冬菜

冬菜

例句を挙げる。

*えりしぐれ渚は菜屑ゆりかへし 関戸靖子
あかつきの冬菜はおのが影に伏す 古舘曹人 砂の音
あさみどり濃みどり綾に冬菜畑 星野立子
あつめたる山水鳴らし冬菜洗ふ 楸邨
あまり青き冬菜の畑に歩み入る 下村槐太 光背
いさゝかの冬菜なれども間に合ひぬ 松本つや女
うすうすと容なす富士冬菜畑 根岸善雄
かす~の身過ぎうたてし冬菜生ゆ 雑草 長谷川零餘子
ここに又影の如くに冬菜かな 岸本尚毅 舜
こぼれ種の方がよく伸び冬菜畑 長崎小夜子
さかしまに樽置き上に冬菜置き 高浜虚子
さし籠る葎の友か冬菜売り 松尾芭蕉
しみじみと日のさしぬける冬菜かな 久保田万太郎
たゞ歩むこゝろ無惨の冬菜かな 杉山岳陽 晩婚
ちよんちよんと菜屑の隙へ寒の禽 嶋田麻紀
ちゞれ葉をうちかさねたる冬菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
つちかへどなほくたれ葉の冬菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
ともどもに摘みて味はふ冬菜かな 芦角 俳諧撰集「藤の実」
どかどかと又賑やかに菜屑来る 橋本鶏二
どんたくの波止一片の菜屑浮く 野見火ひふみ
はるばると見えて冬菜を洗ふ家 向山隆峰
ひつかかる菜屑に水のわかれゆく 上村占魚 球磨
ひとり生く為の冬菜をひた刻む 石川文子
ふる里に残りて老いて冬菜漬く 河野 伊早
やまみづの痕に冬菜を萌えしむる 瀧春一 菜園
カナリヤと分つ冬菜を洗ひけり 栗林千津
クレーン立つ仕切り距てて冬菜摘む 小笠原須美子
ヘリコプター冬菜の青き上飛ぶ音 右城暮石 声と声
ポケットにすぐに手を入れ冬菜売 嶋田麻紀
マンシヨンに八百屋来てゐし冬菜買ふ 稲畑汀子
一つかかへて二つをこぼす冬菜婆 今瀬剛一
一畝は残してありし冬菜かな 高浜喜美子
一話済みたる洗場抜菜屑 関森勝夫
二畝の冬菜そだてて母老いぬ 船越 幸子
二畝の冬菜を鶏の食むまゝに 高浜虚子
人のかげ冬菜のかげとやはらかき 桂信子
仏恩や菜屑も不捨御取越 石井露月
体温計はさみて冬菜甘く煮る 谷口桂子
光る冬菜妻子泰き日いつかあらむ 古沢太穂 古沢太穂句集
児が蒔きし冬菜のみどり新学期 樋笠文
六十に少し間のある冬菜畑 野見山ひふみ
冬川の菜屑啄む家鴨かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
冬月と菜屑うかべて川せかれ 飴山實
冬菜かけて雨戸一枚しまりをり 清原枴童 枴童句集
冬菜きざむ音はや鶏にさとられゐて 野沢節子
冬菜きざんで母がゐなかからきてゐる シヤツと雑草 栗林一石路
冬菜たち 手をあげ あらあらしい朝日です 吉岡禅寺洞
冬菜とる天地のぬくみ一身に 大中誉子
冬菜に塩ふつて輝く路地の日よ 菖蒲あや あ や
冬菜まつさお犬醜きも愛さるる 寺田京子 日の鷹
冬菜より円光となりわが子の朝 松澤昭 神立
冬菜二三行抹消の詩句に似て 上田五千石 森林
冬菜割り妻豁然と冬に向ふ 古館曹人
冬菜喰む兎すなほな目をもちて 高岡静子
冬菜売老の眼鏡の紐むすび 石川桂郎
冬菜屑ちらけし手操り渡舟かな 西本一都 景色
冬菜抱き僧いくたびか畦を越ゆ 対馬康子 愛国
冬菜提げ影歪みをり持ちかふる 莵絲子
冬菜束ほどけば水に散るみどり 甲斐羊子
冬菜桶戸口におきて共同湯 佐野美智
