神無月

神無月

例句を挙げる。

風寒し破れ障子の神無月 山崎宗鑑 (?-1539,40?)
あたたかき島の空なり神無月 八木林之介 青霞集
お座敷を見れば大略神無月 元理
お狐に何のねぎごと神無月 牛田村
からたちの棘などおもひ神無月 神尾久美子 桐の木以後
かんかんと鳴り合ふ竹や神無月 山田みづえ
さらばへをいはうかいのう神無月 きく 俳諧撰集玉藻集
しんかんと一矢放たば神無月 斎藤梅子
たらちねとして日々深し神無月 中村草田男
とことはに黄味さす父母や神無月 三橋敏雄
にはとりの黄のこゑたまる神無月 飯田龍太
ひとは火を焚いてあそべり神無月 神尾久美子 桐の木
もみがらに卵つめたし神無月 小川軽舟
わが予後を神だのみして神無月 谷迪子
わが坂に湯を疾らしむ神無月 夏石番矢
カナリヤをひきずる猫も神無月 岸本尚毅 舜
一しきり闇もあかるし神無月 朱廸 十 月 月別句集「韻塞」
京に舞ふ風のこころの神無月 大西岩夫
人顔も旅の昼間や神無月 炭 太祇 太祇句選後篇
兀山や化をあらはす神無月 ヲハリ-素覧 十 月 月別句集「韻塞」
冬瓜の椀にとろける神無月 横山房子
切先のどこを向いても神無月 神尾久美子 桐の木
力瘤らしきがわれに神無月 宇多喜代子
卵塔の鳥居やげにも神無月 榎本其角
参道の松に透く田や神無月 尾崎迷堂 孤輪
吉田殿へくれをやりけり神無月 言氷 選集「板東太郎」
君骨となるを待ちをり神無月 秋山巳之流
味噌蔵の中あたたかし神無月 橋本榮治 逆旅
和紙のごとき一日ありき神無月 松林尚志
善良な市民に飽きし神無月 梅原栄二
国栖の地図ひろげ見入り神無月 渡部伸一郎
地球儀の内側灯る神無月 原裕 『王城句帖』
大根の青き頭や神無月 野村喜舟 小石川
太鼓打つ妓の眦も神無月 瀬戸内寂聴
妻に家事少し褒めらる神無月 及川 隆夫
室を穹ぎて鼠を燻す神無月 金子兜太
宮桂太しく立ちて神無月 高浜虚子
山々の雪のさだまる神無月 深谷雄大
山に遊ぶ水車の鶏や神無月 飯田蛇笏 山廬集
山みちの掃かれてありぬ神無月 大峯あきら
山妻や髪たぼながに神無月 飯田蛇笏 山廬集
山山の雪のさだまる神無月 深谷雄大
山川のにはかに瘠せし神無月 勝又一透
島の背に魚座のわれや神無月 佐藤鬼房 何處ヘ
巌風呂に濤音こもる神無月 坂本山秀朗
影踏みは男女の遊び神無月 坪内稔典
手に触るるものみな薄し神無月 石川桂郎 含羞
手の足の光ることせむ神無月 清水径子
打ち割りし鏡を拾う神無月 五島高資
拍手もかれ行森や神無月 横井也有 蘿葉集
拍手を打ちて今日より神無月 畑中 圓子
捨ぶねに雨たまりけり神無月 梅室
放下師や独り淋しき神無月 笑詠 選集「板東太郎」
散供櫃に蜘蛛のゐ(糸)淋し神無月 露章 選集「板東太郎」
新しき歳時記もらふ神無月 渡辺一枝
日が射して山かるくなる神無月 中尾寿美子
日も友も海を越えくる神無月 橋本榮治 逆旅
早朝のミサに始まる神無月 稲畑廣太郎
朝市に磯もの多し神無月 水原秋櫻子
木箱より人形のかほ神無月 藺草慶子
枯るるものみな枯れていく神無月 八十島稔 牡丹照る
栴檀の大き木蔭や神無月 田中裕明 花間一壺
桑山を風吹き抜ける神無月 有泉七種
梯子より人の匂ひや神無月 桂信子
楼門に人のぼりゐる神無月 山本洋子
歯ブラシのつかれし毛先神無月 木谷はるか
水中の鷺に雨降る神無月 寺井谷子
浴槽にマネキンの足神無月 皆吉司
滑りよくなりし戸襖神無月 藤井寿江子
澱みなく山彦とんで神無月 斎藤佳代子
独活畑も川も失せけり神無月 石田波郷
男わが火種とりつぐ神無月 清水基吉 寒蕭々
病神は残りゐたまふ神無月 山口無明
