神の留守

神の留守

例句を挙げる。

いささかの社の修理神の留守 浅見まき子
いみじくもかゞやく柚子や神の留守 阿波野青畝
お守りを自販機で売る神の留守 和田郁子
この神の留守と聞くだにさびれたり 高浜虚子
さるのこしかけ舌出してをり神の留守 成瀬櫻桃子 素心
しぐれつゝ留守もる神の銀杏かな 高浜虚子
しろがねの鯉が統べゐる神の留守 都筑智子
すがれゆくものを佳しとし神の留守 稲畑汀子
つらなりて烏賊は江に入る神の留守 星野恒彦
なら山の神の御留守に鹿の恋 一茶
にはとりの駆けこんで来る神の留守 吉田鴻司
ぬくもりは拳の中に神の留守 細井三千代
みちふさぐ小さな火あり神の留守 山本洋子
セールスヘうそも方便神の留守 金子佳子
バス停に小座布団あり神の留守 吉岡桂六
ワープロで引く直線や神の留守 西田安子
万歩計すこし怠ける神の留守 高橋青矢
三囲の神も留守なる句碑めぐり 大橋越央子
三面鏡にずらりと一人神の留守 櫂未知子 蒙古斑
伊勢蝦のひげの長さや神の留守 龍岡晋
伊豆の山々笑いたそうな神の留守 安西 篤
住吉や三柱の神留守にして 西田巴子
俳諧の神の留守なる懈怠かな 清原枴童
倒れ木の入札もして神の留守 深尾素心
八つ霽れや神の留守なる麓原 飯田蛇笏 山廬集
出涸茶(でがらし)に平気でをりぬ神の留守 大石悦子 聞香
叶はざることは願はず神の留守 菖蒲あや
回廊に円座干しあり神の留守 阿部 夕礁
塩竈の神は留守なる浜日和 佐野まもる 海郷
多羅葉の大樹けやけき神の留守 河東碧梧桐
夜は歩く杉もあるらし神の留守 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
大前に箒目残り神の留守 きよみ
大南瓜一つ供へて神の留守 小川木久江
大川の減りゆく水や神の留守 露月句集 石井露月
大幹に袈裟掛けの傷神の留守 藤岡筑邨
大幹の日向めでたし神の留守 大峯あきら 鳥道
大滝は力ゆるめず神の留守 藤田湘子
奉納の和歌と留守なる神の和歌 後藤夜半
安産の底抜柄杓神の留守 馬場菊子
実をつゞる竹柏の古樹や神の留守 高橋淡路女 梶の葉
寄人の誰尋ね来て神の留守 四明句集 中川四明
寄進札仰ぐ二人や神の留守 岩佐 たか
山鳴と噴煙とある神の留守 西村数
岩の画をつるし独身神の留守 瀧澤伊代次
岩戸神留守のあら雨しぶきけり 石原舟月 山鵲
川ふたつあひ合ふ大事神の留守 百瀬美津
廻廊にただよふ玉藻神の留守 橋本鶏二
律儀さを持て余しをり神の留守 長崎洋子
御厨にジャズの聞ゆる神の留守 塩川祐子
懈怠日々わが俳諧の神の留守 木部八千代
戸袋に小さき節穴神の留守 栗山よし子
手で磨く林檎や神も妻も留守 原子公平
拝殿に雀もつるる神の留守 酒井英子
挨ふかし黒白綿かかる神の留守 調試 選集「板東太郎」
掃き寄せしものの嵩なす神の留守 片山由美子 水精
掃き~て神の留守ともなかりけり 比叡 野村泊月
時計屋の一部始終や神の留守 仁平勝 東京物語
木のてつぺんにゐる植木屋や神の留守 成瀬桜桃子 風色
木橋にかくるるごとし神の留守 安東次男 裏山
東京に星座の切れ端神の留守 平井さち子 鷹日和
柊の花の上の霜や神の留守 松瀬青々
榾負うて戻りし禰宜や神の留守 橋本鶏二 年輪
母病めば留守の神にも詣でけり 猪俣千代子 秘 色
比古土鈴単彩に売り神の留守 野見山ひふみ
水底を亀があるいて神の留守 桂信子 緑夜
水澄むや竜神今は留守らしく 東浦佳子
水甕に蜘蛛の落ちたる神の留守 宮武寒々 朱卓
洒断ちの男が一人神の留守 有馬朗人 耳順
浮立見る神の留守なる広前に 高濱年尾 年尾句集
湖荒れのつゞき筑摩の神は留守 森居康房
湧水の砂噴きやまぬ神の留守 木内怜子
潮ざれの坂を櫂とし神の留守 斎藤梅子
火伏札貼り足すことも神の留守 及川秋美
灯火のうしろくらさよ神の留守 楓橋
点滴につながれてゐる神の留守 佐野農人
焙恪に胡麻を飛ばして神の留守 蓬田紀枝子
片岡の芒も刈や神の留守 妻木 松瀬青々
獅子頭毛の房々や神の留守 野村喜舟 小石川
琴箱の蓋がずりゐて神の留守 後藤夜半
産土神の留守やわがもの顔に猫 杉本寛
留守なれや水を隔てて二つ神 小杉余子
留守のまに荒れたる神の落葉哉 松尾芭蕉
留守の神つれづれ草の文にあり 阿波野青畝
留守もよし今人倫に山の神 柳風 選集「板東太郎」
白き魚うつつに焦がす神の留守 柿本多映
百一年子規の留守なり蝉の穴 神蔵器
目が覚めて夜が続くなり神の留守 岩淵喜代子 硝子の仲間
石だゝみ箒目疎し神の留守 調和 選集「板東太郎」
磴よりの野の面のさまや神の留守 尾崎迷堂 孤輪
神の留守あたたかといふ童女かな 田中裕明 櫻姫譚
神の留守あんぱんの臍つまみけり 木島斗川
