蜜柑

蜜柑

例句挙げる。


*かりんありあかき蜜柑と交らず 百合山羽公 寒雁
Sみかん詰め放題と言われても 木谷はるか
おのが蜜柑山にて長脛行く自在 橋本多佳子
お接待皺の蜜柑の甘かりき 沢木欣一 遍歴
かがみ餅蜜柑はうまき時分なり 許六
かの夫人蜜柑むく指の繊かりしが 安住敦
ここに来て見定めがたしと言ふなかれ近代のはて蜜柑山照る 坂井修一
こまやかに蜜柑をむきて未婚なり 徳久 俊
さねさし相模の蜜柑酸く甘く 加藤三七子
さる帝蜜柑の数珠を持されけり 相生垣瓜人
しほさゐを背に蜜柑摘む殉教址 石田 厚子
ずべみかんてふ小みかんを吊し売る 細見綾子 黄 瀬
その子いま蜜柑投ぐるよ何を言はん(安見子生れて十ヶ月余となる) 『定本石橋秀野句文集』
それぞれの舟のまはりに蜜柑浮く 佐々木六戈
たたかう今年へ蜜柑盛りあげられ輝く 赤城さかえ句集
ただの闇ならず鈴なり蜜柑山 山下幸子
だいだいを蜜柑と金柑の笑て曰 杉風
だぶだぶの惚け蜜柑ぞ好もしき 相生垣瓜人 明治草抄
つぶらにて雪の信濃に伊予蜜柑 森澄雄
どの山の影ともならず蜜柑山 辻田克巳
ぬか雨の海の白さや早生蜜柑 中拓夫 愛鷹
はしやぎ過ぎし後の寡黙の蜜柑剥く 奈良文夫
ふくみ笑う蜜柑東北墓地多し 寺田京子 日の鷹
みかんと靴ぬくみ中学生下校 斉藤夏風
みかんどころのこたつの上のみかんでもある(熱海) 荻原井泉水
みかんのいろほどの風邪熱感じをり 上村占魚 『方眼』
みかんの皮二つ重ねて暇乞ふ 高澤良一 ねずみのこまくら
みかんむいて砂川の上み下も近し 廣江八重櫻
みかん一つ机に乗せて駐在所 斉藤葉子
みかん光り一人臥す家結束す 高橋富久江
みかん剥く指に寒さの残りけり 久保田万太郎 流寓抄以後
みかん山その上の寺木の実干す 百合山羽公 寒雁
みかん山映る初湯に入りけり 田中冬二 俳句拾遺
みかん湯に読みかへしゐる写本かな 森川暁水 黴
みかん湯をつくりへらしし砂糖かな 森川暁水 黴
みかん甘き伊豆の夜にして冴え返る 林原耒井 蜩
みかん畑より見下ろせし池の端 飯沼衣代
みかん黄にふと人生はあたゝかし 高田風人子
みづうみに雨すこしある蜜柑かな 中田剛 珠樹
めでたかり蜜柑に種子のあることも 高澤良一 素抱
もぎし蜜柑の地べたより置き場なき 林原耒井 蜩
をとめ今たべし蜜柑の香をまとひ 日野草城
カメラ載せ蜜柑畑の藁沈む 横山房子
クリスマスの少女唄ひて蜜柑選る 萩原麦草 麦嵐
スキー嬢蜜柑をむけり男らに 岸風三楼 往来
スチームの甚だ熱し蜜柑むく 市川東子房
テーブルの荒野まん丸蜜柑匂う 野口哲陽
トンネルがとても長くて蜜柑むく 千原草之
バス長し退屈すれば蜜柑むく 高濱年尾 年尾句集
一と勝負つきしトランプ蜜柑むく 大橋櫻坡子 雨月
一月の白帆とのぼる蜜柑山 中拓夫
一村を日溜にして蜜柑山 園部白雨
三十三才啼け蜜柑畑日短かぞ 萩原麦草 麦嵐
下積の蜜柑ちひさし年の暮 浪化
乱遠し筑波蜜柑は小粒なり(防人歌「橘の下吹く風の香ぐはしき筑波の山を恋ひず在らめかも」) 角川源義 『西行の日』
二つ目の蜜柑の臍のずれてをり 高澤良一 ももすずめ