白猫の田を渡りくる神無月 古舘曹人 樹下石上
相乗りの単車疾駆す神無月 武田日出夫
真木河岸やさらに葉守の神無月 幽山 選集「板東太郎」
矢大臣の顔修繕や神無月 西山泊雲 泊雲句集
石室に大黒天や神無月 阿部みどり女 笹鳴
砂糖壺つかふことなし神無月 石田 波郷
神ながら巌ぞ立てり神無月 原石鼎 花影以後
神棚の熊手煤けて神無月 相沢真知子
神無月 妻のまま盲となりぬ菊枕 宇多喜代子
神無月たかくオリオン矩を正す 原子公平
神無月めをと茶碗の音がする 相沢 鼎
神無月や雨月の傘に散る紅葉 西山泊雲 泊雲句集
神無月主治医変はりてゐたりけり 秋本ひろし
神無月夕日をうけて山座る 松崎鉄之介
神無月天狗に手紙書きし者 有馬朗人 耳順
神無月天神の橋修理中 錦織ゆか
神無月女人四五人高千穂へ 飯田龍太 山の影
神無月毅然と手術勧めけり 杉山哲也
神無月水のほとりに酔へるこゑ 田中裕明 花間一壺
神無月狂女を叱るわれは鬼女 中川禮子
神無月神が国引く音ばかり 醍醐鉄哉
神無月神と道行するつもり 塩田峯子
神無月豆腐の売れる嵐かな 杉風 十 月 月別句集「韻塞」
神無月飴いろなして火吹竹 飯田龍太
神無月鳩の交尾のすぐ終はる 大石雄鬼
禅寺の松の落葉や神無月 野澤凡兆
空狭き都に住むや神無月 夏目漱石 明治三十三年
突堤に波の逃げ穴神無月 奈良文夫
竜田まで足の序や神無月 阿波野青畝
美しき落葉を砂に神無月 武定巨口
群鳴いて鴉過ぎゆき神無月 阿部みどり女 月下美人
胸ボタンーつの行方神無月 中島斌雄
脇見してふと見えわたる神無月 中尾寿美子
船馬にまた泣よるや神無月 向井去来
芸の道思ひたやさね神無月 武原はん女
葛城や草屋泊りの神無月 妻木 松瀬青々
葬人の野に曳くかげや神無月 飯田蛇笏 山廬集
蔵相が出かけて行きぬ神無月 高澤良一 鳩信 
薬草の一束揺れる神無月 飯田龍太 山の木
藍染の掛竹匂ふ神無月 桂樟蹊子
裏藪の大木のぞく神無月 石原舟月
西洋伝方写真処とあり神無月 吉田鴻司
言葉の矢刺さりしままに神無月 関野八千代
誕生の神無月なる空の旅 阿部みどり女
赤々と朝日卒寿の神無月 阿部みどり女 月下美人
遠滝の双つ呼び交ひ神無月 岡本まち子
門川を流るる砂や神無月 大峯あきら 鳥道
雨伝う木の二股の神無月 久保純夫 熊野集
風寒し破れ障子の神無月 山崎宗鑑
高き木の立並びけり神無月 阿波野青畝
高城や草屋泊りの神無月 妻木 松瀬青々
鳴き合ふは雄鹿ばかりの神無月 加藤憲曠
鶴の来る空や見るみる神無月 水田正秀
黒部前山大きく暮るる神無月 有働 亨
ほのめきも神有月や旅社 松根東洋城
二三日風邪にこもるや時雨月 松瀬青々
出雲路の神在月となりしかな 村山古郷
十月や山の寺々時雨月 小杉余子 余子句選
日あたりて神有月の太柱 大峯あきら
時雨月をり~除夜の鐘照らす 高濱年尾 年尾句集
海原の如く照らしぬ時雨月 波多野爽波 鋪道の花
神有月出雲農家は垣厚し 大津希水
詣で来て神有月の大社かな 石田雨圃子
野々宮やさしわたりたる時雨月 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
槽底に豆腐屯す神在月 高澤良一 石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-11-03 00:43 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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