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桐一葉

桐一葉

例句を挙げる。

いたつきの身をつたひつつ一葉落つ 牧野春駒
かぞえきれない月日のなかの桐一葉 津沢マサ子 風のトルソー
しばらくはこらへてゐしが桐一葉 長谷川双魚 『ひとつとや』
そぎ竹のしのび返しや桐一葉 寺田寅彦
としどしや井桁の上に桐一葉 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
ひびきけり彼の人の持つ桐一葉 小檜山繁子
ゆつたりと時間をかけて一葉落つ 北光星
わが行手占ふ如く桐一葉 尾崎陽堂
一葉落いくらもおちて月夜かな 服部嵐雪
一葉落ちおのれの鼻の見ゆるなり 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
一葉落ち一葉落ち桐の庵淋し 田中寒楼
一葉落ち大いなる音一つあり 徳永山冬子
一葉落ち実話といふが多すぎる 加藤楸邨
一葉落ち旅情愕く蝦夷の雨 林翔 和紙
一葉落ち犬舎にはかに声おこる 小倉涌史
一葉落ち磴の踏み減り隠しけり 関森勝夫
一葉落ち空綻びてしまひけり 北見さとる
一葉落つその影を地に濃くしつつ 林 翔
一葉落つ何か流るる身のほとり 鷲谷七菜子
一葉落つ借りたる古書をふところに 石川桂郎 四温
一葉落つ古着屋町の日の匂 林翔 和紙
一葉落つ変りし戦後五十年 秋山 一泉
一葉落つ山を拓きてゴルフ場 長崎小夜子
一葉落つ憶良もきゝし鐘撞けば 亀山 恒子
一葉落つ絵描き広場の石畳 小原菁々子
一葉落つ遠景不意に断つごとく 橋本榮治 麦生
一葉落てあとに穴あく秋の空 成美
三日月の鎌や触れけん桐一葉 高田蝶衣(1886-1930)
乾坤にぷつと音して一葉落つ 富安風生
人ごゑにかたちくだけて桐一葉 魚目
人去て行灯きえて桐一葉 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
会ふ人のありて上野に桐一葉 古舘曹人 樹下石上
何もかも見ゆる月夜や桐一葉 岸本尚毅
傘の柄のあまりに細し桐一葉 篠原俊博
別離とは刻かけ癒えむ桐一葉 高橋良子
地を打つに革の音して桐一葉 松瀬青々
夏痩の骨にひゞくや桐一葉 正岡子規
夜の湖の暗きを流れ桐一葉 爽波
客人(まろうど)として濡縁の桐一葉 手塚美佐 昔の香
尾を曳きし鐘の音と散る桐一葉 源鬼彦
山畑や雲より落る桐一葉 妻木 松瀬青々
幼児の持つておもたき桐一葉 川崎展宏
広辞苑ひらいて厚き一葉落つ 遠藤梧逸
廓跡ありし入江や桐一葉 山本洋子
弦楽四重奏曲一葉落つる家 内山泉子
心にも落つる音して桐一葉 佐々木早月
忘れゐし空の胸より一葉落つ 手塚美佐 昔の香 以後
我宿の淋しさおもへ桐一葉 芭蕉
手をのべて筧の一葉落しけり 寸七翁句集 宮部寸七翁、吉岡禪寺洞選
指揮棒の真綿ぐるみや桐一葉 波多野爽波 『一筆』以後
捕鼠器ひたし沈むる水や桐一葉 飯田蛇笏 山廬集
掃きすすむ塀の近くの桐一葉 上村占魚 球磨
文月の返しに落る一葉かな 千代尼
旅にゐし昨日ははるか桐一葉 上田日差子
晩節と言ふ語重たし桐一葉 冨田みのる
普請場や竹の矢来に桐一葉 寺田寅彦
普請場や足場の上に桐一葉 寺田寅彦
月明や落ちてひさしき桐一葉 金尾梅の門(1900-80)
柿落葉一葉もらさず掃きにけり 虚吼句集 相島虚吼
桐一葉あたかも落つる虚子山廬 山口青邨
桐一葉いまだ梢の葉なりけり 静塔
桐一葉うちはの如く拾ひあぐ 赤松子