二月まだ夜明けの遅き伊予蜜柑 福田甲子雄
他評即自評蜜柑にまたも種 奈良文夫
保線詰所窓に蜜柑を並べあり 沢木欣一
元日の干支入り祝ふ蜜柑かな 大谷句佛 我は我
先生の今の愛孫手に蜜柑 京極杞陽 くくたち下巻
全山の索道の荷の皆蜜柑 宇根畝雪
六月や父ひとり入る蜜柑庫 萩原麦草 麦嵐
共に剥きて母の蜜柑の方が甘し 鈴木栄子
内海や貼り絵の如き蜜柑山 高澤良一 鳩信
冬構蜜柑を囲ふ日和かな 山本村家
冷え込んで一夜色づく蜜柑山 中拓夫
冷凍みかん齧り旅路の汽車ぽっぽ 高澤良一 寒暑
凍て蜜柑少し焙りてむきにけり 篠原鳳作
出湯の山のぼるにつれて蜜柑山 上村占魚 球磨
初売の蜜柑積まれて小駅前 葛西十生
初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山 石田波郷
初荷から投げてくれたる蜜柑かな 富崎梨郷
十二月余白なくなる蜜柑の酸 阿部みどり女
千客去りて蜜柑の皮の狼藉たり 尾崎紅葉
口出さぬこと今大事みかんむく 上西左兌子
古稀の手でみかん苗植う海霧の中 閑田 梅月
叱るほか言葉を知らず蜜柑むく 木村蕪城
君が掌の一顆の蜜柑いつ剥かる 加藤楸邨
吸ひこまれさうな空から蜜柑もぐ 山田幸代
吹革祭金座銀座の蜜柑まき 四明句集 中川四明
坐礁船そのまま暁けぬ蜜柑山 芝不器男
城山でありしは昔蜜柑狩 舘野翔鶴
城此処に在りし日のごと蜜柑照る 加藤拝星子
墓原に蜜柑もぐ子がうつりけり 萩原麦草 麦嵐
墓地買ふて初蜜柑二個食べにけり 秋元不死男
墓域なす彼方もなべて蜜柑山 佐野まもる 海郷
夜は円く蜜柑と韮と芳香す 八木三日女
夜勤への引継帳に蜜柑置く 広瀬一朗
大和路の納屋にあふれし蜜柑かな 瀧澤伊代次
大島の海越えて来し蜜柑掌に 阿部みどり女
大胆な試食ぶりなり蜜柑山 塩見育代
好日の山の蜜柑は紅に富む 百合山羽公 寒雁
妹の前髪厚く蜜柑むく 如月真菜
妻と子の話の外や蜜柑剥く 藤野 力
子の忌過ぎもう酸くないか蜜柑供ふ 及川貞
子の顔の三人酢を吸ふ蜜柑哉 尾崎紅葉
子を負うて蜜柑一つをうしろ手に 亮木滄浪
完熟の蜜柑手にせる初三十日 高澤良一 素抱
宮島の灯を指し旅の蜜柑むく 五十嵐播水 播水句集
寒肥や煤のりし見る蜜柑の葉 高田蝶衣
小鬼らに蜜柑ふるまへ鬼は内 中勘助
屋根苔も丸みて見せぬ蜜柑村 香西照雄 素心
山の神仕舞蜜柑も腐らせず 百合山羽公 寒雁
山暮れんか蜜柑の色の遠くにて 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
山火事を消しに登るや蜜柑畑 前田普羅
山盛り蜜柑潰えて家塾事始 林翔 和紙
山頂に脾腹をあづけ蜜柑食ふ 佐藤鬼房
川底を蜜柑が走り歯科医院 中拓夫 愛鷹
帰らねばならぬ蜜柑をむいてゐる 加倉井秋を
帰郷して蜜柑山でもやりたまへ 藤後左右
帳場整理みかんの皮も掃き捨てぬ 西山泊雲 泊雲句集
幼い記憶にいるふたりで蜜柑焼いて食べては幼し 橋本夢道 無禮なる妻抄
座の蜜柑赤し凱旋談つきず 森川暁水 淀
