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七夕

七夕

例句を挙げる。

あらをかし七夕竹に小提灯 尾崎迷堂 孤輪
いつとなく澄み七夕の忘れ汐 藺草慶子
いづれ若竹七夕笹として剪らる 吉野義子
うち立てて七夕色紙散るもあり 高橋淡路女 梶の葉
うれしさや七夕竹の中を行く 子規
がらくた市七夕舟を組むが見ゆ 石川桂郎 高蘆
けんらんたる七夕竹に海が透く 波津女
これやこの七夕竹として生ず 高澤良一 鳩信
これよりさき七夕竹に風募り 久保田万太郎 流寓抄以後
ころがりて七夕竹の流れくる 比叡 野村泊月
さびしさや七夕すぎの天の川 妻木 松瀬青々
しがらみとなる七夕竹や峡泊り 鍵和田[ゆう]子 未来図
ふなばたに七夕竹を立てて漕ぐ 橋本鶏二 年輪
まだ書かぬ七夕色紙重ねあり 高浜虚子
みちのくの雨に七夕かざりかな 小澤實 砧
みなもとに七夕竹や男女川 沢木欣一
よろけやみ七夕ながすものに従けり 横山白虹
アパートに立つ七夕の葉擦れして 品川鈴子
一夜経て七夕笹の古りにけり 岸風三樓
一枚の紙に七夕笹しなふ 後藤夜半
七夕と云ひて幽けき雨間あり 相生垣瓜人 明治草抄
七夕と云へば雨夜も匂ふらし 相生垣瓜人 明治草抄
七夕にしかもうかるるはじめかな 水田正秀
七夕に一色殿の馬を見ん 斯波園女
七夕に出でて兎も野をかけれ 酒堂 俳諧撰集「藤の実」
七夕に夜干の網のありにけり 野村喜舟
七夕に契り置きてし初桜 上島鬼貫
七夕に娘持ちたる穢多かな 雑草 長谷川零餘子
七夕に貸さねば疎し絹合羽 杉風 芭蕉庵小文庫
七夕のうたがひ晴るゝ汐干かな 矩州
七夕のことちちははのこと怠りぬ 山田みづえ 草譜以後
七夕のしだり尾の風美しき 西本一都
七夕のふたつの村のしづかなる 小川軽舟
七夕のまわる火車子のうえに 和知喜八 同齢
七夕のみな冷え冷えと供物かな 飯田蛇笏 山廬集
七夕の一粒の雨ふりにけり 山口青邨
七夕の井上雪を見舞ひけり 黒田杏子 花下草上
七夕の人波にゐてふとひとり 阿部みどり女
七夕の入江奥まで並木うつす 中戸川朝人 残心
七夕の声のぼりゆく小学校 山田みづえ 手甲
七夕の夕月や鈍に暮れかぬる 野澤凡兆
七夕の夜ぞ更けにけり几 飯田蛇笏 山廬集
七夕の夜の到着ロビーかな 黛まどか
七夕の夜の沖から定期船 浜野英子
七夕の夜はかりそめの踊かな 井上井月
七夕の夜はくろぐろと広瀬川 石垣絢子
七夕の夜を訪ひくるゝこと信じ 尼子 凡女
七夕の夜汐しぶける浜祠 龍太
七夕の夜風にあたるギブス組 高澤良一 鳩信
七夕の夢のうきはし烏鵲かな 宗鑑
七夕の大河音無く流れけり 大峯あきら 宇宙塵
七夕の大葉子の穂のたくましや 高橋馬相 秋山越
七夕の夫婦して牛洗ひをり 馬場移公子
七夕の女心の糸結ぶ 石本めぐみ
七夕の子の前髪を切りそろふ 林火
七夕の子女と遊んで家にあり 鈴木花蓑句集
七夕の心に朝の竹かつぐ 阿部みどり女 笹鳴
七夕の忍びながらも光かな 松吟 俳諧撰集玉藻集
七夕の文字うするまで石埃り 西本一都 景色
七夕の旅に病むとぞ便りせる 碧梧桐
七夕の星あをあをとすでにあへり 原コウ子
七夕の昨夜居りし椅子に今宵また 殿村菟絲子 『繪硝子』
七夕の晩は仙台おもしろき 京極杞陽 くくたち上巻
七夕の欅明るき空のいろ 斉藤夏風
七夕の母の仮名文字上がりけり 石川掬水
七夕の水平飛行に入る空路 高澤良一 燕音
七夕の渡舟に並び少女かな 松藤夏山 夏山句集
七夕の潮さし逢ひあふ人ばかり 小林康治 玄霜
七夕の牧を見おろす物見岩 大島民郎
七夕の玄関に蟹来てゐたり 正木ゆう子 静かな水
七夕の空を降り来て女満別 高澤良一 燕音
七夕の竹かつぎ入る御門かな 比叡 野村泊月
七夕の竹となれずにやぶにゐる 辻田克巳
七夕の竹の穂見ゆる翠微かな 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
