小春

小春

例句を挙げる。

ああ小春我等涎し涙して 渡辺白泉(1913-69)
あけ放す窓は上野の小春哉 正岡子規
いきいきと火口かがやく小春かな 西本一都 景色
いたはしや花のなやみの小春*迄 正岡子規
うち返す波はありける小春かな 小杉余子 余子句選
うなぎ屋のうの字のながき小春かな 倉田春名
お別れや露地の小春のとゞめ石 高木晴子 花 季
お待ちする小春心をふくらませ 竹下陶子
かくれ家の折戸より見え小春富士 比叡 野村泊月
かたづけて又散らかして部屋小春 木下和香子
からすみを干したる浦の小春かな 岡村紀洋
きのこ干す寺の廂や小六月 田中冬二 行人
きのふ他人今日は小春の夫と妻 長谷川かな女 花寂び
この家に生まれ小春の庭箒 藺草慶子
この山に道あればゆく小春かな 高木晴子 晴居
この里の乙女世辞よき小春かな 青峰集 島田青峰
さくらえび由比蒲原の小春かも 和田 祥子
ささ栗の柴に刈らるる小春かな 鬼貫
さのゝ小春和哥の浦辺は鶴あらん 松岡青蘿
さをしかのしの字に寝たる小春哉 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
さゝ栗の柴に刈らるる小春かな 上島鬼貫
しぐれ気のなうて一日小春かな 路通
しづかなる小春となりし枝のさき 長谷川素逝 暦日
すきとほりたる小春日の夕づきぬ 篠原梵 雨
せきれいを目にはしがたし田の小春 木津柳芽 白鷺抄
そらまめの芽にゑんどうの芽に小春 長谷川素逝 村
ともどもに月日はるけき小春かな 飯田龍太
とんぼうの帽子に睡る小春かな 幸田露伴
どしどしと屋根に人居る小春哉 会津八一
どの船も烏賊を干したる小春凪 楠目橙黄子 橙圃
どの道をゆくもかへるも園小春 上村占魚 球磨
ねがはくは小春のやうな句とこころ 河野静雲
ねこの眼に海の色ある小春かな 久保より江
のつそりと野人が来たる小春かな 田中良次
のび~し帰り詣や小六月 子規句集 虚子・碧梧桐選
はせを忌の小春小島へ目を流す 岸田稚魚
はて薬飲みしか小春の朝餉あと 高澤良一 随笑 
はんぺんの肌かぐはしき小春かな 久保田万太郎 流寓抄以後
ばら黄なり小春ごころを波立たせ 鷹女
ひそくさと小僧小春の障子外 西山泊雲 泊雲句集
ひたすらは眼に満たしむる小春雲 斎藤玄 雁道
ひといつかうしろを忘れ小六月 飯田龍太
ひとり言子は父に似て小六月 石橋秀野
ひッきやうは老いの気弱の小春かな 久保田万太郎 流寓抄
ふところの小ぎくとりでゝ小春かな 久保田万太郎 草の丈
ふところの小菊判紙とりでゝ小春かな 道芝 久保田万太郎
ふりわけて片荷は酒の小春かな 芥川龍之介
ぽかりぽかり小春木かげの檜薪わり 中勘助
ぽつつりと去来の墓の小春かな 今泉貞鳳
まだ羅府にあると思へず小六月 高浜年尾
ままかりの酢の香これまた小春かな 飯田龍太 遅速
みぎひだり分るゝ水の小春かな 石塚友二 光塵
み仏のこころのままの小春かな 押谷隆
めがね拭くことを幾度も小春かな 綾子
めぐまんとする眼うつくし小春尼 飯田蛇笏 山廬集
もつれ見ゆ三笠山路小春空 皆吉爽雨 泉声
もの書けば頬のほとほる小春かな 五十崎古郷句集
ゆりすはる小春の海や墓の前 内藤丈草
わが予後を小春の妻に告ぐべきか 相馬遷子 山河
わざはひも三年たちし小春かな 久保田万太郎 草の丈
わた虫のたかくながるる小春富士 松村蒼石 寒鶯抄
オリンピック騒ぎすみたる小春かな 吉屋信子
サーカスの子の宙返り小六月 小林 いまよ
スライドのスイスに遊ぶ小六月 百合山羽公 寒雁
ポシェットの猫が口あく小春かな 那須淳男
ポプコーン抛り込むとき小春雲 高澤良一 宿好 
レイモンド・バー氏も小春惜しむとや 筑紫磐井 花鳥諷詠
一と刷の雲二た刷の雲小春 中村芳子
一枚の絵のうたひ出す小春かな 坂本和加子
七面鳥屋根へ逃げゐる小春かな 高橋馬相 秋山越
下総に一日遊ぶ小春かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
不二を背に筑波見下す小春哉 正岡子規
