冬の鶯

冬の鶯

例句を挙げる。

あるゆふべ笹鳴ちかくかゝりゐぬ 中尾白雨 中尾白雨句集
かはたれの白き闇にて笹子鳴く 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
この町に赤福つつむ笹子かな 古舘曹人 樹下石上
さりながらまだ笹鳴きの域を出ず 鶴丸白路
しかと笹鳴瑞鹿山円覚寺 高澤良一 ねずみのこまくら
しんがりに居て笹鳴をききもらす 道川虹洋
そばどころ元祖本家と笹子鳴く 高橋悦男
それきりの笹鳴なりきはや没日 徳永山冬子
てい子いらつしやい冬鴬の影と一緒に 長谷川かな女 花寂び
ひもすがら月見る野辺や笹鳴ける 金尾梅の門 古志の歌
みちのくの笹鳴なれば馬も聞く 佐藤秋浪子
わが忌中ならねば近し笹鳴は 斎藤玄 狩眼
ニュアンスを変へて小藪の笹子鳴く 高澤良一 宿好 
一としきり笹鳴のしてまたも雪 田畑 さと
一切の先づ笹鳴にあひにけり 斎藤空華 空華句集
七といふ好きな日の朝笹子鳴く 高田風人子
乗越の熊笹日和笹鳴けり 福田蓼汀 秋風挽歌
二三日ちらつきゐしが笹鳴けり 水原秋櫻子
五十年忌和讃に笹子来て居りぬ 田中英子
伊勢みちの伊勢にちかづく笹子かな 鷲谷七菜子 花寂び 以後
伊豆相模わかつ岬に笹鳴ける 有働 亨
何ぞ朽ちつ国宝癈寺の笹鳴る冬 古沢太穂 古沢太穂句集
何もせず障子明るし笹鳴けり 瀧井孝作
佛間まで幽かに雪の夕笹子 千代田葛彦
信楽の壷に陽当り冬鶯 伊藤敬子
光悦寺冬鶯が鳴きにけり 北村軒市
円空仏吾より長身笹鳴ける 奈良文夫
冬鴬われは病弟子胸あつし 石田波郷
冬鶯むかし王維が垣根かな 蕪村
冬鶯吸ひ付くやうに梅が枝に 高澤良一 宿好 
冬鶯火中出てなほ炎える鉄 大峯あきら
冬鶯米塩清くあるばかり 百合山羽公
分かち合ふ野良の昼餉や笹子鳴く 芝 哲雄
切片をなし笹鳴の水際なり 山西雅子
前略と書いてひと息笹子鳴く 増田斗志
千仏のうしろに一鬼笹子鳴く 斎藤梅子
南天に何時までもゐしが夕笹子 武藤木咲
原稿はまだかまだかと笹鳴くや 芥川龍之介
双塔をつなぐ古道笹子鳴く 赤松[けい]子 白毫
啼く笹子押へて湖の端ゆする 加藤知世子 花寂び
坑夫墓地日射しすぐ逃げ夕笹子 岡部六弥太
夕笹子障子の桟の濃く浮けり 関森勝夫
大学の今日のしづけさ笹鳴ける 深見けん二
大工来て笹鳴聴かず二三日 富田木歩
大年の法然院に笹子ゐる 森澄雄(1919-)
大年の笹鳴る闇となりにけり 石橋秀野
大藪を洩るる朝日や笹子鳴く 藤本哲夫
子等帰り来よ笹子来る庭となる 稲畑汀子 汀子第二句集
安住の笹鳴く庭となりにけり 隈柿三
客去れば笹鳴とわが時間かな 加藤秋邨 怒濤
寺に来て笹鳴きくや身のいとま 尾崎迷堂 孤輪
尼眠る葎をくゞり笹子鳴く 長谷川かな女 雨 月
山吹の黄葉のちりぢり笹鳴す 室生犀星 魚眠洞發句集
岬端の笹鳴死にそこねては 齋藤愼爾
島の地理頭に入れをれば笹鳴けり 高澤良一 さざなみやっこ 
崖裾の干汐にかわき笹鳴ける 内田百間
川の名の信濃にかはる笹子かな 古舘曹人 樹下石上
年忘れ地にちかぢかと笹鳴けり 野澤節子 黄 炎
幾度か聞きし笹鳴まざと見る 徳永山冬子
庭に来し冬鴬の大きさよ 高浜虚子
庭祠ありてそこらに笹子鳴く 上村占魚 球磨
弁当に牛蒡うれしく笹子鳴く 岸本尚毅 鶏頭