冬菜沿ひずんずん下りて一乗寺 高澤良一 宿好 
冬菜洗うざつくり月がはいつてくる 鮫島康子
冬菜洗ふあたりの濡れて昼の月 蒼石
冬菜洗ふことに一途や絶えて泣かず 鈴木真砂女 夕螢
冬菜洗ふ泉底より暮れゆける 手島靖一
冬菜洗ふ波紋を交はし嫁どうし 成田千空 地霊
冬菜漬け瀬音澄みゆく室生村 吉澤卯一
冬菜漬け終り全身きしきしす 菖蒲あや
冬菜漬の重石たひらに夜が沈む 嶋田麻紀
冬菜畑かすかに住めば生きてゆく 雑草 長谷川零餘子
冬菜畑ついばむに委せあり 高槻青柚子
冬菜畑より突き出でて藁の楷 宮田正和
冬菜畑わが家に朝の光ふる 長谷川草々
冬菜畑同じ本読む姉妹 田中裕明
冬菜畑月の出おそくなるばかり 遠藤悠紀
冬菜畑踏ん込み空気銃打てり 石塚友二 光塵
冬菜畠へ旅のごとくに行く老婆 北原志満子
冬菜等も爛熟すべきとききたり 百合山羽公 故園
冬菜舟櫂ひらひらと漕ぎ出でぬ 那須 乙郎
剥がれ飛ぶ干し和紙冬菜畑撫でる 奈良文夫
勧請縄真下に風の冬菜畑 関戸靖子
十勝野の一劃青し冬菜畑 鮫島交魚子
十字架山一畝の冬菜かがやけり 下村ひろし
合掌建つなぐ乏しき冬菜畑 加藤岳雄
喪の家の前美しき冬菜畑 吉本 信子
園丁の暮しの冬菜畑あり 高木晴子
地下足袋に指先つめて冬菜洗ふ 沖田佐久子
壁土の日がざらざらと冬菜干 白岩 三郎
夕暮の改札通る冬菜かな 一町田愛子
大学の裏門を守り冬菜守り 山口青邨
大寒や兎は菜屑こぼしつづけ 加藤かな文
大望に遠く杭ぜに菜屑溜る 成田千空 地霊
女の手冬菜を洗ふとき撓ふ 井上雪
妻ヘシュプレヒコール降る愛情の冬菜畑 山岡敬典
婆々の背や没り日ぐるみに冬菜負ひ 加藤さぶろ
孵化場にをとこの煮炊き捨冬菜 石川文子
家々と冬菜畠に比叡聳え 波多野爽波 鋪道の花
小流れに菜屑流るる二月かな 鎌倉博史
山峡の冬菜畑と海すこし 阿部みどり女
山川に流るゝ菜屑小正月 清原枴童 枴童句集
山畑の冬菜の色も雨のなか 田沼文雄
己が手をしばらく叩き冬菜干す 長谷川双魚 『ひとつとや』
市の冬菜往きつ戻りつ遂に購ふ 原田種茅 径
引き際の鴨が菜屑を食みをりし 関戸靖子
影ふんで冬菜蒔く妻あきつのよう 黒川憲二
待つのみの生涯冬菜はげしきいろ 寺田京子 日の鷹
散らかれる縄や菜屑やすぐき宿 星野立子
旭がとどく冬菜みどりを滴らす 柴田白葉女 遠い橋
明日糶る冬菜積まれて土間暮るる 菖蒲園
曳売りの婆の冬菜の目分量 猪爪登美子
月の出や冬菜が四方八方に 岸本尚毅 鶏頭
月光に冬菜のみどり盛りあがる 篠原梵 雨
朝寒や菜屑ただよふ船の腹 杉田久女
果無の山ふところの冬菜畑 中宮 喜代子
柳散り菜屑流るる小川哉 正岡子規
柵や菜屑とかゝり烏賊の腸 西山泊雲 泊雲句集
桶踏んで冬菜を洗ふ女かな 正岡子規
棒入れて冬菜を洗ふ男かな 正岡子規
武家門の中に必ず冬菜畑 遠藤梧逸
武蔵野の冬菜あかりをわたる鐘 侃
残りゐる冬菜に風の集まれる 嶋田一歩
母の忌の水の上りし冬菜漬 菖蒲あや あ や
母の背に風があつまる冬菜漬 橋本榮治 麦生
母現れて冬菜を洗ふ飛鳥川 佐川広治
比叡よりの玉の水来る冬菜畑 金坂豊
水を切る冬菜に当る日暫く 松藤夏山 夏山句集
水底にある流速よ冬菜はしる 加藤秋邨 まぼろしの鹿
水門や菜屑葱屑流れ寄る 寺田寅彦
水馬の渦に入り来しもの今は菜屑 島村元句集
水鳥や菜屑につれて二間程 正岡子規
洗ひあげし冬菜言葉を待つごとし 栗林千津