七夕の竹ふりかむり立てて居り 上村占魚 球磨
七夕の竹も田中の娼家かな 松原射石
七夕の竹をくゞりて廻診す 松岡巨籟
七夕の竹を其まゝ鳥威し 比叡 野村泊月
七夕の竹を貰ひに母の家 上野泰 春潮
七夕の竹伐り担ぐ寺男 塚田秋邦
七夕の竹伐る中に修道女 朝倉和江
七夕の竹伐れば蚊が夫へゆく 殿村莵絲子 牡 丹
七夕の竹切りにゆく下男かな 比叡 野村泊月
七夕の竹採りにこの雨の中 倉田ひろ子
七夕の竹早々と若き寡婦 阿部みどり女
七夕の竹青天を乱し伐る 原裕 葦牙
七夕の笹を積み行く集塵車 田中こずゑ
七夕の管弦起る臺かな 数藤五城
七夕の紙の音して唇ひらく 飯島晴子
七夕の膳の滝川豆腐かな 龍岡晋
七夕の色紙と吾子とちらばれる 軽部烏帽子 [しどみ]の花
七夕の色紙結ふ手のあひにけり 皆吉爽雨
七夕の蓄尿瓶に通いおり 西澤寿林子
七夕の街に求めし星の本 上村占魚 『自門』
七夕の街に蓑着て杣酔へり 本多静江
七夕の見ゆるところに朝餉する 阿部みどり女
七夕の赤の千代紙裏は白 池田澄子 たましいの話
七夕の踊りになるや市の跡 涼莵
七夕の身は狂壽のごとく在り 佐藤鬼房
七夕の車中にて読み返す文 片山由美子 水精 以後
七夕の逢はぬ心や雨中天 松尾芭蕉
七夕の運河汲みては船洗ふ 小林康治 玄霜
七夕の雨きて姉妹翼とぐ 八木三日女 落葉期
七夕の雨しとどなり萱草 堀口星眠 営巣期
七夕の雨にピエロのふくれ靴 飯野弥生
七夕の雲量こそは豊かなれ 相生垣瓜人 明治草抄
七夕の青本に逢ふ古本屋 高澤良一 寒暑
七夕の願の糸の長からず 稲畑汀子
七夕の願ひが風に音をたて 房前芳雄
七夕の願ひの糸の長からず 稲畑汀子
七夕の願ひの絲のもつれやう 原裕 『王城句帖』
七夕の願ひ一枚風に飛ぶ 冨士原芙葉
七夕の願湿りし昔かな 山田みづえ
七夕の風に吹かれしおでこかな 仙田洋子 雲は王冠
七夕の風吹く岸の深みどり 飯田龍太
七夕の飴頒つなり甲乙なく 石川桂郎 含羞
七夕は降とおもふがうき世かな 服部嵐雪
七夕やいつか六十路を過ぎゐたり 三井 チトセ
七夕やくらきを走る波がしら 杉山 岳陽
七夕やつねの浪漕ぐわたし守 水原秋櫻子
七夕やふりかはりたるあまの川 服部嵐雪
七夕やまだ指折つて句をつくる 秋元不死男
七夕やまだ越後路のはいり初 広瀬惟然
七夕やまづ寄りあひておどり初(ぞめ) 素牛 俳諧撰集「藤の実」
七夕やよみ哥聞きに梶が茶屋 黒柳召波 春泥句集
七夕や一と降りしたる四方の藍 吉武月二郎句集
七夕や一猫坐る理髪椅子 磯貝碧蹄館
七夕や二階に住めるひとりもの 蓼汀
七夕や些少ながらの祝儀樽 一茶
七夕や京の色紙を買ひにやる 五十嵐播水 播水句集
七夕や使ひ古りたる支那硯 上田渓水
七夕や俥も古りしゆふながめ 増田龍雨 龍雨句集
七夕や先づ寄りあひて踊り初め 惟然
七夕や児等の後ろに兄と語る 比叡 野村泊月
七夕や別れに永久とかりそめと 鷹羽狩行(1930-)
七夕や古りてたたずむ乳母車 堀口星眠 営巣期
七夕や場末のバアに客ふたり 井上惟一朗
七夕や天皇の御名を書しまつる 山口誓子
七夕や妻いそいそと子に逢ひに 成瀬櫻桃子 風色
七夕や子は逢ひに行く雨の中 高橋良子
七夕や子らと見上ぐる昼の星 吉原文音
七夕や子供相手の小商ひ 吉武月二郎句集
七夕や宵の畳の白団扇 碧雲居句集 大谷碧雲居
七夕や家の子としていゝなづけ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
七夕や家中大かた妹と居す 炭 太祇 太祇句選
七夕や小縁の端の塗机 竹冷句鈔 角田竹冷
七夕や少しいびつな星に住む 今村妙子
七夕や少し影さす高遣り戸 芦風 選集古今句集
七夕や岡崎止りの貨車に昼 北野平八
七夕や川のごとくに琴を置き 高橋さえ子