影淡き師走の寺や笹子鳴く 角川春樹 夢殿
必ずに添ひ現るる笹子あり 後藤夜半 底紅
数学が好きでこのごろ笹子くる 橋石 和栲
文之助茶屋の笹子を聞いてゐる 関戸靖子
文弱にながるる月日笹子鳴く 古舘曹人 砂の音
新古今和歌集のふと笹鳴けり 中尾寿美子
日の照つて頼政みちに笹子ゐる 関戸靖子
日の萱に逃避の我や笹鳴ける 相馬遷子 雪嶺
日もうすれ閑まる家ぞ笹鳴す 室生犀星 魚眠洞發句集
朝の日に笹子きてゐる流かな 上村占魚 鮎
朝の間や笹子来て居る障子際 乙字俳句集 大須賀乙字
朝毎に来鳴く笹子の待たれけり 乙字俳句集 大須賀乙字
木の影も笹鳴も午後人恋し 石田波郷
松こぼれして笹鳴のありかかな 永井龍男
枯色の聖晩餐図笹鳴けり 堀口星眠 営巣期
案内を聞き洩らさずに笹子きく 堀恭子
椎茸をつけて枯木や笹鳴ける 碧雲居句集 大谷碧雲居
横臥より仰臥は親し笹鳴けり 神生彩史
母にまだ聞こえ笹鳴あたたかし 古賀まり子 緑の野以後
毎日の笹鳴に居る主かな 高浜虚子
水中の日を見てあれば笹鳴す 渡邊水巴 富士
渦ゆるみ笹鳴く崖を映しけり 佐野まもる 海郷
激流にこゑ攫はるる笹子かな 鷲谷七菜子
灘照るや笹鳴移る浜王子 坂口麗峰
火を起す音の笹鳴き燧岳 堀口星眠 営巣期
無始無終北上川に笹子鳴く 平井照敏 天上大風
燈台へ笹鳴の径折れつづく 砂田貴美子
燈籠の笠に笊干し笹鳴ける 遠藤梧逸
父在さば問ふことありて夕笹子 伊藤京子
病む人に笹子くること告ぐべきか 宇佐美魚目 天地存問
病床の手鏡笹子生写し 川端茅舎
目を皿のやうにして追ふ夕笹子 高澤良一 ももすずめ 
目礼といふ笹鳴のごときもの 神尾久美子 桐の木
眼を病めば笹子かならず薄暮かな 近藤一鴻
石組みに庭師のこころ笹子鳴く 中野陽路
石鼎忌笹鳴翔つて垣よぎり 原裕 葦牙
砂糖水ドーナツと来て笹鳴す 石川桂郎 四温
硝子障子は曇天のいろ笹子鳴く 中尾寿美子
祖母いますその日のごとく笹鳴ける 福田蓼汀 山火
移り住みし寂しさにをり笹鳴ける 荒川 曉浪
空濠の底に径あり笹鳴ける 西本一都 景色
笹原に笹子の声のみちさだか 皆吉爽雨 泉声
笹子きて位高くも餌台に 皆吉爽雨 泉声
笹子くる柳生一族眠る墓 松本幸子
笹子ゐる葭の洲のいま日の柱 岡井省二
笹子二羽仏面竹をすさめ鳴く 阿波野青畝
笹子来てぎっくり腰の視野に入る 高澤良一 寒暑 
笹子来て殉教の墓淋しくす 大橋敦子
笹子来て話は尽きてゐたりけり 古舘曹人 樹下石上
笹子来て速達が来て午前中 星野椿
笹子来と云へば目白と正さるる 高澤良一 ねずみのこまくら 
笹子来る今日の心のごとひそと 中村汀女
笹子見る瞳やさしく坐りけり 龍胆 長谷川かな女
笹子視む肝腎のとき躓けり 後藤綾子
笹子鳴き世に古びたる渡来仏 大橋敦子 勾 玉以後
笹子鳴き人々起きて働けり 橋田憲明
笹子鳴くいま来し道に日の当り 神蔵 器
笹子鳴くや月斗の墓は月斗の書 青木重行
笹子鳴くわが丈笹にしづむとき 皆吉爽雨 泉声
笹子鳴く佛の里の佛道 都甲 憲生
笹子鳴く妻の言葉のあと満たし 加倉井秋を 『真名井』
笹子鳴く山々靄に隠れけり 竹川武子
笹子鳴く旅もどりまだ庭を見ず 皆吉爽雨 泉声
笹子鳴く日の差してゐるそのあたり 門居米子
笹子鳴く泉に声を試すごと 羽部洞然
