風花

風花

例句を挙げる。

いまありし日を風花の中に探す 橋本多佳子
ねんねこの手が風花を受けてをり 佐々木六戈 百韻反故 初學
ほろほろ鳥駈け風花を一と煽り 岸田稚魚 筍流し
みづいろの風花降りぬ平林寺 渡辺恭子
もつるるもほぐるるも風花芒 都筑智子
やんでゐし風花のまた小松原 有働亨
わがいのち風花に乗りすべて青し 橋間石
スープ皿買ひ風花の街戻る 山田弘子
タクシーに乗りこむ髪に風花が 西村和子 夏帽子
一月の風花呼びて樅の黒 村越化石 山國抄
万葉の由布の風花うつくしき 秋山 万里
上つ毛や風花おろす山を並め 普羅
下京や風花遊ぶ鼻の先 沢木欣一
六甲の嶺離れさて風花す 稲畑汀子 ホトトギス汀子句帖
刑務所の祝日の扉に風花す 宮武寒々 朱卓
初空や風花松にとどまらず 碧雲居
労られをり風花に濡るるさへ 山内山彦
勾配こそ裸婦の幻想風花して 河野多希女
吹越や虹のごとくに遠雪嶺(群馬方言風花を吹越といふ) 角川源義 『秋燕』
地球には笑窪があつて風花す 大下真利子
外濠に風花能を観に急ぐ 田川飛旅子 『山法師』
大き風花まつげにとまる母の死後 栗林千津
天上に還らむとする風花あり 沢木欣一 遍歴
子の心見えてとどかず風花す 岡田和子
宮城野のどの子に触るる風花ぞ 藤田湘子
封筒のなか明るくて風花す 辻田克巳
屍包む毛布一枚風花す 古賀まり子 洗 禮
山神の息触れて舞ふ風花か 福永耕二
山繭に風花あそぶ夕日かな 荒井正隆
恋するや風花肩に膝に咲かせ 原裕 投影
戯れ言で別れてきしが風花す 小泉八重子
捨て人形風花に眼をひらきゐる 能村登四郎
新任の顔風花にのぞかるる 細川加賀
日が眩し牟婁(むろ)の風花こまやかに 淡路女
日ねもすの風花淋しからざるや 高浜虚子
春暁の風花舞へる汐路かな 草間時彦 櫻山
晩鐘の風花となり消えにけり 有馬朗人 知命
晴着の子風花に連立ちて来ぬ 松村蒼石 雪
月明の風花なりし地に触れず 倉橋羊村
朝焼の片雲風花こぼしつつ 岡田日郎
木曾谷へ月の風花あつまるや 羽部洞然
村の空澄み切ってゐて風花す 斉藤友栄
林*けいの蘭にゝ風花かかりけり 石原舟月 山鵲
林中に日はとどまりて風花す 小林康治 『華髪』
森出づるより風花の西行忌 杉山岳陽
毛の國の/風に揚げたる/凧も/風花 林桂 黄昏の薔薇 抄
汀女も見む風花速き裏川を(熊本駅) 殿村菟絲子 『牡丹』
泣く声に似て風花の煙突 飴山實 少長集
洗禮の済みしみどり児風花に 稲畑汀子
浅間見えぬ町いくたびも風花す 松村蒼石 雁
海見えて風花光るものとなる 稲畑汀子 汀子第二句集
消息を淋しめば空風花す 岡田順子
灯の照らす風花黄なり松川駅 殿村莵絲子 牡 丹
灯を遠み京の川筋風花す 庄司圭吾
灯台の見えて風花舞ひはじむ 森田峠 避暑散歩
炭とりに出て風花の夜も舞へり 風生
父として生きたし風花舞ふ日にも 赤尾兜子
父母を経て来たりしか風花は 齋藤愼爾
牟婁の海の島高晴れを風花す 内藤吐天 鳴海抄
玻璃覗き消ゆ風花の迷ひ子も 香西照雄 対話
病めば遠し母の涙か風花す 小林康治 玄霜
登校のランドセル追ひ風花す 大川鶴園
白魚の風花ながら汲まれけり 鍵和田[のり]子