洗ひ場に菜屑散らばる遅日かな 矢島艶子
流れゆく冬菜一片墓柵ぞひ 柴田白葉女 遠い橋
流元に茶かす菜屑の氷り付く 寺田寅彦
浄瑠璃寺門前市に購ふ冬菜 猿渡たつ子
浅川の杭ぜ~の菜屑かな 西山泊雲 泊雲句集
海に尽く一村冬菜濃かりけり 鷲谷七菜子 花寂び
海を背の人形蔵や冬菜吊る 藤木倶子
清明や菜屑へ土をかけてをり 嶋田麻紀
湖のたゞ中にして菜屑かな 大橋櫻坡子
湖を見下ろしにして冬菜畑 石田郷子
漁婦等の落涙湾を漂ふ冬菜屑 斎藤玄
漬けてなほ博多の冬菜みづみづし 樺島政尾
潮騒ぐ海女の小さな冬菜畑 田中 蛙村
火の山のふところひろく冬菜畑 西村数
火の山の高曇りゐし冬菜かな 鴻司
火の山を動かぬ雲や冬菜引 村上光子
火山灰曇り湾へ傾く冬菜畑 延平いくと
猫いまは冬菜畑を歩きをり 高浜虚子
百姓の玉と抱へし冬菜かな 深見けん二
盆地すつぽり太陽に向き冬菜畑 青柳志解樹
盛りあがる一坪ほどの冬菜かな 阿部みどり女 笹鳴
砂丘きて負籠の中の冬菜青し 澄雄
突つ張つてゐたる冬菜の茹で上る 河野美奇
笛つくることの遊びや冬菜屑 古館曹人
籬よりもみづみづ冬菜家を巻く 篠原梵 雨
絹の道なべて日当る冬菜畑 市橋千翔
綴衣に八日は過ぎつ冬菜畑 齋藤玄 飛雪
縫ひ疲れ冬菜の色に慰む目 杉田久女
美しく耕しありぬ冬菜畑 高浜虚子
胸に抱き日当る方へ冬菜移す 菖蒲あや
舟住みの濃き血縁や冬菜くづ 有馬朗人 天為
舟唄や水棹にからむ花菜屑 増田富子
船頭が座布団かかへ冬菜畑 山尾玉藻
花束のやうに冬菜を抱いて来し 成海 静
茹で上げし冬菜の湯気が顔を撫で 西村和子 夏帽子
荒波の間近に蒔きし冬菜かな 汀女
菜屑など散らかしておけば鷦鷯 子規句集 虚子・碧梧桐選
菜屑捨てしそこより春の雪腐る 寺田京子
葉牡丹の屑と菜屑と道に踏む 木村蕪城 寒泉
蟹ちりに煮込む但馬の冬菜かな 山田弘子
谷里や冬菜畑を美しく 尾崎迷堂 孤輪
谷隔てあひ傾ける冬菜畑 福田蓼汀 山火
買物はいつも夕ぐれ冬菜畑 石川文子
運河濃く冬菜の青のただ一条 三谷昭 獣身
野に大雪も来よとおもふ冬菜を漬ける 中塚一碧樓
鉄塔は見えね冬菜の野に青む 太田鴻村 穂国
門川に菜屑あをあを女正月 鍵和田[ゆう]子
門川や冬菜洗へば用なささう 青畝
開戦の眼に沁むばかり冬菜の霜 田川飛旅子 花文字
阿武隈川の鉄橋下の冬菜畑 石川文子
陵と冬菜の間通りけり 原田喬
陽を溜めて土手の冬菜のみづみづと 緒方 みち子
隠れ家のごとく戸を閉づ冬菜畑 鍵和田[ゆう]子
雪の冬菜男鍬ついて立てりける 杉風
雲に雲乗せて明るき冬菜畑 小川江実
露ながる冬菜ポストヘ昨夜の文 下村槐太 天涯
韃靼の海へつらなる冬菜畑 佐川広治
風を待つ舸子等冬菜を買戻る 福本鯨洋
風吹くと冬菜畑の匂ひかな 岸本尚毅 選集「氷」
風呂敷をのぞく冬菜に車内の眼 原田種茅 径
高千穂の鬼が冬菜を担ぎ来る 佐川広治
髪の毛一筋水にひかれり冬菜漬 中拓夫 愛鷹
髪一すぢ水にひかれり冬菜漬 中拓夫
鶏の嘴(はし)に氷こぼるる菜屑かな 加舎白雄(1738-1791)

以上
by 575fudemakase | 2014-12-20 00:43 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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