大根干す

大根干す

例句を挙げる。

いま干され掛大根また群れの寧さ 中戸川朝人 残心
すぐ翳る浦の入江や大根干す 石川文子
その家の雪呼ぶ青さ干大根 鎌倉佐弓 潤
どの雲の端も照つてをり大根干 宮田正和
ふるさとや土蔵に吊りし干大根 柴田白葉女 『朝の木』
ハイヒール躓き易し干大根 稲垣暁星子
一瞥に足らぬ大根を干しにけり 金久美智子
今日干してけふの白さの干大根 西川保子
停車場の柵にも大根干せるころ 久保田万太郎 草の丈
北国の透きとほるまで大根干す 野原昭子
原子爆弾一発いくら大根干す 工藤克巳
反り身の干大根わが空滴りて 寺田京子 日の鷹
呉服屋が来てをる縁や 干大根 高浜虚子
墓地にも大根干されそこより冬の音 寺田京子 日の鷹
声かけて干大根の下通る 岡部弾丸
夜もすがら干大根の雨戸打つ 田中冬二 麦ほこり
大根の干されて村の縮まりぬ 小林松風
大根をどこかに干せりどの家も 右城暮石
大根を干す人の影ずんぐりと 岸本尚毅 選集「氷」
大根を干す寺として訪ひ馴れて 後藤夜半 底紅
大根を干す廃屋の軒を借り 猿橋統流子
大根並べ干す壁に家陥れり 雑草 長谷川零餘子
大根干し並べ大根橋と呼び 大平喜代子
大根干し空満ち満ちて家傷む 古館曹人
大根干し近隣つねに目がさとし 古舘曹人 能登の蛙
大根干すや冬の構もせねばならぬ 高濱年尾 年尾句集
大根干すや北国の陽をつかひ果たし 平井さち子 完流
大根干す一転したる生活守り 松尾緑富
大根干す匂ひのさはに日のさはに 行方克巳
大根干す向うに海の荒れてをり 飯村弘海
大根干す土蔵の紋の仮名一字 鍵和田[ゆう]子 未来図
大根干す声をそろえて姉弟 鈴木木鳥
大根干す妻昂然と国訛 古館曹人
大根干す家から聞こゆアベマリア 野間 裕
大根干す島の生活の音もなし 行方克巳
大根干す怒濤を一道もて遮り 北野民夫
大根干す持てる重さに編み上げて 本間みち子
大根干す淡墨櫻遠巻きに 黒田杏子 花下草上
大根干す狭庭に甘き香の流れ 亀井けい子
大根干す繩たるみたり噴火雲 殿村莵絲子 牡 丹
大根干す脛に傷もつものばかり 柴田奈美
大根干す茅の軒端や舟大工 永井荷風
大根干す銃声に散る朝の禽 中拓夫
大根干す青物市場のフエンスにも 五十嵐波津子
大根干済めば忽ち夷講 山口青邨
大琵琶の今日は高波大根干す 大峯あきら 宇宙塵
子を負うて大根干し居る女かな 正岡子規
寺が干す芋茎の後の大根かな 野村喜舟 小石川
山の日に力抜かれて干大根 小山祐司
山寺の少しの日なた大根干す 久慈 静
干大根くぐり抜けるとそこは外 工藤克巳
干大根ひる見夕見て暮れにけり 八木林之助
干大根人かげのして訪はれけり 橋本多佳子
干大根出水のものは干しをへて 林翔 和紙
干大根山家いずこも恙なし 武田光子
干大根折り曲げて見せ商へり 斉藤志津子
干大根日かげればすぐ風が吹く 大峯あきら
干大根汝も見しなり山へ追ふ 小池文子 巴里蕭条
干大根清貧の月洗ひたて 吉本 昴
干大根白失ひて海に向く 菖蒲あや あ や
干大根細りきつたりアロエ咲き 清崎敏郎
干大根細り細りて一茶忌へ 林 翔
干大根綺麗に骨の抜かれけり 円城寺龍
干大根裏手は風の赤城口 小川笹舟
干大根貴船鞍馬に道岐れ 吉田松籟
干大根足のごとくにさすりをり 藤岡筑邨
干大根鼻削ぎにくる山の風 太田土男
年々や婆々が手痩せて干大根 正岡子規
日々爆音しぶとき生の大根干す 榎本冬一郎
日と風と干大根に甘さ増す 小島芦男
日本海の沖のくらきに大根干す 山崎ひさを
時雨るゝや軒に日残る干し大根 芥川龍之介
木枯や日暮れて白き干大根 中勘助
木葉蝶大根を干す日にまへる 木津柳芽 白鷺抄
梅林に干大根の痩せてをり 高木晴子
水分りの社家に日当る干大根 福島 勲
波の上の能登より高く大根干す 石倉啓補
海に向く干大根の丈短か 菖蒲あや あ や
湖風に痩せ過ぎてゐし干大根 稲畑汀子
湾に入る黒潮の波干大根 川崎展宏
満ち干なき湖の桟橋大根干す 右城暮石 上下
父の衣に干大根の匂ひけり 佐久間尚子
生れし日も干大根のまぶしかり 吉本伊智朗
