風呂吹

風呂吹

例句を挙げる。

ざる一枚風呂吹地酒小一合 黒田杏子 花下草上
ほうほうと風呂吹召され老いたまふ 林紫楊桐
ほろ苦きもの風呂吹と俳縁と 小出秋光
わが生や風呂吹に身の温もりし 森澄雄
伊賀の夜の風呂吹憶ひ寝てしまふ 下村槐太
善か悪か風呂吹を喰つて合点せよ 夏目漱石 明治三十二年
四方の風落ちて風呂吹にある熱さ 久米正雄 返り花
波郷忌や風呂吹に箸あそばせて 小林康治
病む夫に風呂吹の湯気届きけり 中山 康子
禿椀に風呂吹ばかりうづ高き 寺田寅彦
蕪村忌の風呂吹足らぬ人数哉 正岡子規
進みけり白柄の切貝風呂吹の兵 上島鬼貫
雛僧のただ風呂吹と答へけり 夏目漱石 明治三十二年
風呂吹といま生れし句を舌頭に 鈴木栄子
風呂吹にあたゝまりたる夕餉かな 岩木躑躅
風呂吹にとろりと味噌の流れけり 松瀬青々
風呂吹に杉箸細く割りにけり 高橋淡路女 梶の葉
風呂吹に機嫌の箸ののびにけり 石田波郷
風呂吹に水害の身をあたたむる 近藤一鴻
風呂吹に煤うごき居る天井かな 龍胆 長谷川かな女
風呂吹に箸入れて湯気もつれけり 瀬木清子
風呂吹に舌一枚の困るなり 中原道夫(1951-)
風呂吹に舌焼き己れ欺くや 本橋 仁
風呂吹に集まる法師誰々ぞ 子規句集 虚子・碧梧桐選
風呂吹の一きれづつや四十人 正岡子規
風呂吹の味ひ古詩に似たるかな 永田青嵐
風呂吹の味噌は古人のねぶり粕 駒井胡周
風呂吹の味噌火襷となりにけり 阿波野青畝
風呂吹の塗り椀くもる夜雨かな 秋篠光広
風呂吹の夜は一灯で足る暮し 野見山ひふみ
風呂吹の心髄かくもなめらかに 井沢正江 湖の伝説
風呂吹の椀の並びし一会かな 下村 秀の
風呂吹の湯気に皺面つき出せる 川崎展宏 冬
風呂吹の湯気の中なる師弟かな 永田青嵐
風呂吹の湯気の眼鏡となりにけり 草間時彦
風呂吹の熱つ口に夜のとばりかな 原裕 青垣
風呂吹の舌焼くに酒急かれけり 石川桂郎 高蘆
風呂吹はとろ火にあづけ夜なべ妻 中村金鈴
風呂吹は端然とあり味噌蕩け 阿波野青畝
風呂吹やいよいよ父の翁眉 佐藤まさ子
風呂吹やすっと消えたる大首絵 延広禎一
風呂吹やふるき咎めをゆるされて 中戸川朝人 星辰
風呂吹やドラマの母とわれの母 細川加賀
風呂吹や二人の夕餉静かなる 吉村容子
風呂吹や何煮ても思ふ子みな失せ 及川貞 夕焼
風呂吹や使ひふるしに夫婦箸 三ケ尻湘風
風呂吹や動くと見えぬ沖の船 桑島あい
風呂吹や妻とはいつも国言葉 三浦誠子
風呂吹や妻の髪にも白きもの 軽部烏頭子
風呂吹や家族三人は輪になれず 白岩 三郎
風呂吹や小窓を圧す雪曇 正岡子規
風呂吹や山を背にして旅の部屋 椎橋清翠
風呂吹や山裾にねむたくなりぬ 田中裕明 櫻姫譚
風呂吹や師走の闇を鬼女の影 中拓夫 愛鷹
風呂吹や年頃つかふ薬味入 原俊子
風呂吹や忙は心を亡ぼすと 森澄雄 游方
風呂吹や手作り味噌の味添へて 河本遊子
風呂吹や旅の終りの京の宿 幅 降明
風呂吹や曾て練馬の雪の不二 水原秋櫻子
風呂吹や朱唇いつまでも衰へず 村上鬼城
風呂吹や母にとどきし妻の齢 古舘曹人 樹下石上
風呂吹や母にぬけざる国訛 佐久間木耳郎
風呂吹や母に似て来し妻のこゑ 水原 春郎
風呂吹や海鳴しげき島泊り 舘野翔鶴
風呂吹や火棚に吊す熊の肝 菅原多つを
風呂吹や眼鏡曇れば泣く如し 杉山文女
風呂吹や窓にからびし峰二つ 蛇湖句集 田中蛇湖
風呂吹や耳うとき人のあちら向く 蘇山人俳句集 羅蘇山人
風呂吹や蕪村百十八回忌 正岡子規
風呂吹や誠実は愚かなるまでに 福田蓼汀
風呂吹や闇一塊の甲斐の国 廣瀬直人
風呂吹や音におどろく框の雨 古舘曹人 樹下石上
風呂吹や飯粒沈む椀の底 会津八一
風呂吹をすくふ円かさ月の如 赤松[ケイ]子
風呂吹をめでゐる歳をおそれたり 瀧澤伊代次
風呂吹を喰ひに浮世へ百年目 子規句集 虚子・碧梧桐選
風呂吹を妣のぬくみと思ふとき 池松 昌子
風呂吹を褪ます松風入れにけり 久米正雄 返り花
風呂吹を釜ながら出して参らせる 高浜虚子
風呂吹を鞆の泊りの蓋のもの 宮下歌梯
風呂吹を食ふ猟犬も老いにけり 萩原麦草 麦嵐
煮大根のくづれ加減も七日かな 清水基吉
煮大根や烏賊の諸足そり返り 東洋城
煮大根ゆるり清貧裏返す 武田和郎
煮大根を煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎(1889-1963)
煮大根喉をするりと果報なり 竪阿彌放心
煮大根煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
獄にゐてひと懐しや煮大根 角川春樹

以上
by 575fudemakase | 2014-12-04 00:00 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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