初雪

初雪

例句を挙げる。

あたふたと降る初雪を蔑(ないがし)ろ 山田みづえ 草譜以後
いさざ舟比良の初雪孕み来し 松瀬青々
うしろより初雪降れり夜の町 普羅
ちらちらと初雪ふりぬ波の上 正岡子規
はつ雪が降とや腹の虫が鳴 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
はつ雪に一の宝の尿瓶かな 一茶 ■文政五年壬午(六十歳)
はつ雪に白湯すゝりても我家哉 一茶 ■文化元年甲子(四十二歳)
はつ雪のひつゝき安い皺手哉 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
はつ雪の降出す此や昼時分 傘 下
はつ雪の風にはづれてひらひらと 嵐竹 芭蕉庵小文庫
はつ雪は朝寝に雫見せにけり 千代尼
はつ雪やおしかけ客の夜番小屋 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)
はつ雪やそれは世にある人の事 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
はつ雪やといへば直に三四尺 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
はつ雪やとても作らば立砂(りふさ)仏 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
はつ雪やふりふり帰る牛車 三貫
はつ雪やほむる詞もきのふけふ 千代尼
はつ雪やカサイ烏がう〔か〕れ鳴 一茶 ■文化二年乙丑(四十三歳)
はつ雪や人の機嫌は朝のうち 桃隣 選集古今句集
はつ雪や人まつ市の松篝り 之道 俳諧撰集「有磯海」
はつ雪や今捨る迚集め銭 一茶 ■文政七年甲甲(六十二歳)
はつ雪や今行く里の見へて降 一茶 ■年次不詳
はつ雪や俵のうへの小行灯 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
はつ雪や内に居さうな人は誰 榎本其角
はつ雪や医師に酒出す奥座敷 炭 太祇 太祇句選後篇
はつ雪や去年も山で焼豆腐 膳所-霊椿 俳諧撰集「有磯海」
はつ雪や吉原駕のちうをとぶ 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
はつ雪や奥の洞屋の雪なだれ 李由 俳諧撰集「有磯海」
はつ雪や家の工に酒汲まむ 大江丸
はつ雪や息〔を〕殺して相借家 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
はつ雪や掛けかかりたる橋の上 ばせを 芭蕉庵小文庫
はつ雪や昼降ものとおもはせて 乙二
はつ雪や松にはなくて菊の葉に 立花北枝
はつ雪や波のとゞかぬ岩のうへ 淡々
はつ雪や消ゆればぞ又草の露 蕪村
はつ雪や濁り川なる杭頭 松藤夏山 夏山句集
はつ雪や獄屋見舞ひの重の内 銭し 十 月 月別句集「韻塞」
はつ雪や琲さまざまの煙出し 浪化
はつ雪や町に居あはす桑門 炭 太祇 太祇句選後篇
はつ雪や石に敷たるさんだはら 巣兆
はつ雪や酒の意趣ある人の妹 炭 太祇 太祇句選
はつ雪や金柑折れて樽のうへ 中村史邦
はつ雪や降おそろしう水の上 千代尼
はつ雪や風生帖を繙けり 久保田万太郎 流寓抄以後
はつ雪や駕をかく人駕の人 一茶
はつ雪をいま~しいと夕哉 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
はつ雪を見よや奴が尻の先 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
はつ雪を誰が見に行きし馬の糞 中村史邦
一鳥啼かず富士初雪のきびしさに 京極杜藻
不二初雪蚕を終へし窓開かれて 金子潮
人の死はいつも初雪に間に合わぬ 宇多喜代子
今ふるぞ初雪ゆきは降ながら 立花北枝
今朝は初雪あゝ誰もゐないのだ 太宰治
入院の夜を初雪のふりつゝむ 今村青魚
八つ岳の襞の初雪峯をわかつ 和田暖泡
初釜の初雪となり戻りけり 伊東余志子
初雪が青き草原の奥かくす 有働亨 汐路
初雪といふに荒みて雷まじり 園田夢蒼花
初雪に*このしろ灸る夕餉かな 野村喜舟
初雪にかつと照りつゝ桃落花 長谷川かな女 雨 月
初雪にころびぬまさに家の前 岸田稚魚 『紅葉山』
