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月下美人

月下美人

例句を挙げる。

あかんぼに泣かれし月下美人かな 辻美奈子
はなむけと月下美人の鉢持参 山本歩禅
ふくらめる月下美人を預れり 右城暮石「一芸」
ほろ酔ひて月下美人に呼ばれゆく 園田富美江
フォーレ聴く月下美人と二人して 大石悦子 百花
下町に月下美人の騒ぎあり 柿本多映
主賓こず月下美人はくづれけり 川田長邦
二度咲きの月下美人の月に会ふ 関森勝夫
人の世と月下美人の夜を重ね 粟津松彩子
人待つごと月下美人に正座かな 野辺祥子 『遠野火』
今一度月下美人に寄りて辞す 森田純一郎「かつらぎ選集」
匂ふとき月下美人として開花 稲畑汀子
咲きさうな月下美人に髭をそる 池田啓三
夜の音月下美人に吸ひこまれ 阿部みどり女 月下美人
妖と開き煌と香りぬ月下美人 楠本憲吉
妻を待つ月下美人の燈を残し 中戸川朝人
子を流す宿業月下美人にも 浦野芳南
学校の月下美人を持ち帰る 光成晶子
寝もやらず月下美人の開く待つ 渡辺三与
寝惜みて月下美人を描きつづく 下村非文
彼女たち月下美人がおいしいと 後藤比奈夫 めんない千鳥
待たすだけ待たせて月下美人咲く 檜紀代
旅のばす月下美人にあはむため 朝倉和江
明日ありや月下美人に明日ありや 鷹羽狩行 平遠
昼の暗月下美人の花底に 阿部みどり女 月下美人
晝の暗月下美人の花底に 阿部みどり女
暁惜しむ月下美人の花三つ 岡本佐和子
月も満ち月下美人も咲き満ちぬ 粟津松彩子
月下美人あしたに伏して命あり 阿部みどり女 月下美人
月下美人たまゆらの香の満ちにけり 深見けん二
月下美人のロビーにひらく知らせあり 田中芙美
月下美人ひとの息とは濁りたる 鳥居おさむ
月下美人ひとの気配にひらきけり 黛まどか(月刊ヘップバーン)
月下美人ひらく重さに揺れにけり 多武保和子
月下美人へ裾を曳くネグリジエ 品川鈴子
月下美人一分の隙もなきしじま 阿部みどり女 月下美人
月下美人一絲の紊れなかりけり 高木良多
月下美人二花絶頂をゆれ交す 岡部六弥太
月下美人力かぎりに更けにけり 阿部みどり女「月下美人」
月下美人呼ぶ人来ねば周章す 中村汀女
月下美人和紙を冥しと思ひけり 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
月下美人咲いて客なき今宵かな 藤岡細江
月下美人咲きそめてより灯の下に 船坂ちか子
月下美人咲きぬ林火の忌なりけり 町田しげき
月下美人咲くとき起居しづかにす 品川鈴子
月下美人咲くを恋待つごとく待つ 吉野義子
月下美人咲く仮の世の仮の刻 長谷川史郊
月下美人咲く満潮と言ふならむ 吉田紫乃
月下美人夜のしじまの通り過ぐ 布施まさ子
月下美人夜の向うに海の音 佐藤和夫
月下美人夜は百条の蕊を吐く 三嶋隆英
月下美人夜空赤らむことありて 鈴木喜美恵
月下美人大きな声は出さず見る 加藤楸邨「怒濤」
月下美人妖しき息を吐きそめし 三嶋隆英「迅速」
月下美人妻の遺句集胸に抱く 三浦勲 『生きる』
月下美人娘を持たぬ妻に咲く 安田杜峰 『蛍草』
月下美人待つ灯をほそめ声ひそめ 大東 晶子
月下美人我にかへれば夜のしじま 大津希水
月下美人昭和天皇飾らるる 坂手運勇
月下美人月の雫を呼びて咲く 野口八重子
月下美人母系家族の声の張り 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
月下美人潮鳴り何時かしづもれり 田中英子
月下美人生国知らず開くなり 阿部みどり女 月下美人
月下美人羽を重ねて開きけり 野澤節子
月下美人膾になつて了ひけり 阿波野青畝「宇宙」
月下美人足袋はきかへてより講師 影島智子
月下美人通夜の戸口に開きけり 池田鶴月
月下美人鉢引き摺つて亡夫の前 松本延子
月下美人開くところを囲みけり 入星暁圃
月下美人開く則ち薫り発つ 石井桐陰
月下美人闇に潮の満ち来たり 伊丹さち子
月下美人雄蕊雌蕊も火神かな 石寒太 あるき神
月盈ちぬ月下美人の咲く夜とて 後藤夜半 底紅
正月を月下美人のつめたき葉 秋元不死男
溜息をもらして月下美人閉づ 岬雪夫
灯を消して月下美人と別れけり 松崎鉄之介
猫の乳ほど月下美人の蕾かな ふけとしこ 鎌の刃
砂に挿す月下美人の遺伝子を 丘本風彦
終といふ月下美人も逢はぬまま 山田弘子 こぶし坂
翌朝の月下美人の花粉かな ふけとしこ 鎌の刃
花開く力に月下美人揺れ 藤本三楽
萎えにけり月下美人の名に疲れ 大橋敦子
虫遠音刻々月下美人解け 及川貞
裏戸より月下美人に来る客も 佐藤裸人
通夜の客月下美人を見て帰る 浜田枯村
闇にゐて月下美人と息合はす 落合絹代(風土)
首すぢにおとろへ月下美人かな 片山由美子 風待月
髭剃つて月下美人に逢ひに行く 宮脇白夜


以上
by 575fudemakase | 2014-07-09 00:01 | 夏の季語 | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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