桐一葉ひとつのいのちらしきもの 中島敏之
桐一葉ひとは小袖をうちかさね 猪俣千代子 秘 色
桐一葉われに向つて影投げつ 中村汀女
桐一葉下総に水ゆきわたり 黛執
桐一葉二葉とありて散らざりき 板垣鋭太郎
桐一葉入江かはらず寺はなく 田中裕明 花間一壺
桐一葉城址の水の乏しき井 上村占魚 鮎
桐一葉夥しさとなりにけり 東洋城千句
桐一葉大坂城を想ひ出す 村野秋果
桐一葉大阪城の石垣に 芦川 巣洲
桐一葉太平洋を真近にす 佐川広治
桐一葉庭竃より掃き出しぬ 乙字俳句集 大須賀乙字
桐一葉影よりも音残しけり 鷲谷七菜子 花寂び 以後
桐一葉心の隅にひるがへる 下村非文
桐一葉日當りながら落ちにけり 高浜 虚子
桐一葉晶子殺すに刃物はいらぬ 高澤晶子 純愛
桐一葉月光むせぶごとくなり 飯田蛇笏 春蘭
桐一葉板の間住みに拾ひ来て 中村草田男
桐一葉水中の日のゆらめきぬ 豊長みのる
桐一葉源氏ゆかりの薬医門 的場敏子
桐一葉猿も夕日を惜しみけり 村山古郷
桐一葉白痴が牛をひいてゆく 大串章
桐一葉看とり帰りの足に舞ふ 増田 富子
桐一葉穴ぶつぶつとあいてをり 菱科光順
桐一葉空みれば空はるかなり 久保田万太郎 流寓抄
桐一葉落ちたり名物男の死 久保田万太郎 流寓抄以後
桐一葉落ちたる音を持たざりし 田辺夕陽斜
桐一葉落ちて天地液状なり 大口元通
桐一葉落ちて心に横たはる 白泉
桐一葉落ちて黄土に還りけり 稲畑廣太郎
桐一葉薬の量を増やす日に 朝倉和江
桐一葉行手の道へ吹かれいづ 比叡 野村泊月
桐一葉裏も表も青かりし 蒼[きう]
桐一葉言ひ足らざるに兄逝けり 影島智子
桐一葉谷の静寂を深めけり 稲畑汀子
桐一葉遠くのものの見えはじむ 八牧美喜子
桐一葉遥かの父でありしかな 坂井三輪
桐一葉門川は夕兆しつつ 斎藤梅子
桐一葉雨の洗ひし石の上 藤本朋子
桐一葉電柱きはやかに夜空 波多野爽波 『湯呑』
桐一葉音ひきずりて吹かれ来し 高橋玲子
桐一葉馬屋あり馬顔だせり 片岡紫々夫
桐一葉麹の匂う蔵屋敷 下沢とも子
檻房の窓に落ちけり桐一葉 寺田寅彦
檻房や格子に落る桐一葉 寺田寅彦
水底の影も流れて桐一葉 小原啄葉
水鏡かの家にいまも桐一葉 宇佐美魚目 秋収冬蔵
汁の味あだ塩辛し一葉落つ 久保田万太郎 流寓抄
消息のつたはりしごと一葉落つ 後藤夜半
湖向うから曇りそめけり桐一葉 廣江八重櫻
白塗の門番小屋や桐一葉 寺田寅彦
着替えれば嵩高に落つ桐一葉 平井久美子
着流しでふらりと来たり桐一葉 久保田万太郎 流寓抄
線香を干した所へ桐一葉 芥川龍之介 蕩々帖〔その二〕
薬師湯と名のみのこりし桐一葉 山本洋子
褌の竿を落ちけり桐一葉 黒柳召波 春泥句集
西向の解剖室や桐一葉 寺田寅彦
語らひの途切れに合はせ一葉落つ 高橋弘道
金持は悟りのわろし桐一葉 正岡子規
雪国の苔の青さに一葉落つ 大島民郎
露地の中の大いなる桐一葉かな 龍岡晋
静かなる午前を了へぬ桐一葉 加藤秋邨 雪後の天
非常ベル寺にもありて桐一葉 皆吉司
音すなり筧の口の桐一葉 白雄
頓首と書き雅兄と書けば桐一葉 高柳重信
飼ひ犬に話かくれば一葉落つ 石川桂郎 高蘆
胃洗うて病院桐の秋濶し 飯田蛇笏 山廬集
桐の葉のすれあふ音の秋めきし 吉田 ひで

以上
by 575fudemakase | 2014-08-03 00:05 | 秋の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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