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若菜摘

若菜摘

例句を挙げる。

いざ摘まん若菜もらすな籠の内 柏原-すて 俳諧撰集玉藻集
うぶすなのひかりにうかみ若菜摘む 岸原清行
くるぶしを離れぬ風や若菜摘 朝倉和江
この子茲に嫁ぎて摘める若菜哉 露月句集 石井露月
せつろしや若菜摘む手のたばこずき 酒堂 俳諧撰集「藤の実」
そのかみの禁野(しめの)はいづこ若菜摘む 高崎雨城
とびとびの夢の礎石や若菜摘む 加藤三七子
ひとつ家も摘み出す雪の若菜かな 千代尼
まなかひに比良山白し若菜摘 柴山みちを
みささぎの鳰の岸なる若菜摘 松下艸石
むさし野に摘みし若菜の粥なれば 下村梅子
一人出て若菜を摘むも庭の隅 小松崎爽青
万葉の乙女となりて若菜摘む 吉田 信子
乾坤の光の中の若菜摘 水田むつみ
二人して摘みし若菜や根来椀 伊庭心猿
人並に若菜摘まんと野に出でし 高浜虚子
休み田に子の声飛べり若菜摘 木下由美
分校の生徒つどひて若菜摘む 青柳照葉
別れてはすぐ逢ひ畦の若菜摘み 伊藤トキノ
古事記には海なる野辺の若菜摘 赤松子
呟いてゐしが若菜を摘みはじむ 吉野俊二
呼び合ひて社家径のぼる若菜摘 伊沢 健存
国原に日のさしはじめ若菜摘 今田清照
天平の地層は赫し若菜摘む 田代朝子
妻のため小松も引きぬ若菜摘みぬ 後藤比奈夫 めんない千鳥
寺の鐘教会の鐘若菜摘む 山本 二千
川上へ移りてゆけり若菜摘み 伊藤 通明
幼児も富士見おぼえる若菜摘み 岩淵喜代子
庵もやや客でふさぐや若菜摘 水田正秀
忌にこもるこころ野に出で若菜摘む 綾子
急くことはなし道の端の若菜摘む 堀越鈴子
打出てゝ見れは若菜摘むへき雪ならず 尾崎紅葉
摘む人の傍に寄り若菜摘む 篠原温亭
摘んで来たままで若菜は塵ばかり 斯波園女
日の足のうすれをとどめ若菜摘 上田五千石
有るものを摘み来よ乙女若菜の日 高浜虚子
朝の間に摘みてさびしき若菜かな 白雄
森かげに雪をひく野や若菜摘み 冬葉第一句集 吉田冬葉
母と来てあり処たがはぬ若菜摘 白岩 三郎
海かぜに苫の鳴るなり若菜摘 藤田あけ烏 赤松
海の日の渡る岬や若菜摘 斎藤道子
火の山の荒るゝ裾曲に若菜摘む 古島壷菫女
稚な戀その始まりの若菜摘 筑紫磐井 野干
糸嶋の襟引出して若菜摘 斯波園女
美しの湖上の虹や若菜摘む 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
老友てふをかしき言葉若菜摘 田中裕明 花間一壺
肩借りて足袋ぬげるあり若菜摘む 皆吉爽雨 泉声
若菜摘けふはづかしき手の太さ 伊勢-又玄 元禄百人一句
若菜摘けふより花の道広し 千代尼
若菜摘みいくたり寄るや田の泉 下村ひろし
若菜摘みし野辺はいずこぞ久女の忌 坊野靖子
若菜摘みつつ来て七支刀(ななつさやのたち) 後藤比奈夫 花匂ひ
若菜摘み幼きどちのうちまもり 筑紫磐井 野干
若菜摘むいつきの宮のありし野に 奥井日出子
若菜摘むほとり湧水ほとばしり 池上けい子
若菜摘むをんな膝突くことに馴れ 嶋田麻紀
若菜摘む人を恋ほしく待つ間かな 汀女
若菜摘む人落ちあひぬ紙屋川 暁台
若菜摘む吉備の陵見ゆる野に 上田土筆坊
若菜摘む女に礎石のみの城 有馬朗人
若菜摘む或は大河のほとりかな 大峯あきら 宇宙塵
若菜摘む手や袖縁の紅の色 支考
若菜摘む暁の光をこぼしつつ 河本好恵