神の留守かうかうと風のある樹かな 久米三汀
神の留守なり酒神を呼び戻す 文挟夫佐恵
神の留守に人の命を奪ふもの 岸本尚毅 舜
神の留守や藤氏氏寺興福寺 尾崎迷堂 孤輪
神の留守エレキ源内の時計鳴る(平賀源内生家) 角川源義 『冬の虹』
神の留守バターナイフに刃なし 小川軽舟
神の留守ポスト真赤く立てりけり 藤岡筑邨
神の留守マン・レイ展に眩暈せり 皆吉司
神の留守一刀彫に鬼うまれ 能村研三
神の留守一艘の舟去りしより 有馬朗人 知命
神の留守亡母の手が鳴る形見分け 相原左義長
神の留守仔犬八匹生まれけり 北見さとる
神の留守南蛮鉄の門閉ざし 山地曙子
神の留守句碑にあそべる子を咎めず 長谷川かな女 花寂び
神の留守小禽ひそひそあそびしよ 谷中隆子
神の留守巫女もなすなる里帰り 赤星水竹居
神の留守悪性鴉放ち飼ひ 上田五千石 田園
神の留守手術前の風呂に入る 石井敏夫
神の留守格天井の大修理 真鍋蟻十
神の留守沼に真鯉の泥けむり 野中亮介
神の留守漢方薬を買ふ旅に 杉本寛
神の留守煮込まれている何やかや 庄子真青海
神の留守狐の飛脚戻りけり 越智
神の留守猿が供物を盗りにくる 山崎秀夫
神の留守球根に芽のいでにけり 成瀬櫻桃子
神の留守立山雪をつけにけり 前田普羅
神の留守絵馬堂裏で恋に逢ふ 北野民夫
神の留守縁談ひとつ握りをり 文挟夫佐恵
神の留守肝胆荒塩よくこぼす 早瀬恵子
神の留守能(よい)女房を守るべし 服部嵐雪
神の留守野良猫またも子を宿し 鈴木真砂女
神の留守青き楓樹の情なかり 長谷川かな女 牡 丹
神の留守鳥居はるかに藁の中 山口笙堂
神留守といふをうべなふ兄の死か 橋本榮治 麦生
神留守のどんぐり山もありぬべし 角川春樹
神留守のみんなが櫛を較べ合ふ 波多野爽波 『一筆』以後
神留守の古鏡ねむれる山の水 加藤耕子
神留守の大楠の洞深かりき 川崎慶子
神留守の日のさしてゐる祠かな 鷲谷七菜子 花寂び
神留守の星のいろ濃き北のくに 本宮哲郎
神留守の水に立ちたる山気なり 小島千架子
神留守の汐木を焚きて驕るかな 角川源義
神留守の潮を満月わたるなり 堀口星眠 営巣期
神留守の濤たかぶらす波ころし 角川源義
神留守の畝傍山より昏れにけり 佐川広治
神留守の紅の筆見し玉手箱 桂樟蹊子
神留守の間に肥ゆる神馬かな 柴田奈美
神留守の露に戊辰の墓二百 橋本榮治 麦生
神鶏の畑へくり出す神の留守 田中俊尾
禰宜ちらとわれに一瞥神の留守 高濱年尾 年尾句集
立つ石も横たふ石も神の留守 上井正司
筆洗に湖を掬へり神の留守 内山寒雨
絵馬に書くほど願易からず神の留守 鈴木栄子
老杉の天まで真直神の留守 長門美熙子
臀出して注射されをり神の留守 清水基吉 寒蕭々
荒格子つかみて覗く神の留守 吉川堯甫
荒磯田も神の留守とはなりにけり 安東次男 裏山
荷車を垂直に立て神の留守 原田喬
葱畑の小さき神もお留守かな 野村喜舟
蔓引くもあそぶやうなる神の留守 田中裕明 櫻姫譚
藪原に風こもるなり神の留守 能村登四郎
街角にサンタ来てゐる神の留守 大塚とめ子
装束の廉(かど)も倒さぬ神の留守 大サカ-松嵐 十 月 月別句集「韻塞」
誰も寂しき背中を持てり神の留守 渡辺嘉幸
身の内の黒点ふとる神の留守 猪股洋子
通ひ路の一礼し行く神も留守 松本たかし
造成の大地をけずる神の留守 藤田郁子
酒を止めずに転生願う神の留守 原子公平
酒豪なる僧の返盃神の留守 都筑智子
野祠の神も留守なる月夜かな 有泉七種
閉店セール開店セール神の留守 長安悦子
頼む神留守に患ふ身なりけり 三木志げ女
風神の衝立立てて神の留守 下村梅子
食べてすぐ洗える食器神の留守 寺田京子
魚籠提げて禰宜戻りくる神の留守 井水貞子
黒米をてのひらにして神の留守 平柳草子
鼠出てわが家の神はとはに留守 小檜山繁子
神の留守タンス預金に手をつけず  高澤良一  石鏡
神の留守ゴミの分別微に入り細  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-11-17 00:06 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/23327048
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

実朝忌 の忌日
at 2017-04-22 09:12
茂吉忌 の俳句
at 2017-04-22 09:09
義仲忌 の俳句
at 2017-04-22 09:07
えり挿す の俳句
at 2017-04-22 09:04
かまくら の俳句
at 2017-04-22 09:01

外部リンク

記事ランキング