目瞑るは老いし白鳥風花す 古賀まり子 降誕歌
神無言風花無言いのちの赤 平井照敏 天上大風
福耳の僧の説法風花す 太藤 玲
秩父より風花つれて箒売 野崎ゆり香
空覆ふ鶴の聲より風花す 邊見京子
窓に風花スプーンに炉火明り 山田弘子
約束は確か北口風花す 中原道夫(1951-)
経をあげ口中熱し風花す 毛塚静枝
縄跳びと独楽廻す子と風花と 永井龍男
繭玉に恵那の風花市ひらく 水谷晴光
自動車とバスの間に風花が 京極杞陽 くくたち上巻
舎宅区にはじめての喪や風花す 宮武寒々 朱卓
舞台の風花東踊の妓に髪に 楠本憲吉
茹玉子摂る風花の局趾 宮武寒々 朱卓
華やかに風花降らすどの雲ぞ 相馬遷子 山國
葛城の風花消えて湯掛唄 萩原麦草 麦嵐
薄墨の花より淡く風花す 稲岡長
薪減つてきぬ風花もけふまでか 大串章
蟹折つて食へば風花顔へくる 西村公鳳
見うしなふあとへ風花また一つ 林 翔
見舞はむと思ひ居りしが風花す 石田あき子 見舞籠
豊後野や風花に種蒔き飛ばす 殿村菟絲子
身をひくと風花寄りてふつと消ゆ 鳥居美智子
連れだちてくる風花や濶山河 千代田葛彦 旅人木
遊びつつ地にとどかむと風花はおのづからなる影を伴ふ 田中譲
遍路笠かぶりし目路にまた風花 橋本多佳子
遠眼鏡韃靼のくに風花す 佐川広治
遮断機に触るる温泉煙風花も 木村蕪城 寒泉
里に来ぬ風花を見て友の婚 萩原麦草 麦嵐
鈴鹿よりくる風花か札納め 草村素子
鐘よ鳴れ風花舞へるトラピスト 森田峠 避暑散歩
雪となく風花となく湖の町 岡田日郎
頬濡るるまで風花を見飽かざる 小林康治 『存念』
顔にふれ夜の風花の眼に見えず 西村公鳳
風が来て風花模様くつがへす 小畑一天
風花が大仏殿の松に遊ぶ 細見綾子 黄 炎
風花が消えて叡山うひ~し 萩原麦草 麦嵐
風花が舞ふ日本を去るひとに 斉藤 節
風花が降りて濡らしし街上をまぼろしなして日が流れたり 半田良平
風花が頬にかかりてかくれ逢ふ 木村蕪城 寒泉
風花してロザリオ痛きまで光る 加藤知世子
風花す余燼を踏みて愁ひけり 西島麥南 金剛纂
風花す父のやさしさ極まれば 山田みづえ 忘
風花す牡蠣割の黙われの黙 川畑火川
風花といふにはあらし山山葵 古館曹人
風花といふ花降ると杣の言ふ 石川文子
風花といふ華やぎを髪に受く 新明セツ子
風花とおもいて栄螺蓋ひらく 和知喜八 同齢
風花と風花の間ぞ間は魔とぞ 馬場駿吉
風花にたえず寒天干し返し 寺島美園
風花にときめくことも遠江 関森勝夫
風花にひきしぼるなりいかのぼり 松村蒼石 寒鶯抄
風花にひとを待つなる瞳のあをみ 高瀬哲夫
風花にやがて灯りぬ芝居小屋 松本たかし
風花によき板囲したりけり 久米正雄 返り花
風花に厄詣する心あり 高濱年尾 年尾句集
風花に取り込み忘る男物 高澤良一 ぱらりとせ 
風花に心あづけて授業かな 稲畑汀子 春光
風花に手あげて友の来りけり 鈴木貞雄
風花に振り向きて吾貧しかり 冨田みのる
風花に木の根草の根しづかなり 湘子
風花に松一本のゆめうつつ 鈴木鷹夫
風花に梅蕾む日のいと澄めり 西島麦南 人音
風花に濡れきし髪や針供養 西島麦南
風花に灯のにじみけり浮御堂 細井光男
