紅葉散る

紅葉散る

例句を挙げる。

あだし野の紅葉散華の仏たち 村中聖火
うらやまし美しうなりて散る紅葉 支考
こやし積夕山畠や散紅葉 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
さくら紅葉散り込む吉野の懸造 関森勝夫
しばらくは渦が放さぬ散紅葉 佐野不老
ちる紅葉ちらぬ紅葉はまだ青し 正岡子規
とんとんと薪割り紅葉ちる日向 高澤良一 寒暑 
どの草も犬の後架ぞ散紅葉 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
なつかしき人散紅葉散黄葉 稲畑汀子 汀子第二句集
はじめより掃かでありたる散紅葉 後藤夜半 翠黛
まはりつゝまひあがりつゝ紅葉散る 桐野 慎吾
わがつくる音の中なり散紅葉 米沢吾亦紅 童顔
一村の紅葉散り去る響きかな 草間時彦 櫻山
一椀を拝む夕餉や散紅葉 大庭紫逢
一片の紅葉散り来し火鉢かな 比叡 野村泊月
七滝の一つが見えて散紅葉 新井秋鴨
中坪の早き暮色や散紅葉 野村多賀子
人の思ひ人の思ひに散る紅葉 井上哲王
今日ありてかたみに紅葉ちるを踏む 藤野基一
今日の別れ心の波に紅葉散る 樗堂 (対畝波留別)
冬紅葉散りて数葉雪のうへ 高澤良一 寒暑 
地震しげくなりし且散る紅葉かな 西本一都 景色
塀越にかつ散る紅葉暖く 石塚友二 方寸虚実
塵斗を置き散紅葉掃きはじむ 橋本鶏二 年輪
夕風や山鳥の尾に散る紅葉 安藤橡面坊
夜の塔を風音越ゆる散紅葉 水原秋桜子
寂として御裳濯川の散紅葉 沢村芳翠
尊がる涙や染めて散る紅葉 松尾芭蕉
小鳥呼ぶ師の口笛よ紅葉散る 小松崎爽青
尽大地燃ゆるがごとき散紅葉 赤星水竹居
山住みの裏戸は掃かず散紅葉 馬場移公子
山門や紅葉散りしく甓 寺田寅彦
岩へ散り紅葉のなほも日を透かす 八木絵馬
巨象めく根府川石に散る紅葉 長屋せい子
懸巣鳴き紅葉くぐりて紅葉ちる 百合山羽公 寒雁
拍手を打てば且つ散る紅葉かな 中宮 喜代子
散り紅葉夜は天上のきらら星 野澤節子 遠い橋
散り紅葉松のあらしに添ひにけり 楠目橙黄子 橙圃
散り紅葉泛べる水に鳰あそぶ 春潮
散り紅葉追ふ散り紅葉島の墓 鳥居おさむ
散る紅葉呂律の川の二夕流れ 四明句集 中川四明、粟津水棹・名和三幹竹共編
散る紅葉地吹く風に飛んでなし 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
散る紅葉散り敷くままにある配慮 稲畑汀子 春光
散る紅葉碓氷を越すに茶屋のあり 大山秋子
散る紅葉空の碧さに耐へて佇つ 小松崎爽青
散紅葉こゝも掃き居る二尊院 高浜虚子
散紅葉してゐる菊の障子かな 比叡 野村泊月
散紅葉とどくを待ちて渕碧し 横山房子
散紅葉まぶし板彫曼陀羅図 高橋より子
散紅葉人工芝に落ちつかず 池田博子
散紅葉塔ほど積まれ女人寺 渡辺恭子
散紅葉妹が小鍋にかかるかな 一茶
散紅葉子の輪に入りてふと淋し 長谷川かな女 雨 月
散紅葉実盛の池染めにけり 堀口星眠
散紅葉果なき如く色重ね 稲畑汀子
散紅葉水に乗る時迷ひなし 西村和子 かりそめならず
散紅葉空のまほらの邃きより 石塚友二
散紅葉雪の如くに蹴立て見る 上野泰 佐介
散紅葉鳥獣絵巻かくれなし 水原秋櫻子
敷石に紅葉散りけり門の内 寺田寅彦
日光も奥へ来過ぎぬ散紅葉 木村蕪城 一位
朱の鳥居くぐり且散る紅葉うけ 高木晴子 晴居
杉苔を埋め尽せし散紅葉 高木桂史
柏葉とこきまぜて焚く散り紅葉 中西蒼刀
柳河の水やはらかし散紅葉 西本一都
柿紅葉散華の如く降りにけり 野村喜舟 小石川
