寒造

寒造

例句を挙げる。

おとがひに糀の花や寒造 阿波野青畝
くらがりの土間のでこぼこ寒造 村上青史
ごんぶりもためもささくれ寒造 西本一都 景色
ほのと燈や裸身酒男の寒造り 及川貞 夕焼
みちのくの深雪の倉の寒造 遠藤梧逸
一徹な杜氏を恃みの寒造 伊東宏晃
二階より桶つりおろす寒造 西山小鼓子
佇めばつぶやく醪寒造 岸風三樓
厳島祀る太梁寒造 山田弘子 初期作品
大樽に伊耶那伎の櫂寒造 西村和子 かりそめならず
大風の坂日あたりて寒造 大峯あきら 鳥道
室の神かまどの神や寒造 藤井佐保女
寒造なべて浄らに狂ひなく 下村ひろし 西陲集
寒造はじまる水の生きて来し 後藤比奈夫 初心
寒造りこの泡底に切なきもの 天野莫秋子
寒造りしたゝる甕のひゞき哉 田中王城
寒造りの百の甕おく大野蔵 柴田白葉女
寒造り一つの深井市井にも 栗生純夫 科野路
寒造り千石桶に雲満ちて 品川鈴子
寒造り息もろともの声にあふ 今瀬剛一
寒造り杜氏案内に興もなげ 高濱年尾 年尾句集
寒造り杜氏潔斉點火しぬ 及川貞 夕焼
寒造り水といふこの温きもの 坂巻純子
寒造り渚の如く米沈む 山口誓子
寒造り糀は母のにほひして 藤岡筑邨
寒造り見に雪止んで月射して 及川貞 夕焼
寒造り見るいくつもの注連くぐり 森田公司
寒造仕込むも見るも湯気の中 下村ひろし 西陲集
寒造伏見の水を誇とす 鈴木喜代子
寒造働く杜氏湯気まとひ 幸まつ子
寒造切なき唄を朗々と 堀口まゆみ
寒造寝かせておく間の倉の闇 宗像夕野火
寒造海見えて川速くなる 中拓夫
寒造米の滝より始動して 平畑静塔
寒造終えて杜氏も背広かな 奥田一夫
寒造酒徒も末なるわれに見す 百合山羽公 寒雁
寒造金柑神に供へあり 山本洋子
摺り減りし一番櫂や寒造 西本一都
新旧の酒蔵二つ寒造 澤村啓子
暁に蔵唄きこえ寒造 松尾静子
月山の水を祓へり寒造 丹羽 啓
杜氏が身を賭けて働く寒造り 右城暮石 上下
来て見れば雪の中なる寒造 岸本尚毅 舜
柱暦の大吉日や寒造 西山泊雲 泊雲句集
柿渋を塗りし手桶や寒造 阿部月山子
桶渡りあける高窓寒造 安川汪洋
樅山のなかほどに日や寒造 藤田あけ烏 赤松
歌詠みの杜氏もをりし寒造 能村研三 鷹の木 以後
水に浸し寒造り米青みさす 右城暮石 上下
水を揉むことよりはじめ寒造 石川優
汲み水によき日溜りや寒造 藤田あけ烏 赤松
泡を読む天窓あかり寒造 山田弘子 初期作品
洗ひたるものを重ねし寒造 浜 秋邨
洞然と湯気をさまりし寒造 中村丹井
湯気ひいてはしる蔵人寒造 大橋桜坡子
父祖よりの赤城の里の寒造 伊東宏晃
生きてゐる泡の力や寒造 猪野翠女
白壁のままに倉古る寒造 榎本冬一郎
碓の十梃だてや寒造 召波
磨かれし米の小ささ寒造 長谷川櫂 天球
米つぶに背と腹のあり寒造り 小島千架子
能登杜氏のなべて小柄や寒造 福井貞子
蔵の外たばしる温泉あり寒造 木村蕪城
酒好きになるやも知れず寒造り 及川貞 夕焼
酒庫口のはき替草履寒造 西山泊雲 泊雲句集
酒槽の金紋総朱寒造 西本一都 景色
酒米の冴えたる白さ寒造 水谷 たつ子
門前に竜の玉あり寒造り 森澄雄
雀罠つくるいとまや寒造 西山泊雲 泊雲句集
雪厚き蔵の閂寒造り 及川貞 夕焼

以上
by 575fudemakase | 2015-01-23 00:44 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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