風花に無帽出生届了ふ 宮武寒々 朱卓
風花に的の遠のき弓始 内田一郎
風花に眸もやして逢ひしこと 横山房子
風花に礼者のかざす扇かな 村上鬼城
風花に紺のまひとぶ染場かな 石橋秀野
風花に追はれて戻る腑抜け旅 林翔 和紙
風花に追ひつくひかりみな淡し 佐藤美恵子
風花に運河は青く廃れゆく 木村蕪城 寒泉
風花に雪見障子を上げらるる 後藤夜半 底紅
風花に顔むけて銭足らずけり 石川桂郎 含羞
風花に馬を繋ぎて旅籠なる 清崎敏郎
風花に驚破(すは)一角の日の光 誓子
風花のあとの夕日に鴨濡るる 宮津昭彦
風花のありしは朝のことなりし 高浜年尾
風花のうたがひぶかく地に届く 檜 紀代
風花のおしもどされて漂へる 倉田紘文
風花のかかりてあをき目刺買ふ 石原舟月 山鵲
風花のかがやき過ぎぬ遠き空 内藤吐天 鳴海抄
風花のけふどの家も紙干さず 橋本美代子
風花のこころおきなく山山葵 古舘曹人 樹下石上
風花のつと舞ひあがるとき悲し 上村占魚 球磨
風花のときをり針の光もつ 木暮陶句郎
風花のひまひまに出て耕せり 吉田鴻司
風花のまつはり遊ぶ身のめぐり 上村占魚 球磨
風花のやみつつ梅の花となる 上野泰 佐介
風花のローザ・ルクセンブルグ忌の海よりもどる海鼠をさげて 原田禹雄
風花の一しきりともいへず熄む 後藤夜半 底紅
風花の一ッ時はげし目をつぶる 内藤吐天 鳴海抄
風花の一片にして遠ながれ 皆吉爽雨
風花の中白濁の主峰見ゆ 岡田日郎
風花の仕事始の薪を割る 高浜虚子
風花の地に着くまでを遊びけり 村松路生
風花の夕べとなりし浮御堂 角川春樹
風花の大きく白く一つ来る 青畝
風花の大勢小勢待つ時間 橋本多佳子
風花の天しんしんの百叩き 仁平勝 花盗人
風花の如郁李の散る日かな 橋本 道子
風花の宵の銀座で待合せ 星野椿
風花の山湖夕日の翼澄む 岡田日郎
風花の峠越ゆれば鶴の里 今井つる女
風花の峡の小村の二日かな 松本たかし
風花の御空のあをさまさりけり 石橋秀野
風花の散つて来る空太平洋 右城暮石
風花の日もすがらなる大原かな 比叡 野村泊月
風花の日暮とぼしき白魚漁 下村ひろし 西陲集
風花の本降りとなるどんど焼 堀口星眠
風花の村に魂子こぼしゆく 渡辺乃梨子
風花の束の間あそぶ鳥総松 杉山岳陽
風花の汚職候補者何さけぶ 岩田昌寿 地の塩
風花の温泉郷の校舎半旗垂る 宮武寒々 朱卓
風花の狂ふや忽と旅に出づ 小林康治 玄霜
風花の男や眉をむきだしに 古舘曹人 能登の蛙
風花の畦道つたひ訪れぬ 高木晴子 晴居
風花の眉にとどまる齢かな 戸川稲村
風花の磯に出しとき降り畢る 下村槐太 天涯
風花の空をいつまで眺めゐる 西村和子 夏帽子
風花の空を黝しと見る不惑 根岸善雄
風花の窓開きなば狂ふべし 鷹女
風花の耳成山が今は見ゆ 細川加賀 生身魂
風花の聞きしごとくに日もすがら 上村占魚 球磨
風花の興ずる様もうたてしや 相生垣瓜人 明治草抄
風花の舞い込む三塔十六谷 高澤良一 燕音 
風花の舞ひしはきのふ桃の花 高木晴子 晴居
風花の舞ひたつ峡に月たまる 中勘助
風花の舞ひひろがりし瀧光る 仙田洋子 雲は王冠
風花の舞ひを乱せる救急車 佐藤晴生
風花の舞ひ連れて来し黒瞳がち 栗林千津