七夕や川を渡れば草青く 藺草慶子
七夕や弘法の山曇りをり 藤田あけ烏 赤松
七夕や御代長月の古簾 会津八一
七夕や心もとなき朝ぐもり 高橋淡路女 梶の葉
七夕や捜索行もはや七度 福田蓼汀 秋風挽歌
七夕や文箱に文あふれしめ 朝倉和江
七夕や新家の双子美しき 四明句集 中川四明
七夕や旅の終はりを子の家に 冨田みのる
七夕や昔むかしのわらべ歌 野村 きく
七夕や昼あをあをと湯屋の澄み 秋元不死男
七夕や暗がりで結ふたばね髪 村上鬼城
七夕や暮露よび入て笛をきく 其角
七夕や木椅子を立ちて顔かげる 柴田白葉女 花寂び 以後
七夕や檜山かぶさる名栗村 秋櫻子
七夕や武蔵野低き山に果つ 有働亨 汐路
七夕や死なねば夫と逢へぬなり 日野晏子
七夕や母に素直な中学生 波多野爽波 『湯呑』
七夕や水に浸りし砂を踏み 日原傳
七夕や水髪結ぶ町娘 高橋淡路女 梶の葉
七夕や涼しき上に湯につかる 一茶 ■文政十年丁亥(六十五歳)
七夕や火の粉糸引く煙出 敏雄
七夕や灯さぬ舟の見えてゆく 臼田亞浪 定本亜浪句集
七夕や父口ずさむ祖母の唄 星野立子
七夕や独り寝さてもなつかしき 小川軽舟
七夕や甘露寺寺内芋ばたけ 龍岡晋
七夕や生くる限りは悪夢憑く 石塚友二 光塵
七夕や男の髪も漆黒に 草田男
七夕や男忘れて病み居たり 河野南畦 『黒い夏』
七夕や白粉にほふ野べの霧 松瀬青々
七夕や百姓の子と妻あそぶ 杉山岳陽 晩婚
七夕や真赭(まそほ)の地獄湧きたぎつ 山口誓子
七夕や秋をさだむるはじめの夜 芭蕉 俳諧撰集「有磯海」
七夕や秋を定むる夜のはじめ 七夕や秋を定むるはじめの夜 松尾芭蕉
七夕や窓あをあをと閨厨 古舘曹人 樹下石上
七夕や童女抱けばすぐねむり 菖蒲あや 路 地
七夕や笹に霧吹く看護生 津田渡
七夕や筆の穂なめし脣の墨 高橋淡路女 梶の葉
七夕や美濃の下切哭きにゆく 宮坂静生 山開
七夕や臈たけて尚乳母の膝 比叡 野村泊月
七夕や芭蕉人麿一枝に 島村元句集
七夕や若く愚かに嗅ぎあへる 高山れおな
七夕や莢鳴つてゐる豆畑 藺草慶子
七夕や葛ふく風は夜明から 横井也有 蘿葉集
七夕や藍屋の女肩に糸 黒柳召波 春泥句集
七夕や襖隔てゝ人通り 原月舟
七夕や賀茂川わたる牛ぐるま 服部嵐雪
七夕や送られて来し金平糖 安藤和子
七夕や遺髪といへるかろきもの 角川照子
七夕や長生殿の水時計 松瀬青々
七夕や雨たしかめる片手出す 桂信子 遠い橋
七夕や雨をふくみし浜の砂 片山由美子 水精
七夕や雨粒つきし文庫本 藺草慶子
七夕や風にひかりて男袖 耕衣
七夕や馬すすまする川の端 銭正 七 月 月別句集「韻塞」
七夕や髪に結ひこむ藤袴 木歩句集 富田木歩
七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ 橋本多佳子(1899-1963)
七夕をきのふに荒るる夜空かな 吉田汀史
七夕をよけてやたゝが舟躍リ 向井去来
七夕をよべに星澄む越の空 文挟夫佐恵 黄 瀬
七夕を押し返す風ありにけり 阿部みどり女 『微風』
七夕を昇きて堤の霧がくれ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
七夕を流すと夙くも子は起きぬ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
七夕を祀り岬の行きどまり 萩原麦草 麦嵐
七夕を過してからの別れかな 鈴木とみ子
七夕柳かこみ点せりをさならは 臼田亞浪 定本亜浪句集
七夕流す夢これよりの少女子と 馬場移公子
七夕竹あけくれ雨の喪にこもる 角川源義 『冬の虹』
七夕竹いづくに置くも雨となる 鴻司
七夕竹ささげ狂院の前通る 辻桃子
七夕竹しきりに雨をこぼしけり 角川春樹
七夕竹そよぐ風待ち水を打つ 貞
七夕竹たつるより月稚くあり 及川貞 榧の實
七夕竹たてて家並の淋しくも 鍛冶本輝子