畑岩に薪組み干しぬ花大根 冬葉第一句集 吉田冬葉
白砂青松怒濤に縮む干大根 百合山羽公 寒雁
百本の太さまち~大根干す 尾上萩男
目に入りし虫の溶けたり干大根 吉本伊智朗
窓しめて魂ぬけ校舎干大根 竹下しづの女 [はやて]
紐つよくひつぱつてみて大根干す 中戸川朝人 尋声
絃歌わく二階の欄も干大根 川端茅舎
茶の垣の上にもおいて干大根 富安風生
荒浜となりし割干大根かな 綾部仁喜 樸簡
謝つて済むことばかり大根干す 榛谷三枝子
遠神楽に 干大根の夜の迷路 伊丹公子 沿海
野に大根干す伊勢駛り亭午過ぐ 下村槐太 天涯
雲嶺へ干し大根の隙間なし 館岡沙緻
霊山の威儀を庇に大根干す 遠藤梧逸
風と日と寄り合ふところ大根干す 佐山けさ子
風の日の指先赤く大根干す 合田涼子
風むきでかはる瀬音や大根干す 高橋潤
風吹いて干大根の日和かな 星野麦人
颪すべく伊吹は立てり干大根 阿波野青畝
駅柵の干大根も翳りたり 貞弘 衛
いま干され掛大根また群れの寧さ 中戸川朝人 残心
ふるさとは懸大根に海碧し 荒島禾生
むかしたれ大根懸けし楓かな 田中裕明 花間一壺
マンシヨンのベランダ占める掛大根 渡辺和子
一村が懸大根の中にあり 杉村義昭
一茶記念館々長宅の掛大根 黒田杏子
三千院ほとりの宿の懸大根 青木重行
塩原は沢庵どころ大根掛く 西本一都 景色
境内に大根懸けし楓あり 田中裕明 山信
大根に筵を掛けてゆきしかな 酒井裕子
大根懸けあるとは夜目に家に着く 石井とし夫
失ひし白さ戻らず掛大根 池田秀水
妻さきに帰して暮るる掛大根 奥野 勝司
山の日がうしろに入りぬ掛大根 半谷洋子
懸大根ことりと山が昏くなる 石井一舟
懸大根こゝろゆるびて母居給ふ 岩田星雨
懸大根広重の濤上りけり 小笠原和男
懸大根掛けしばかりに昏るるかな 金田初子
懸大根隠岐見ゆる日の人やさし 大峯あきら 鳥道
懸大根霧島山に対峙せり 和田智子
掛け大根いつの間に古稀至りけむ 上野さち子
掛大根なつかし千樫の山低し 大野林火
掛大根一茶の国を明るくす 岩崎源一郎
掛大根余りは柿の枝に吊り 南うみを
掛大根山より闇の降りてくる 大倉祥男
掛大根心を高く住みなして 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
掛大根月あそばせて家眠る 柴田白葉女 牡 丹
掛大根気力の少しづつ抜けて 柴田奈美
掛大根沼に波立ちゐたりけり 荻野忠治郎
掛大根照るにもあらず岩襖 野澤節子 遠い橋
日のいろに皺出てなじむ掛大根 大熊輝一 土の香
日本人こゝに住まへり懸大根 森冬枝葉
早梅に大根掛けあり早雲寺 青木重行
木の枝に日のゆきわたる懸大根 小代しげ子
東海道松の並木に懸大根 文人歳時記 吉屋信子
橋欄に大根懸くる伊豆に来ぬ 中戸川朝人 残心
泊りゐる宿の二階の懸大根 近藤いぬゐ
畑々や掛大根の上の富士 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
真白な掛大根の一日目 太田土男
翁われに掛大根を飾りをり 石川桂郎 四温
老の仕事大根たばね木に掛けて 西東三鬼
自家用の懸大根の数なるか 平井さち子 鷹日和
蓮如像暗きに祀り掛大根 有働 亨
越の国掛大根へ歩き出す 松山足羽
遠き家のまた掛け足しゝ大根かな 松本たかし
鎌ゑがく野鍛冶の壁も大根掛く 西本一都 景色
雲は行き懸大根はとどまれり 後藤比奈夫(1917-)

以上
by 575fudemakase | 2014-11-21 00:17 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

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PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

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