座礁船そのまゝ暁けぬ蜜柑山 芝不器男
御歳暮の葉っぱをつけし蜜柑くる 菅沢泰子
御火焚や蜜柑ころがる潦 四明句集 中川四明
急坂を来し息見せず蜜柑採る 津田清子 礼 拝
愚痴聞きつ手持無沙汰の蜜柑むく 西村和子 夏帽子
愛欲や蜜柑のしづ枝地に触り 八木三日女 紅 茸
手にみかんひとつにぎって子が転ぶ 多田道太郎
採点は倦みやすきもの蜜柑むく 多田蒼生
探しもの又して疲れ蜜柑むく 星野立子
撒き蜜柑ただよふ波の初荷舟 斎藤 道子
故里につながる蜜柑ころがれり 村越化石
方角が頭に入らず蜜柑食ふ 藤後左右
旅人の蜜柑くひ行く枯野かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
日は海に落つれ蜜柑をもぎやめず 林原耒井 蜩
日向の冷え日影の冷えの蜜柑剪る 仲田藤車
明治節の汐鳴り蜜柑取込みし 萩原麦草 麦嵐
晩生なる蜜柑に当り外れなし 高澤良一 素抱
書の重さ蜜柑の重さ夫見舞ふ 石田あき子 見舞籠
月下にて蜜柑採られた山の闇 和知喜八 同齢
月光の徐々に冷えゆく蜜柑山 斎藤慎爾
朧なり猫がもどりて蜜柑箱 中田剛 珠樹以後
木の箱に犇々ありしかたち蜜柑に 篠原梵
来し方の貧しき思ひ蜜柑むく 木村蕪城 寒泉
林檎柿蜜柑年越す一つ籠に 野澤節子 牡 丹
柿の艶蜜柑の艶や家籠 澄雄 (退院自宅療養をつづく)
柿・蜜柑木に在り長きひとり旅 渋谷道
柿山をのぼりて蜜柑山くだる 右城暮石
梅林をかかへこみたる蜜柑山 西村和子 夏帽子
歌舞伎座に山と積まれし蜜柑かな 岸本尚毅 舜
歩きむく蜜柑あせるなあせるなよ 岩田昌寿 地の塩
死後も日向たのしむ墓か蜜柑山 篠田悌二郎
母と子に蜜柑の香りほどの幸 中野 貴美子
気の乗らぬ相槌蜜柑むきながら 古賀邦雄
水軍の島より蜜柑船出づる 坂本孝子
永き日や土塀の中の蜜柑畑 楠目橙黄子 橙圃
汽罎(かま)焚きて蜜柑列車を先導す 佐野まもる
波音にくもる裸灯蜜柑選る 石本秋翠
浪音のゆるい冬陽の蜜柑ちぎつている 橋本夢道 無禮なる妻抄
海の照りけうとく蜜柑むきにけり 太田鴻村 穂国
海の霧れきろく蜜柑ぐるまなり 佐野まもる 海郷
海へ向くことは日に向く蜜柑山 辻野勝子
海より日出てすぐ蜜柑山照す 加倉井秋を 『風祝』
海を背に長者の眉毛みかん売り 磯貝碧蹄館
海光に一木揺るるは蜜柑*もぐ 甲賀山村
海冷えを運ぶ鴎や蜜柑村 中拓夫
海女の果てか岬に老いて蜜柑売るは 稲垣きくの 黄 瀬
海峡の雨来て蜜柑しづく垂る 西東三鬼
海彦をときどき呼んで蜜柑摘 鷹羽狩行
海見えずして海光の蜜柑園 野澤節子 『存身』
渚にてミカンを分かち巡礼なり 中田剛 珠樹以後
温泉疲れといふ気だるさに蜜柑むく 藤浦昭代
湖碧し蜜柑の皮を投げ入れし 深見けん二
湯あがりの掌にもぎくれし庭蜜柑 山口満希子
湯上りのかろき動悸や蜜柑むく 粟津松彩子
湯上りの爪立ててむく蜜柑かな 西村和子 夏帽子
満山の蜜柑に夕日うこん照り 鈴鹿野風呂 浜木綿
潮風とともに届きし蜜柑あり 美村文江
濃くなりつ狭まる海や左右に蜜柑 香西照雄 対話
火の島の裏にまはれば蜜柑山 篠原鳳作
