隙間風

隙間風

例句を挙げる。

ありとある隙を占めをる隙間風 相生垣瓜人 微茫集
かく隙ける隙間風とはわらふべし 皆吉爽雨
かたくなな心に隙間風の吹く 山田 敏子
かみ合はぬ話に黙す隙間風 加藤武夫
けぶりゐるランプに見ゆる隙間風 米沢吾亦紅 童顔
この店のここに坐れば隙間風 辻桃子
さりげなく語りゐる座の隙間風 高野彩里
しみじみ孤り寝ても覚めても隙間風 小松崎爽青
すぐ寝つく母いとほしや隙間風 清崎敏郎
ほのゆるゝ閨のとばりは隙間風 杉田久女
みちのくの馴染みの宿の隙間風 小島左京
カーテンの動いてゐるは隙間風 高濱年尾 年尾句集
コンセント大工に貸して隙間風 塩川祐子
サーカスの緊張解けし隙間風 きよみ
二階より隙間風来る母の死後 中尾寿美子
五百年つづける宿の隙間風 茂里正治
人の世に出遅れてゐる隙間風 松山足羽
助け茶屋仕舞ひ仕度の隙間風 加藤知世子 花 季
単身赴任寮プレハブの隙間風 福原紫朗
国宝の寺おほらかに隙間風 鷹羽狩行
夢にまで入る隙間風夫婦たり 大沢初代
妻の指に真珠うるほふ隙間風 千代田葛彦 旅人木
寸分の隙をうかがふ隙間風 富安風生
屑籠を楯なる書屋隙間風 井沢正江 湖の伝説
御座の間の百万石の隙間風 吉本香歩
忍び入り紛れをるなる隙間風 相生垣瓜人 微茫集
恋に怯づは才なきあらず隙間風 石塚友二 方寸虚実
折目正しき屏風より隙間風 鷹羽狩行 七草
折詰に鯛の尾が出て隙間風 波多野爽波
指銜え口中にある隙間風 和田幸司
旅にして海の匂ひの隙間風 山内山彦
時々にふりかへるなり隙間風 高浜虚子
晩年といふ家ありて隙間風 蔦 悦子
朝粥の湯気斜なる隙間風 村上青竜
東京の隙間風とも馴染みたる 山田弘子
枕上来てやる度に隙間風 中村汀女
母がりやむかしのまゝの隙間風 山本晃裕
海の隙間風茶沸しの瓦斯ゆるる 田川飛旅子 花文字
減塩の腰抜汁や隙間風 高橋茶梵楼
潮騒を伴ふ隙間風に叔母 大岳水一路
灯を消して雪の匂ひの隙間風 堀口星眠 青葉木菟
灯虫来し野より来るなり隙間風 相生垣瓜人 微茫集
煤掃きて改め招く隙間風 百合山羽公 寒雁
版画屑転がしてゐる隙間風 中条久三夫
産小屋の十坪に足らぬ隙間風 斉藤夏風
町ながらここは谷の底隙間風 下村槐太 天涯
疼く歯のほとりを行けり隙間風 相生垣瓜人 微茫集
白襖の黒枠不吉隙間風 香西照雄 素心
百姓の夜はしづかや隙間風 橋本鶏二 年輪
眉毛にも耳朶にも著けり隙間風 相生垣瓜人 微茫集
立てまはす古き屏風や隙間風 阿部みどり女 笹鳴
精いつぱい身を楯にして隙間風 森川恭衣
糸繰るや雪気もまじる隙間風 能村登四郎
縄のれん一本挟む隙間風 黒坂紫陽子
蒸しものの細めの瓦斯や隙間風 宍戸富美子
輸かざりやすでに三日の隙間風 久保田万太郎 流寓抄
長病みの夫の背中に隙間風 浅見まき子
閉むるときをどる襖や隙間風 小路紫峡
隙間風かんばし偸安の人よ国よ 香西照雄 対話
隙間風さへ団欒をさまたげず 斎藤道子
隙間風さまざまのもの経て来たり 波多野爽波 『湯呑』
隙間風せんなし火鉢守る父子 小原菁々子
隙間風その数条を熟知せり 相生垣瓜人(1898-1985)
隙間風ちちははの夢吾子の夢 相馬遷子
隙間風とも争はずなりにけり 藤田湘子 春祭
隙間風どのみち立て付け直す家 高澤良一 宿好 
隙間風ひとすぢこころ無惨なり 柴田白葉女 花寂び 以後
隙間風エレベーターの扉より 関森勝夫
隙間風パン焼く香り運びくる 田中雅子
隙間風五十腕置くに膝よりなし 原田種茅 径
隙間風何に倣ひて犇くや 相生垣瓜人 微茫集
隙間風元三大師のお札より 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
隙間風兄妹に母の文異ふ 石田波郷
隙間風剃らるる鬚に黒ぞなく 石川桂郎 高蘆
隙間風十二神将みな怒る 阿波野青畝(1899-1992)
隙間風寝嵩崩さず妻子あり 小林康治 四季貧窮
隙間風寝煙草煙顔に来る 米澤吾亦紅
隙間風屏風の山河からも来る 鷹羽狩行 平遠
隙間風座りかへたるところへも 宮下翠舟
隙間風想ひ出す顔みな違ふ 赤尾兜子
隙間風来し方見つめ直すとき 久保田静子
隙間風来る卓上に林檎一つ 山口青邨
隙間風次第しだいに四面楚歌 佐土井智津子
隙間風殺さぬのみの老婆あり 相馬遷子 雪嶺
隙間風母をらぬ家のどこよりか 春日こうじ
隙間風灰を熾して通りけり 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
隙間風祖母と寝し子の寝落ちしか 大野林火
隙間風終生借家びととして 石塚友二
隙間風臍につぶやく言葉とて 加藤知世子 黄 炎
隙間風般若波羅蜜多生きたしや 田川飛旅子 『山法師』
隙間風薔薇色をこそ帯ぶべけれ 相生垣瓜人
隙間風衆愚の目鼻して病めり 小林康治 玄霜
隙間風負ふべくあらぬ身の負ひ目 石塚友二 方寸虚実
隙間風逃ぐる術なき夜々の肩 石塚友二 方寸虚実
隙間風驚き合ひて棲みつかな(木村武子を娶り滝野川に移る) 岸田稚魚 『負け犬』
飲食や檜の家の隙間風 殿村莵絲子 雨 月

以上
by 575fudemakase | 2014-12-17 00:23 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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