若菜摘む歌のめでたき紙子かな 野村喜舟 小石川
若菜摘む水ある方へ歩を進め 渡邊千枝子
若菜摘む籠の雫や小つまさき 北枝
若菜摘む肺腑の奥に母が居り 菅野茂甚
若菜摘む茂吉の越えし王子径 須川峡生
若菜摘む風の峠をはるかにし 久松澄子
若菜摘ミ敷物やらうさん俵 向井去来
若菜摘土の匂をまとひけり 海谷紀子
若菜摘座敷より犬吠えてをり 中拓夫
若菜摘朝日の綺羅にまぎれけり 岡本まち子
若菜摘海の方へも行きにけり 藤田あけ烏
草の戸に住むうれしさよ若菜摘 杉田久女
謡ひ過ぐ人好もしや若菜摘む 中村汀女
道くさも藪のうちなり若菜摘 千代女
遠き世の御幸の道や若菜摘む 編木佐さら
野守など見ぬ現し世の若菜摘み 山口 速
野畠や鴨追ひのけて摘む若菜 中村史邦
野路の名の七変化とや若菜摘む 山田弘子 螢川
飛火野やさては汁鍋若菜摘み 安昌 選集「板東太郎」
黛の少年なりし若菜摘 筑紫磐井 野干
ふるさとは白波の磯初若菜 村田 脩
信こそ見ゆれ雪間の初若菜 尾崎紅葉
初若菜あそびごころの厨事 つじ加代子
初若菜うらうら海にさそはれて 長谷川かな女
我宿や背戸へ出づれば初若菜 竹冷句鈔 角田竹冷
粥草や葛飾舟の朝みどり 加舎白雄
花の蕋ほどにめでたし初若菜 長谷川かな女 雨 月
おとどいに廬の古道や若菜つむ 飯田蛇笏 山廬集
きのふけふややあらはるる若菜かな 樗良
きのふ今朝足の早さよ若菜売 杉風
こぼれたる若菜なりけむ久米の径 斎藤羊圃
つみすてゝ踏付がたき若菜哉 路通
てのひらの記憶若菜をのせてをり 佐藤きみこ
なまじひに名につまれたる若菜かな 水田正秀
はつ市や雪に漕来る若菜船 嵐蘭
まなぶたの一重と二重若菜籠 磯貝碧蹄館
みどり敷く彼方なほあり若菜の野 井沢正江 以後
一かぶの牡丹はさむき若菜かな 尾頭 芭蕉庵小文庫
一語まだ洗ひ足らざり若菜光 樅山 尋
万葉の野の若菜とて贈られし 行広清美
乏しきを言はず若菜の色愛でよ 文挟夫佐恵
京よりの若菜香に立つ朝の粥 水原 春郎
京中かふかれにのほる若菜かな 椎本才麿
人音を鶴もしたふて若菜かな 千代尼
今朝見れば若菜に揃ふ地黒好 江戸-秋色 俳諧撰集玉藻集
俎に到りし雪の若菜かな 松根東洋城
出羽住みや若菜は五尺雪の下 阿部宗一郎
包丁に袂もぬれて若菜かな 浪化
千年の始めの年の若菜粥 長谷川櫂 蓬莱
古鍋の中に煮え立つ若菜哉 尾崎紅葉
古鍋や若菜煮るへく雪ぐるみ 尾崎紅葉
君よりは身のため寒し若菜売 横井也有 蘿葉集
呉橋や若菜を洗ふ寄藻川 夏目漱石 明治三十二年
土ふるや神の若菜に鈴女 上島鬼貫
夢で見る若菜野男女若かりき 河野多希女 こころの鷹
大由布の若菜野つゞく湯の煙 宿理 菊香
大雪の旦若菜をもらひけり 加舎白雄
如月や子が読みゐたる若菜集 大石悦子 群萌
寄せ植の若菜の籠の浅みどり 伊藤たけ
山また山の裾の厨の若菜かな 高野ムツオ
嵯峨へ行き御室へ戻り若菜かな 正岡子規
常のことの泉に洗ふ若菜かな 尾崎迷堂 孤輪
手の跡を雪のうけとる若菜かな 千代尼
摺鉢に胡麻などすりて若菜寺 田中冬二 俳句拾遺
日出づる国に生れて若菜粥 長谷川櫂 虚空
朝露や鶏のつく若菜うり 舞雪
柿若菜練りあるこゑの夕雀 中拓夫
梅若菜丸子の宿のとろろ汁 芭蕉
梅若菜何かといへばにつこりと 岡井省二
梅若菜鞠子の宿のとろろ汁 芭蕉
森一つ背中にさむき若菜かな 浜田酒堂
業平のあしあともなき若菜かな 会津八一