風花の舞ふと見しかど曇るのみ 石塚友二 光塵
風花の舞ふにつけても地震のこと 関 弥生
風花の舞ふは青空消えしより 高木晴子
風花の華やかに舞ひ町淋し 松本たかし
風花の行方に心遊ばせて 本岡 歌子
風花の街に眼鏡の玉を拭く 冨田みのる
風花の街来てスープ巴里風 大橋敦子 匂 玉
風花の触れきし袖をたたみけり 堀 政尋
風花の触れしかば口結びけり 莵絲子
風花の訣れに汽車は開かずの窓 品川鈴子
風花の貝のつめたき久女の忌 神尾久美子 掌
風花の遊ぶや奈良の刃物店 沢木欣一 地聲
風花の野を遠くゆき敗北す 徳弘純 非望
風花の野鍛冶馬鍛冶打ちにけり 齋藤玄 飛雪
風花の阿波内侍を拝みけり 八木林之介 青霞集
風花の降りくる空のいと蒼し 高橋淡路女 梶の葉
風花の音の世界に来て消ゆる 伊藤凉志
風花の高音域を保つべし 夏井いつき
風花はすべてのものを図案化す 高浜虚子
風花は勝ち気な海の贈りもの 櫂未知子 貴族
風花は千万くさめ一つ出づ 堀口星眠 樹の雫
風花は海へ沈んでゆく羽音 対馬康子 吾亦紅
風花は火山のあいさつ仔牛跳ね 村上一葉子
風花は雪か花かと翁さぶ 大串章(1937-)
風花は須臾オリオンの枠たしか 津田清子 礼 拝
風花やあるとき青きすみだ川 久米正雄 返り花
風花やいずれ擁かるる女の身 楠本憲吉
風花やいつおぼえたる顔みしり 久保田万太郎 流寓抄
風花やうすくらがりの浅草寺 石原八束 操守
風花やおのれ支ふる店一つ 鈴木真砂女 夕螢
風花やかかへて軽き替着の荷 西村和子 夏帽子
風花やかたらひの鵜の白灯 殿村莵絲子 花寂び 以後
風花やかなしき声の紙芝居 上村占魚 球磨
風花やかなしびふるき山の形(船上山麓にて) 『定本石橋秀野句文集』
風花やときの流るるごとあそび 上野さち子
風花やどつと機械が昏くなる 田川飛旅子 花文字
風花やひらりくるつと猫の顔 平井照敏 天上大風
風花やひるがへるとき翳ありぬ 山本満義
風花やまだアイロンの利いて来ず 三好潤子
風花やまばたいて瞼思い出す 池田澄子
風花やみなてのひらに深空もつ 北澤瑞史
風花やわが掌染めたる夕日影 石田波郷
風花やわけて杉立つ永平寺 青木重行
風花やをろがみ申す山の神 山口青邨
風花やコント広場に訃報聞く 小池文子 巴里蕭条
風花やサイロの空に星溜り 堀口星眠 営巣期
風花やプレハブ校舎の笑い声 三浦北曲
風花やライスに添へてカキフライ 遠藤梧逸
風花や一本菅は児をもたず 源義
風花や乳児が指さすニュースカー 加藤知世子 黄 炎
風花や亡き師の言葉片々と 桂信子 花寂び 以後
風花や仏の乗りし青木賊 牧石剛明
風花や信濃の地図を壁に貼る 木村蕪城 寒泉
風花や傷あるものは野に返す 対馬康子 吾亦紅
風花や光琳笹のほぐれ合ふ 伊藤敬子
風花や切り開かれしままの咽喉 対馬康子 吾亦紅
風花や列柱なせる義士の墓 三浦誠子
風花や化石の魚の骨晒す 佐藤美恵子
風花や受ける幼の手をそれて 安積叡子
風花や受洗の朝の髪梳かる 古賀まり子 洗 禮
風花や古き言葉は手をつきて 宇佐美魚目
風花や名代七味の匙さばき 原 俊子
風花や君が略図を頼りとす 椎橋清翠