七夕竹の青さ清水に挿して保つ 宮坂静生 青胡桃
七夕竹をさゆさゆとかつぎくる腰に鉈 栗林一石路
七夕竹二本よせてぞ賑はしく 楠目橙黄子 橙圃
七夕竹人の夕餉の覗かるる 欣一
七夕竹借命の文字隠れなし 石田波郷(1913-69)
七夕竹分教場に机六つ 相馬遷子 山国
七夕竹地に挿すために力出す 加倉井秋を 午後の窓
七夕竹子の名書き添ふ子は遠し 及川貞 榧の實
七夕竹孤児ら願ぎ事余白多し 平井さち子 完流
七夕竹寝がへりをうつ方ありや 安東次男 裏山
七夕竹弔旗のごとし原爆地 沢木欣一 地聲
七夕竹惜命の文字隠れなし 石田波郷
七夕竹捨てゝ流れぬ水なりし 五十嵐播水 播水句集
七夕竹搭乗手続カウンターに 高澤良一 燕音
七夕竹泛べ波疾き最上川 前田鶴子
七夕竹流すに出逢ふ旅路かな 高橋淡路女 梶の葉
七夕竹流すや桃も流れ来る 太田土男
七夕竹浄土の父母に何告げむ 堀口星眠 営巣期
七夕竹清七地獄やゝ翳り 小林康治 玄霜
七夕竹畳の上に出来上る 千葉皓史(1947-)
七夕竹碓氷に流したりき昔 及川貞
七夕竹立つるや色紙地にのこる 五十嵐播水 播水句集
七夕竹立て風もあり妻もあり 辻田克巳
七夕竹艀一族見られけり 小林康治 玄霜
七夕竹色紙疎らの枝長く 松藤夏山 夏山句集
七夕竹蝶こぼれむとして急ぐ 湘子
七夕竹雨ふくむ風吹きつけて 中田剛 珠樹
七夕笹潮引いて島ひろがりぬ 友岡子郷 風日
七夕笹風鳴りの夜となりにけり 辻桃子
七夕過ぎ誕生日過ぎ何待つ日々 吉野義子
七夕飾り潔癖に近きわが齢 阿部みどり女
七夕飾淋しげなれば書き足し遣る 高澤良一 素抱
亡き妻の天へ七夕竹飾る 小川原嘘帥
人教へし淋しさ七夕竹くぐる 加倉井秋を
伐りざまに七夕竹を担ぎゆく 中田剛 珠樹以後
倒れやすしよ七夕の交み馬 辻桃子
吹き狂いあす七夕の竹になる 渋谷道
吾子に客七夕の夜の一少女 山田弘子 こぶし坂
喪服着て七夕竹の裏通る 寺井谷子
図書館の七夕竹の下枝かな 綾部仁喜 樸簡
土間の闇に切りし七夕竹寝せおく 宮坂静生 青胡桃
垂れ垂れの七夕竹を舁きあそぶ 大橋櫻坡子 雨月
基地に立つ七夕竹と星条旗 品川鈴子
墨すつてをり七夕の色紙あり 星野立子
大ぶりに進学塾の七夕竹 高澤良一 寒暑
天井に七夕竹の触れてをり 藺草慶子
女の子七夕竹をうち担ぎ 高野素十
女老い七夕竹に結ぶうた 鷹女
妹に七夕星を教へけり 正岡子規
子の身丈伸び伸ぶ七夕竹立てり 清水基吉 寒蕭々
子供らに七夕すぎぬ天草採 石田波郷
子育て期の活気 七夕笹に風 伊丹公子 機内楽
孟宗を七夕竹として故郷 福永耕二
寝てさめて七夕の夜の雨の音 上村占魚 球磨
寺子屋の七夕風景随筆に 高澤良一 寒暑
山の雲七夕竹に来て遊ぶ 不二子
山小屋の七夕の字も鎮魂歌 福田蓼汀 秋風挽歌
峡の空けふ七夕の茜濃き 黒田櫻の園
巌壁より投げて七夕竹流す 馬場移公子
忍ぶや暮かし編笠を男七夕 立吟 選集「板東太郎」
思わざる心ゆらぎを七夕の愛逢月というに言寄す 秋元千恵子
手伝て七夕祭る尼ぜかな 藤田耕雪
手術受く七夕色紙書きのこし 牧野春駒
持ちいでし七夕竹の立てどころ 高橋淡路女 梶の葉
撓ふ竹七夕色紙つけすぎる 阿波野青畝
旅の夜の七夕竹を見る手摺 槐太
旅遠く来て七夕の夜となりぬ 岸風三楼 往来
日照雨来て七夕竹に跡止めず 相生垣瓜人
日直りや七夕のそのつとめての 相生垣瓜人
旧の七夕植田に迫る怒濤光 田川飛旅子 花文字
星かげの七夕ちかき帰省かな 石原舟月 山鵲
星ほつと七夕竹に生れけり 阿部みどり女
昼畳七夕様の塵を掃く 阿部みどり女 笹鳴
格子より七夕竹や先斗町 野村泊月
横たへし七夕竹に古畳 高橋淡路女 梶の葉
母が切る七夕竹の小さけれ 高浜虚子
母と子の七夕竹に風生まる 伍賀稚子
母の文七夕竹のもとに読む 古賀まり子 洗 禮
水に櫛沈め七夕ちかき空 神尾久美子 桐の木
