寒林

寒林

例句を挙げる。

(塩原)寒林の端シの早瀬や巌峙ち 尾崎迷堂 孤輪
いさゝかも寒林ひしめきを見せず 川田朴子
いのちあり寒林の見えはじめたる 野見山朱鳥
どの星も低し寒林抜けてより 出光牽牛星
わが行くにどの寒木も躯を躱す 三橋鷹女
一寒木から離れざる人のあり 金田咲子 全身 以後
一鳥も見ぬ寒林の峠さび 阿部みどり女
五倍子干して今も昔の温泉宿かな 美柑寒木
五十とはあまりに若しそゞろ寒 林 香翠
人見えぬまま寒林の遠こだま 桂信子 黄 瀬
人通り寒林に道あることを 稲畑汀子 春光
何かせつなく寒林を通り過ぐ 伊藤敬子
初霞猶寒林といふ外なし 長良扶沙子
千針生ふ*たらも寒林なせりけり 皆吉爽雨
哀しびや溶岩寒林に貂を撃ち 多田裕計
哭く女寒林の一木と化す 三谷昭 獣身
喜寿の胸張つて寒林の奥めざす 吉田未灰
大山の裾寒林となるはいつ 高木晴子 花 季
夫子眠る寒林遠き忌日かな 阿部みどり女
寂として寒林人を拒みけり 和田祥子
寒木が大きごむまり撥ね返す 香西照雄 対話
寒木が枝打ち鳴らす犬の恋 西東三鬼
寒木が燃え遺棄死体陰つくる 細谷源二 鐵
寒木となる夕焼を力とし 奥名春江
寒木にひとをつれきて凭らしむる 石田波郷
寒木に夕日おだやかなる退庁 榎本冬一郎 眼光
寒木に大の男の上る見ゆ 相生垣瓜人
寒木に大音声の子が泣ける 桂信子
寒木に耳あてて何を聴かうとする 三橋鷹女
寒木の宙かすむ日の紙芝居 下村槐太 天涯
寒木の影が倒れてゐる畳 佐々木六戈 百韻反故 初學
寒木の影彼が負ふ我も負ふ 三好潤子
寒木の濡れて燈のなき夜学校 田中裕明 山信
寒木を挽く音ルオーの絵にある音 加倉井秋を 『欸乃』
寒林といふべくもなく暮れてゐし 藤田あけ烏 赤松
寒林といふ大いなる肺にゐる 木本英美
寒林といふ目の前の遠きもの 高橋謙次郎
寒林と言ふ響よき杜に入る 坂本山秀朗
寒林にその青空を映す水 野中亮介
寒林にまぎれず駈くる一騎あり 桂信子 樹影
寒林にゐてひくひくと喉佛 原 裕
寒林にゐて一木と思ふ身よ 上田日差子
寒林にデラシネの目のいくつ咲く 徳弘純 非望
寒林に一すじありし僧の道 上田 芳子
寒林に一人入りまた一人入り 石原八束 雁の目隠し
寒林に一刀三礼の仏とぞ 福田蓼汀 秋風挽歌
寒林に一禽一鼠なにもなし 古館曹人
寒林に一語の冴えをのこし去る 三谷昭 獣身
寒林に人参色の陽が沈む 村岡正明
寒林に入りて死に得ず返せしと 右城暮石 声と声
寒林に入りゆく影を失はず 野見山ひふみ
寒林に入るなまぐさき身を細め 篠田悌二郎
寒林に古墳ありけりやや高く 福田蓼汀 山火
寒林に向ひ獄舎は扉を閉す 福田蓼汀 山火
寒林に寒鳥のゐて崩御の日 今瀬剛一
寒林に待つは若者眉根濃し 星野麦丘人
寒林に散るもののなほ残りをり 岡安仁義
寒林に日あたり人は急ぐなり 椎橋清翠
寒林に日も吊されてゐたりしよ 木下夕爾(1914-65)
寒林に来て佯りし狂を解く 相生垣瓜人 微茫集
寒林に来て美しき羽根拾ふ 塚本烏城
寒林に歌消え後尾ちらちらす 横山白虹
寒林に泣き果てし子の軽くなる 森賀 まり
寒林に海の匂ひがよぎりけり 青木たけし