風花や地祀りの竹かつぎだす 森賢之助
風花や城守のごと遠眼して 鳥居おさむ
風花や墓は陸軍上等兵 内田園生
風花や墨書のまだ乾かぬに 不死男
風花や夕影帯びし壷一つ 秩父
風花や夕枯櫟ただよはす 森澄雄
風花や夢のをはりに日が当り 山口和夫
風花や夫の棺の出でし門 中嶋秀子
風花や妖精の声聞こえくる 岡本一代
風花や宇治浮舟のいしぶみに 杉本寛
風花や小学校の昼やすみ 上村占魚 鮎
風花や山は二十重にわが行手 木村蕪城 一位
風花や岩を立てたる火伏神 古舘曹人 樹下石上
風花や峡を出でゆく千曲川 小林碧郎
風花や川中島に犀千曲 正木不如丘 句歴不如丘
風花や市に箸売る能登乙女 山田春生
風花や干されて暗き割烹着 竹内公子
風花や干川に泥鰌ほる人 中勘助
風花や座右のひとつに鉄兜 岸風三樓
風花や弔辞ひそめし旅鞄 大島民郎
風花や弘法市に琴売られ 獅子倉一彦
風花や心めざめてそれを追ふ 林翔 和紙
風花や思はぬ方に城の松 服部鹿頭矢
風花や悍馬くびすじから滅び 藤田康子
風花や所詮愚痴ゆゑ口ごもり 岸風三楼 往来
風花や掌に打つごとき棺の釘 平井照敏 天上大風
風花や明治を誇る湯治宿 木内はるえ
風花や昼灯してひそと住む 上野泰 佐介
風花や月を逸れゆく星ありて 小林康治 『潺湲集』
風花や木の橋石の橋と化し 木内怜子
風花や木曾の御料の槇檜 木村蕪城 一位
風花や杭にあらがふ糶の牛 新家豊子
風花や杭の翡翠いつかなし 中井余花朗
風花や武蔵相模に着倒れて 桑原三郎 春亂
風花や比叡へ帰る人とゐる 金久美智子
風花や氏素姓なき庭ながら 石塚友二 光塵
風花や汽笛ふくらむ飛騨の谷 藤田湘子
風花や波路のはては空青き 秋櫻子
風花や流るるごとく山の脈 櫛原希伊子
風花や浄瑠璃浄土うすみどり 大屋達治
風花や浅間にのぼる道しるべ 高木晴子 晴居
風花や海の匂ひの干拓地 栗田やすし
風花や消え消えとぼる仰願寺 猪俣千代子 堆 朱
風花や渾身で行く車椅子 豊場 梓
風花や湖紺青に凪ぎわたる 木下ふみ子
風花や湯槽あまたに人ひとり 水原秋桜子
風花や瀬音秘めたる天塩川 天田牽牛子
風花や爪漆黒の能登の牛 黒田櫻の園
風花や牡蠣船朝のふき掃除 清原枴童 枴童句集
風花や狂ふすべなき身のひとつ 石嶌岳
風花や町に売りだす桜肉 菅原多つを
風花や畝まで走り鶏交む 大木あまり 火のいろに
風花や登山賽者の女夫づれ 飯田蛇笏 山廬集
風花や白樺の幹立ちそろひ 石嶌岳
風花や石みなまるく水に入る 横光利一
風花や祇園の裏の真暗がり 藤田湘子
風花や神学生と野をつれだち 山野邊としを
風花や竹担がんと真直ぐ立て 川村紫陽
風花や笙にあはせし隼人舞 筑紫磐井 野干
風花や糶りおとされし魚跳ねる 石井龍生
風花や美しき夜に入らむとす 星野立子
風花や翡翆が来てゐる杭ぜ 高濱年尾 年尾句集
風花や肩にも触れて響きけり 高橋馬相 秋山越
風花や胸にはとはの摩擦音 石田波郷
風花や船の帆たたむ港あり 鈴木太郎
風花や荷風の作をふところに 大町糺
風花や葱が主な荷主婦かへる 橋本多佳子
風花や薄日さしつゝまだ降れる 雑草 長谷川零餘子
風花や袂にたまる書き損じ 秋元不死男
風花や言葉交さぬ別れあり 松田淳子