森見ればよ火石の昔ちる紅葉 調管子 選集「板東太郎」
毎日が去る日ばかりや散紅葉 百合山羽公
水音や谷ほの暗く紅葉散る 古白遺稿 藤野古白、正岡子規編
沢菴をやらじと門の紅葉ちる 高井几董
流れにははじまつてをり散紅葉 藤崎久を
流動食の母へ深裂散紅葉 宇佐美魚目 秋収冬蔵
消炭の貧しき笊に散り紅葉 遠藤梧逸
湧き水の音遠近に散紅葉 下間ノリ
滝道や火の粉のごとく紅葉散る 藤田露紅
玄関に竹の手摺や散る紅葉 比叡 野村泊月
盃にかつ散る紅葉好し下物 尾崎紅葉
磐石を刳りて磴とす散紅葉 松本たかし
神無月や雨月の傘に散る紅葉 西山泊雲 泊雲句集
禽の声邃くかつ散る紅葉かな 徳永山冬子
竹藪へふか~と散る紅葉かな 高木晴子 晴居
紅葉ちるこのもかのものわすれ花 高井几董
紅葉ちるやねの木の葉や石まじり 伊賀-氷固 俳諧撰集「有磯海」
紅葉ちる常寂光寺よき日和 高野素十
紅葉散つて湖水をわたる舟もなし 赤木格堂
紅葉散りつくすまで庭掃かず置く 松尾緑富
紅葉散りはてし梢に烏瓜 比叡 野村泊月
紅葉散り女を先の船着場 杉本寛
紅葉散り積む今更に師の訓へ 上井正司
紅葉散るしづけさに耳塞がれつ 岡田貞峰
紅葉散るや筧の中を水は行き 尾崎迷堂 孤輪
紅葉散るや鵜が啼ける東山 楠目橙黄子 橙圃
紅葉散る両眼同じ明るさに 中島双風
紅葉散る亀は黄檗山に出て 古舘曹人 砂の音
紅葉散る岡の日和や除幕式 子規句集 虚子・碧梧桐選
紅葉散る疾風には散らざりし後 皆吉爽雨
紅葉散る虚子山荘の木洩日に 星野椿
紅葉散る音立てゝ散る立てず散る 星野立子
紅葉散る風の重さを載せて散る 鈴木英子
紅葉焚くけむりの上に散る紅葉 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
置ける如吹かれ来し如散紅葉 後藤夜半 底紅
臼まはす三輪の豆腐屋散る紅葉 田中寒楼
舟借りて水に泛べば散り紅葉 楠目橙黄子 橙圃
苔の上に掃き寄せてある散紅葉 高浜年尾
苔の上のひとつひとつの散り紅葉 長谷川素逝 暦日
茶の煮えて紅葉散るなり山の茶屋 鈴木疑星
菊坂は母の青春散紅葉 村松 堅
行く水に紅葉散ることしきりなり 平野活潭生
行者道雉子翔ちさくら紅葉散り 関森勝夫
表裏表裏散り紅葉かな 井上哲王
裏を見せおもてを見せて散る紅葉 中田加賀次
裏山の暗い青空紅葉散る 原子公平
谷へ散る紅葉や果てもなかりけり 尾崎迷堂 孤輪
遠近や残る紅葉と散る紅葉 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
金色の仏見し眼に散る紅葉 福島裕峰
金色堂出づや蒔絵の散紅葉 大橋敦子 匂 玉
門入りて歩みとゞめぬ散り紅葉 楠目橙黄子 橙圃
障子洗ふ水にかつ散る紅葉かな 草間時彦 櫻山
音もなく紅葉散りゐる苔筵 杉山青風
鶺鴒のめくら飛びして散る紅葉 北川みよ子
黄葉は散り紅葉は旺んなり 高野素十
くれなゐの魚のごとくに紅葉の散りくるときに身を低くしき 山下陸奥
盃を止めよ紅葉の散ることよ 高野素十
もみぢ散る墓に赤さが足らぬから 櫂未知子 貴族
暁星や尾ノ上の雑木もみぢ散る 滝井孝作 浮寝鳥
祇王寺の寵(ちょう)と音してちるもみぢ 高澤良一 宿好

以上
by 575fudemakase | 2014-11-09 00:00 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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