熱燗

熱燗

例句を挙げる。

つまづきし話のあとを熱燗に 松尾緑富
一升瓶ごと熱燗に村歌舞伎 相蘇としお
二本目の熱燗持ちてさあさあと 高澤良一 さざなみやっこ 
何も言ふなまづ熱燗をぐいと飲め 工藤克巳
俳諧と孫と将棋と熱燗と 里見宜愁
其の段になると熱燗ほすばかり 高澤良一 ぱらりとせ 
千悔万悔憎き酒を熱燗に 川崎展宏 冬
夫に熱燗ありわれに何ありや 下村梅子
山茶花に此の熱燗の恥かしき 泉鏡花
放流了へ熱燗を酌む漢たち 石川文子
氷鮒熱燗飲むが命なり 宗也 選集「板東太郎」
熱燗うまい父は学費にこれを削りき 宇都宮和良
熱燗がしみる毀れてゆくものに 蔦悦子
熱燗が来て縒りもどす主義主張 亀山幽石
熱燗し妻をしまひの湯にゆかす 木津 柳芽
熱燗し獄を罵しる口ひらく 秋元不死男
熱燗といえども私の涙以下 安田 笙
熱燗にいまは淋しきことのなし 橋本鶏二
熱燗にうそもかくしもなしといふ 久保田万太郎 草の丈
熱燗にして鹿笛を聞くばかり 飴山實 辛酉小雪
熱燗につきあひ来世など知らず 吉野トシ子
熱燗にてやんでぇばかやろめが 高澤良一 ぱらりとせ 
熱燗に今宵さびしき顔ならず 鈴木真砂女 夕螢
熱燗に侍りし妻の二十年 瀧澤伊代次
熱燗に好色者ひとりありにけり 岡本松浜 白菊
熱燗に少しは毒のあるさかな 佐野まもる
熱燗に少し気弱になりし父 吉田きよ子
熱燗に応へて鳴くや腹の虫 日野草城
熱燗に成人の子の黙しゐる 菊地美恵子
熱燗に林火一辺倒の人 高澤良一 さざなみやっこ 
熱燗に泣きをる上戸ほつておけ 高浜虚子(1874-1959)
熱燗に濡れて疑雨集又わぬし 加藤郁乎 江戸桜
熱燗に焼きたる舌を出しにけり 高浜虚子
熱燗に胸しびれさす生くる限り 小川星火
熱燗に胸広きかな赫きかな 久米正雄 返り花
熱燗に舌を焼きつつ談笑す 高浜虚子
熱燗に酔うていよいよ小心な 高野素十
熱燗に酔うて全く何をいふ 高澤良一 さざなみやっこ 
熱燗に限る限ると注ぎ合ふも 高澤良一 ももすずめ 
熱燗に饒舌続く旅の宿 天野美代子
熱燗のあとのさびしさありにけり 倉田 紘文
熱燗のいつ身につきし手酌かな 久保田万太郎 流寓抄以後
熱燗のさつま無双を飲みつぎて激しかりにし年を逝かしむ 長澤一作
熱燗のさはられぬほど父懐かし 辻田克巳
熱燗のまづ一杯をこゝろめる 久保田万太郎 流寓抄
熱燗の一杯だけは妻のもの 湯田芳洋
熱燗の今一本を所望かな 麻田椎花
熱燗の余勢をかつて人物評 高澤良一 さざなみやっこ 
熱燗の夫にも捨てし夢あらむ 西村和子(1948-)
熱燗の女にしても見まほしき 高浜虚子
熱燗の情も若干解し得し 矢津 羨魚
熱燗の所為にして事なかりけり 岩瀬良子
熱燗の故の涙と晦ましぬ 深見けん二 日月
熱燗の湯気が煙のごときかな 岩田由美
熱燗の酔のさむれば意気地なく 井上哲王
熱燗の閉店ちかき置かれやう 大牧広
熱燗ひつかけたら墓地が近道よ 松本火出男
熱燗もここまでといふ自覚あり 高澤良一 随笑 
熱燗もほど~にしてさて飯と 高浜年尾
熱燗やいつも無口の一人客 鈴木真砂女 夕螢
熱燗やかゞめたる背にすがる老ィ 久保田万太郎 流寓抄以後
熱燗やきん稲にこの宵のほど 道芝 久保田万太郎
熱燗やきん稲のこの宵のほど 久保田万太郎 草の丈
熱燗やこの人優しく頼りなく 川合憲子
熱燗やとたんに詠めしわかれの句 久保田万太郎 流寓抄以後
熱燗やともに貧しきゆゑ親し 成瀬桜桃子 風色
熱燗やはやくも酔ひしあとねだり 久保田万太郎 流寓抄以後
熱燗やひたすらといふ言葉あり 射場 秀太郎
熱燗やふすまあくたびあぐる顔 久保田万太郎 流寓抄以後
熱燗やふるさと遠き人と酌み 西沢破風
熱燗やまだ素顔なる泣きぼくろ 澤田 緑生
熱燗やまなこのなかにそよぐ草 中田剛 珠樹
熱燗やわれに流離のうたもなし 行方克巳
熱燗やガラス戸重き岬茶屋 添野光子
熱燗や人がよすぎてたよりなく 河原白朝