風花や貌あげて鳴くとりけもの 長篠旅平
風花や貝ちりばめし海女の櫛 冨田みのる
風花や赤子の指の夢に舞ふ かたぎり夏実
風花や蹤き来てそれし一少女 角川源義 『秋燕』
風花や遊行柳へ至る畦 宋岳人
風花や遮断機ひとつの国境 八巻絹子
風花や錦絵めきて眼鏡橋 下村ひろし 西陲集
風花や鏡の奥に子供の手 皆吉司
風花や雑嚢つねに身のほとり 岸風三楼 往来
風花や雪の白根を天に置く 相馬遷子 山國
風花や雲の抱ける空あはれ 木下夕爾
風花や青き竹伐り死者の杖 三ヶ尻湘風
風花や魚死すとも目は閉ぢず 鈴木真砂女
風花や魚臭はりつく糶の声 松島秋子
風花や鳴けば引き出す島の牛 松本旭
風花よとて告げやらむ人もがな 西村和子 かりそめならず
風花を仰ぎし目には水くらく 杉山岳陽
風花を捲きて松明上堂す 伊藤いと子
風花を糞(た)れていづこよ日暮鳥 安東次男 昨
風花を綺羅と眺むる逢瀬かな 楠本憲吉
風花を美しと見て憂しと見て 星野立子
風花を舞はせし雲の入れ替る 山田弘子
風花を舞はせる仕掛大地にも 比奈夫
風花を見しのみに足る旅二日 松村蒼石 雁
風花を言葉やさしく告げらるる 村越化石
風花を読むべく佇ちて読まれをり 栗林千津
風花を追えば亡夫のそびらなり 日原輝子
風花を追へば背に鳴る沖の濤 原裕 青垣
風花を頬にかぞへて待つ間かな 安積素顔
風鬼元風紀係よ風花す 坪内稔典
飛火野といふ名うつくし風花も 稲岡長
餅つきしあと風花の軽やかに 田中英子
馬刺食ひ夜の風花を連れ歩く 奈良文夫
高野より来る風花に畑打つ 神蔵 器
魚食ぶを子がかなしめば風花す 中村明子
鳶の眸のしたたかに澄み風花す 鴻司
齟齬ありやあり風花をふりかぶり 小林康治 『叢林』
初便り吹越の中来りけり 村越化石
吹越に大きな耳の兎かな 加藤楸邨(1905-93)
吹越に牛を焙つて食ふ山背 橘川まもる
吹越のここまでちぎれとぶものか 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
吹越のやみたる空に峡の月 高橋悦男
吹越の舞ひ来る昼のレストラン 満田玲子
吹越の雪をまとひて宿に着く 羽吹利夫
吹越やきらりきらりと日の面 加藤楸邨
吹越や一灯点る山の駅 山田節子
吹越や烏一羽を引攫ひ 相馬沙緻
吹越や虹のごとくに遠雪嶺(群馬方言風花を吹越といふ) 角川源義 『秋燕』
高熱は吹越空に見てゐたり 金箱戈止夫

以上
by 575fudemakase | 2015-01-11 00:57 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/22989507
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

実朝忌 の忌日
at 2017-04-22 09:12
茂吉忌 の俳句
at 2017-04-22 09:09
義仲忌 の俳句
at 2017-04-22 09:07
えり挿す の俳句
at 2017-04-22 09:04
かまくら の俳句
at 2017-04-22 09:01

外部リンク

記事ランキング