大根引

大根引

例句を挙げる。

あをあをと河残しゆく大根引き 臼田青埃
あをのいて足ふんばるや大根引 寺田寅彦
いま抜きし大根の穴法然院 安原楢子
けふは又けふの大根引きにけり 岬雪夫
しもふさの夕日冷たき大根引 落合伊津夫
たそがれの息もつかずや大根引 松村蒼石 寒鶯抄
たまたまに引く人の有り赤大根 服部嵐雪
たらたらと日が真赤ぞよ大根引 川端茅舎(1897-1941)
ちらばつて各々引ける大根かな 温亭句集 篠原温亭
つかの間や大根引いて屋敷畑 石川桂郎 高蘆
ぬくもりの雨となりたる大根引 橋本榮治 逆旅
ひつ提げて大根抜身の如くにぞ 石塚友二
ひとり引きゐて海までの大根畑 茂里正治
ふんばつて抜く大根の寸足らず 小田実希次
をりをりに横川の鐘や大根引 岡井省二
丘の馬の待あき顔や大根引 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
乗物につかへまはるや大根引 李由 十 月 月別句集「韻塞」
二股は数なきものに大根引 湯室月村
今日もまたゼウスは食べぬ大根抜く 岩淵喜代子 硝子の仲間
伊吹には雪こそ見ゆれ大根引 支考
佐渡ヶ島近くに見えて大根引く 本間 杏童
俄百姓十分過ぎる大根引く 小池 溢
全長を見せ大根の抜かれたる 畠山譲二
其寒さ煮て取かへせ大根引 横井也有 蘿葉集
十二月の大根畑は買われて村は寒むざむ大根を抜き大根を洗い 橋本夢道 無禮なる妻抄
十方に里の道あり大根引 乙由
古戦場そこらにありて大根引く 百合山羽公
同じ日に山三井寺の大根引 許六 十 月 月別句集「韻塞」
吹きつどふ風の行方や大根引 小田 司
土の香の荒々しきは大根引 斎藤道子
壁抜けが出来そうな日だ大根煮る 岸本マチ子
大仏の海に雨消え大根引 大木あまり 山の夢
大方は抜いてあるなり大根畑 藤田あけ烏 赤松
大根の抜かるるあつといふ声す 今瀬剛一
大根の肩のいかつく抜かれけり 今泉貞鳳
大根は手が抜けるやう重たさよ 右城暮石 声と声
大根をすぽっと抜いて呉れにけり 内田園生
大根を引きたるあとの穴の影 佐藤 忠
大根を抜きたる穴に風渡る 原田青児
大根を抜きたる跡として残る 岸風三樓
大根を抜くたび富士と目が遇ひぬ 森岡正作
大根を抜けば地球が廻るなり 斎藤美規
大根引きし穴の暗さの残りけり 江口竹亭
大根引き大根で道を教へけり 一茶
大根引き烏と昏れてゐたりけり 宮田正和
大根引くけふを峠といふ日和 林のぶ子
大根引くや低くさがりて鳶の声 村上鬼城
大根引く人三方に立ちにけり 田中裕明 山信
大根引く土匂ひ立つ朝焼や 玖保律子
大根引く声の大きく飛ぶ信濃 滝沢伊代次
大根引く大地の重さ感じつつ 岡崎六鈴
大根引く富士はゐずまひ正しけり 行方克己 知音
大根引く瑞巌禅寺目の下に 遠藤梧逸
大根引く背中の力加減かな 山本一歩
大根引く音の不思議に時すごす 石川桂郎
大根引けり練馬の郡(こほり)みよしのや 洞雨 選集「板東太郎」
大根引こゝら畠の字かな 高井几董
大根引に大根またいで近づけり 篠原温亭
大根引ひとりは立つてゐるばかり 行方克己 知音
大根引一本づゝに雲を見る 小林一茶 (1763-1827)
大根引大根くふ馬叱りけり 瀾水
大根引大根で道を教へけり 小林一茶 (1763-1827)
大根引磐梯の日の中天に 山口青邨
大根引終るびつしり土冷えて 松村蒼石 雪
大根引身を柔かに伸ばしけり 川端茅舎
大根引馬おとなしく立眠り 村上鬼城
大根抜き青空縋るところなし 城野苳雨
大根抜くときのちからを夢の中 飯田龍太
大根馬引き入れ月の道なりけり 近藤一鴻
大風呂の貝ふく迄や大根引 几董
学僧の朝の顔なり大根引く 野口久栄
学童の一本づつの大根引 中條りつ子
宵月のくらま大根引きに出し 山本洋子
寝不足や大根抜きし穴残る 鈴木六林男
尻餅におのれ可笑しき大根引 藤原たかを
山の日に力抜かれて干大根 小山祐司
山は時雨大根引くべく野はなりぬ 也有
山畑の大根引やすぐ済みし 今井杏太郎
岬端の入日踏まへて大根引 白井新一