熱燗や人が波郷を言へば泣き 林翔
熱燗や人にもありし隠し味 大井戸辿
熱燗や会ふだけで足る兄弟 大見川久代
熱燗や余生躓くばかりなる 石原八束 『風霜記』
熱燗や口先で妻褒めあげて 谷口稠子
熱燗や吐きし一語は神涜す 成瀬櫻桃子 風色
熱燗や四十路祝はず祝はれず 根岸善雄
熱燗や夜は音ひそむ石屋町 渡邊牢晴
熱燗や夫にまだあるこころざし 長谷川 翠
熱燗や女なかなか負けてゐず 下村梅子
熱燗や女も酔うてみたきとき 上枝美代子
熱燗や左手はまだふところに 森澄雄
熱燗や弱気の虫のまだ酔はず 松本幹雄
熱燗や彼にはたして闘志ありや 下村梅子
熱燗や心おきなき友あらば 高濱年尾 年尾句集
熱燗や心の内を赤絵皿 星野紗一
熱燗や忘れるはずの社歌ぽろり 朝日彩湖
熱燗や性相反し相許し 景山筍吉
熱燗や恋に不慣れでありしころ 行方克巳
熱燗や恐妻家とは愉快なり 高田風人子
熱燗や手酌いかしき一二杯 久保田万太郎 流寓抄
熱燗や捨てるに惜しき蟹の甲 龍岡晋
熱燗や放蕩ならず忠実ならず 三村純也
熱燗や海が言はせし母のこと 北澤瑞史
熱燗や灰ならしゐる吉野人 桂 信子
熱燗や炉辺の岩魚も焼加減 樋笠文
熱燗や爾汝の交はり五十年 小川斉東語
熱燗や状書きさしてとりあへず 道芝 久保田万太郎
熱燗や狐日和を誰となく 中田剛 珠樹以後
熱燗や生涯さかな売るあぐら 尾村馬人
熱燗や男同士の労はりあふ 滝春一
熱燗や禁酒守りて久しかり 禰畑汀子
熱燗や笑はせゆきし年始客 河野静雲
熱燗や羽交ひの鴨をみし夜は 長谷川櫂 虚空
熱燗や耳にとびつく指の先 近衛節子
熱燗や耳遠ければ笑ふのみ 槫沼清子
熱燗や草叢に霧しづむまま 中田剛 珠樹以後
熱燗や虚々実々の話とび 下村非文
熱燗や街ぐんぐんと暮れてゐし 高田風人子
熱燗や討入り下りた者同士 川崎展宏(1927-)
熱燗や酔へばすなはち支那のこと 遠藤梧逸
熱燗や雨の匂ひを言ひながら 石田郷子
熱燗や食ひちぎりたる章魚の足 鈴木真砂女
熱燗や鶴を見にゆく話など 樋笠文
熱燗をすすむるときの汝が声音 高澤良一 ぱらりとせ 
熱燗をすゝめきゝたきことのあり 一田牛畝
熱燗をつまみあげ来し女かな 中村汀女
熱燗を一気に呷り口火切る 高澤良一 ももすずめ 
熱燗を二十分間つきあふと 京極杞陽
熱燗を十年ぶりの帰朝子と 鈴木洋々子
熱燗を嗜み臘虎の襟を立て 久米正雄 返り花
熱燗を夫の催促咳一つ 杉田英子
熱燗を異国に酌みてルビー婚 河本好恵
熱燗を置くや指先耳に当て 吉屋信子
熱燗を舐めて乾杯だけ加はる 猿橋統流子
熱燗党麦酒党相半ばして 高澤良一 さざなみやっこ 
父亡くて熱燗てふ語久しかり 勝俣喜代女
竹筒を焦し熱燗山祭 羽部洞然
燗酒にさようさようと応ず人 高澤良一 鳩信 
燗酒のたちまち酔ひし旅衣 石塚友二 光塵
燗酒や屋島あたりがしぐれをり 里見善三郎
燗酒や言つてしまへばこともなし 橋本真砂子
燗酒酌む妻の知らざる綽名もて 平井さち子 紅き栞
間髪を容れず燗酒がんもどき 深川正一郎
従つて云ひたきは何燗熱し  高澤良一  さざなみやつこ
燗熱し日和見主義をとっちめむ  高澤良一  ぱらりとせ
すこたんのへったくれのと燗熱し  高澤良一  ぱらりとせ
燗熱し当節流行らぬこと云ふな  高澤良一  随笑
怖れ入る君の一言燗熱し  高澤良一  随笑
燗熱し泣かされましたよあんたには  高澤良一  寒暑
熱燗や出逢へるひとを大切に  高澤良一  石鏡
熱燗やこの徳利と幾星霜  高澤良一  石鏡
燗熱し弁明する気さらさら無し  高澤良一  石鏡

以上
by 575fudemakase | 2014-12-21 00:04 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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