水音に添ひ行き若菜野に出でぬ 菖蒲あや
永き夜にやや読尽きぬ若菜の下 黒柳召波 春泥句集
沓脱にのせて水やる若菜籠 長谷川櫂 虚空
洗はれし若菜のみどり盛りあがる 長崎小夜子
源氏ならで上下に祝ふ若菜かな 立圃
火と水と草の命や若菜粥 長谷川櫂 虚空
爪紅の雪を染めたる若菜かな 鏡花
狼の人啖ひし野も若菜かな 尾崎紅葉
畠より頭巾よぶなり若菜つみ 其角
白い手の鳥追もあり若菜畑 千代尼
百選の水の郷なる若菜かな 池内時衣
籠の目に土のにほひや京若菜 大須賀乙字
籠の目を透きて若菜の土こぼる 穂坂日出子
緋鯉泳ぐくにいま若菜のくになつかし 阿部完市 春日朝歌
背戸口や若菜揃へる塗木履 許六
花までは出惜しむ足を若菜かな 千代尼
若菜あおしひとりの夕餉灯をともさず 藤木清子
若菜かご土間に置かれて匂ふなる 坂井あかり
若菜かり後陣守るや朱傘 水田正秀
若菜つまん三浦の大助百六つ 嵐蘭 芭蕉庵小文庫
若菜つみつみはるの野にいでにけり 大江丸
若菜つみ帰りし野より月の出づ 橋田憲明
若菜つむぬぎかけ袖や雪礫 立花北枝
若菜つむ籠の雫や小づまさき 立花北枝
若菜の日みてらゆかしく過ぎにけり 田中裕明 花間一壺
若菜の日昼から雨となりにけり 暁台
若菜の日晝から雨となりにけり 曉臺
若菜手に兎当番登校す 佳藤木まさ女
若菜籠すずなすずしろ秀いでけり 山田みづえ
若菜籠ゆきしらじらと畳かな 室生犀星 魚眠洞發句集
若菜籠土の匂ひを加へけり 沖崎一考
若菜籠抱いて訪れくれし人 今井つる女
若菜籠腰にはづませ畦移る 西村和子
若菜粥かたびら雪は川の洲に 長谷川櫂 古志
若菜粥高層に火をもてあそび 長谷川櫂 天球
若菜買ふや濡れ手拭きつゝ厨口 高橋淡路女 梶の葉
若菜野に昔男ぞなつかしき 伊藤松宇
若菜野に銀冠の樹々ひとそよぎ 火村卓造
若菜野に雨降りやまず昭和逝く 垣迫俊子
若菜野のもぐらの土や赤ざらし 宮岡計次
若菜野の果やしらしら湖の波 和田 祥子
若菜野の水に沿ひゆく郵便夫 秋篠光広
若菜野の濃みどり若菜のみならず 皆吉爽雨
若菜野へ扇開きに筆を干す 岩切貞子
若菜野や八ツ谷原の長命寺 石田波郷
若菜野や杜ある所社あり 大櫛静波
若菜野や果なる山も朗らかに 服部嵐翠
若菜野や雪靄あがるひとところ 服部嵐翠
若菜野をうろつく掘串たづさへて 後藤綾子
葛飾の里より来たり若菜売 高橋淡路女 梶の葉
蒟蒻にけふは売り勝つ若菜哉 松尾芭蕉
蚕屋障子透くはるかなり谷若菜 長谷川かな女
蛤に今日は売り勝つ若菜かな 松尾芭蕉
踏み分ける雪が動けばはや若菜 広瀬惟然
道くさも数のうちなり若菜 千代尼
鉢の子に粥たく庵も若菜かな 太祇
銭百になれとことぶく若菜かな 里東 俳諧撰集「藤の実」
雪の戸や若菜ばかりの道一つ 言水
雪雲や箱に坐れる若菜売 長谷川櫂 古志
霜は苦に雪に楽する若菜かな 服部嵐雪
露きるや若菜の笊の置きどころ 井月の句集 井上井月
風上に若菜野ありし行かざりし 伊藤通明
鶯や若菜洗ひし井戸の端 古白遺稿 藤野古白
鶺鴒や渡守る家の七若菜 古白遺稿 藤野古白

以上
by 575fudemakase | 2015-01-06 00:24 | 新年の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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