マスク

マスク

例句を挙げる。

あらたまの春のマスクや楽屋入 久保田万太郎 流寓抄
お身拭ひいやに大きなマスクして 高澤良一 宿好 
かがまりてやさしきまなこ寄せくるにマスクをせよと言へばせつなし 竹山広
さゝやけば目がうれしがるマスクかな 倉田春名
つき添ひの母の特大マスクかな 指澤紀子
ふと心通へる時のマスクの瞳 神田敏子
ぼろ市に買ふ気のマスク外しけり 白岩 三郎
よく喋る女マスクで蓋をせん 高澤良一 鳩信 
わが憤怒あはれマスクに曇らひぬ 岸風三楼 往来
ピカソ展マスクの僧とすれ違ふ 藤井寿江子
ポケットに切符とマスク連れ居らず 小出秋光
マスクかけサングラスかけ春の耳 辻桃子 童子
マスクかけ仄かに彼の眉目かな 高浜虚子
マスクかけ暫く都鳥を見る 深川正一郎
マスクかけ目で挨拶をすることも 桔梗きちかう
マスクしておのづからなる女の目 高澤良一 燕音 
マスクしてけふの遠嶺の雪に会ふ 五十崎古郷句集
マスクしてしろぎぬの喪の夫人かな 飯田蛇笏 春蘭
マスクしてそれはわざをぎ春の風 高濱年尾 年尾句集
マスクしてとみかうみして畦づたひ 下村槐太 天涯
マスクしてふところ手して何おもふ 久保田万太郎 草の丈
マスクしてものを一直線に見る 山田弘子 螢川
マスクしてものを言ふ口ありにけり 行方克巳
マスクしてゐても猫にはわかるらし 北川沙羅詩
マスクしてをる人の眼を読みにけり 上野泰 春潮
マスクしてをれど言ひたきことを言ふ 吉年虹二
マスクしてマスクしている人にあう 細井啓司
マスクしてマスクの人に目敏しよ 宮坂やよい
マスクして下着売場を横断す 木本徹男
マスクして世に容れらるる言吐かず 橋本榮治 麦生
マスクして人と齢をあらそはず 長谷川双魚 『ひとつとや』
マスクして人に逢ひ度くなき日かな 稲畑汀子
マスクして人の怒りのおもしろき 上野さち子
マスクして人の背なかが前にある 加倉井秋を 『真名井』
マスクして北風を目にうけてゆく 篠原梵 雨
マスクして吾をゆるさぬ眼のやさし 行方克巳
マスクして女のうしろ隙間なし 萩原麦草 麦嵐
マスクして妻に子がなし我にもなし 右城暮石 声と声
マスクして寝るほど寒き恐はき夜 池内友次郎
マスクして寸鉄含みをりしかな 行方克巳
マスクして少年切に漫画読む 石塚友二 光塵
マスクして彼の眼いつも笑へる眼 京極杞陽 くくたち上巻
マスクして心隠せしごとくなる 北垣翠畝
マスクして我と汝でありしかな 高浜虚子
マスクして我を見る目の遠くより 高浜虚子
マスクして振り返るには来過ぎたる 岡本眸
マスクして断りの語尾濁しけり 川村紫陽
マスクして月の光の屍室 大木あまり 火球
マスクして検事己の貌となる 坂本木耳
マスクして疾うに観念してゐる目 高澤良一 燕音 
マスクして砕氷船のごと進む 林翔 和紙
マスクして自負強き眉残しけり 岡田 貞峰
マスクして藪騒ぐ聴ゆ囲炉裡ばた 萩原麦草 麦嵐
マスクして蛙めき来ることはおもしろ 高澤良一 燕音 
マスクして見舞の客は吉右衛門 楠目橙黄子 橙圃
マスクして赤い車の郵便車 平野 山石
マスクして重たき息となりにけり 那須 淳男
マスクして隠さふべしや身の疲れ 林翔 和紙
マスクして鶴の白さにとなりけり 所山花
マスクするたび耳朶は生え変る 宇多喜代子 象
マスクせる兵の感涙きらびやか 飯田蛇笏 春蘭
マスクとりその人のその声となる 板場武郎
マスクとり唇あでに生れけり 吉屋信子
マスクとる熔接工の眼が枯色 穴井太
マスクなき不安の盾の車中の書 金子 潮
マスクの人水口に幣立ててゆく 藤田あけ烏 赤松
マスクの白さ同僚とは相憎むもの 榎本冬一郎 眼光
マスクの目いちいち頷きをりにけり 高澤良一 素抱 
マスクの瞳三年越しに逢ひにけり 野村喜舟
マスクもるゝ心の吐息きかむすべ 久保田万太郎 流寓抄
マスク新し身に匂ふものこれのみに 能村登四郎
マスク白くいくさに夫をとられきぬ 加藤楸邨
マスク白しまけず嫌ひの意地ツぱり 久保田万太郎 流寓抄以後
下校時のマスクをしてる少女かな 本庄志帆
五七忌の大きマスクの及川貞 岸田稚魚 筍流し
会場にマスクの市松模様かな 高澤良一 素抱 