串焼の魚の逆立つ小春かな 高瀬恵子
九体仏九品の相の小春かな 稲垣きくの 黄 瀬
五六歩は亡きひとに添ふ径小春 柏戸知子
井戸蓋に落ちつく煤や小六月 永田耕衣 真風
亡き夫を抱いて小春の野に遊ぶ 川崎多恵子
亡父の軸賜びて新居の小春かな 渡辺恭子
人々に祝はれて人小春かな 高木晴子 晴居
人の泣く仏足石や小六月 根本露皎
人はみな光背捨てて小六月 斎藤玄
人住まず小春の縁に日があたる 豌豆痩石
人妻の声やはらかき小春凪 谷口桂子
人群がる動物園の小春哉 寺田寅彦
人肌のごと小春日が墓を抱く 中山純子 沙羅
仲見世の猿のおもちゃに小春の日 高澤良一 燕音 
伊丹鬼貫小春の句風ありにけり 小杉余子 余子句選
伎藝天にたのむ芸なき身の小春 稲垣きくの 黄 瀬
伝大士は美男でおはす小春かな 野村喜舟 小石川
似た事の三ツ四ツはなし小六月 千代尼
住みつきて芭蕉玉巻く小春かな 渡辺水巴 白日
佐渡小春肩ゆたかなる百済鐘 沢木欣一 遍歴
佛骨を洛に迎ふる小春かな 寺田寅彦
俗名と戒名睦む小春かな 中村苑子(1913-2001)
借るべき縁も軒も狭き代街小春 香西照雄 対話
先生と話して居れば小春哉 寺田寅彦
六義園塀沿ひのこの小春かな 岸田稚魚
出かけたく家居もしたく小六月 石井とし夫
出払ひて舟屋奥まで小春なり 長谷川史郊
切干に小春のよき日つづくなり 田中冬二 若葉雨
刈萩の根にひこばえや小六月 五十嵐播水 播水句集
北からの客来て泊る小六月 浦野芙美
十六ミリから~うつす小春かな 高木晴子 晴居
十年一トむかしとこそ小春かな 久保田万太郎 流寓抄以後
半眼の大鹿坐る小六月 井上 康明
南殿の御格子かゝぐ小春哉 寺田寅彦
友垣や句碑を小春の寄り辺とし 中村汀女
双塔を視野の果とす野の小春 大橋敦子
口中に躍る小春の飴の玉 相生垣瓜人
古本の店訪ひありく小春かな 赤木格堂
古稀までの時雨小春を生きんかな 京極杞陽
句に遊び小春の蝶にかがむかな 星野椿
句を愛し小春を愛し人愛し 星野立子
句会ありし寺覗き見る小春かな 西山泊雲 泊雲句集
吉野窓透けて小春の明るさよ 秋山 万里
吹けば鳴る小春日和の壜の口 木村 ふく
吾子嫁きてよりの小春のいとほしき 後藤比奈夫 金泥
周総理小春の眉の濃かりけり 久保田万太郎 流寓抄
唇紅に和紙の吸ひつく小春かな 小枝秀穂女
嗣治の猫にも存問し館小春 大橋敦子 勾 玉以後
噴煙の珠をつくれる小春かな 西本一都 景色
噴煙は小春の空にすぐ消ゆる 高濱年尾
囮かけて人居らぬ野や小六月 子規句集 虚子・碧梧桐選
囮して茶畑戻る小春かな 会津八一
土の上の昼餉はうまき山小春 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
土牢あり小春の磴は短くて 桂樟蹊子
城下町小春の小鳥鳴きにけり 吉武月二郎句集
堂いらかながれ灑ぐに小春われ 皆吉爽雨 泉声
塀ぎはに萌黄のしるき小春かな 室生犀星 魚眠洞發句集
墓の辺の小春に甘え鳶も来て 古舘曹人 能登の蛙
墓地小春波郷・爽雨と眠りをり 伊東宏晃
売り出しの旗や小春の広小路 子規句集 虚子・碧梧桐選
夕立や猫の尾をふむ簀子縁 小春
夕陽(せきよう)の流石に寒し小六月 上島鬼貫
夕靄のなかに波音小六月 角川春樹
夕餉まで炉に吊る鍋の小春かな 小杉余子 余子句選
夜に入れば月も朧や小六月 高浜虚子
大仏は小春の空を狭めをり 落合かつ
大和より国原つゞき小春富士 長谷川かな女 雨 月
大学に茶道部のある小春かな 西本一都 景色
大寒の小春に似たり老夫婦 小澤碧童 碧童句集
大寺の縁広うして小春かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
大山河小春の道もありしかな 長谷川かな女 雨 月
大蘇鉄影して眠る小春寺 吉武月二郎句集
天目に小春の雲の動きかな 菊舎尼
太陽の片頬にある小六月 千原草之
夫の本子の本を読み小春なり 香西照雄 素心
奪衣婆に小春日の風入れてあり 鈴木しげを
奪衣婆の手持無沙汰の小春かな 北見さとる
