枯芝

枯芝

例句を挙げる。

これや天使われより低く枯芝に 林翔
しなやかにふくよかに芝枯れてあり 油布五線
たばこの甘さ枯芝に置く郵便帽 磯貝碧蹄館 握手
ふらここへ枯芝の上走りけり 高木晴子 晴居
をとめ羨し枯芝にまろび芝着けて 及川貞 夕焼
ゴルファーらヘアピンのごと枯芝に 川崎展宏
サーカスの犬枯芝をゆく犬見る 古屋秀雄
ラヂオより拍手万雷芝枯らす 山口誓子
何せむとわが枯芝に火を焚きゐし 大石悦子
佳き庭の石打ち沈み芝枯るゝ 高木晴子 花 季
兄いもといつも一緒に枯芝に 安住敦
四百年経し枯芝や興聖寺 児嶌すぐろ野
基地沿ひの車窓や枯芝明りのみ 奈良文夫
墓に焚く新聞紙の火枯芝に 原裕 葦牙
太陽の直射平らに芝枯るる 阿部みどり女
子ども枯芝すべりくる水辺でとまる シヤツと雑草 栗林一石路
子を追へる親は緩走芝枯るる 林翔 和紙
市の音すれど静かや芝枯るゝ 阿部みどり女 笹鳴
師の忌はや枯芝に日を浴びゐつつ 原裕 葦牙
意味が字となり石となる枯芝に 鷹羽狩行
扁平な巨獣老いたり芝枯るる 林 翔
手毬かくる狐ケ崎の枯芝に 萩原麦草 麦嵐
朝の日や老いたる鹿が枯芝に 関戸靖子
未来図や枯芝に置く椅子二脚 林 翔
枯芝かげろふ誰かこほこほと 北原白秋
枯芝があつて幸福さうな家 加倉井秋を
枯芝が少し蘇鉄がたくさんに 京極杞陽 くくたち下巻
枯芝こまやか女は裾を彩重ね 加藤かけい
枯芝で彼らは実にほがらかな 藤後左右
枯芝と枯蔓映りゐる鏡 京極杞陽 くくたち上巻
枯芝にいのるがごとく球据ゆる 横山白虹
枯芝にうしろ手ついて何も見ず 角川春樹
枯芝にうつくしき日はとどまれり 吉武月二郎句集
枯芝にうはさの影のさしにけり 久保田万太郎
枯芝にこもる日ざしを背に吸ふ 篠原梵
枯芝にそびえ澄みたるつくしかな 大橋櫻坡子 雨月
枯芝にねむり虚空に出てゆきぬ 横山白虹
枯芝にはなしは尽きじ梅日和 五十崎古郷句集
枯芝にまみれて女学生楽し 小林拓水
枯芝に一団欒のブーツ脱ぐ 館岡沙緻
枯芝に九品浄土のみぢんたつ 川端茅舎
枯芝に今まで人のゐたらしく 西村和子 夏帽子
枯芝に俳諧の国子供の国 福田蓼汀 山火
枯芝に円陣若く爆笑す 木下夕爾
枯芝に四温の月を眺め立つ 大場白水郎 散木集
枯芝に回転木馬影まはす 慶伊邦子
枯芝に夕日の山の影のびる 伊藤淳子
枯芝に嫁ぐ日までの犬を愛す 大島民郎
枯芝に寝て天国と対ひ合ふ 辻岡紀川
枯芝に居て常春や舞子浜 鈴鹿野風呂 浜木綿
枯芝に山裾流れ来てをりぬ 五十嵐播水 埠頭
枯芝に影長く竿に旗あらず 久米正雄 返り花
枯芝に彳てば歳月なきごとし 西村和子 かりそめならず
枯芝に忘れたる如待たされて 川上明女
枯芝に投げ出す脚を犬跳び越え 神田敏子
枯芝に折れ線香のみどり濃き 館岡沙緻
枯芝に日あたり来よと思ひゐつ 細見綾子 花 季
枯芝に日ざしは語る如くあり 稲畑汀子 春光
枯芝に日当たりをれば心足り 西村和子 夏帽子
枯芝に最も広く雪残る 高浜年尾
枯芝に来て足音のなくなりし 山下しげ人
枯芝に柩の夫を連れ還る 横山房子
枯芝に校塔の影来る時刻 粟津松彩子
枯芝に椅子テーブルを下しくる 比叡 野村泊月
枯芝に煙草捨つひとりとなれる シヤツと雑草 栗林一石路
枯芝に煙草踏み消す直ぐは消えず 森田峠 避暑散歩
枯芝に生ひし蘇鉄と竜の髯 京極杞陽 くくたち下巻
枯芝に白猫飛ぶや黙読す 中拓夫 愛鷹
枯芝に紙飛行機の落ちて来し 佐々木 美乎
枯芝に置きて再びピアノ運ぶ 今井 聖
枯芝に置き雲の影相寄らず 木下夕爾
枯芝に置く田楽の衣裳櫃 民井とほる
枯芝に置く駅長の赤き帽 松山足羽
枯芝に膝抱く乙女ジードの忌 和田 祥子
枯芝に蓬薊と萌えて居し 松藤夏山 夏山句集
枯芝に身を置く心澄ましむと 加藤楸邨
枯芝に転べば肝のあたたかき 栢尾さく子