水は音つむぐ七夕まつりかな 三田きえ子
汗垂りをり七夕の町丘に見てをり 杉山岳陽 晩婚
汝が作せし七夕星ぞ高く吊れ 大石悦子 群萌
沼の戸の七夕竹をうち立てし 深川正一郎
流したる七夕竹やたはれ波 阿部みどり女 笹鳴
流るるは七夕竹か夜の川 山本歩禅
深爪や七夕の夜の本降りに 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
湖や七夕竹を流したる 尾崎迷堂 孤輪
潮の香に七夕の媚を売りてをり 小林康治 玄霜
潮騒や七夕柳散るもあり 臼田亞浪 定本亜浪句集
火種にはならず七夕過ぎにけり 久保純夫 聖樹
煮干噛みしめて七夕迎へけり 原田喬
父母わかき日の七夕にわれ生る 中戸川朝人 残心
牡蠣の磯七夕竹を挿せりける 下村槐太 光背
玄関に七夕竹や京の宿 五十嵐播水 播水句集
生き堪へて七夕の文字太く書く 村越化石
病む人に七夕竹を立てくれし 松本つや女
病室に七夕笹の釘探す 年尾
病室に雨の七夕昏れにけり 村越化石 山國抄
石の上七夕の蝶けむりをり 楸邨
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規
穂ぞ見ゆる七夕竹や槇の垣 尾崎迷堂 孤輪
窯びらき七夕竹を片寄せて 大島民郎
窯守りの置き捨て漫畫七夕明け 竹中宏 句集未収録
竹一本うしなひ七夕の竹藪 藤岡筑邨
竹立てて七夕といふ字が浮び 章子
箒川七夕の笹流れきし 黒田杏子 花下草上
縁側に七夕紙と硯かな 高木晴子 晴居
織女(七夕)に老の花ある尾花かな 嵐蘭 七 月 月別句集「韻塞」
肩車七夕笹に触れくぐる 大下古子狼
胸うたる七夕笹に平和の二字 田川飛旅子 花文字
腋青く剃る七夕のためならず 田川飛旅子 『邯鄲』
舁きゆくや霧にぬれたる七夕を 軽部烏帽子 [しどみ]の花
草刈りて七夕の露よごしある 千代田葛彦 旅人木
衣の如七夕竹の吹かれたる 京極杞陽 くくたち下巻
見て聞いて触って七夕となりぬ 永末恵子
親子句碑七夕笹に華やぐ日 桑田青虎
貝化石展に七夕竹飾る 中戸川朝人 星辰
車窓眼下に七夕竹の揺るゝ見し 青峰集 島田青峰
逆立ちし七夕紙に歌逆立ち 上野泰 佐介
道も狭に七夕まつり奥見えず 杉山岳陽 晩婚
遠き灯の七夕竹に灯りけり 阿部みどり女
遠里や七夕竹に虹かゝる 泉鏡花
遺体かへる雨の七夕まくらがり 田中水桜
野に遊ぶ七夕童子びしよ濡れに 原裕 『王城句帖』
長茄子の味七夕もちかきかな 久保田万太郎 流寓抄
阿蘇杉の湿り童女の七夕竹 桜井博道 海上
隣り親し七夕竹を立てしより 高浜虚子
隣人の黍七夕もすぎにけり 百合山羽公 故園
雨の中七夕竹のたててあり 成瀬正とし 星月夜
電線が七夕笹に襤褸を垂る 横山白虹
須磨の浪七夕竹をうち返し 五十嵐播水 播水句集
風さゆる七夕竹や夜半の霧 芥川龍之介 ひとまところ
風立ちて七夕竹となりにけり 長谷川櫂 虚空
飾られて七夕竹は早や葉を巻く 田川飛旅子 花文字
鱗雲七夕竹の晝淋し 東國 泉天郎、岡田葵雨城(平安堂)編
えぞにうに虫ひそみをり星祭 堀口星眠 営巣期
くらがりに水が慄へる星祭 登四郎
ことごとく海の句を書き星まつり 佐野まもる 海郷
しんかんと酸素を売れり星祭 杉本雷造
たらちねを夫婦と見るや星祭 その
たんざくに願ひは一つ星まつり 小川木久江
ぬばたまのくろ髪洗ふ星祭 高橋淡路女 梶の葉
はぎといふ女に生れ星祭 沢田はぎ女
はなやかに漸く更けし星祭 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
ふりそめし槐の雨や星まつり 五十崎古郷句集
まさをなる狭山わたりの星まつり 杉山岳陽 晩婚
まだ泳ぐこゑが門辺に星まつり 馬場移公子
みどり児も彦星もいま洗ひたて 白澤良子
むさし野の涯に来しかば星まつり 杉山岳陽 晩婚
やごとなき君に仕へて星祭 比叡 野村泊月