嫁ぎし娘小春日抱へ来たりける 渡辺恭子
安達太郎の雪被てねまる小春かな 石塚友二 光塵
宍道湖に機嫌の波の小春かな 石塚友二 光塵
家舟を犬がまもれり小春凪 五十嵐播水 埠頭
富士あざみより絮ひとつ小春空 皆吉爽雨
富士すこし見ゆ町裏の小六月 稲垣晩童
富士よりも浅間親しも小春縁 福田蓼汀 山火
富士見ゆる町の小春を出て見たり 青峰集 島田青峰
富士見峠乙女峠の小春富士 大橋敦子 手 鞠
寝てをれば静けさ葉音小春かな 乙字俳句集 大須賀乙字
対岸の声のみなぎる小六月 稲畑汀子
小六月藁打つ嫗藁の中 日野草城
小坐敷の丁ど半分小春哉 一茶 ■文政七年甲甲(六十二歳)
小春いみじき恩恵や味噌椀を掌に 長谷川かな女 花寂び
小春くれしうつろを電車ひびき来ぬ 金尾梅の門 古志の歌
小春とはしぐれせぬ日の野山かな 此路 選集古今句集
小春とは庭から部屋に上り来る 後藤立夫
小春とは箕に乾きゆくものの音 吉本伊智朗
小春ともいひ又春の如しとも 高浜虚子
小春にも盛りのあるや晝の月 井上井月
小春の旅長き汀に終りけり 大野林火
小春の昼頃になつて国旗を立て 小澤碧童 碧童句集
小春の海とろりとココア飲みにけり 笹尾操
小春の縁に障子繕ふ比久尼哉 寺田寅彦
小春の鎌倉きっと好きでせうこの空も 及川貞 夕焼
小春の陽溜め大屋根の温水器 溝口みさを
小春よき相模の国や年の市 原石鼎 花影以後
小春よト一ハ一し給への灰寄せ 加藤郁乎 牧歌メ口ン
小春凪つづきてえりもゆるびそむ 能村登四郎 寒九
小春凪渦潮もまた渦を解く 新田巣鳩
小春凪真帆も七合五勺かな 蕪村
小春凪神農の麦萌え出でし 佐野青陽人 天の川
小春富士ひと日かがやく兵と父に 松村蒼石 寒鶯抄
小春山羊に水晶の鬢無臭の糞 香西照雄 対話
小春山草ながくして人もこぬ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
小春山雉子を追い出し上着脱ぐ 長谷川かな女 牡 丹
小春日におろして美しき鯛の肉 相馬遷子 山河
小春日にさそはれ降りし無人駅 相馬遷子 山河
小春日に七面鳥の闊歩かな 村上鬼城
小春日に吾子の睫毛の影頬に 梵
小春日に大滝秀治の話術冴え 高澤良一 随笑 
小春日に水栽培の根が出たか 高澤良一 鳩信 
小春日に犀の短躯を横たへぬ 高澤良一 宿好 
小春日に菫も返り咲きにけり 室生犀星 犀星發句集
小春日に負けじとばかりかれさんすい 進藤義信

以上w



小春日のあそび足とも伎芸天 鈴木しげを
小春日のうすむらさきのひとりかな 峠谷清広
小春日のうたたね哀れ小傾城 会津八一
小春日のかがやいてすぐ暮れにけり 米田ゆき子
小春日のかげり早さや翠黛山 西山泊雲 泊雲句集
小春日のきな臭きまであたたかし 占魚
小春日のもやひほどかむ高瀬舟 玉山翠子
小春日のやなぎへ羽のひかる虫 宇佐美魚目 秋収冬蔵
小春日のわが影が人に踏まれてゐる 加倉井秋を 午後の窓
小春日のをんなのすわるつつみかな 室生犀星 犀星發句集
小春日のクルスうするる供養塔 塩谷はつ枝
小春日のパレードマイク私語もらす 西浦一滴
小春日の三越の獅子の玄関かな 青峰集 島田青峰
小春日の丸薬を干す袋かな 田口孤雁
小春日の二階明るき襖かな 柑子句集 籾山柑子
小春日の便り押花の香のほのか 羽部洞然
小春日の喪心までは消しきれず 吉村ひさ志
小春日の在所在所や下り船 会津八一
小春日の地明り唐招提寺かな 伊藤敬子
小春日の墓の杜国をたづねけり 上村占魚
小春日の子等に囲まれビラを貼る 赤城さかえ
小春日の対話たいらな石に掛け 國武和子
小春日の川をあやつる人形師 対馬康子 純情
小春日の庭も小道も花の鉢 岡本まち子
小春日の心遊びて部屋にあり 虚子
小春日の思想(おもい)は水に吸われたり 宇多喜代子
小春日の我をとらへて離さゞる 安積素顔
小春日の日に灯を足して刺ほ抜く 武田和郎
小春日の明治の艦に菊の紋 下田稔
小春日の月琴の絃ゆるびたる 吉原文音
小春日の有田古町窯たづね 高濱年尾 年尾句集
