日記買ふ

日記買ふ

例句を挙げる。

いくばくもなき宮仕へ日記買ふ 村中聖火
おもふ書のなくて出端の日記買ふ 下村ひろし 西陲集
かたくなに日記を買はぬ女なり 竹下しづの女句文集 昭和十三年
くさぐさのもののついでに日記買ふ 鈴木貞雄
くり返しきかぬこの世や日記買ふ 山本 輝明
この暗き海鳴の町日記買ふ 黒田杏子 水の扉
すでにして己れあざむく日記買ふ 岡本眸
ためらはず博文館の日記買ふ 高見孝子
はなやかな若き日もなく日記買ふ 財家しげゆき
ひらきたるそこに虚子の句日記買ふ 高橋鷹史
ふと羨し日記買ひ去る少年よ 松本たかし
われ買へばなくなる日記買ひにけり 池上浩山人
三年は生きると信じ日記買ふ 吉村ひさ志
丸ビルの花屋に隣り日記買ふ 久米正雄 返り花
五年日記気持大きく買ひにけり 仲島 四郎
人波のここに愉しや日記買ふ 中村汀女
人生のいまが盛りか日記買ふ 山田弘子 螢川
何時までの余生と思ひ日記買ふ 杉森干柿
偽りの世に気をとり直し日記買ふ 今泉貞鳳
兵士達どやと入り来て日記買ふ 遠藤梧逸
勉めよと日記を買ひて与へけり 高浜虚子
医師日記俳諧日記二つ買ふ 江本 如山
十年を生きるつもりの日記買ふ 大森三保子
吹き降りの海鳴りの町日記買ふ 中まり子
商ひの記録一筋日記買ふ 高木節子
子供らに真白き未来日記買ふ 橋田憲明
実朝の歌ちらと見ゆ日記買ふ 山口青邨(1892-1988)
少年の如し夢見て日記買ふ 高石高平
巷の坂に帆を遠くおく日記買ふ 斉藤夏風
平積みの嵩の日記は買はざりき 鈴木しげを
我が生は淋しからずや日記買ふ 高浜虚子
手にとりて過去にひとしき日記買ふ 赤松[けい]子 白毫
日記買はじ喜憂来るまゝ過ぐるまゝ 及川貞 夕焼
日記買ひその後赤き花を買ふ 山田弘子 螢川
日記買ひ一誌と歩みゆく月日 山田弘子 懐
日記買ひ夜の雑沓に紛れけり 星野 高士
日記買ひ潮ながるるを見てゐたり 猿山木魂
日記買ひ薔薇挿し彼の日憶ひをり 及川貞 夕焼
日記買ふこころに真水溢れさせ 佐藤美恵子
日記買ふことが愉しく買ひにけり 吉屋信子
日記買ふその一冊を心とし 道山昭爾
日記買ふまだ見ぬ吾子へ思ひ寄せ 中村純代
日記買ふ中学生に疾き日ざし 久米正雄 返り花
日記買ふ二人の生活築くべく 八木隆史
日記買ふ五十路の未来信じ度く 山田弘子 螢川
日記買ふ只それだけの用持ちて 今井つる女
日記買ふ夜天を焦がす熔鉱炉 秋元不死男
日記買ふ子に伝ふべき何もなし 西村和子 夏帽子
日記買ふ星の貧しき街なれば 櫂未知子 蒙古斑
日記買ふ未知の月日にあるごとく 中村秀好
日記買ふ町の銀座の明るさに 柴田白葉女 花寂び 以後
日記買ふ癒ゆるなき身をはげまして 朝倉 和江
日記買ふ神保町の片すみに 黒田杏子 花下草上
日記買ふ自分と語ること好きで 山田弘子 螢川
日記買ふ貨車連結の音の書肆 大岳水一路
日記買ふ銭入れにつく鈴鳴りぬ 宮武寒々 朱卓
日記買ふ頃となりけり彼女いかに 森田峠 避暑散歩
来し方の美しければ日記買ふ 赤松子
来年は嫁ぐ日記の厚き買ふ 久米正雄 返り花
来年は鎌倉暮し日記買ふ 京極高忠
極北の街で真白き日記買ふ 有馬朗人 耳順
母にのこる月日とならむ日記買ふ 古賀まり子
汝が為に買ひし日記と手渡され 高橋笛美
灯りたるモンパルナスに日記買ふ 上野好子
父として日記は買はず絵本買ふ 森田峠 避暑散歩
父に付添はれてをりて日記買ふ 森田峠 三角屋根
独り身の今も青春日記買ふ 平田 節子
生きてゐる限り戦後史日記買ふ 広谷一風亭
秘めるものなくて鍵ある日記買ふ 辻三枝子
美しき本童話集日記買ふ 深川正一郎
行きかはすリフト繁しや日記買ふ 岡田 貞峰
買はずとも日記贈られ励まさる 阿波野青畝
贈らむと選びし日記われも買ふ 斎藤 道子
身辺紅きものばかり日記買ふ 鈴木有紗
迷ひゐて人の手触れし日記買ふ 斎藤 節子
鍵のある日記長女に買ふべきか 上野泰
闘病も永き覚悟の日記買ふ 田中幹子
雑踏の渦くぐり抜け日記買ふ 佐藤美恵子
雨の日の神田に暮れて日記買ふ 角川春樹
すぎし刻声あげて来る古日記 金久美智子
一行の自分史となる古日記 中島敏之
一頁ずつ声あげる古日記 二村典子
余白多き古日記とはなり了す 石塚友二
古日記心貧しき日は飛びて 朝倉和江
古日記母逝きしこと一行に 細川加賀 『玉虫』
古日記読めば亡夫居て冬温し 鈴木志げ
和紙の雪はさみてありし古日記 中西しげ子
秘めごとのひとつやふたつ古日記 山田弘子 こぶし坂以後
空白のなかの一行古日記 永田耕一郎

以上
by 575fudemakase | 2014-12-20 00:33 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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