ゆふがたは子が川へ出る星祭 酒井裕子
ゆめにみる女はひとり星祭 石川桂郎(1909-75)
われよりも長き子の髪星祭 木内怜子
乱礁の前の彦星合はんとす 萩原麦草 麦嵐
事に寄せて招きし客や星祭 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
二女嫁ぎ二女家にあり星祭 桜坡子
亡き祖母に電話の来たる星祭 河村静香
何もかもこの手放れて星祭 八木 實
使はざる鍵が小箱に星まつり 片山由美子 水精
俯向きてひとに蹤きゆく星まつり 杉山岳陽 晩婚
六日たつ秋のこゝろや星祭 美角
冬瓜の尻のしもふり星祭 辻桃子
凡そ世に夫の句がよし星祭 池上不二子
包帯に患部包める星祭 高澤良一 鳩信
北岸にさびたは栄え星祭 齋藤玄 『無畔』
厄年を寺に参るや星祭 名和三幹竹
古郷の子に子ありけり星祭 士朗
句に燃やすいのち尊し星祭 川村紫陽
叶はざる故願ひあり星祭 福田蓼汀




噴煙のこよひをしるき星祭 水原秋櫻子
城ケ島海しづまれる星祭 石原舟月
塔中の僧門の子に星まつり 山口誓子
大内のかざり拝まん星祭 去来妹-千子 俳諧撰集玉藻集
大内へ皇子の帰還や星まつり 飯田蛇笏 霊芝
天ざかる鄙に住みけり星祭 相馬遷子(1908-76)
天上の恋をうらやみ星祭 高橋淡路女 淡路女百句
夫の荷のわが文束や星まつり 岩瀬典子
奥蝦夷や早稲さく門の星まつり 石原舟月 山鵲
女星とて男星にまさる光りかな 籾山梓月
家系みな女ばかりや星祭 橋詰 一石
小荷物を遠く旅させ星祭 大木あまり 山の夢
屑籠を女曳きゆく星祭 和知喜八 同齢
山上に杉生は重し星祭 斎藤玄 雁道
山垣のかなた雲垣星まつり 福永耕二(1938-80)
山寺やをのこもすなる星まつり 林原耒井 蜩
峡の温泉はひそやかなれど星祭 加藤楸邨
市振の家並すぐ尽く星祭 服部鹿頭矢
希ふこと少なくなれり星祭 品川鈴子
帯にして鳴海のしぼり星祭 澄雄
干瓢の干し場の隅の星祭 瀧澤伊代次
店員の見合話や星祭 八牧美喜子
廓女に昼よりの客星祭 友草寒月
引き出しにGペンねむる星祭 穴井太 原郷樹林
彦星のにこ~見ゆる木間哉 一茶 ■文化三年丙寅(四十四歳)
彦星やげにも今夜は七ひかり 井原西鶴
彦星や田畑へおろす宵の雨 立花北枝
従妹来て居りしや昔星祭 比叡 野村泊月
新しきステッキの父星祭 中山純子 沙羅
日本にひらがなの美や星祭 大橋敦子 手 鞠
日焼せる子の脛ながし星祭 猿橋統流子
星まつり子ある証しの笹立てて 大石悦子 群萌
星まつり村の石垣隙だらけ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
星まつり読み書きたのむ汝とかな 村越化石
星まつり風呂屋の煤が窓枠に 桜井博道 海上
星祭おのが色香を惜みけり 日野草城
星祭つめたき馳走つぎ~に 高橋淡路女 梶の葉
星祭夫婦の下駄の新しく 館岡沙緻
星祭女心のねもごろに 豌豆痩石
星祭嬉しや桃の苦からず 美濃-木因 元禄百人一句
星祭母の仮名文字美しく 山本紫園
星祭黄泉に小さな兄ふたり 能村研三
更けし川越ゆる琴の音星まつり 昇子
木津川や臼に棚かく星祭 尚白
東京の星の遠さよ星祭 河野美奇
櫛さして寝し幼子や星祭 佐野青陽人 天の川
歌の師にあかす恋あり星祭 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
母刀自も知れるわが句や星まつり 大橋櫻坡子 雨月
洗はれし舟の寄りあふ星まつり 中本 力聖
海の上にうす雲ながれ星祭 石原舟月
海の風ほしいまゝなり星まつり 鈴木真砂女 生簀籠
海女は沖の女星に鬼をやらふかな 猿田咲子
海松かけし蟹の戸ぼそも星祭 杉田久女
海蛇の口の小さし星祭 大木あまり 雲の塔
漁了へて男の眠る星祭 鈴木太郎
漫画めく漢字が書かれ星祭 上野泰 春潮