小春日の椅子に寝て刈る髪長し 尾崎紅葉
小春日の母の心に父住める 深見けん二
小春日の池を翡翆のあざやかに 上村占魚 鮎
小春日の汽車に短くねむりたる 野見山ひふみ
小春日の波のごとくに受精卵 対馬康子 愛国
小春日の波眠らせて渚まで 林千恵子
小春日の潜水服をさかさに干す 加倉井秋を 『胡桃』
小春日の瀬の輝やきとなりにけり 鶴田佳三
小春日の熨すに堪えたり老の皺 尾崎紅葉
小春日の猫に鯰のごとき顔 飯田龍太 遅速
小春日の猫の入りくる診療所 瀧澤伊代次
小春日の玉と交はり石鼎忌 原裕 青垣
小春日の町を歩くや小買物 青峰集 島田青峰
小春日の畳よろこぶ素足かな 宇多喜代子 象
小春日の眠つたような村通る 前迫寛子
小春日の石に本読む孤児の午後 加藤知世子 黄 炎
小春日の社務所草履の裏を干す 秋を
小春日の空家の椽に燐寸哉 内田百間
小春日の章魚は真赤に染められし 川端茅舎
小春日の舟跡消ゆるところに帆 赤松[けい]子 白毫
小春日の花圃を彩る花として 稲畑汀子
小春日の象の鉄鎖に限りあり 青木重行
小春日の買ひものふくれ金沢びと 中山純子 沙 羅以後
小春日の那智に詣づる海女と乗る 林火
小春日の針箱祖母の匂ひみつ 古賀まり子 降誕歌
小春日の障子をはたく遠音かな 句佛上人百詠 大谷句佛、岡本米蔵編
小春日の電車仮眠の母子のせ 大橋敦子
小春日の飴屋に並ぶ佃煮屋 都筑智子
小春日の鶴とは臭うものなりけり 永末恵子 発色
小春日の黒子美人に出合ひけり 村山三郎
小春日はボヘミアングラスのシヤンパン 吉田素糸
小春日やいとこ同志の草野球 小川ユキ子
小春日やさながら紅き山の萱 楠目橙黄子 橙圃
小春日やつとたちよりし智恵の餅 西山泊雲 泊雲句集
小春日やにげた小鳥は何處の空 寺田寅彦
小春日やむかし~の竹生島 尾崎迷堂 孤輪
小春日やむらがりもゆる蕗銭葉 西山泊雲 泊雲句集
小春日やもぬけの殼の犬の小屋 初川トミ子
小春日やものみな午後の位置にあり 清水青風
小春日やよき墨すりて竹を画く 正岡子規
小春日やりんりんと鳴る耳環欲し 黒田杏子 木の椅子
小春日やゐさうにおもふ蟻を見ず 上村占魚 『石の犬』
小春日やピエロ酒呑む鼻を取る 長村道子
小春日や丈をつめゆく影法師 柴田奈美
小春日や丘の小藪の深みどり 西山泊雲 泊雲句集
小春日や並べて見入る京の菓子 直江藤三郎
小春日や京都時間に身をゆだね 五十嵐哲也
小春日や伏見はづれの一つ家 竹冷句鈔 角田竹冷
小春日や吉野の町も吉野山 尾崎迷堂 孤輪
小春日や墓の一基に腰おろし 重信
小春日や声筒抜けに嫁と妻 松本 進
小春日や夢喰ふ獏の舌に色 黒米満男
小春日や妻の笑顔の走り来る 佐藤哲一郎
小春日や嬰の手足の休むなく 園池 澄子
小春日や子のなき午後の暮れやすし 谷口桂子
小春日や孤りかたぶく十字墓 石田 波郷
小春日や宝物殿の白き壁 上村占魚 鮎
小春日や客まかせなる箱の銭 木歩句集 富田木歩
小春日や川に壁立て鮒問屋 古舘曹人 樹下石上
小春日や庭師の鋏よく鳴りて 今泉貞鳳
小春日や当麻の辻の蹴速塚 甲斐礼子
小春日や投銭ならぬ撒手拭 水原秋櫻子
小春日や抱きてかろき卵籠 高橋睦郎 舊句帖
小春日や故郷かくも美しき 相馬遷子 山国
小春日や昔のまゝの神の庭 高濱年尾 年尾句集
小春日や木莵をとめたる竹の枝 龍之介
小春日や杖一本の旅ごころ 村越化石(1922-2014)
小春日や杜の食堂皿鳴らし 羽部洞然
小春日や松の根方の肴売 西山泊雲 泊雲句集
小春日や松笠多き山の松 尾崎迷堂 孤輪
小春日や柘榴は割れて石の上 田中冬二 行人
小春日や波濤海辺謡の句 尾崎迷堂 孤輪
小春日や満窟の仏みな微笑 久米正雄 返り花
小春日や潮より青き蟹の甲 秋櫻子
小春日や烏つないで飼へる家 村上鬼城
小春日や爪の垢とる影法師 政二郎
小春日や父がだんだん小さくなる 白石司子
小春日や物語り行く土堤と船 会津八一
小春日や玻璃窓広きレストラン 大下 健二
小春日や生毛まみれの虻とあり 野澤節子 黄 瀬
小春日や眼底までも光りけり 阿部みどり女 月下美人
