冬耕

冬耕

例句を挙げる。

あたたかき島冬耕の縞目被て 野澤節子 『存身』
くちびるに撥ね上げて甘し冬耕土 能村登四郎
さからふも素直も私冬耕す 影島智子
ペン先にゐる冬耕のひとりなり 石川桂郎 含羞
一切を見ず冬耕の腰曲げて 西東三鬼
一滴もこぼさずに飲む冬耕女 今瀬剛一
予期せざりし冬耕の牛まばたけり 山口速
二〇〇〇年の夕暮れの人冬耕す 森下草城子
仏在す山中に僧冬耕す 吉野義子
冬耕す驢馬を石馬につなぎとめ 日原傳
冬耕に土浄めゐる老一人 荒井正隆
冬耕のあとさき艶歌こぼしゐて 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
冬耕のこころ伸せば白き波 前田法比古
冬耕のさつきから掘るひとところ 今瀬剛一
冬耕のその双肩の上の都市 辻井夏生
冬耕のとほき力を感じをり 加畑吉男
冬耕のとほくの牛へ畝長し 長谷川素逝 暦日
冬耕のひとりとなりて生む谺 橋本榮治 麦生
冬耕のひとりひとりが独りかな 宇咲冬男
冬耕のひとりひとりに夕陽濃し 澤村昭代
冬耕のひとりキリストかも知れず 長田等
冬耕のふたりや影を重ねあふ 中村房子
冬耕のまさをき空を仰がざる 松村蒼石 露
冬耕のわが墓に寄り飯ひらく 金尾梅の門
冬耕の一人となりて金色に 西東三鬼
冬耕の一人は風に消されけり 木村敏男
冬耕の一枚もなし千枚田 宮田 勝
冬耕の人にかがやく山の雲 茨木和生 遠つ川
冬耕の人まなじりに茶粥かな 小島健 木の実
冬耕の人出てをりぬ山日和 藤松遊子
冬耕の人埋めるほど深く掘る 今瀬剛一
冬耕の人帰るべき一戸見ゆ 能村登四郎 枯野の沖
冬耕の人松陰の墓ほとり 高木晴子 花 季
冬耕の人耳聾ひて風の中 河合未光
冬耕の人見て愧づるものありぬ 瀧春一 菜園
冬耕の休めば音のなくなりし 橋田憲明
冬耕の兄がうしろの山通る 飯田龍太 忘音
冬耕の四五人に会ひ夕ごころ 斎藤梅子
冬耕の四角四面の男かな 橋本榮治 越在
冬耕の天地返しと言ふ仕事 金井 充
冬耕の夫婦離れてまた寄つて 柏岡恵子
冬耕の婦がくづをれてだく児かな 飯田蛇笏 春蘭
冬耕の山陰迫り来りけり 稲畑汀子
冬耕の広き田に嫁し同窓生 猪俣千代子 堆 朱
冬耕の恵那谷深く日矢一つ 羽部洞然
冬耕の戻りくるぶし湯もて拭く 本宮哲郎
冬耕の折り返すたび日にあらた 宮田正和
冬耕の日あたるたびにあらはるゝ 飴山實 『少長集』
冬耕の日かげ片澄む楢林 飯田龍太
冬耕の暮るゝまで澄みまさりけり 小林康治 玄霜
冬耕の暮れてときどきものを言う 鈴木六林男
冬耕の水城といへる野をいそぐ 高濱年尾 年尾句集
冬耕の父に一徹残りけり 伊藤白水
冬耕の父に星形の痣があり 大西健司
冬耕の父母見下ろしに子が帰る 飯田龍太 童眸
冬耕の片日受け田と嘆きつつ 茨木和生 遠つ川
冬耕の牛が一瞬見たる空 相原左義長
冬耕の牛つながるる玄徳寺 前田普羅
冬耕の牛と一日吹きさらし 松本たかし
冬耕の牛より人の黒く見ゆ 阿部みどり女
冬耕の牛を率てうつ小鞭かな 飯田蛇笏 山廬集
冬耕の田のま中より打ちはじむ 皆吉爽雨(1902-1983)
冬耕の男しだいに土の中 今瀬剛一
冬耕の畝長くしてつひに曲る 山口青邨
冬耕の畝集つて牛立てり 野見山朱鳥
冬耕の終りて残る太き畦 内館暁青
冬耕の腰打ち伸ばし日向灘 殿村莵絲子 牡 丹
冬耕の農良着を脱ぎて一詩人 関森勝夫
冬耕の鍬ふりあげてをみななる 高橋淡路女 淡路女百句
冬耕の鍬音よどみなき日和 大西荘水