火山灰降るは子の住むあたり星祭 宝亀 重子
燈を消してうす闇たのし星祭 高橋淡路女 梶の葉
爪立つて水に触れたり星祭 五島高資
父の字と子の字ふれあふ星祭 田中由喜子
父の忌の昨夜となりけり星祭 齋藤玄 飛雪
牛飼の男の子ばかりの星祭 太田土男
玄関に蟇のきてゐる星祭 大木あまり 火球
病妻を磧へさそふ星まつり 有働亨 汐路
病棟に願ひの多き星祭 柳瀬重子
病涯に書の弟子童星祭 鹿山隆濤
白檀の扇をもちぬ星まつり 長谷川かな女 雨 月
磨ぎ汁に川濁らする星祭 野中亮介
竹立てゝ夕日尚あり星祭 比叡 野村泊月
笛きこゆ海霧の津軽の星祭 町田しげき
紙燭して華やぐ樹々や星祭 青峰集 島田青峰
絵具皿に溶く色いくつ星祭 石田あき子 見舞籠
織女星とぼとぼ東しらみけり 殿村菟絲子 『樹下』
織女星に人の操つる電光(ひ)がとどく 竹下しづの女句文集 昭和二十五年
織女星老婆一生の杖先に 齋藤愼爾
織女星視力弱るを今言はず 殿村莵絲子
胸もとにみづうみ匂ふ星祭 加藤三七子
色ならば次男は黄色星祭 黒沢孝子
草負うて男もどりぬ星祭 石田波郷(1913-69)
葉のうへに煮ざまし物や星祭 斯波園女
葉をたたみ眠れる笹や星祭 長谷川櫂 虚空
行き過ぎて父は独りよ星祭 本宮銑太郎
西陣や裂に歌書く星祭 薄木千代子
見舞はねば夢に来る夫星祭 石田あき子 見舞籠
負はれたる子供が高し星祭 中村草田男
貫之館ありしあたりの星祭 田中英子
足もとに夜の水匂ふ星祭 木村日出夫
転がして替へる襁褓や星祭 中村栄子
返すべき鍵が小箱に星祭 片山由美子
遊女屋のあな高座敷星まつり 汀女
遠方人へ襟合す老星祭 香西照雄 素心
遠立ちの子を身ほとりに星祭 塩谷はつ枝
門川の大きな波や星祭 大峯あきら
隅田川いまあげ汐の星まつり 鈴木真砂女
隣への藪結わけて星祭 斯波園女
雨戸なほ戸袋のなか星祭 鷹羽狩行 月歩抄
雲を出し月上弦や星祭 高橋淡路女 梶の葉
雲上のうたげあかるし星祭 橋本榮治 越在
電車より首出しゆくや星祭 相馬遷子 山国
霧の夜の白樺泛ぶ星まつり 太田蓁樹
面影や港にひらく星祭 阿部完市 無帽
願ひより祈りを深く星祭 立川華子
飯饐えし昔ありけり星祭 亀田虎童子
高原広きにいつまで双蝶星祭 香西照雄 素心
髪を梳く肘のさみしき星祭 古賀まり子 緑の野
鴨川のほとりの宿の星まつり 五十嵐播水 播水句集
ゆふかづら星合の浜にかけてあり 春女 俳諧撰集玉藻集
ゴルフ場星合の夜の草匂ふ 堀口星眠 火山灰の道
ビヤガーデン星合の夜に灯の鎖 百合山羽公 寒雁
切ってすぐ電話が鳴るも星合ふ日 白水風子
寺の樹々さゆらぎもなく星合ひぬ 中川宋淵 命篇
旅の雨蕭条として星合ふ夜 柴田白葉女 遠い橋
星合う夜花火を揚ぐる大河あり 長谷川かな女 牡 丹
星合にもえ立つ紅やかやの縁 孤屋
星合のうたたねふかくなりにけり 古舘曹人 樹下石上
星合のそれにはあらじ夜這星 左繍
星合の冷泉家出て御所の月 大島民郎
星合の夜はうち栄えてものの綺羅 後藤夜半 底紅
星合の夜をさやさやと翌檜 町田しげき
星合の夜空へ普賢岳還りけり 小西 藤満
星合の奇特見せけり日和雲 水田正秀
星合の契りもいまは昔ごと 能村登四郎 天上華
星合の宿のはじめは寝圧しかな 加藤郁乎
星合の小闇にぬれて蜑かへる 石原舟月 山鵲
星合の後山を払ふ巽風 飯田蛇笏 椿花集
星合の敲きのべたる一句かな 古舘曹人 樹下石上
星合の旅三樹彦や葛彦と 赤松[ケイ]子
星合の日の有るうちも天眺め 如月真菜
星合の更けて鉄路に雨すこし 館岡沙緻
星合の畢は漢の孤りなる 宮慶一郎
星合の石鎚山の神酒いただきぬ 黒田杏子 花下草上
星合の空や海鳥なほ翔くる 佐野まもる 海郷
星合の笹穂を雨のひとさばら 石原舟月
星合の薫するやこゝろあて 飯田蛇笏 霊芝
星合の長距離電話妻にかな 太田土男
星合の飯の中より石の粒 佐々木六戈 百韻反故 初學