小春日や石を噛みゐる赤蜻蛉 村上鬼城
小春日や笑ひの渦のなかに母 石嶌岳
小春日や糞する犬と目が合ひぬ 谷口桂子
小春日や紙の力士は組み合わず 仁平勝
小春日や習ひ始めし手話通じ 鹿喰悦子
小春日や虻蜂飛べるものは飛ぶ 山口青邨
小春日や道山蔭を出でしより 尾崎迷堂 孤輪
小春日や間のびしてゐる生命線 高間礼子
小春日や隣家の犬の名はピカソ 皆吉司
小春日や雪嶺浅間南面し 相馬遷子 山河
小春日や青き蝗の生き残り 沢木欣一
小春日や驢馬が舂いたる米の味 中川宋淵 遍界録 古雲抄
小春日や骨の中からのどぼとけ 岸田稚魚
小春日や高階は背中合せ 玖保律子
小春日や鯉のはねたる田の濁り 土方 秋湖
小春日や鳴門の松の深みどり 高濱年尾 年尾句集
小春日や鸚鵡に薄き瞼ある 岩田由美
小春日を出でて急がぬ用二三 荒井正隆
小春日を去るは幻になりてゆく 斎藤玄 雁道
小春日和鯉の欠伸につられけり 河野南畦 『元禄の夢』
小春縁さきのことなど思ふまじ 阿部みどり女 笹鳴
小春野に富士常の如くありにけり 青峰集 島田青峰
小春骨壺妬ましきまで添ひ給ふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
小春鳩頸の緑金揺り内足 香西照雄 対話
小春鳴く鳥籠に蜜柑入れてあり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
小鳥の鳶なぶりゐる小春哉 正岡子規
小鼠よ小春何も無き台所 渡辺水巴 白日
少年と岡に遊ぶや小六月 坂本四方太
尼法師に石蕗の花さく小春かな 村上鬼城
山々の小春盆地に町小さく 宮津昭彦
山中湖凧のあがれる小春かな 素十
山内にひとつ淫祠や小六月 茅舎
山国に妻子住ましめ小六月 遷子
山茶花の花びら落ちし庭小春 青峰集 島田青峰
山茶花を孝女たびけり小春凪 中勘助
岡の家や鶏犬遊ぶ小六月 水落露石
岸田稚魚と墓文字大き小春かな 和田しずえ
峡深く鳴く鶏や小春茶屋 河野静雲 閻魔
島がくる帆に色強し小春灘 原石鼎
嵯峨の小春都に近き心かな 霞夫
巌によれば山のつめたき小春かな 原 石鼎
川舟の竹のせてゐる小春かな 伊東睦子
巫女の鈴こだまとなりて杜小春 石川規矩子
己がこころ手にのせてをり小六月 森澄雄
帆柱の日向光りて沖の小春 内田百間
帚目の立つて小春の日が満ちて 高木晴子 花 季
帰り帆の斜に低し小春凪 四明句集 中川四明
干し萱にギスの出て鳴く小春かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
干秣に味つけ土を牧小春 廣江八重櫻
幼帝陵小春を鳩の舞ひにけり 伊藤京子
庇より鳩の湧き出る寺小春 植木千鶴子
廻廊に銭の落ちたる小春かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
彦山の鼻はひこひこ小春かな 広瀬惟然
往生の鯉に小春の日を当てて 斎藤玄 雁道
御放生の池あれば小春榧咲いて 雪人句集 西村雪人
御旅社に諸神泊つや小六月 角川源義
念力のゆるみし小春日和かな 高浜虚子
思惟仏の思惟やすめゐる小春かな 三ヶ森青雲
憎まるゝ役をふられし小春かな 伊志井寛
手をつなぎくる湖の小春波 能村登四郎 幻山水
手話楽し小春のことに触れをらむ 鈴木貞雄
扱ぎ減らす大稲城の数や小六月 金尾梅の門 古志の歌
抱き上げたくなりさう小春の地蔵さま 茂里正治
挿話めく小春日和といふがあり 相生垣瓜人 微茫集
掘り起す梅の古根や小六月 会津八一
撞木まだ生まの膚して小六月 廣瀬直人
撫でたくて小春の硯洗ふなり 林翔
撮られゐて小春の海はわがうしろ 大橋こと枝
故人と居る思ひ小春の白障子 村越化石 山國抄
文鳥に小春の一日留守頼み 足立青峰
旅呆けの顔小春日の翡翆採り 加藤知世子 花寂び
日の匂ひ児の髪にある小春かな 村中千穂子
日輪の下にうかみて小春雲 長谷川素逝 暦日
明日知らぬ小春日和や翁の忌 井上井月(1822-86)