寒林に深入り鵙に咎めらる 岸風三樓
寒林に生きものの香の我あゆむ 篠田悌二郎(1899-1986)
寒林に行の滝とてかゝりたる 後藤暮汀
寒林に踏みにじりたる吸殻よ 上田五千石 田園
寒林に身を隠したき一樹なし 石川文子
寒林に近寄ることの絶えてなし 下村槐太 天涯
寒林に透く伊豆の空伊豆の海 稲畑汀子 汀子第三句集
寒林に雨だれの音夥し 西村和子 夏帽子
寒林に靄なびく日々病者ら貧し 赤城さかえ句集
寒林に風つらぬけりカミユ死す 小池文子 巴里蕭条
寒林に風聰くして七七忌 岸田稚魚 筍流し
寒林のごとく針挿し針祭る 後藤比奈夫
寒林のさきに酔眼据ゑてをり 仙田洋子 橋のあなたに
寒林のしきみは古き墓場かな 飯田蛇笏 山廬集
寒林のそばまで潤む鳥瞰図 小泉八重子
寒林のなかうつうつと幹ばかり 長谷川素逝 暦日
寒林のなかにある日のよごれはて 長谷川素逝 暦日
寒林のなかのどこかに日のこぼれ 長谷川素逝 暦日
寒林のひそけさに犬放つべし 内藤吐天 鳴海抄
寒林のゆらぐと見しや兵の列 岩田昌寿 地の塩
寒林のガソリンにほふ方落暉 石田波郷
寒林の一樹といへど重ならず 大野林火
寒林の一樹一枝も衰えず 一ノ瀬操
寒林の中の人ごゑつきとほる 長谷川素逝 暦日
寒林の中や一書を抱きゆく 上野美智子
寒林の仔馬を染むる海のいろ 石原八束 空の渚
寒林の入口にある厠かな 柏 禎
寒林の切株も壕のあとも壊ゆ 原田種茅 径
寒林の切株四五は木霊の座 能村登四郎
寒林の夕の雲は散り易し 福田蓼汀
寒林の奥にありたる西の空 鷲谷七菜子 花寂び
寒林の奥に慟哭あるごとし 青木重行
寒林の影あきらかに延び来たり 南上朱人
寒林の影起ち上る夕日かな 北野登
寒林の径消えなんとして尽きず 宮下翠舟
寒林の日ざしに想ひ綻びぬ 瀧春一 菜園
寒林の日すぢ争ふ羽虫かな 杉田久女
寒林の日向がさみし藁敷かれ 長谷川双魚 風形
寒林の松を数へて忘れたり 阿部みどり女 『笹鳴』
寒林の松声詩人は常緑 香西照雄 素心
寒林の枯笹静まるときのなき 阿部みどり女
寒林の栗鼠が落ちこむ空ま青 龍居五琅
寒林の沖ゆく犬や何を得ん 原コウ子
寒林の百幹に吾を加へたる 大岳水一路
寒林の空張りつめしまま暮れぬ 古賀まり子 緑の野
寒林の縞日に紙風船あがる 石原八束
寒林の色といふもの日当りて 桑田詠子
寒林の透きゐて愛の切なきまで 上田五千石 田園
寒林の陽を見上げては眼をつぶる 飯田蛇笏 山廬集
寒林の隙間だらけに咳ひびく 野見山ひふみ
寒林の音のたまれる竹の節 長谷川草々
寒林の風のぬけみち遮らむ 仙田洋子 橋のあなたに
寒林は平らな道とおもひ来し 田中裕明 先生から手紙
寒林へいざなふ紐のごときみち 伊藤敬子
寒林へけむりの上がる月日かな 吉田鴻司
寒林へにげし小鳥の透けて見ゆ 村井信子
寒林へ径一閃や狂へる窓 古舘曹人 能登の蛙
寒林へ来てしづかな日しづかな風 後藤比奈夫 初心
寒林やしろがね色に日の面テ 高橋淡路女 梶の葉
寒林やとつくに言葉消えやすく 石橋秀野
寒林やとらへて細き子の体 岩田由美
寒林やペン画の中にゐるおもひ 朝倉和江