笹鳴いてゐて灯りぬ料理待つ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
笹鳴いて洗濯物の脇抜けぬ 高澤良一 さざなみやっこ 
笹鳴がきこえて土の中ならず 萩原麦草 麦嵐
笹鳴が初音となりし頃のこと 高浜虚子
笹鳴が呼ぶ遭難者手がかりなし 福田蓼汀 秋風挽歌
笹鳴きちやつちやと暮れた 北原白秋
笹鳴きに枝のひかりのあつまりぬ 長谷川素逝 暦日
笹鳴きに系図正しくして貧し 藤木清子
笹鳴きに覚めて朝とも日暮とも 中村苑子
笹鳴きの闇へぶ厚い眼鏡拭く 安田くにえ
笹鳴きや妻いくたびも燐寸擦る 加倉井秋を 『胡桃』
笹鳴きや深き轍の木出し道 石川文子
笹鳴きを聴きゐるらしき箸づかひ 山崎冨美子
笹鳴くとかへり見てちちははの墓 田畑美穂女
笹鳴くやとぶらひ詣づ流人墓 小原菁々子
笹鳴くや旅のつかれを昼の風呂 上村占魚 鮎
笹鳴くや石にいろなき野の夕日 上村占魚 鮎
笹鳴くや障子に急ぐ雲の影 会津八一
笹鳴くや雪駄は小島政二郎 芥川龍之介
笹鳴けり機は仕舞ひて事始め 及川貞 夕焼
笹鳴ける方に振り向く何気なし 石塚友二
笹鳴とならざりし声でさやうなら 加藤楸邨
笹鳴と信じ得て母の顔がありぬ 斎藤空華 空華句集
笹鳴にうつむいてゆく癖捨てよ 有働亨 汐路
笹鳴につくばい溢れいたりけり 吉屋信子
笹鳴にひらめく老の瞳縮緬織る 加藤知世子 花寂び
笹鳴に一日を恃み籠るかな 吉野義子
笹鳴に前歩かれて背が寒し 加藤知世子 黄 炎
笹鳴に去年今年なく庵せり 高濱年尾 年尾句集
笹鳴に唇そらし鉄漿つける 長谷川かな女
笹鳴に大きかりける人の咳 有働亨 汐路
笹鳴に対す二日の主かな 高浜虚子
笹鳴に枝のひかりのあつまりぬ 長谷川素逝
笹鳴に蛇口のさらし袋かな 長谷川倫子
笹鳴に逢ひたき人のあるにはある 三橋鷹女(1899-1972)
笹鳴に逢ふさびしさも萱の原 加藤楸邨
笹鳴のありしあたりへ静かな眼 関根章子
笹鳴のいつ来て二ついろめきぬ 原コウ子
笹鳴のかげふかくいし人ならむ 古沢太穂 古沢太穂句集
笹鳴のきこえずすでに昏れゐたる 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴のくる日こぬ日と病みたへぬ 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴のけふこの道を何故歩む 相馬遷子 雪嶺
笹鳴のしばなくこゑに夢やぶれ 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴のしばなくこゑを夢かとも 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴のたどたどしさよ切通し 長谷川浪々子
笹鳴のつたなし父と縁うすく 成瀬桜桃子 風色
笹鳴のひとこゑありぬ那須の牧 渡邊水巴 富士
笹鳴のひとつ来てゐる庭仕事 石田郷子
笹鳴のほとを忘れしほとの神 森 澄雄
笹鳴のまにまに麻酔きかさるる 斎藤玄 雁道
笹鳴のみちあらはるる仏みち 原裕 青垣
笹鳴のゆふ鳴きされば熱のぼる 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴の主なき庵に今年また 川口咲子
笹鳴の二日はや過ぎたりしこと 高濱年尾 年尾句集
