頭巾

頭巾

例句を挙げる。

おちぶれて関寺謡ふ頭巾哉 高井几董
お高祖頭巾のおとがひ細き火影かな 臼田亞浪 定本亜浪句集
けふよりは頭巾の恩もしる身哉 松岡青蘿
この頭巾このちゃんちゃんこ象堂忌 森 かほる
さざめごと頭巾にかづく羽折哉 蕪村 冬之部 ■ 陶弘景賛
しのぶ山どやつて通ふ頭巾もがな 和鶴 選集「板東太郎」
たらちねに送る頭巾を縫ひにけり 杉田久女
ははびとも春の頭巾とならせけり 大橋櫻坡子 雨月
ふくろふも聞耳頭巾欲る夜かな 白岩 三郎
まつ宵の頭巾や耳をあけてゐる 上島鬼貫
みどり子の頭巾眉深(まぶか)きいとをしみ 與謝蕪村
みどり子を頭巾でだかん花の春 斯波園女
みゝづくは人に頭巾をぬはせけり 榎本其角
み仏にはべり果報の白頭巾 高岡智照尼
もどかしや頭巾の老の後ろ向き 岡本松浜
ものぐさといふは気儘や家頭巾 佐藤紅緑 紅緑句集
もろこしの吉野の奥の頭巾かな 山口素堂
やね葺きの額白しや麻頭巾 寿仙 俳諧撰集「有磯海」
ゆうに六尺彦三頭巾の踊るかな 高澤良一 素抱 
ゐの子から似合つて餅に頭巾かな 立花北枝
をさな名を知らぬ翁の丸頭巾 芭蕉
一冬の寒さ凌ぎし借頭巾 高浜虚子
一宿して立去る君や麻頭巾 露月句集 石井露月
一枚の帛とも畳む頭巾かな 小西須麻
三輪の田に頭巾着て居るかゞしかな 蕪村 秋之部 ■ 武者繪賛
丸頭巾ひだの詠や位山 井原西鶴
丹頂の頭巾似あはむ霜の鶴 高井几董
京らしや茶所の媼の頭巾きて 高濱年尾 年尾句集
京縞の頭巾で出たり薺売り 暁台
人丸は烏帽子芭蕉は頭巾にて 子規句集 虚子・碧梧桐選
今の世の理解にうとき頭巾かな この女
侘禅師関も咎めぬ頭巾哉 雁宕
凍つる夜の防空頭巾たゝみ寝る 岸風三楼 往来
凩に頭巾忘れてうき身かな 黒柳召波 春泥句集
出かはりも頭巾で行くや花の頃 園女 俳諧撰集玉藻集
出替りを頭巾で行や花の比(ころ) 斯波園女
初雀みみづく頭巾もて聞かん 吉田藤治
初雪を惜しまではたく頭巾かな 毛* 十 月 月別句集「韻塞」
利にうとき人の眼にごる頭巾かな 飯田蛇笏 山廬集
前を行く弥彦芸者の雪頭巾 本間 一萍
医師へ行子の美しき頭巾かな 炭 太祇 太祇句選後篇
古頭巾烏帽子に捻よ花の春 青峨
古頭巾着て冬心も定まれり 相生垣瓜人 明治草抄
古頭巾裏は燃え立つ緋羅紗かな 高浜虚子
四つに折て戴く小夜の頭巾哉 蕪腸
墓守の落葉掃き居る頭巾哉 寺田寅彦
夜も更けて彦三頭巾の虚仮(こけ)踊り 高澤良一 素抱 
学して寝ずや頭巾の影ぼうし 黒柳召波 春泥句集
尼さんのおこそ頭巾も京らしき 中村吉右衛門
山よさらに時鳥は居ず角頭巾 沾葉 選集「板東太郎」
山里や頭巾とるべき人もなし 観水 選集古今句集
帰る桜錦ぞ頭巾都入 露沾 選集「板東太郎」
幼名や知らぬ翁の丸頭巾 松尾芭蕉
弁慶は其頭巾こそ兜なれ 子規句集 虚子・碧梧桐選
弔へば今もきませる頭巾かな 黒柳召波 春泥句集
引かふて耳をあハれむ頭巾哉 蕪村 冬之部 ■ 陶弘景賛
彦三頭巾キタカサッサと踊りけり 高澤良一 素抱 
彦三頭巾白鉢巻が夜涼呼ぶ 高澤良一 素抱 
御几帳や尼将軍の白頭巾 高橋淡路女 梶の葉
忍はしよはやり頭巾の主ならば 多少