寒林や一歩一歩が祈りの歩 石田あき子 見舞籠
寒林や人つ子通る昼日中 桑原三郎 晝夜
寒林や古書に埋もれゐるごとし 前田法比古
寒林や土耳古の旗の月と星 永井龍男
寒林や手をうてば手のさみしき音 柴田白葉女 雨 月
寒林や櫟ばかりが葉を鳴らす 阿部みどり女
寒林や男を離れ考える 高澤晶子
寒林や疲れ忘るる斧響き 河野南畦 湖の森
寒林より誰か鏡を光らせし 石川千里
寒林をでて雉子撃ちの貌ふたつ 村上しゆら
寒林をとよもして雉おどろけり 相馬遷子 雪嶺
寒林をゆく月光の縞を被て 岡本差知子
寒林を一筋洩るる仏の灯 高見岳子
寒林を三人行くは群るる如し 石田波郷
寒林を出てかなしみのいつかなし 三橋鷹女
寒林を抜けガリバーの馬の国 二村典子
寒林を行く影法師切られ折られ 福田蓼汀 秋風挽歌
寒林を見遣るのみにて入りゆかず 星野麥丘人
寒林を透く歯ぎれよき麦の畝 千代田葛彦 旅人木
寒林を透して見ゆる火色あり 稲畑汀子 春光
寒林讃根元根元で濃き夕映 香西照雄 素心
岐れても岐れても径寒林に 加藤燕雨
日の芯となり少年ら透く寒林 柴田白葉女 花寂び 以後
日を呑んでゆく寒林は歎異妙 熊谷愛子
月の出の寒林しづかなるが憎し 有働亨 汐路
月の青空寒林に昼透きとほり 鷲谷七菜子 花寂び
機銃音寒林の日をはじきしのみ 岩田昌寿 地の塩
汽車工場寒林を伐りて汽車を置けり 細谷源二 鐵
沼ねむり寒林これを見守れる 有働亨 汐路
泣くまじく寒木の嵐暮れかかる 加藤知世子 黄 炎
湖畔ゆく寒林こぼれ出ては人 亀井糸游
無垢の瞳となり寒林を出できたる 藤木倶子
父の如き寒林のあり去り難し 石川昌子
猟狗吠え寒林に風立ち易き 内藤吐天 鳴海抄
百の鴉いる寒林のさ迷い児 赤尾兜子
目を寄せてゐる寒林の透くばかり 栗林千津
矗々と寒木空の音つたふ 山口草堂
神の言葉隠り寒林青くなる 石原八束 白夜の旅人
秀才とをり寒林の曇枝 秋元不死男
繊強と言はん寒林の一若木 香西照雄 素心
羽ばたきの頭上匆々寒林へ 高澤良一 随笑 
老木の寒木に眼を凝らす 秋元不死男
耶蘇名ルカ寒林ひびかせては名乗る 平畑静塔
菊戴寒林に頭を灯し来る 堀口星眠 営巣期
行僧を入れて寒林緊りける 毛塚静枝
追慕にも似て寒木の影淡し 平子公一
遠き寒林一眼はきと写しをリ 石塚友二
野の入日燃えて寒林の道をはる 水原秋櫻子
雑鬧を行くや寒林をゆくごとく 西島麥南
青春の隊長の葬寒林に 杉本寛
風韻をもて寒木をつなぎ合ふ 佐野まもる
飛行機工場寒林にとどく広場あり 細谷源二 鐵
鳥が知る 寒林の火事ひろがるを 松本恭子 檸檬の街で
鳥のゐない寒林人のゐない耕地 榎本冬一郎
鳥の眼をもて寒林を出づるなり 三田きえ子
鴛鴦や寒林の日の落椿 島村はじめ
黒き雲白きをのせて寒林へ 鈴木恵美子


以上
by 575fudemakase | 2015-01-15 00:41 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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