修道女大きマスクに瞳澄む 山口 季玉
修道尼澄める瞳もてるマスクかな 森田峠
凍る夜の袋マスクの馬の貌 有働亨 汐路
初詣マスク清らにかけにけり 吉屋信子
千鳥見に彼もマスクをして来り 高濱年尾 年尾句集
原爆忌農薬マスク息苦し 松倉ゆずる
受験子にすすめしマスク捨ててあり 塩谷はつ枝
口紅のなじみしマスクかくるかな 久保田万太郎 流寓抄
句座の衆マスクご免の「こんにちは」 小出秋光
咳こぼすマスクの中の貌小さし 吉田鴻司
嘘云はぬためマスクとり物を言ふ 村上冬燕
図書館の薄暮マスクの顔険し 加藤楸邨
埠頭で海に触れる町の子マスク小さく 宮津昭彦
夜のマスク汽車過ぎし香の鐵路踰ゆ 中島斌男
大きなマスク息温かに人の喪ヘ 田川飛旅子 花文字
大マスクかけて籠りてゐるごとし 井村 経郷
大マスクとつて白子の味見せり 高澤良一 ねずみのこまくら 
失業をしてゐるマスクかけにけり 銀漢 吉岡禅寺洞
小樽にて大きなマスク買いにけり 山崎 聰
度外れの遅参のマスクはづしけり 久保田万太郎(1889-1963)
座の一人少し風邪気味マスクして 高濱年尾 年尾句集
待つ人のあるべきマスク深くせる 岸風三楼 往来
怒りゐることがありありマスクの目 遠山みよ志
怖れけりマスク・メロンの甘さだに 林原耒井 蜩
息づきのよごれマスクに騏のごとし 篠原梵 雨
新しきガーゼのマスク老婦人 京極杞陽 くくたち下巻
早咲きの梅にマスクを掛けぬ日々 赤尾兜子
朝戸出のマスク純白なるはよし 岸風三楼 往来
没る日黄に防毒マスク脱ぎて嗤ふ 岸風三楼 往来
浮かぬ顔悟られまひぞマスクして 大宮良夫
涅槃図を仰げりマスクかけしまま 長谷川かな女 花 季
皇宮衛士けふマスクして立ちにけり 細川加賀 生身魂
目交してマスク同士の逢瀬かな 鳥居おさむ
看護婦のマスク布団を干す時も 青葉三角草
真夜中の大きなマスクの中のかもめ 攝津幸彦
眼の笑ふマスクの人を考へる 青葉三角草
眼はうごき眉はしづかにマスクの上 山口誓子
硅肺法のマスク冬にも汗の顔 及川貞 夕焼
福耳を引つぱってゐるマスクかな 下村非文
笑つてゐて何か言ひたいマスクの瞳 古市絵未
純白のマスクぞ深く受験行 岸風三楼 往来
純白のマスクを楯として会へり 野見山ひふみ
美しき人美しくマスクとる 京極杞陽 くくたち下巻
美しき顔にふたたびマスクかな 玉木 こうじ
老侯のマスクをかけて薔薇に立つ 高浜虚子
肝心な事言ふマスクはづしけり 石垣 弘子
肝心な話はマスクとってせむ 高澤良一 素抱 
艀よりマスク大きく登校す 竹下流彩
花冷えのマスクをかけて眉の濃き 久保田万太郎 草の丈
見舞妻喰べよと一語マスクしつ 岸風三樓
言問橋マスクはづしてわたりけり 藤岡筑邨
誰もマスク屍見し日は言葉やさし 岩田昌寿 地の塩
豊年のけぶりの中にマスクして 岸本尚毅 舜
路に出てマスクの中の息熱き 原田種茅 径
逢ふときは目をそらさずにマスクとる 仙田洋子 橋のあなたに
遊ぶ子のときをりマスク掛け直す 加藤宵村
遠くよりマスクを外す笑みはれやか 富安風生
避妊具を買ふマスクより已が聲 石川桂郎
酸素マスク掛けチチカカの船遊び 品川鈴子
鉄のごとき顎の傷痕マスクはづす 加藤楸邨
防毒マスク路次駆け冬日呆けたり 岸風三楼 往来
陳情の二列目に居る大マスク 川村紫陽
頤にマスクをずらし饒舌に 岩田公次
頬骨にマスクのあとや夜の客 原石鼎
顎マスクしてぼろ市の骨董屋 福神規子
麻酔マスクの奥綿菓子の様な眠り 渋谷道
マスクして歩行の何處かしゃちこばる  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-12-19 00:35 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

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単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

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