晩年のひと日小春谷すぐ昃り 福田蓼汀 秋風挽歌
晩年や触れて小春の力石 北見さとる
暮れそめて馬いそがする小春かな 几董
書をふせぬ小春の縁の日にほうけ 上村占魚 鮎
月の鏡小春に見るや目正月 松尾芭蕉
朝に似たる日色いつまで小春庭 温亭句集 篠原温亭
朝漁りのさくら海老干す由比小春 伊藤京子
杉垣に襁褓干したる小春哉 寺田寅彦
杉垣へ桜落葉の小春かな 尾崎迷堂 孤輪
村は小春山は時雨と野の広さ 正岡子規
東京のゆきとどきたる小春かな 海津篤子
東京の町ジグザグの屋根小春 青峰集 島田青峰
松の葉に青き小春の入日かな 闌更
柴舟に山枯色や小六月 東洋城千句
棚藤もつかね上げたる小春かな 金尾梅の門 古志の歌
森に来れば森に人あり小六月 秋声
森小春寒天質のわが肉体 折井眞琴
楽焼や小春の空を皿に刷く 瀧春一 菜園
横利根といふ水漕ぐや小春舟 小杉余子 余子句選
橋と橋の間の道の小春哉 内田百間
橋反つて小春の魚紋そこにあり 『定本石橋秀野句文集』
橋立の根にかたまりて茶屋小春 西山泊雲 泊雲句集
橋立の根方の村の小春かな 西山泊雲 泊雲句集
機影キラリと空に浮ばせ羽田小春 楠本憲吉
武蔵下総山なき国の小春哉 夏目漱石 明治二十八年
死にかたをこころに浮べ老小春 富安風生
毛氈に寐たる心の小春かな 桃李
毬弾む己が小春の影曳いて 加藤楸邨
水兵の腕の刺青小六月 楠本莞爾
水引のうまくむすべて小春かな 久保田万太郎 流寓抄以後
水抜いて土をいやせる小六月 伊藤敬子
水明の日を建つ小春山人と 長谷川かな女 雨 月
水音の中に小春のありにけり 星野椿
汀女ゐる小春日和の熊本ヘ 星野立子
池の水障子に映る小春哉 寺田寅彦
沖かけて帆かげ三里の小春かな 龍岡晋
沖がかる船に槌音小春凪 五十嵐播水 埠頭
沖てふもの常に眩しき小春砂 奈良文夫
沼ベりも安食の町も小六月 石井とし夫
波しぶきあげて小春の垣根かな 西山泊雲 泊雲句集
波引けば砂のつぶやく小春かな 稲垣きくの 黄 瀬
波明り厨子にぞ浮御堂小春 皆吉爽雨 泉声
泣くたびに臍のふくらむ小春かな 水原 春郎
泥川に古足袋沈む小春哉 寺田寅彦
浜名湖や巽に望む小春富士 鈴木花蓑
浦人に袈裟掛け松の小春かな 飯田蛇笏 山廬集
海に出て小春の砂のやはらかに 瀧澤伊代次
海の波小春の藪を見透しに 西山泊雲 泊雲句集
海の音一日遠き小春かな 暁台
海女にして野良着の紺や小六月 大串章
海女の髪つれなう赭き小春かな 高橋淡路女 梶の葉
海面に小春笛吹く岩壁なり 長谷川かな女 雨 月
淡海小春日風呂敷をひろげたる 石嶌岳
深きより古藻並み立つ小春かな 五十崎古郷句集
渦巻きて小春の潮の早さかな 白水郎句集 大場白水郎
湧く水に小春の芭蕉玉巻けり 高濱年尾 年尾句集
湯口に踊る白繭小春の糸を繰る 古沢太穂 古沢太穂句集
湯治人枸杞摘みに出る小春かな 乙字俳句集 大須賀乙字
滝の水硯に小春日は愉し 長谷川かな女 花寂び
漕ぎ勝ちし君見居る橋の小春人 久米三汀 牧唄
漕ぎ来しは船塗る舟ぞ小春凪 五十嵐播水 埠頭
濱便り日々屈く小春かな 石井露月
点滴を仕事となして小六月 今泉貞鳳
烏二羽西日へかへる小春かな 原石鼎 花影以後
焚火明りに押しあげし碑ぞ小春に建つ 長谷川かな女 花寂び
爆音に石の面や小六月 齋藤玄 飛雪
父を恋ふ心小春の日に似たる 高浜虚子
片富士の裾に小春の村見ゆる 長谷川かな女 雨 月
牛蒡掘る傍を通り小春人 長谷川かな女 雨 月
牧小春一樹のもとに石仏 福田蓼汀 山火
犬呼ぶに口笛かすれ小春山 原石鼎
猫の毛のエレキ蓄ふ小春かな 松本たかし
猫の眼に海の色ある小春かな 久保より江
猫呼べば尾の応へたる小春かな 山崎不二子
猿多き嶋に着きたる小春かな 会津八一
玉の如き小春日和を授かりし 松本たかし(1906-56)
玻璃磨く小春の空の透けるまで 鈴木英子
生れ消えて小春の雲の今無きとき 高濱年尾 年尾句集
生垣の上より語る小春かな 夏目漱石 明治二十九年
産土に燭あたらしき小春かな 大峯あきら 鳥道
田のへりの水に蜂鳴く小春かな 石鼎