笹鳴の内向の声われも持つ 田川飛旅子
笹鳴の勁き舌根を感じをり 岡井省二
笹鳴の大いなる訃を齎せし 高浜虚子
笹鳴の径があるいつもの枝 原田種茅 径
笹鳴の日和くづれて来りけり 大場白水郎 散木集
笹鳴の日課の如く来て去りぬ 桜井照子
笹鳴の木の裏あたり母の咳 長谷川かな女 雨 月
笹鳴の杜にいろはにほへとの句 平 清
笹鳴の来そめて関守石一つ 八木林之介 青霞集
笹鳴の来ぬ日とてなし針仕事 高橋淡路女 梶の葉
笹鳴の来る戸すなはち目覚め時 石川桂郎 四温
笹鳴の渡りすぎけり枇杷の花 室生犀星 犀星発句集
笹鳴の玻璃戸なきごと近づき来 西井五山
笹鳴の碑裏碑表濡れいろに 原裕 青垣
笹鳴の移りし影と思はるゝ 大久保橙青
笹鳴の移りて残る日差しかな 星野恒彦
笹鳴の笹の高さを移り来つ 黒坂紫陽子
笹鳴の範囲を連れて移りたる 塙告冬
笹鳴の経を忘れてゆきしかな 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
笹鳴の舌の強さよ藪の中 滝沢伊代次
笹鳴の舌頭見ゆるかに近し 皆吉爽雨
笹鳴の路せばまりて風の消ゆ 原田種茅 径
笹鳴の途切れては又源氏山 山田閏子
笹鳴の隠密の声しきりなる 川端茅舎
笹鳴の鳴き翔つ光りいつまでも 加藤知世子 花寂び
笹鳴の鳴く間黙す間時が充つ 加藤楸邨
笹鳴の鳴けば亡き母呼ぶかとも 福田蓼汀
笹鳴はさびしきいろに死にゐたり 中尾白雨 中尾白雨句集
笹鳴は水沁む原を飛びにけり 右城暮石 声と声
笹鳴は汀に濡るゝほど近し 高橋馬相 秋山越
笹鳴は空耳なりし雪が降る 原田青児
笹鳴は袂に留まるごとくなり 友岡子郷
笹鳴やけふ故里にある思ひ 篠原鳳作
笹鳴やけふ開眼の木彫仏 伊東白楊
笹鳴やさそはれ抱く膝がしら 杉山岳陽
笹鳴やしづかに崖が応へをり 池芹泉
笹鳴やつくばひかけて積る雪 軽部烏帽子 [しどみ]の花
笹鳴やはうむり去りし小とむらひ 河野静雲 閻魔
笹鳴やふたりの影の道祖神 猪俣千代子 堆 朱
笹鳴やもぐさ大きくしがちなる 小島千架子
笹鳴やわが身一つの影のなか 遠藤 はつ
笹鳴やダム底亀裂もて笑ふ 木下夕爾
笹鳴や一人おくれて門に入る 五十嵐播水 埠頭
笹鳴や一壺に充たぬ母の骨 佐藤国夫
笹鳴や一行ひかる子の作文 中村明子
笹鳴や世をしづめたる山家集 野村喜舟 小石川
笹鳴や乾き岐れし潦 大橋櫻坡子 雨月
笹鳴や井戸また涸るゝ日の匂ひ 佐野青陽人 天の川
笹鳴や保育器にさく十指あり 田川飛旅子(1914-99)
笹鳴や勤めなければ門を出ず 三溝沙美
笹鳴や十能の火を書院まで 大峯あきら
笹鳴や千家の庭の藪柑子 四明句集 中川四明
笹鳴や博奕の宿へ藪の穴 河野静雲 閻魔
笹鳴や厨ごとこそ大切に 及川貞 夕焼
笹鳴や古総太き客間椅子 島村元句集
笹鳴や吾子の描く絵に赤多く 加倉井秋を
笹鳴や塔頭さらに垣を結ふ 米沢吾亦紅 童顔
笹鳴や壬生菜にふりし味の素 鈴木真砂女 夕螢
笹鳴や大刈込をくぐりては 水原秋櫻子
笹鳴や大望の身の懐手 佐々木有風
笹鳴や失ひしものみな寂か 山田みづえ 草譜
笹鳴や女ばかりの昼ながし 桂信子 黄 炎
笹鳴や妻いくたびも燐寸擦る 加倉井秋を
笹鳴や寺領はいつも期待あり 稲畑汀子 春光
笹鳴や居間に厨にわが起居 殿村菟絲子 『繪硝子』
笹鳴や山田いつより捨てられし 岡本まち子