炊事了へ一息つけり蜜柑のまへ 高澤良一 随笑
炭馬の下り来径あり蜜柑山 篠原鳳作
無農薬の蜜柑小ぶりに過疎の村 赤祖父和子
煤掃や玻璃に黒影の蜜柑山 中拓夫 愛鷹
熔岩のかひながいだき蜜柑山 河野静雲 閻魔
爪入れて蜜柑匂はす未婚なほ 三好潤子
父のくに酸つぱい蜜柑鈴生りに 脇 りつ子
牟婁の海の夕映波に照蜜柑 鈴鹿野風呂 浜木綿
猿曳の猿にころがる蜜柑かな 金子 九九
玻璃の桟黄金分割蜜柑の樹 上野泰 佐介
男唱に山の蜜柑の熟し昏れ 八木三日女 赤い地図
画架それ~混血児が描く庭みかん 及川貞 榧の實
畑姥も初天神の蜜柑売 大谷句仏
畫架それぞれ混血児が描く庭みかん 及川貞 夕焼
病名をかるがると言ひ蜜柑剥く 塚本 久子
病熱の憂しき夕餉に蜜柑の黄 中尾白雨 中尾白雨句集
白磁皿みかんに色をもらひけり 渡部 勝雄
皮の中に蜜柑の舟の二つかな 大橋櫻坡子 雨月
短日の陽のうら~と蜜柑山 高橋淡路女 梶の葉
硝子吹く暮色の火玉蜜柑色 三谷昭 獣身
祖父親孫の栄えや柿蜜柑 松尾芭蕉
福蜜柑どんどの焔ぬけて飛び 宮津昭彦
秋天を蜜柑暮れゆく早さかな 中島月笠 月笠句集
穫り入れの前の蜜柑のしんとして 斉藤夏風
空港近く蜜柑二三の夜の刻 桜井博道 海上
立冬の玄関灯すみかん色 町田しげき
笊に入れて置く双六の蜜柑かな 龍胆 長谷川かな女
笑つてわらつて涙が出るほど笑つたあとの、みかん 池原魚眠洞
紀の国のまつさをなりし蜜柑かな 今井杏太郎
紀の国の北向く山も蜜柑山 粟津松彩子
紀の国の旅や蜜柑を食べにけり 成瀬正とし 星月夜
紀の海の残り蜜柑にぎら凪げる 鈴鹿野風呂 浜木綿
累々と徳孤ならずの蜜柑哉 夏目漱石 漱石俳句集
網棚の荷物みかんのかたち見ゆ 篠原梵 雨
美しき灯をむくごとく蜜柑むく 森川喜美子
老醜の口の空洞蜜柑吸う 三谷昭 獣身
耐へ忍ぶことのなかりし蜜柑山 福田甲子雄
背の窓に島山の月みかんむく 及川貞 榧の實
自らの詩に飾りたる蜜柑むく 橋本鶏二
舟着けば蜜柑山より声来る 米沢吾亦紅 童顔
艶ふかき蜜柑を剥きて静かなるわがめぐりいま世紀が変わる 窪田司郎
苗床となりて濡れゐる蜜柑箱 飴山實 少長集
草のいろは冬まだ遠しみかん山 及川貞 榧の實
荒磯波夜明の蜜柑びしよぬれに 中拓夫 愛鷹
萬歳の蜜柑を握る袖の下 会津八一
葉つき蜜柑卒寿過ぎたる掌に 阿部みどり女 月下美人
薬のむあとの蜜柑や寒の内 子規
蜜柑*もぎ海のきららを手で包む 徳田千鶴子
蜜柑ころがる地下室の底水流れ 中拓夫 愛鷹
蜜柑ころがる暗渠のごとき踏切 桜井博道 海上
蜜柑すゝる嬰児を抱き母も飢ゆ 岸風三樓
蜜柑たべてよい火にあたつて居る 尾崎放哉
蜜柑ちぎり相模の海のあをきにくだる 川島彷徨子 榛の木
蜜柑にも自転の力籠あふれ 河野薫
蜜柑の国鯨の国の紀州かな 尾崎迷堂 孤輪
蜜柑の汁思ひつめたる顔にとぶ 油布五線
蜜柑の皮地にうつむきに雨が降る 大橋櫻坡子 雨月
蜜柑の皮投げても投げても水迅し 原田種茅 径
蜜柑の蔕枝先にしろく海かげる 川島彷徨子 榛の木
蜜柑ひとつを三人で食ふ夜中の杉 桜井博道 海上