忘草人に頭巾を隠しけり 星野麦人
我が頭巾ぬげたり今朝は南枝花 立花北枝
戯作者のたぐひなるべし絹頭巾 子規句集 虚子・碧梧桐選
投節や東海道を投頭巾 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
捨頭巾置かれしまゝに炉辺にあり 小幡幽荘子
新尼の頭巾おかしや家の内 炭 太祇 太祇句選
春の夜や脱ぎし頭巾に男ぶり 龍胆 長谷川かな女
春雨や身にふる頭巾着たりけり 蕪村 春之部 ■ 西の京にばけもの栖て、久しくあれ果たる家有けり、今は其のさたなくて
智照尼の春の頭巾の白妙に 山田弘子
智照尼の春白妙の頭巾かな 山田弘子 懐
木兎の赤い頭巾をかぶりたる 寺田寅彦
松の枝に捨頭巾して話声 池田 歌子
松明や頭巾も取らで参る尼 名和三幹竹
永らへて頭巾御免の御看経 野島無量子
法話きく膝におきたる雪頭巾 加藤冬圃
法躰をみせて又著る頭巾かな 太祇
深う着て耳をいとしむ頭巾かな 村上鬼城
深頭巾かぶりて市の音遠し 高浜虚子
潮風にいざ吹かれなん夏頭巾 会津八一
煤払あやしの頭巾着たりけり 黒柳召波 春泥句集
熊の皮の頭巾ゆゆしき警護かな 夏目漱石 明治三十四年
牛売のまぶかに着たる頭巾かな 乙総
牡蠣舟に猶人目ある頭巾かな 塩谷華園
猿にきせて我に似たりや古頭巾 内藤鳴雪
町はづれいでや頭巾ハ小風呂敷 蕪村 冬之部 ■ 陶弘景賛
畑をうつ翁が頭巾ゆがみけり 高井几董
畜類に似て人を視る頭巾かな 前田普羅
畠より頭巾よぶなり若菜つみ 其角
異見など投頭巾着て馬の耳 黒柳召波 春泥句集
痴れ踊る彦三頭巾の細目穴 高澤良一 素抱 
白がねの耳環や秘むる頭巾かな 楠目橙黄子 橙圃
目にぞしむ頭巾着てねる父が皃 炭 太祇 太祇句選
眇なる醫師わびしき頭巾かな 蕪村遺稿 冬
眉かくれ知性の失せし頭巾かな 上野泰 春潮
眼までくる頭巾あぐるや幾寐覚 炭 太祇 太祇句選
石仏に頭巾を著せてくれてあり 直原玉青
祇園の灯にはうとき頭巾や十夜人 西山泊雲 泊雲句集
祇王祇女木像に見る頭巾かな 伊藤観魚
福頭巾著て大耳のたほるゝよ 大橋櫻坡子 雨月
空似とは知れどなつかし頭巾人 杉田久女
竹伐や弁慶頭巾白妙に 鈴鹿野風呂
米買ひに雪の袋や投頭巾 芭蕉
粉雪の音のきこゆる頭巾かな 長谷川櫂 古志
紅閨の足につめたき頭巾哉 高井几董
紫の頭巾に恋をせし昔 阿部みどり女
致仕の身の安き心に頭巾かな 四明句集 中川四明
荒鷹もその鷹匠も頭巾かな 彦根-朱廸 俳諧撰集「有磯海」
蓬莱に頭巾かくべき技もがな 会津八一
蓮葉なりし面影もなき頭巾かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
蝦夷寒くまだ~頭巾捨てられず 原岡杏堂
袂なる頭巾さがすや物わすれ 黒柳召波 春泥句集
親猿の赤い頭巾や叱られし 高浜虚子
角頭巾どちへ投げても花の春 内藤丈草
路次の闇親子除け合ふ頭巾かな 蕪村遺稿 冬
身の闇の頭巾も通る月見かな 蕪村 秋之部 ■ 良夜とふかたもなくに、訪來る人もなければ
途中から頭巾被りぬ酉の市 角田竹冷
運不運ある世の頭巾かぶりけり 新城世