町に入る飛騨街道や小六月 松本たかし
画劇の解説鶏が小春の声添へて 磯貝碧蹄館 握手
畏みて玄海を渡る小春かな 小林康治 四季貧窮
畑の木に鳥籠かけし小春かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
異邦人妻の小春と鵙の墓(モラエス墓) 角川源義 『冬の虹』
畳屋に声掛けて行く小六月 石田阿畏子
疵ありて小春の玉の愛しけれ 間石
病る身の蒲団を替る小春哉 守明
病母笑めばただそれだけで小春かな 渡辺恭子
病間あり窓に小春の山を見る 窪田桂堂
痩村に見ゆるや小春の凧 正岡子規
痩馬のあはれ灸や小六月 鬼城
白い肌着のなかの膚の小六月 飯田龍太 春の道
白壁にわが影折れて島小春 植田桂子
白樺の白きが白き小春かな 正木不如丘 句歴不如丘
白波の刃にかくれなき小春凪 阿部みどり女
白雲のうしろはるけき小春かな 飯田龍太
皇紀二千六百年の小春柏餅 渡邊水巴 富士
皮財布手ずれ小春の博労が 河東碧梧桐
瞽女みちを良寛の行く小春かな 佐川広治
石になる阿國も小春日和かな 飴山實 『次の花』
石を打つ波まぶしくて小春凪 土屋みね子
石を見に庭師と連るゝ山小春 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
砂利を曳く馬見つゝ小春の日暮れたり 青峰集 島田青峰
研屋来て包丁磨ぎぬ小春日を 田中冬二 俳句拾遺
磨かれて履かぬ靴あり小六月 本田なぎさ
磨丸太戸毎に干して里小春 伊東宏晃
磯畠へ橋のみじかき小六月 鷲谷七菜子 花寂び
祭文や小春治兵衛に暮るる秋 夏目漱石 明治二十九年
祷り長き母を待つ子や小春寺 中村汀女
秋のばら小春のばらと咲きつゞく 五十崎古郷句集
秤らるるかに掌上に小春鳩 奈良文夫
空のどこか我顔うつる小春かな 日石俳句鈔 井上日石
空美しうたがひもなく小六月 高木晴子 花 季
突き減りし小春の杖の月日かな 福井玲堂
窟よりも向ひの岡の小春かな 久米正雄 返り花
窯開けの赤絵小春の縁に並み 永井龍男
立ち出でて鶏の雛見る小春かな 白雄
竹伐りて夕日ひらきぬ山小春 金尾梅の門 古志の歌
竹林に人々つどふ小春かな 久保田万太郎 流寓抄以後
竹田を估(ウ)つて石田を估(カ)ふといふ小春かな 日夏耿之介 婆羅門俳諧
笹降つて洞然と天小六月 石橋秀野
篁に梭音ひゞく小春かな 金尾梅の門 古志の歌
篁や小春日の月かゝげたる 五十崎古郷句集
築山を巽に築き小六月 寺田寅彦
糸杉に巌になまめき小春の日 石塚友二 光塵
紅毛のふらここゆする小春哉 日夏耿之介 婆羅門俳諧
納屋の障子に薪屑さゝる小春かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
紙ヒコーキ神父に當る小春苑 下村ひろし 西陲集
索道に瀧見下すや小春凪 泰山俳句集 中村泰山、岩谷山梔子編
絞り結ふ小手きびきびと小春凪 稲垣きくの 牡 丹
綿菓子の糸の先まで小春巻く 高井敏江
縁に小春柱に残る爪の痕 寺田寅彦
縁先に沼の小春の来てをりぬ 石井とし夫
縫ひつかれの眼に乳をさす小春かな 冬葉第一句集 吉田冬葉
羽をこぼす梢の鳶や小六月 蒼[きう]
耳病んで世事頓に疎し小春縁 青峰集 島田青峰
耳病んで小春空しく籠り居る 青峰集 島田青峰
聖廟の小春絢爛たるに酔ふ 下村ひろし 西陲集
臥すひとに小春日の椅子寄せて語る 宮津 澪子
船の荷に腹這ひ読めり小春凪 五十嵐播水 埠頭
艦にそひ遅れず越さず艇小春 福田蓼汀 秋風挽歌
芝あるく小春鶺鴒尾をうかべ 皆吉爽雨 泉声
花八つ手今日の白さの小春かな 碧雲居句集 大谷碧雲居
英国の船に日本の小春波 上野泰 春潮
草山の重なり合へる小春哉 夏目漱石 明治二十八年
草枕小春は替へむ夢もなし 水原秋櫻子
菊乱れみだれて背戸の小六月 高浜年尾
菜を摘んで小春をとめや日高川 鷲谷七菜子 花寂び
萱刈りのかくて日暮らす山小春 臼田亞浪 定本亜浪句集
薪小屋にぶらんこ下がる小春かな 大森桐明
薪積みて小屋人気なき谷小春 福田蓼汀 秋風挽歌