蜜柑ひとつ投げては猿に囲まるる 黒川 龍吾
蜜柑まだ酸きものと手を控えをり 高澤良一 素抱
蜜柑むいてそれから眩しい燈と思ふ 原田種茅 径
蜜柑むいてつまらなさうに母居りぬ 鈴木しげを
蜜柑むいて寒さわかたん雛かな 渡邊水巴
蜜柑むき人の心を考へる 深見けん二
蜜柑むき大人の話聞いてゐる 西村和子 夏帽子
蜜柑むく初荷の馬の鼻がしら 中村汀女
蜜柑むく平熱の指朝の家 中拓夫 愛鷹
蜜柑むく爪のいかさま苦爪かな 久保田万太郎 流寓抄
蜜柑むく瞳の可愛さやしばたゝく 中村楽天句集 中村楽天
蜜柑もぐ渓流の村母がゐて 中拓夫 愛鷹
蜜柑もぐ谷間を低き鵙のこゑ 中拓夫 愛鷹
蜜柑より抜け出し黄色いきいきす 谷口桂子
蜜柑を焼いて喰ふ小供と二人で居る 尾崎放哉
蜜柑一つうるほふほどに夜の深し 松澤昭 神立
蜜柑一つ吸はせやりしに吾子ねむる 川島彷徨子 榛の木
蜜柑一個をきれいな睾丸と思うよ 椎名弘郎
蜜柑剪る借りし鋏を鳴らし合ひ 百合山羽公 寒雁
蜜柑十貧しき包ほどきけり 尾崎紅葉
蜜柑吸ふ倒るるときの波照りつ 中拓夫
蜜柑吸ふ目の恍惚をともにせり 加藤楸邨
蜜柑売る媼は海を見あきたり 古舘曹人 能登の蛙
蜜柑山かへりみる妻海と在り 香西照雄 素心
蜜柑山その下稀に汽車通る 山口波津女 良人
蜜柑山なだらに蜜柑長者邸 鈴鹿野風呂 浜木綿
蜜柑山の中に村あり海もあり 藤後左右
蜜柑山の雨や蜜柑が顔照らす 西東三鬼
蜜柑山ま白き雲の夜も満つ 加倉井秋を
蜜柑山より下りきたる礼者かな 石田勝彦 秋興
蜜柑山より真白な雲お正月 川崎展宏
蜜柑山人の籬をこゝに見ず 米沢吾亦紅 童顔
蜜柑山墓山同じ傾斜もて 長田等
蜜柑山墜道を出てもはやなし 山口波津女 良人
蜜柑山夕べ大いにかすみけり 佐野まもる 海郷
蜜柑山大昃りの沈金す 西本一都
蜜柑山奥へ奥へと江をいだく 長谷川素逝
蜜柑山母呼ぶ爪先あがりの道 中拓夫 愛鷹
蜜柑山湾抱き湾は島を抱き 追川瑩風
蜜柑山眼のみ頂上まで行けり 山口波津女
蜜柑山警察船の着きにけり 芝不器男
蜜柑山迫る浦戸の桜蝦 刈米美代子
蜜柑山金星の風かすれたり 萩原麦草 麦嵐
蜜柑山飛び立つ鳩の腋の白 中拓夫 愛鷹
蜜柑山飛天放屁もあるやらん 永田耕衣 人生
蜜柑山黄のまんだらに大き寺 大野林火
蜜柑島めぐる潮の瀬激ち合ふ 水原秋櫻子
蜜柑投ぐこのきかん坊如何にせむ 西村和子 夏帽子
蜜柑投ぐゴリラの媚びの哀しくて 稲垣きくの 牡 丹
蜜柑採りつくされし山海が浸す 桜井博道 海上
蜜柑摘み昔は唄をうたひしに 山口波津女
蜜柑摘み終りし夜の長湯かな 檜田 慧星
蜜柑摘むみるみる籠を満たしては 清崎敏郎
蜜柑月夜母船のごとく島泛ぶ 山岸治子
蜜柑木々にみつる島なり着きて仰ぐ 及川貞 榧の實
蜜柑村飯場の昼燈二つどまり 香西照雄 素心
蜜柑浮く旧軍港の潮満ちて 殿村菟絲子
蜜柑熟るゝ山見て父のうす笑ひ 萩原麦草 麦嵐
蜜柑熟る島にて巨き船造る 塩川雄三
蜜柑狩一日渚のゆるるなり 桜井博道
蜜柑狩一雨あとの海蒼し 河野南畦
蜜柑甘し叔父逝きしあとの海鳴りに 萩原麦草 麦嵐
