居句集 大谷碧雲居
流れ流れて萍花のさかりかな 来山
漾へるもの萍とのみはあらず 石塚友二 光塵
炎上の弥陀萍を照らしけん 橋石 和栲
田をいづる脛に萍殺到す 白岩三郎
皿に萍厨に妻の箱庭あり 高澤良一 素抱
眼裏をはるばると来し萍よ 齋藤愼爾
第二楽章へ萍のひろがりゆく 能村登四郎 枯野の沖
舟着くや萍の葉のもりあがり 大橋櫻坡子 雨月
草噛めば風が吹くなり萍に 皆川白陀
萍(うきくさ)の出口の水の鳴りにけり 藤田あけ烏 赤松
萍です面白がって満員です 伊藤淳子
萍にもみづる色ののりそめし 行方克巳
萍に伊吹見出でゝ雨上る 前田普羅 新訂普羅句集
萍に何を喰フやら池の鴨 服部嵐雪
萍に大粒の雨到りけり 星野立子
萍に忍ぶが如く鳰浮けり 鈴木花蓑句集
萍に朝焼すき間なかりけり 国井香根子
萍に木場の月夜となりにけり 柑子句集 籾山柑子
萍に根のあることの故のなし 新井ひろし
萍に梅雨の薄日のさして消ゆ 遠藤梧逸
萍に添うて下るや川蜻蛉 天笑
萍に生れしと見る蟲の飛ぶ 石井露月
萍に白々浮くは捨団扇 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
萍に真昼さみしく松の風 遠藤梧逸
萍に膏雨底なく湛へけり 普羅
萍に落ちて篝の屑淋し 柑子句集 籾山柑子
萍に蠑螺となりし妖女かな 雑草 長谷川零餘子
萍に鎌倉の昼深きかな 高澤良一 宿好
萍に鷺の長脛君臨す 高澤良一 寒暑
萍のあはひあはひの漆闇 高澤良一 随笑
萍のうごかぬ水の減りにけり 千葉皓史
萍のかたまりぐせや頼政忌 関戸靖子
萍のさそひ合せておどり哉 蕪村 秋之部 ■ 英一蝶が畫に賛望れて
萍のしんとみどりの一帝国 高澤良一 素抱
萍のそれより蒼き月上る 河合凱夫 藤の実
萍のつきたる足の急ぎ足 みづほ
萍のとぢてしづみぬ源五郎 木津蕉蔭
萍のとっつき方といふがあり 高澤良一 燕音
萍のはじめや粉のごときもの 古屋秀雄
萍のひしめき合へる水匂ふ 外村勢佳
萍のひまの漣ぐもりかな 鷲谷七菜子
萍のひらきて閉ぢて鳰くゞる 素十
萍のひろごりあへぬ山雨かな 草堂
萍のふくれ上りて堰を落つ 瀬戸 十字
萍のまだきらきらと石の上 森賀 まり
萍のみんなつながるまで待つか 飯島晴子
萍のわが屍を蔽ふべく 鷹女
萍の一つは頭蓋のなかに浮く 枇杷男
萍の三三ながれ五五のつづく 福永 耕二
萍の中に動くや亀の首 正岡子規
萍の中の舟路岐れをり 五十嵐播水 播水句集
萍の中を進みて白枕 桂信子
萍の仕掛成程斯うなのか 高澤良一 素抱
萍の動かず雲のうごきだす 山本実昌
萍の動くがまゝに糸とんぼ 八重九皐
萍の収拾つかぬざんざ降り 高澤良一 素抱
萍の吹き寄せられてゐて平和 岡野ひさの
萍の実もいさぎよし水駅(うまや) 服部嵐雪
萍の実をつけいそぐ山の牧 宮坂 静生
萍の寂光尼に小机あり 桂樟蹊子
萍の底の見えない不安かな 今瀬剛一
萍の影濃き水の家郷かな 上野草魚子
萍の揺れて片寄る雨の中 堀江一舟
萍の支離滅裂か整然か 高澤良一 素抱
萍の水をつたひて韓の唄 清水径子
萍の水栽培を厨にて 高澤良一 素抱
萍の流れゆくにはあらざりき 中島斌雄
萍の湖の中ゆく流れかな 松藤夏山 夏山句集
萍の片寄りしまま夜となれり 片山由美子 雨の歌
萍の生ひそめしより紅なりし 堀喬人
萍の生ひて天心そのあたり 平井照敏
萍の畳のひまに映る塔 遠藤梧逸
萍の花からのらんあの雲へ 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
萍の花の中なる浮巣かな 松藤夏山 夏山句集
萍の花の盛りを流さるる 沖 祐里
萍の花より低き通りかな 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
萍の裏はりつめし水一枚 耕二
萍の西日の亭となりにけり 楠目橙黄子 橙圃
萍の赤きに奈良の時雨かな 伊東慶子
萍の身はまだおもしかきつばた 千代尼