星合ひの夕べに高し神の笛 岸原清行
星合ひの夜の盥に水震へ 今瀬剛一
星合ひの過ぎたる草のそよぎかな 林佑子
星合ふ夜まつや小雀樹の梢に 長谷川かな女 花寂び
星合も山鳥の尾のわかれ哉 高井几董
星合やひそかに結ぶ芝のつゆ 高橋淡路女 梶の葉
星合や三番日記書き継がん 角川源義『西行の日』以後
星合や外にて寝ぬる家畜ども 磯貝碧蹄館 握手
星合や宵月すでに雲がくれ 高橋淡路女 梶の葉
星合や山里持ちし霧のひま 其角
星合や峠へだてて牧ふたつ 大島民郎
星合や暁になる高灯籠 其角
星合や替女(ごぜ)も願ひの糸とらん 服部嵐雪
星合や木の人形の泪して 殿村菟絲子 『晩緑』
星合や歌のほかなる思ひ事 長谷川かな女 雨 月
星合や瞽女も願ひの糸とらん 服部嵐雪
星合や長生殿の水時計 妻木 松瀬青々
星合を明日に貧しき沼の星 堀口星眠 火山灰の道
火口壁星合の空にしづかなり 水原秋桜子
蓬髪にはるかの二星合ひにけり 石原八束
象限儀星合の空恋はれけり 宮津昭彦
連絡不十分のこと星合になし 鈴木栄子
ふんどしに笛つゝさして星迎 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
夕かけて藍のときめく星迎へ 川崎展宏
寝聳(ねそべつ)てふんぞりかへつて星迎 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
片親の不憫は胸に星迎 土田桃花
畦の上は子供となりぬ星迎へ 外川飼虎
酒もりとなくて酒のむ星迎へ 去来 俳諧撰集「有磯海」
馬はあれど牛や木幡の星迎 横井也有 蘿葉集
高揚がる鷺の道かも星迎へ 長谷川かな女 花寂び
仏飯の白めでたかり星今宵 石川桂郎 高蘆
売札の仔牛擦り寄る星今宵 井口 秀二
岳の星今宵全し降誕祭 古賀まり子 降誕歌
干柿に宇陀の荒星今宵より 大峯あきら 鳥道
星今宵わかき博士は兵に召され 久保田万太郎 草の丈
星今宵活けし小笹の匂ひけり 河本遊子
流木のごと砂に寝て星今宵 那須淳男
かけ流す願の糸のおもはゆし 高橋淡路女 淡路女百句
しかと結ふ願の糸や心あて 高橋淡路女 梶の葉
もつれたる願の糸をときもする 遠藤為春
七夕の願の糸の長からず 稲畑汀子
不器用に願の糸を結ぶ吾子 稲畑廣太郎
大方は妻の筆跡願の糸 高澤良一 素抱
恋さまざま願の糸も白きより 蕪村
旅を来て願の糸に縋りゐき 杉山岳陽 晩婚
汝が為の願の糸と誰か知る 高浜虚子
生まれくる子のことに尽く願の糸 高澤良一 素抱
針子たち願の糸をとり~に 清原枴童 枴童句集
二条家の招きがきたる乞巧奠 成瀬櫻桃子
今昔のためしをひきし乞巧奠 筑紫磐井 野干
土器に乞巧奠の火の小さく 高橋淡路女 梶の葉
日の入りて空の匂ひや乞巧奠 才麿
月消えぬ乞巧奠の嬉子一つ 高橋淡路女 梶の葉
朗詠す乞巧奠の捧げ歌 高橋淡路女 淡路女百句
恋星や老いてはならじと老いゆくも 平井さち子 紅き栞
うち曇る空のいづこに星の恋 杉田久女
たちいそぐ薫香に星の契かな 長谷川かな女 雨 月
どこまでも湖は平らに星の恋 長田等
みづうみに漣立てて星の恋 黛まどか
十歳の少女の身丈星の恋 二村典子
星の恋押絵細工の花に露 長谷川かな女
星の恋空に任して老いにけり 阿部次郎
晴明の頭の上や星の恋 夏目漱石
木々は息深めて星の契かな 鷲谷七菜子 游影
波荒れて悲しき星の別かな 比叡 野村泊月
爪切つてほのと血の気や星の恋 山上樹実雄
老懶の胸をかするる星の恋 福島清恵

以上
by 575fudemakase | 2014-08-07 00:29 | 秋の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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