酒臭やうかれ頭巾の行違ひ 黒柳召波 春泥句集
鉢うへの松にかぶせる頭巾かな 住田素鏡
鉢たたき頭巾まくれて髪の霜 黒柳召波 春泥句集
門前に雪駄つくらふ頭巾かな 会津八一
関守の夕かしこき頭巾かな 東季
関越えてうれしく被く頭巾哉 高井几董
闇の夜に頭巾を落すうき身哉 蕪村遺稿 冬
闇の山茱萸/山姫/ 憑きの/山岡頭巾 林桂 銀の蝉
防空頭巾の家族写真*ざりがに食みし ひらきたはじむ
防空頭巾取りて薺の花は見ず 萩原麦草 麦嵐
陽関に忘れし頭巾ありにけり 比叡 野村泊月
雪ぢやとて遣手が古き頭巾かな 泉鏡花
雪頭巾をとこをみなもなかりけり 早川子鶯
雪頭巾生簀の鯉を揚げに出づ 富岡掬池路
雪頭巾被りし中の尼上人 山口民子
零露して関守諷ふ頭巾かな 几菫
頬の辺に裏の緋ちらと雪頭巾 杉山々
頭から風邪ひくといふ頭巾かな 永田青嵐
頭巾おく袂や老のひが覚へ 炭 太祇 太祇句選
頭巾きても一度家をふり返る 高野素十
頭巾きて僧にかも似て仏師かな 山口燕青
頭巾きて恋の外なる遊びかな 高田蝶衣
頭巾きて見てもかくれぬ白髪哉 一茶 ■文政六年癸未(六十一歳)
頭巾くれし妹がりゆく夜霙ふる 高井几董
頭巾さへ多田の新発意の左折 黒柳召波 春泥句集
頭巾して間毎案内も不性らし 大谷句佛 我は我
頭巾ぬいで芍薬を見る尼達かな 雑草 長谷川零餘子
頭巾ぬぐや縫物片寄せて母やさし 阿部みどり女 笹鳴
頭巾ぬげば皆坊主でもなかりけり 正岡子規
頭巾を笑ふつまらの顔の二つづつ 原石鼎 花影以後
頭巾深しとても聞えぬ老の耳 黒柳召波 春泥句集
頭巾着し戯男うつる鏡かな 高井几董
頭巾着し治郎に逢へり宇津の山 黒柳召波 春泥句集
頭巾着たる猟師に逢ひぬ谷深み 夏目漱石 明治三十二年
頭巾着てくゞり戸出づる女かな 寺田寅彦
頭巾着てわりごくひ居る木樵かな 寺田寅彦
頭巾着て人行かふや山の道 子規句集 虚子・碧梧桐選
頭巾着て古き頭の没しけり 相生垣瓜人 明治草抄
頭巾着て尊くなりぬ鉢叩 路景
頭巾着て杜氏に出るも近き村 石川星水女
頭巾着て法師か知らじ安良殿 黒柳召波 春泥句集
頭巾着て老と喚ばるる嬉しさよ 会津八一
頭巾着て聲こもりくの初瀬法師 蕪村 冬之部 ■ 陶弘景賛
頭巾脱いで幽簿を拝しぬ御堂前 四明句集 中川四明
頭巾脱ぎその手を髪に微笑みぬ 吉屋信子 吉屋信子句集
頭巾脱でいたゞくやこのぬくい物 炭 太祇 太祇句選
頭巾著て北野詣を怠らず 粟津松彩子
頭巾著て東門を出る小春かな 比叡 野村泊月
頭巾被てこの地出でざる深目皺 山崎秋穂
顧みて舌吐く癖や絹頭巾 会津八一
馬市の中にあやしや角頭巾 許六
鶏頭に頭巾やれたる畠かな 水田正秀
鶴にまかせ斧をともなひ居士頭巾 斯波園女
麦踏の頭巾の外の風強き 原田種茅 径
黄泥の坂を越えゆく頭巾かな 比叡 野村泊月

以上
by 575fudemakase | 2014-12-16 00:08 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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