萍の辺に天井の低き家 桂信子 樹影
萍の遠賀の水路は縦横に 久女
萍の鍋の中にも咲にけり 一茶
萍の隙に日輪落ちてをり 桑原眩子
萍の隙間怖れし昔かな 桂信子
萍の隠蔽工作始まれり 高澤良一 素抱
萍の静かに閉ぢぬ船の道 福田蓼汀 山火
萍の風の気ままに雲の午後 桂信子 黄 瀬
萍は破れし穴を繕へる 高澤良一 素抱
萍やとまり定めぬあま蛙 調巴 選集「板東太郎」
萍やとりおとしたる咲所 千代尼
萍やはづれては又月のうへ 松岡青蘿
萍や光りて動くもの殖やし 都筑智子
萍や夏至の太陽やゝ西に 百合山羽公 故園
萍や山にてもがく無人駅 正岡 豊
萍や手児奈の井戸を少女知らず 福田蓼汀 秋風挽歌
萍や手足つめたく咲くわれも 間庭とよ子
萍や散財といふひそかごと 渡辺祥子
萍や月夜さだかにかすかにも 汀女
萍や樋を越す水にさそはるゝ 呑獅
萍や池の真中に生ひ初むる 正岡子規
萍や沈黙というちからわざ 松本勇二
萍や漫々たる江に生ひ初る 正岡子規
萍や澄みまさりたる苗代水 岡本松浜 白菊
萍や濯ぐ水輪に乗り揺れて 松藤夏山 夏山句集
萍や生そめてより軒の雨 白雄
萍や生ひそめてより軒の雨 白雄
萍や田舟の水路今もあり 徳澤南風子
萍や男盛りを便便と 奥山源丘
萍や百円で売る芋や葱 岸本尚毅 舜
萍や蜻蛉すでに翅鳴らし 黒木野雨
萍や赤子かすかに笑ひをり 岸本尚毅 鶏頭
萍や風にゆらるゝ葉も花も 文皮
萍や黒い小蝶のひら~と 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
萍をしきりに送り舟の棹 石田勝彦
萍をひっくり返しゆく大雨 高澤良一 素抱
萍を咲かせて軽き昼夜かな 橋石
萍を岸に繋ぐや蜘の糸 千代尼
萍を揺すりて苦労性の鯉 庄中健吉
萍を波間に河口近づけり 篠田悌二郎
萍を流さぬやうに水替へす 如月真菜
萍を浚へて広き水となる 細江大寒
萍を逃るるさまに漕ぎ離れ 中村汀女
萍生ふ湖畔さらなみ夜を濃くす 高橋静葩
萍草を吹きあつめてや花筵 蕪村
蓴採る手に萍をつけしまゝ 小山 二虹
蘆影をおき萍にみどりさす 古舘曹人 砂の音
蝉の昼池の萍緑金に 内藤吐天 鳴海抄
血の池といひ萍を雨たゝく 森田峠 避暑散歩
遠富士へ萍流れはじめけり 桂信子 樹影
遠明りして萍の水昏む 柿本多映
酔ひ足らぬ南京酒や尽くる春(細田枯萍を訪ふ) 芥川龍之介 我鬼窟句抄
雨ならず萍をさゞめかすもの 風生
青嵐や萍さつと吹きしらめ 西山泊雲 泊雲句集
風に寄りて萍青し秋燕 碧雲居句集 大谷碧雲居
鬼蓮の実の萍の中にとぶ 丹羽 玄子
そのわかれ浮草の花けしの花 千代尼
にひ月や浮草の生ひそむるより 飯田蛇笏 春蘭
堰水に浮草ひがな巻きこまれ 南典二
夏服の上衣小脇に浮草か 猿橋統流子
孤独なれば浮草浮くを見に出づる 細見綾子
更衣して浮草の花二三 篠崎圭介
流れくる浮草に花咲いてゐし 真鍋 貞
浮草に我は根の付く涼みかな 千代尼
浮草に薺こぼるる野川かな 会津八一
浮草のはじめ寄るとなき五ツ六ツ 細見綾子 花寂び
浮草の花の上這ふ小蛇かな 会津八一
浮草の芽吹のみどり畳なす 大場白水郎 散木集
浮草はかりに氷の住居かな 水田正秀
浮草やしかも山田の落し水 水田正秀
浮草や洗へば軽ろき恋の櫛 月舟俳句集 原月舟
浮草や蛙のつらの浮上る 寺田寅彦
浮草や蜘蛛渡りゐて水平ら 村上鬼城
浮草を押しながら蛭泳ぎをり 高野素十
田水もう浮草の浮くおちつきに 細見綾子 花寂び
鷭啼くや浮草に潮落ちてあり 渡辺水巴 白日
五月雨や起きあがりたる根無草 村上鬼城
根無草流されつつも花揚げて 大場美夜子
波消ゆる岸辺に寄りて根無草 稲畑汀子

以上
by 575fudemakase | 2014-06-27 09:33 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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