枯芝に陽の暮れかかる旅寂し 井上 隆幸
枯芝に障子開けたるまま夜に 岸本尚毅 舜
枯芝に雨夫婦仲しぶきけり 長谷川双魚 風形
枯芝に青春もかく翳りたる 木下夕爾
枯芝に音立てゝ見よ鴛鴦の沓 龍胆 長谷川かな女
枯芝に鼻梁まぶしく中学生 田中裕明 櫻姫譚
枯芝のあまり広くてかなしけれ 波多野爽波 鋪道の花
枯芝のそこらも夜となりにけり 長谷川春草
枯芝のときに青みてみゆるかな 久保田万太郎 草の丈
枯芝のひろさ犬に口笛を吹く 川島彷徨子 榛の木
枯芝のわが座のくぼみ惜しみ去る 中村秋晴
枯芝の上手鏡のごとく海 木下夕爾
枯芝の中に上向く蛇口あり 中嶋延江
枯芝の人影が去り夕日去り 清崎敏郎
枯芝の少し光りて道があり 高木晴子 晴居
枯芝の日にひよわなる子を連れて 成瀬桜桃子 風色
枯芝の日向跳ぶ禽歩く禽 原 柯城
枯芝の海に傾き榻もまた 山口青邨
枯芝の道は十字にある広場 対馬康子 吾亦紅
枯芝の陽にかがむ児よ宝あるか 寺井谷子
枯芝の隅々にあるベンチかな 比叡 野村泊月
枯芝の風ゴチツクの扉にひかる 川島彷徨子 榛の木
枯芝は眼をもて撫でて柔かし 富安風生
枯芝ふと燈台と墓一線に 香西照雄 対話
枯芝へ犬放ちたり吾も駈け 蓬田紀枝子
枯芝も老一徹に今朝の霜 今泉貞鳳
枯芝やまだかげろふの一二寸 芭 蕉
枯芝ややや陽炎の一二寸 松尾芭蕉
枯芝や子の逆立ちをゆるすべき 原田種茅
枯芝や庭の小椅子に黒鶫 三好達治 俳句拾遺
枯芝や廊下あかるき照りかへし 高田保
枯芝や服光りつつ学生ら 波多野爽波 鋪道の花
枯芝や石と冷えゐる詩をしかと 木下夕爾
枯芝や萩の節折茎高き 深山柴(橡面坊句集) 安藤橡面坊、亀田小[ゼン]選
枯芝や金の茶壷の二坪ほど 石口光子
枯芝や鹿の肉むら起ちあがる 不破 博
枯芝をいたはり歩く祝意こめ 古舘曹人 能登の蛙
枯芝をなにも持たずに歩きけり 佐川広治
枯芝を四角に切つてありし処 行方克巳
枯芝を尻に背中につけてをり 高浜虚子
枯芝を来る三人の影斜め 田中丈子
枯芝を焼きたくて焼くてのひらほど 西東三鬼
枯芝を踏む返りくる力あり 辻美奈子
枯芝を踏んで囑目初句会 吉屋信子
枯芝を踏んで居り長身に見ゆ 久米正雄 返り花
枯草を手に枯芝のかがやきに 山西雅子
熔岩のみち枯芝のみち海に墜つ 大橋宵火
牝去れば枯芝の犬皆去れり 阿部みどり女
犬首を寝せ身體寝せ枯芝に 京極杞陽
紫を着て枯芝にをとめさぶ 太田鴻村 穂国
絨毯につづく枯芝海も見ゆ 和田祥子
芝枯れてねむりさだまる石の数 木下夕爾
芝枯れて庭の隅々まで黄なり 山口波津女 良人
芝枯れて海女のいち日おだやかに 鈴木真砂女
芝枯れて眠りさだまる石の数 木下夕爾
芝枯れて運河は青し朝のお茶 片山桃史 北方兵團
若ものの来ずなりし芝枯れにけり 林翔 和紙
葬列たたまり輪となれり枯芝の夕日 シヤツと雑草 栗林一石路
言ひかけて枯芝に瞳を逸しけり 谷口桂子
試験期や枯芝に椅子一つ残し 中拓夫 愛鷹
身に一ぱい枯芝附けて若返る 右城暮石 上下
閑庭や芝枯れてねむる鴨ふたつ 水原秋櫻子
鶺鴒が峡の温泉宿の枯芝に 高濱年尾

以上
by 575fudemakase | 2014-12-29 00:42 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/22949405
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

実朝忌 の忌日
at 2017-04-22 09:12
茂吉忌 の俳句
at 2017-04-22 09:09
義仲忌 の俳句
at 2017-04-22 09:07
えり挿す の俳句
at 2017-04-22 09:04
かまくら の俳句
at 2017-04-22 09:01

外部リンク

記事ランキング