冬構

冬構

例句を挙げる。

あかげらを飼ひてひそかに冬構 田中冬二 俳句拾遺
あかげらを飼ひて山家の冬構 田中冬二 冬霞
あるだけの藁かゝへ出ぬ冬構 村上鬼城
この雨がくればみちのく冬構 村上三良
さながらに砦のごとし冬構 矢野蓬夫
たのもしき大水甕や冬構 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
どことなく冬構へなる尼の寺 蓬田紀枝子
どの寺も後ろ向きなり冬構 柑子句集 籾山柑子
なまこ壁繕ってある冬構 高橋悦男
ふんだんに荒縄使ひ冬構 森田公司
一むしろ芋干す寺や冬構 萬岱
一枚の貰ひ布団や冬構へ 吉武月二郎句集
亡き人の本を預かり冬構へ 石寒太 炎環
今日は今日の晴をたのみつ冬構 角川源義
例年の男傭うて冬構 露月句集 石井露月
信楽や茶の花さいて冬構 妻木 松瀬青々
倶利伽羅の四軒の茶屋や冬構 山口花笠
冬構かなしき蓆つられたり 軽部烏帽子 [しどみ]の花
冬構この身このまま此処に居り 村越化石
冬構しかと残して父死せり 岡井省二
冬構して四角てふ家になる 手塚きみ子
冬構して大いなる宿屋かな 楠目橙黄子 橙圃
冬構して湯の谿も閉ざされし 大畑善昭
冬構に迷ひ入りたる雉を飼ふ 右城暮石 声と声
冬構へしてより月の廂かな 有働亨
冬構ものものしさも永平寺 吉崎圭一
冬構ゆゆしく佐渡は荒れつづき 福田蓼汀 山火
冬構より出て来たる子供かな 岸本尚毅 舜
冬構丹波は山におされ住む 柑子句集 籾山柑子
冬構久しく家に寝ざりけり 太田鴻村 穂国
冬構出来てあたゝかさうな塚 高木晴子 花 季
冬構南天は内竹は外 今成無事庵
冬構墓をかこうてしんみりす 佐野良太 樫
冬構大上段に蘇鉄立つ 金田紫良
冬構庭木や篤し人よりも 石塚友二 方寸虚実
冬構断崖つづき佐渡も北 福田蓼汀 山火
冬構父の代より来る庭師 阿部みどり女 笹鳴
冬構病む老僕のかにかくと 雉子郎句集 石島雉子郎
冬構粗にして頑とありにけり 遠山みよ志
冬構肌も衣も石の地蔵 香西照雄 素心
冬構落人村と世にはいふ 長谷川素逝
冬構薪の多少問ひにけり 中山蕗峰
冬構蜜柑を囲ふ日和かな 山本村家
冬構赤城榛名の風に棲み 吉村ひさ志
冬構隣に真似てそこはかと 清原枴童 枴童句集
冬構鯉を養ふ池もあり 浜田波静
到来の五升の酒も冬構 石井露月
古寺のすのこも青し冬構え 凡兆
吊橋の向ふの四五戸冬構 富田八束
吊鐘のあらはれ出でぬ冬構 大峯あきら
唐辛と艾を吊るし冬構 田中冬二 俳句拾遺
囀や高きに倚つて冬構 千家元麿 千家元麿句集
土手下に棲み冬構するでなく 高橋春灯
夜は富士の闇のかぶさる冬構 亀井糸游
奥山の芒を刈りて冬構へ 前田普羅 新訂普羅句集
子が切つて渡す棕櫚紐冬構 高梨忠一
富士見ゆる窓は塞がず冬構 小沢昭一
屋根石のふえて番屋の冬構 篠田悦子
山国の茅葺き厚き冬構へ 滝戸 蓮
山畑や青みのこして冬構へ 去来
山里は留守かと見えて冬構へ 諷竹
岡を後に冬構へたり田三反 五十川茶村
年寄りに従うことも冬構 宇多喜代子 象
庭木各々色定まりぬ冬構 西山泊雲 泊雲句集
支那甕をつつみ金魚の冬構 福田芳子
月さして一戸一戸の冬構 大峯あきら 宇宙塵
月ケ瀬の石垣高き冬構 菊山九園
柿の木のぽつと明るき冬構 田中裕明 先生から手紙
格子戸の奥の格子戸冬構 加藤憲曠
桐の実の鳴りいでにけり冬構 芝不器男
桐の木の棒となりたる冬構 殿村菟絲子 『菟絲』
棕梠縄をたつぷり使ひ冬構 山崎ひさを
檀家なき貧に処しつゝ冬構 野村木天
沖よりの波濤を前に冬構 杉森久英
泉水をよごせる塵や冬構 楠目橙黄子 橙圃
洩れ陽さす唐招提寺冬構 鈴木六林男
海面のけふは高しや冬構 大橋櫻坡子 雨月
潜り戸の障子張り替冬構 田中冬二 若葉雨
真つ青な竹梯子吊り冬構 岡本 眸
石垣の崩れしまゝに冬構 北川 与志昭
竹伐つて日向つくりぬ冬構 龍胆 長谷川かな女
篁の鉾ゐならべり冬構 石田波郷
築きかへし竃烟らず冬構 中西蒼刀
籠城や兵糧足りて冬構 福田井村
米一俵炭五六俵冬構 高橋淡路女 梶の葉
緬羊のこゑ短しや冬構 堀口星眠
縄の結びめ隆々と冬構へ 鷹羽狩行
肉体の門にほどこす冬構 櫂未知子 蒙古斑以後
花作る十戸の村や冬構 平井小雨
萱束を立てかけしのみ冬構 木村蕪城 一位
葛城を背に村々の冬構 田中木小路
薄日射す北山杉の冬構へ 春原幸子
藁ボツチ牡丹に懸けて冬構 山本綾子
藁掛けて冬構へたり一つ家 正岡子規
裏山へ通ふ木戸あり冬構 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
見えそめしかのもこのもの冬構 高濱年尾 年尾句集
金魚田を覆ひしのみの冬構 渡辺みかげ
鉈かりる隣も遠し冬構 吾空
隠れ寺ある一村の冬構 桂 信子
青きひかり椎樫に満ち冬構 滝春一
高き木に梯子かけたり冬構 高浜虚子
冬囲ひされて木瓜の実ころげ落つ 林真砂江
冬囲ひするにも足らぬ葭を刈る 松藤夏山 夏山句集
冬囲ふ故郷の誰にも会はず 角川春樹
棒稲架も冬囲(かごひ)も風の雄物川 石原八束 操守
母までもかくしてしまひ冬囲ひ 今瀬剛一
荒繩にぬくもりのあり冬囲 金子豊子
薪積んで助産婦なにがし冬囲ふ 森澄雄
蘇鉄とは分らぬまでに冬囲 児玉輝代
冬がまへ藪に椿のおほきむら 浜田酒堂
古寺の簀子も青し冬がまへ 野澤凡兆
山畑に青み残して冬がまへ 向井去来
飛騨に向ふ軒みな深し冬がまへ 室生犀星 魚眠洞發句集

以上
by 575fudemakase | 2014-11-09 00:53 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/22922345
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

実朝忌 の忌日
at 2017-04-22 09:12
茂吉忌 の俳句
at 2017-04-22 09:09
義仲忌 の俳句
at 2017-04-22 09:07
えり挿す の俳句
at 2017-04-22 09:04
かまくら の俳句
at 2017-04-22 09:01

外部リンク

記事ランキング