笹鳴や峡に空家の又ひとつ 空林美恵子
笹鳴や峡の自足の茶の籬 伊藤いと子
笹鳴や巌にもたせて木の鳥居 比叡 野村泊月
笹鳴や師を棄つるまで啼きとほし 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
笹鳴や帰りのやうな午後の雲 児玉南草
笹鳴や平群の山は畳なはり 山口誓子
笹鳴や幼子がわが門にゐて 原田喬
笹鳴や思惟の手解かぬ苔仏 三橋迪子
笹鳴や我はひと代を火炎上 加藤秋邨 まぼろしの鹿
笹鳴や手は見え足は忘じたり 島津亮
笹鳴や手沢出でたる桐火鉢 日野草城
笹鳴や掌にぬくもりし化粧水 石田あき子 見舞籠
笹鳴や新藁かわく薄緑 碧雲居句集 大谷碧雲居
笹鳴や日の出の何ぞなつかしき 加藤秋邨 火の記憶
笹鳴や日向日蔭へ道伸びて 岸田稚魚 筍流し
笹鳴や日移りはやき竹の幹 村上 光子
笹鳴や昼の暗さの懺悔室 水原春郎
笹鳴や朗報しかと胸に抱き 星野椿
笹鳴や杭うちしごと人彳てる 橋本鶏二 年輪
笹鳴や松にある日の障子にも 比叡 野村泊月
笹鳴や枯燕子花誰も見ずに 徳永山冬子
笹鳴や椿緑り葉篠の中 尾崎迷堂 孤輪
笹鳴や榾火吹きにしなみだ顔 古沢太穂 古沢太穂句集
笹鳴や機嫌雀の唄の中 石塚友二 光塵
笹鳴や母がかたみの仮名手紙 石田あき子 見舞籠
笹鳴や水のゆふぐれおのづから 日野草城
笹鳴や浄土追はれし磨崖仏 加藤楸邨
笹鳴や浅谷杉の小百本 尾崎迷堂 孤輪
笹鳴や海女が入る温泉の萱がくれ 宮下翠舟
笹鳴や深山たびたび日をかくす 長谷川双魚 風形
笹鳴や渚を越ゆる波ばかり 脇田裕司
笹鳴や満月登る富士の肌 澤木欣一
笹鳴や無為に馴れたる我が耳に 京極杞陽
笹鳴や生あたゝかく言生きて 石塚友二 光塵
笹鳴や痩せし日射しを膝の上 岸田稚魚 筍流し
笹鳴や石に日が跳ぶ杉襖 古館曹人
笹鳴や砂にちらばるうつせ貝 福田蓼汀 秋風挽歌
笹鳴や磨きて覚ます杉の肌 本多静江
笹鳴や空気緻密に林ある 徳永山冬子
笹鳴や篠竹原に道開け 広瀬直人
笹鳴や終日開けぬ寺障子 比叡 野村泊月
笹鳴や置釣の綸ひかりゐて 金子 潮
笹鳴や習ふと言ふは密かなる 殿村菟絲子 『菟絲』
笹鳴や艦入り替ふる麓湾 飯田蛇笏 山廬集
笹鳴や芝庭にある乳母車 島村元句集
笹鳴や茶山へ運ぶ古き藁 下田稔
笹鳴や落葉くされし水の冴え 室生犀星 魚眠洞發句集
笹鳴や裏つゞきなる二塔頭 河野静雲 閻魔
笹鳴や西行塚はまんまるく 成瀬桜桃子
笹鳴や西行谷の流れ水 小澤碧童
笹鳴や謡の節に句の調子 松根東洋城
笹鳴や谷戸を包める日の温き 鈴木壽夫
笹鳴や豊公利久伊勢の鷹 石塚友二 光塵
笹鳴や赤の瓦のぎつしりと 大木あまり 火球
笹鳴や逢はでかへりし声は誰 加藤秋邨 火の記憶
笹鳴や遠まはりしてご用聞き 吉田ひで女
笹鳴や野良着にもある好き嫌ひ 影島智子
笹鳴や鉄漿つけ給ふ中納言 四明句集 中川四明
笹鳴や鉛筆書きの妻の遺書 三村太虚洞
笹鳴や開扉のほとけたをやかに 織田春美
笹鳴や雪に灯ともす東大寺 中川宋淵 詩龕
笹鳴や青淵覗く危さに 馬場移公子
笹鳴や青道心の日和下駄 乙字俳句集 大須賀乙字
笹鳴や飛島川とて涸れのこる 水原秋桜子
笹鳴や馬込は垣も斑にて 室生犀星 魚眠洞發句集
笹鳴や鳴かで啄む枝移り 東洋城千句
笹鳴よこの身焼かるる日も鳴くや 橋間石