薬箪笥の薬匂へり小六月 松本 旭
藁塚に凭り詩を想ふ富士小春 福田蓼汀 山火
藍汁の底色に流れ小春川 内田百間
虻とんで小春くづるゝけしきなし 三好雷洋子
虻の影障子にとまる小春かな 也有
蜑の舟かかる絶壁小六月 小原菁々子
蜻蛉に馴るゝ小春の端居かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
血縁といふ小春日の様なもの 星野椿
行く先もきめず小春を誘ひ合ひ 安沢阿弥
行人や小春日に掌をおとがひに 京極杞陽 くくたち上巻
街道を遠乗つづく小春かな 会津八一
裏山に人語きこゆる小春かな 日野草城
要害の城や小春の旧山河 河東碧梧桐
見え初めし星の明るき小春かな 岩田由美
観世音連れもどりたる小春かな 上野さち子
観音のころもなでゆく小春風 森川恭衣
語りけり小春うれしき人の上 久保田万太郎 草の丈
谷戸小春魚のかたちで鳥過ぎて 宮脇白夜
谷汲踊雲を払つて小春凪 殿村莵絲子
豆の生える小春の日向かな 正岡子規
豊後よか肥後もまたよか小六月 大久保白村
贈られし羽織きて見る小春かな 四明句集 中川四明
赤い膳も小春日のひる少しおくれたころ 荻原井泉水
軽口もたたき小春の精神医 築城百々平
通らせてもらふ小春の菊畠 上田五千石 琥珀
逢坂の関の小春に今日在りし 京極杞陽
逢曳や小春篁さやがせつ 小林康治 玄霜
遠汽笛小春の耳のおろかさよ 新田冬果
野の小春胃の腑の小春けふ似たり 相生垣瓜人 微茫集
野の末に小さき富士の小春かな 紅緑
野仏に菰を巻きゐる小春かな 柴田 青水
野良猫に欠伸のうつる小六月 角川春樹 夢殿
野葡萄に小鳥群がる小春哉 寺田寅彦
針事や椽の小春を追歩き 一茶 ■文政七年甲甲(六十二歳)
針売も善光寺みちの小春かな 飯田蛇笏 山廬集
鈴掛の揺るる小春や紀尾井坂 坂井建
鋸鉋子らあやまたず小春山 原裕 青垣
鍋の底まで小春死後五十日 中山純子 沙羅
鎌倉の名所をめぐる小春かな 会津八一
鎌倉の果から果の小春かな 久保田万太郎 流寓抄
鎮魂の碑文なぞりて旅小春 石川風女
長蕪の青首曲る小春かな 不句襍成 細谷不句
門一歩出て園に入る小春かな 上村占魚 球磨
閑かにも夕かげのして小春かな 原石鼎 花影以後
阿波十里十箇寺まゐり小六月 東原秋草
降る雨も小春なりけり智恩院 一茶
雀殖ゆる小春の庭をたのしみぬ 龍胆 長谷川かな女
霜したゝか降りて晴れたり小六月 青峰集 島田青峰
静かなる小春日和や檜葉の揺れ 高濱年尾 年尾句集
面壁達磨よ小春崖から花の詩想 香西照雄 素心
靴鳴らす地団駄橋や苑小春 高井北杜
頭みなかたぶけ小春雲うかぶ 篠原梵 雨
頭を伐られ小春の象の脚めく樹 高澤良一 寒暑 
頭巾著て東門を出る小春かな 比叡 野村泊月
風たへて小春ごゝろに秋くれぬ 松岡青蘿
風邪に居て障子の内の小春かな 尾崎放哉
馬小春人より永き昼餉して 北野民夫
骨おもしひととせ経たる小春凪 松村蒼石 寒鶯抄
髪を梳くうしろに小春日を散らし 石嶌岳
鬼にしてこの小春晴れ花簑忌 伊藤敬子
魚籠さげて大黒天の小春凪 加藤耕子
鳥骨鶏兎と飼われ小六月 磯部千草
鳩笛の胸ふくらます小春かな 黒瀧昭一
鳴子引きに出れば背戸の小春哉 寺田寅彦
鴎の目ついと流れて安房小春 高澤良一 さざなみやっこ 
鴬の其手はくわぬ小春かな 横井也有 蘿葉集
鵜戸の宮極彩色の小春かな 大橋敦子 匂 玉
鵯雀小春の光よろこべり 原石鼎 花影以後
鶏呼べば鶏来る小春母と子に 椎橋清翠
鶏買ひ足して小春の庭に放ちけり 青峰集 島田青峰
いつとなく夕日の黄ばむ小はるかな 素丸
痴呆すすむ母と小春のメープルティ 高澤良一 石鏡
小春日の声が先づして猫がゐる 高澤良一 石鏡
by 575fudemakase | 2014-11-04 00:47 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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