朴落葉

朴落葉

例句を挙げる。

あまた降る中ゆるやかに朴落葉 水原春郎
あめつちのあひだふと翔つ朴落葉 長谷川素逝 暦日
けとばせば空翔け行けり朴落葉 岡田日郎
その中に猫うづくまり朴落葉 佐佐木茂索
たそがれとなる朴落葉踏みつきず 佐野良太 樫
つく杖の先にさゝりし朴落葉 高浜虚子
ほうほうと云ひて拾へる朴落葉 高澤良一 燕音 
まつすぐに落つ雨の日の朴落葉 草間時彦
やや遠き空をながるる朴落葉 橋本鶏二
アトリエと道をへだてゝ朴落葉 高橋馬相 秋山越
一枚づつ空を広げて朴落葉 榎本栄子
一枚はいぶかしき数朴落葉 いのうえかつこ
人声を沈めて積る朴落葉 朝日出とも子
冬雲の厚き手ざはり朴落葉 渡辺恭子
初猟や草鞋に踏む朴落葉 西山泊雲 泊雲句集
厚朴落葉うちかさなりて平らかに 木津 柳芽
地に触れてはじめて音す朴落葉 栗生純夫 科野路
大寺に百畳敷けり朴落葉 石田あき子 見舞籠
天の音聞きつくしたる朴落葉 三嶋隆英
寝入りめに似非の時雨の朴落葉 宇多喜代子 象
屋根越ゆる楽しきときの朴落葉 今瀬剛一
山かへて又遊びけり朴落葉 橋本鶏二
峡空は雲を離さず朴落葉 山岸珠樹
思惟仏となるいちまいの朴落葉 山口奉子
拾ふ神ありや一枚朴落葉 村越化石
昨日より今日のかろさの朴落葉 橋本榮治 逆旅
月光の漣立ちし朴落葉 岡田日郎
木洩日にするすると消ゆ朴落葉 松村蒼石 雪
朴の木に皆掃き寄せし朴落葉 猿渡青雨
朴落葉いつより老いし金髪ぞ 堀口星眠 営巣期
朴落葉いま銀となりうらがへる 青邨
朴落葉うれしきときも掃きにけり 村田とう女
朴落葉して洞然と御空かな 茅舎
朴落葉ちらと政二郎先生見ゆ 皆川白陀
朴落葉はなれて天の刻ゆらぐ 長谷川素逝 暦日
朴落葉ふわつと何か呟けり 津田清子
朴落葉みちたがへしにあらざるや 橋本鶏二
朴落葉よべの湿りのまゝ踏まれ 山口あつ子
朴落葉一枚ごとの日の温み 宮下秀昌
朴落葉一枚に岨ひびきけり 馬場移公子
朴落葉二枚もあれば山土産 高澤良一 鳩信 
朴落葉仔犬の食器おほひけり 堀口星眠 営巣期
朴落葉俳諧の一舎残らまし 河東碧梧桐
朴落葉吐く息をこそ深くする 坂巻純子
朴落葉呼べば応へてひるがへる 富安風生
朴落葉大きを拾ひ晩年へ 鍵和田[ゆう]子
朴落葉大地に花鳥諷詠詩 稲畑汀子 ホトトギス汀子句帖
朴落葉大根畑に入り拾ふ 茨木和生
朴落葉天の扉をひらき降る 大岳水一路
朴落葉女あるじのひそと病む(谷原のお宅は) 岸田稚魚 『雪涅槃』
朴落葉少しの風に遠く飛ぶ 細見綾子
朴落葉山の暦日重ねけり 高澤良一 ねずみのこまくら 
朴落葉崖にぴしぴし闇が降る 柴田白葉女 雨 月
朴落葉廃邸かげることはやし 柴田白葉女 『冬泉』
朴落葉手にしてゆけば風あたる 篠原梵 雨
朴落葉拾いて朴の木を探す 川喜多弥栄
朴落葉拾ひて思ひ屈しけり 岸田稚魚
朴落葉拾ひて聖ごころかな 木内彰志
朴落葉掃かず一枚づつ拾ふ 五十嵐八重子
朴落葉掃き舞はしたる不覚かな 岸田稚魚 筍流し
朴落葉母が一枚づつ焚けり 栗田せつ子
朴落葉母亡き地にからびけり 石田波郷
朴落葉無念の声す下屋敷 芳賀雅子
朴落葉百を火として歎くのみ 宇佐美魚目 秋収冬蔵
朴落葉筆置にせりいく日ぞ 石川桂郎 四温