笹鳴りや訪はゞ紅布を裁ちをらん 安斎櫻[カイ]子
笹鳴をまねつゝ急ぐ法師かな 比叡 野村泊月
笹鳴を四方に厩は日あたれり 高橋馬相 秋山越
笹鳴を庭先にして私宅ミサ 村越化石 山國抄
笹鳴を待ちもう少し待つてみる 清水径子
笹鳴を疎林のひかり弾き合ふ 相馬遷子 山河
笹鳴を聞いて居籠る夫婦かな 比叡 野村泊月
笹鳴を聞き得て生がありにけり 斎藤空華 空華句集
笹鳴を聴いて見知らぬ人同志 小林草吾
笹鳴を覗く子と待つ雑煮かな 渡邊水巴
箸箱に箸二並び笹子鳴く 赤松[けい]子 白毫
粥占に由緒の神社笹子鳴く 小山今朝泉
紅志野の窯へ山越え冬鶯 伊藤敬子
紫の立子帰れば笹子啼く 川端茅舎
結納の娘の帯締むる笹子鳴く 伊東宏晃
絣着の昔ありけり夕笹子 村越化石 山國抄
絵の売れし画室のさびれ笹子鳴く 皆吉爽雨
耳遠くなるは長寿か笹鳴ける 澤田 緑生
臘月と魚眼といづれ啼く笹子 北原白秋
臥して知る妻のひと日や笹鳴ける 金子 潮
草庵の垣の破れに笹鳴ける 星野椿
草紅葉くぐるやさしき笹子川 沢木欣一
蔭村の垣の下風笹鳴ける 内田百間
裏山に笹鳴殖やし醤油蔵 冨田みのる
西空の朱もわづかや笹鳴す 岩田昌寿 地の塩
角砂糖に水色の翳笹鳴す 田川飛旅子
詩を殺すべき否歌を殺せよと冬鶯の啼きてゐしかな 山中智恵子
足を踏みかへて鳴きゐる笹子とも 後藤比奈夫 花びら柚子
踏み入れば笹鳴少し遠くなる 太田昌子
車おりてしばらくゆけば笹子鳴く 上村占魚 鮎
近寄りし人に退く笹子かな 岡安仁義
逢曳や冬鶯に啼かれもし 安住敦
連れのなき吾に笹子の鳴きくるる 星野椿
道修町のビルの植込み笹子来る 松崎亭村
選り抜きの蘭の出荷口笹子鳴く 野本 嘉子
遺影とは微笑むものか笹子鳴く 千代田葛彦
遺影まで届く朝の日笹子鳴く 縣信彰
還り来し尺八に笹鳴おこりけり 原石鼎 花影以後
酔ひし顔母に見られぬ笹鳴ける 桂信子 黄 炎
間のありて又笹鳴の磴となる 中川秋太
降る雪に弾み付ききし夕笹子 高澤良一 ねずみのこまくら 
雛つくる人に老なし冬鴬 長谷川かな女 雨 月
雨傘のなか笹鳴をききとめて 神尾久美子 桐の木
雨止んで二月堂裏笹子かな 茂里正治
雪ちらちら笹子ちらちら峠越 大橋敦子 勾 玉以後
雪笹子南大門の暁けてきて 黒田杏子
飛鳥路のかはたれどきを笹鳴けり 倉田春名
馬鈴薯の花に笹子の雨暗し 赤堀五百里
鵯その他去り笹鳴の登場す 石塚友二 光塵
麻酔覚める瞳街の笹鳴もう句にして 加藤知世子 花寂び
来て遊ぶ鶯の子はいつも二羽 室積徂春
玻璃打つて鶯の子の落ちにけり 原石鼎 花影以後
茶の花や鶯の子のなきならひ 浪化
笹子来て島の竹藪こそつかす  高澤良一  石鏡
谷戸尽し鎌倉に聞く笹子かな  高澤良一  暮津

以上
by 575fudemakase | 2014-12-08 00:19 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

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単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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