冬耕の雑木に隠れもう見えず 野澤節子 黄 炎
冬耕の音のひとりと思ひしが 片山由美子 天弓
冬耕の音近くある古墳かな 田島 魚十
冬耕の顔おこすたび日本海 吉田鴻司
冬耕の顔に大きく没日来る 秋山幹生
冬耕の顔の小さく立ち憩ふ 畠山譲二
冬耕の顔を上げては山の墓 鷲谷七菜子 花寂び
冬耕の顔を上げぬと決めしごと 片山由美子 水精
冬耕の骨のコキリと鳴りにけり 影島智子
冬耕やいはほのごとき牛を引く 橋本鶏二 年輪
冬耕やかたち無き日が雲の中 相馬遷子 雪嶺
冬耕やくだきくだきし土の艶 内藤吐天 鳴海抄
冬耕やふとんたたむように大和 若森京子
冬耕や古墳を島のごとく置き 新井悠二
冬耕や土には土の力瘤 武田和郎
冬耕や墓山のぼる人ひとり 金尾梅の門 古志の歌
冬耕や夕ベの富士の片照りて 及川貞 夕焼
冬耕や女が使ふトラクター 山根きぬえ
冬耕や妻をいたはる語を忘れ 大熊輝一 土の香
冬耕や盆地の芯に国分寺 桂樟蹊子
冬耕や石を噛みたる鍬の音 山添斗汐
冬耕や肥後赤牛に日の当る 坪野文子
冬耕や蒼天の富士全かり 佐田 栲
冬耕や谷の向うもひとりなる 白岩 うた
冬耕や鴉目障り畦にゐて 大熊輝一 土の香
冬耕を天にとどまる日和かな 上田五千石
冬耕を終へし田の照り長寿村 杉本寛
冬耕を遠目に結納とりかはす 菖蒲あや
冬耕人くちびるに血を滲ませぬ 大野林火
冬耕去りゆきぬ独語を地に埋め 大野せいあ
冬耕薄着通してゐたりけり 宮坂静生 樹下
南伊豆山ふところに冬耕子 関口比良男
国引きて満ちたる神や冬耕す 有馬朗人 知命
土おこす冬耕よりも潔き土を 栗生純夫 科野路
地平線まで冬耕の人を見ず 片山由美子 風待月
城南の野の冬耕の一家族 高濱年尾 年尾句集
売ることにかかはりもなく冬耕す 影島智子
天地にたゞ一人の冬耕す 久垣 大輔
実盛の塚のほとりを冬耕す 林 徹
島裏に畑いちまい冬耕す 角川照子
庭畑といふも冬耕ねんごろに 相馬沙緻
手負雉子ながれ冬耕手をかざす 皆吉爽雨
敷藁を抱へて来しが冬耕す 藤崎久を
昼神の狭村に射しぬ冬耕ひ 矢島渚男 延年
月いでて冬耕の火を幽かにす 飯田蛇笏 春蘭
槍岳見ゆ日は楽し冬耕す 轟蘆火
残る畑老一徹に冬耕す 井出 眸
海底山脈山頂は島冬耕す 吉野義子
漂着せり冬耕はるかなるひとり 北川邦陽
白牛を率て冬耕の詩ありき 飯田蛇笏 雪峡
石鎚の神の一人か冬耕す 浦里棗子
耳成山へ冬耕の畝立てにけり 大石悦子 群萌
聖堂を出て冬耕のひびきあり 大岳水一路
聖鐘の綱冬耕の土に垂れ 大岳水一路
背の子逆立つ冬耕の身を曲げて 谷野予志
船に乗る夢いつか消え冬耕す 大串章
蒔くもののなき冬耕の大雑把 岡安仁義
裾長に多摩の里人冬耕す 木村蕪城 一位
鬼を囃す背に冬耕の泥のはね 友岡子郷 遠方

以上
by 575fudemakase | 2014-11-14 00:04 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/22922695
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

栗 の俳句
at 2017-06-26 09:40
後評 (2017・6)
at 2017-06-19 06:23
野蒜の花 の俳句
at 2017-06-18 16:46
米搗虫 の俳句
at 2017-06-18 16:44
紅鱒 の俳句
at 2017-06-18 16:42

外部リンク

記事ランキング