蜜柑畑出て寝釈迦山昏れにけり 萩原麦草 麦嵐
蜜柑盗みに山猿がくる雨がくる 秋元不死男
蜜柑箱ふたつ重ねてめりんすの赤き切しく我が子等の雛 与謝野鉄幹
蜜柑置きよいしょと妻の割り込める 高澤良一 随笑
蜜柑船ならざるはなき島港 飛弾道弘
蜜柑船より提げ出でし銃濡るる 宮武寒々 朱卓
蜜柑荷を出すや汽車積汽船積 鈴鹿野風呂 浜木綿
蜜柑見えぬまで蜜柑山遠ざかる 右城暮石 上下
蜜柑買ふ歳晩の川きらきらと 中拓夫 愛鷹
蜜柑食ふ夜たたかへる猫のこゑ 中拓夫 愛鷹
蜜柑黄なり庵原八十三ケ村 津田桂影
買初の蜜柑小粒に患者たち 石田あき子 見舞籠
足袋干して星が消えさう蜜柑村 中拓夫 愛鷹
路上に蜜柑轢かれて今日をつつがなし 原子公平
農協の秤や蜜柑堰切れず 百合山羽公 寒雁
道々に蜜柑の皮をこぼし行く 高浜虚子
遠山の雪見る市の蜜柑かな 石井露月
遠目にも蜜柑*もがれし山の痩せ 殿村莵絲子
選果機に乗らずめでたき大蜜柑 百合山羽公 寒雁
選果機を落ちて苦界へ蜜柑ゆく 百合山羽公 寒雁
酢がとれて蜜柑も年の名残かな 之道 芭蕉庵小文庫
闇ふかく蜜柑をひとつ探りえつ 加藤楸邨
降り出でゝ人声近し蜜柑山 米沢吾亦紅 童顔
集金鞄貰ひ蜜柑を潰したり 皆川白陀
雑誌の見出しの蜜柑の汁沁み 小澤碧童 碧童句集
雨のやうに素直に蜜柑剥いてをり 櫂未知子 蒙古斑以後
雪国や夜はともしび蜜柑色 不破博
雪解風醋涸れ蜜柑の落ちつゞく 高田蝶衣
雲のへり光つて蜜柑の山々にほつた 北原白秋
霜月や壷に活けたる枝蜜柑 島村元句集
霜除の蜜柑山わが見舞ふのみ 百合山羽公 寒雁
風邪の子に象の真似してミカンとる 椎橋清翠
食べ終へても蜜柑箱と言ふいつまでも 加倉井秋を
餅ぬくき蜜柑つめたき祭りかな 正岡子規
餅蜜柑吹革まつりやつかみ取 下風 芭蕉庵小文庫
餓鬼共の蜜柑ほしがる十夜かな 福田掘栗
香ぐはしき転生一顆蜜柑受く 成田千空 地霊
駅鈴や蜜柑の一顆匂ひ出づ 進藤一考
駅閑に崖の蜜柑のまろび落つ 佐野まもる
高台の学園を前蜜柑熟る 飯田蛇笏 雪峡
鰤と蜜柑夕日どやどや店に入る 小原俊一
鳥渡り去るや蜜柑の山仕事 癖三酔句集 岡本癖三酔
鴨の声蜜柑ひそかに母にやる 永田耕衣 奪鈔
六郎の絵の中の子もみかん剥く  高澤良一  ねずみのこまくら
師走妻剥きかけみかん置いて起つ  高澤良一  宿好
デザートのみかんに灯影殺到す  高澤良一  宿好
朝日影海より根府川蜜柑かな  高澤良一  石鏡
なんだこれ皮のぶかぶか蜜柑なる  高澤良一  石鏡
紀州より蜜柑文左の心づけ  高澤良一  石鏡
飴・蜜柑など物色し船待つ間  高澤良一  石鏡
長谷柑生さんよりみかん贈られて
留守居して残り福めくみかん剥く  高澤良一  暮津

以上
by 575fudemakase | 2014-12-08 00:23 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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