島住や十字架のほとり大根引く 一瀬 昭子
島大根引くや背に降る熱き火山炭 淵脇護
帰りつけば妻は大根引きて居り 石井露月
干大根くぐり抜けるとそこは外 工藤克巳
干大根綺麗に骨の抜かれけり 円城寺龍
引きすすむ大根の葉のあらしかな 白雄
引きのこしたる大根に魘されて 宮坂静生
引けば大根どれも焦土に素直ならず 石橋辰之助
引すゝむ大根の葉のあらしかな 加舎白雄
引越や練馬大根二葉出づ 村山古郷
引退の海女のほまちや赤大根 松本三千夫
忌中なり埋め大根を抜きしあと 吉田紫乃
忠度の腕これ見よと大根引 松岡青蘿
手の凍てゝ板の如しや大根引 川島奇北
手弱女の顔して大根強く引く 谷口桂子
抜て見れば二股なりし大根哉 寺田寅彦
掛大根気力の少しづつ抜けて 柴田奈美
数ふれば一日に引きぬ大根百 浜田波静
暮れぬとて声かはすなり大根引 太祗
朝寒や車引き込む大根畑 寺田寅彦
朝食を抜いて頂く大根焚 吉村白風
木曾高空声掛け合つて大根引く 高橋可子
東京を知らぬと言ひて大根引く 片山由美子 天弓
案外に大根は軽く抜けるもの 湯川雅
桜島大根引きし穴といふ 伊藤伊那男
死ぬことを忘れゐたると大根抜く 関森勝夫
波音がすぐそこにある大根引 加藤岳雄
温石を手首に結へ大根引 高濱年尾 年尾句集
湖尻の風のきしめる大根引 橋本榮治 麦生
猿石に似た顔をして大根引く 尾崎青磁
甲子をまつや隣の大根引 米巒 閏 月 月別句集「韻塞」
男狭穂塚に離れてめをと大根抜く 田中水桜
百姓の頸くぼ深し大根引 原 石鼎
磯山の夕日重たし大根引 井関昌子
禅寺の縄を抜けたる大根かな 石飛如翠
空澄むに大根引のうつろさよ 松村蒼石 雪
笠雲に明日をうらなふ大根引 中村 翠湖
老も出てことほぎ引ける大根かな 河野静雲 閻魔
荻窪の大根引くにたわいなし 角川照子
菜の花や引きのこされて種大根 豊後-りん 俳諧撰集玉藻集
菴の大根客有度に引れけり 一茶 ■文化十三年丙子(五十四歳)
蛬其大根も今引くぞ 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
西空に茜雲寄る大根引き 小倉行子
親知らず抜き大根の花月夜 宮坂静生 樹下
谷からの風にのけぞり大根引 大串章
足の位置決めて大根引きにけり 片柳百合子
道ばたの天秤棒や大根引 炭 太祇 太祇句選後篇
金福寺句座の人見ゆ大根引 露月句集 石井露月
鉢巻をとつて会釈や大根引 高橋淡路女 梶の葉
長屋門入れば大根引いてをり 大峯あきら 宇宙塵
門並に流るゝ川や大根引 嘯山
雪が来るまでに萱刈れ大根抜け 大峯あきら 宇宙塵
雪前や岡の月夜に大根引 松岡青蘿
霙るる前大根引の終りけり 松村蒼石 雁
霜を踏む世わたり辛し大根引 横井也有 蘿葉集
鞍壷に小坊主乗るや大根引 芭蕉
骨折に一本かむや大根引 立花北枝
鰤下げし片手大根抜きゆけり 中戸川朝人 残心
鳶からす野は吹き出して大根引 村山古郷
三浦半島  盗人崎
軽トラック横付けにして大根引  高澤良一  石鏡
光降る大根台地の大根引  高澤良一  石鏡
大根台地涯(はたて)に狂ふ沖つ波  高澤良一  石鏡
覆る白涛を背に大根引  高澤良一  石鏡
潮けむり大根台地のどん詰り  高澤良一  石鏡
背をどつく新手の風や大根引  高澤良一  石鏡
天つ日と風を糧とし岬大根  高澤良一  石鏡
崎人に白群青(びやくぐん)の空大根引く  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-11-16 00:05 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

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単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

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