朴落葉落ちてひろがる山の空 森澄雄
朴落葉裏返りたるものばかり 高浜年尾
朴落葉踏みて雉子とぶ松を見し 雑草 長谷川零餘子
朴落葉踏みわたり来て樹下に在り 藤松遊子
朴落葉閉じて久しき茶屋の席 中島双風
朴落葉電気仕掛の家に住み 和田悟朗
母が家の布団の重き朴落葉 森賀まり
水暮れて奈落のごとし朴落葉 渡辺古鏡
油揚げ包みし朴落葉むかし 金子皆子
波郷忌の来る朴落葉焚きにけり 岸田稚魚 『雪涅槃』
焚火中燃えて割れたる朴落葉 野見山朱鳥
熊笹の上に乗りたる朴落葉 高濱年尾 年尾句集
猫眠亭と名付けてよりの朴落葉 大木あまり 火のいろに
生涯にこの一音を朴落葉 有馬朗人
男ぼそっと朴落葉ぼそっと 菊池志乃
碓氷権現鎮まり給ふ朴落葉 佐野青陽人 天の川
神さびや供米うちたる朴落葉 飯田蛇笏 山廬集
縁なしの畳敷きある朴落葉 竹内悦子
荒くれのやう山中の朴落葉 平手むつ子
薬きらへば日空より朴落葉 長谷川双魚 風形
裏乾き表濡れたる朴落葉 福田蓼汀 山火
見せあひて更に大きな朴落葉 森田峠
踏んでゆく靴より大き朴落葉 高橋利雄
野仏に添寝がしたし朴落葉 永井喜久司
鉄錆の重なるごとく朴落葉 沢木欣一
降り出づと見しより濡るる朴落葉 栗生純夫 科野路
霧ふかき水をながるる朴落葉 石原舟月 山鵲
頭の上に雲ゆく重さ朴落葉 藤田湘子
顔上げて波郷忌近き朴落葉 細川加賀
餓死供養塔にふれては朴落葉 小川 真砂二
馬籠より妻籠まで提げ朴落葉 浦野芳南
いちまいの朴の落葉のありしあと 長谷川素逝(1907-46)
しき重ね朴の落葉の夥し 高野素十
はなれたる朴の落葉のくるあひだ 長谷川素逝 暦日
ふは~と朴の落葉や山日和 松本たかし
ぼろぼろの朴の落葉や森二月 阿部信
ゆく水に朴の落葉の乗りしとき 藤田湘子 去来の花
四五枚の朴の落葉もありにけり 比叡 野村泊月
就中朴の落葉の耿々と 栗生純夫 科野路
山に入るいきなり朴の落葉かな 山田みづえ 草譜
山深し朴の落葉に目そばだつ 松本たかし
打伏して朴の落葉にあらぬなし 藤松遊子
朝の祈り朴の落葉のうらおもて 石田あき子 見舞籠
朴の落葉わが靴のせるべくありぬ 山口青邨
杖が知り吾が知る朴の落葉かな 村越化石
水ナ底に朴の落葉として存す 樋口玉蹊子
猫よりも朴の落葉の大きくて 岸本尚毅(1961-)
臥猪かと驚く朴の落葉かな 泉鏡花
足のせて朴の落葉の大きこと きくちつねこ
轢かれたる朴の落葉でありにけり 岸本尚毅 舜
道を堰くばかりに朴の落葉あり 藤松遊子
靴先で朴の落葉を返すべく 高澤良一 宿好 
鯰ゐて朴の落葉の降つてくる 岸本尚毅 鶏頭
拾ひあぐ落葉に朴の木の遠し  高澤良一  ねずみのこまくら
朴落葉掃くといふより片づけぬ  高澤良一  石鏡
片づけて片づけきれぬ杜落葉  高澤良一  石鏡
否応なく踏むべくありぬ朴落葉  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-11-17 00:11 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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