初雪にやがて手引かん佐太の宮 水田正秀
初雪に人寒からぬ御宴かな 黒柳召波 春泥句集
初雪に兎の皮の髭作れ 雪の中に兎の皮の髭作れ 松尾芭蕉
初雪に授業中断してをりし 岡田順子
初雪に日のゆきわたる雑木山 行方寅次郎
初雪に白き牛乳瓶置かる 齋藤愼爾
初雪に逢ひたき人の訪れし 高浜年尾
初雪に馴鹿の乳をしぼりけり 飯田蛇笏 春蘭
初雪に鷹部屋のぞく朝朗(あさぼらけ) 史邦
初雪のあと海鳴りの続く町 吉村ひさ志
初雪のありたる日よりおだやかに 秋山ひろし
初雪のかりそめならず杉に舞ひ 関圭草
初雪のしるしのさほや草の茎 几菫 五車反古
初雪のそれがこんなに降ろうとは 高澤良一 随笑 
初雪のたちまち松につもりけり 草城
初雪のどか雪となりあたたかし 朔多恭
初雪のひかりに馬柵はまぎれつゝ 石橋辰之助 山暦
初雪のふは~かゝる小鬢哉 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
初雪のまだらに降りし嵐山 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
初雪の一尺余り湖の村 野呂 ふさ江
初雪の二十六萬色を知る 田中裕明 櫻姫譚
初雪の便り六甲より摩耶へ 稲畑廣太郎
初雪の便り卒寿の母の筆 杉本寛
初雪の初冠雪の富士といふ 紙田 幻草
初雪の厚く残りし大藁屋 上野泰 佐介
初雪の報ありし日の猫を抱く 押川亜紀
初雪の大雪になるぞ口をしき 正岡子規
初雪の季節の便りちらほらと 脇本柾木
初雪の富士に炭つぐ老大父 長谷川かな女 雨 月
初雪の富士に白馬の吹かれ居ぬ 長谷川かな女 雨 月
初雪の富士よりまろき雲浮ぶ 長谷川かな女 雨 月
初雪の富士を心のよりどころ 山本歩禅
初雪の富士を車窓に眺めつゝ 川田 蛎雪
初雪の富士仰ぎつつ出勤す 藤田尚平
初雪の山々滝を見おろせり 佐野青陽人 天の川
初雪の市にうらばや雉子兎 水田正秀
初雪の底を叩ば竹の月 蕪村 冬之部 ■ 晋子三十三囘
初雪の御所めづらしく通りけり 比叡 野村泊月
初雪の恵那のおもての囮かな 爽雨
初雪の日の雪隠に香焚けり 古舘曹人 砂の音
初雪の消ゆるものとし美しき 嶋田一歩
初雪の深雪となるやユダ市場 有働亨 汐路
初雪の瓦屋よりも藁屋哉 正岡子規
初雪の畳ざはりやしゆろ箒 智月 俳諧撰集玉藻集
初雪の穂高に落つる日のひかり 石橋辰之助 山暦
初雪の美事に降れりおもとの実 鬼城
初雪の肩で雫となりにけり 丸谷恵子
初雪の見事に降れり萬年青の実 村上鬼城
初雪の跡さかりなる枇杷のはな 松岡青蘿
初雪の軒に切干匂ひけり 永井龍男
初雪の道猟人の影みたり 川島彷徨子 榛の木
初雪の遠嶺へ高き操車音 鳥居おさむ
初雪の降つて一変する暮し 辻井のぶ
初雪の雌阿寒岳は噴きて恋ふ 野見山ひふみ
初雪の雑木につもる小山かな 把栗
初雪の青み勝なり麦の畝 孤屋
初雪の静かに白き磴のぼる 田中 南耕
初雪の馬柵の戸開くる音きこゆ 石橋辰之助 山暦
初雪の鷹部屋のぞく朝朗 史邦
初雪は生まれなかつた子のにおい 対馬康子
初雪は隠岐に残れる悲歌に降る 野見山朱鳥
初雪は馬の瞳に降るがよし 栗林千津
初雪へ出て行く逢ひにゆくごとく 満田春日
初雪へ園丁鶴を先づ放つ 金田きみ子
初雪もうしなひながら落ちにける 櫂未知子 蒙古斑
初雪も降りぬに猫の恋心 中村史邦
初雪も飛石ほどの高さかな 斜嶺 俳諧撰集「有磯海」
初雪や「水巴文集」富士より来る 渡辺恭子
初雪やいつ大仏の柱立 松尾芭蕉
初雪やかくれおほせぬ馬の糞 正岡子規
初雪やかけかかりたる橋の上 芭蕉
初雪やきのふは拾ふしゐの菓子 野坡
初雪やころ~けぶるたばこ殻 一茶 ■文政八年乙酉(六十三歳)
初雪やならぶ伊丹のかはら葺 朱廸 十 月 月別句集「韻塞」
初雪やひじり小僧の笈の色 ばせを 芭蕉庵小文庫
初雪やぴりぴり響く天の膜 野村喜舟
初雪やキミ明日クル明日クル 如月真菜
初雪や一面に降る勢田の橋 李由 十 月 月別句集「韻塞」
初雪や乳売通る窓の下 寺田寅彦
初雪や京饌寮に朝の客 比叡 野村泊月
初雪や亭主ぶりする浦鵆 水田正秀
初雪や今年のびたる桐の木に 野水
初雪や仏と少し昼の酒 星野椿
初雪や俥とめある金閣寺 野村泊月
初雪や先づ馬屋から消えそむる 許六
初雪や冬に眠りしものの上 角川春樹
初雪や出窓の壜の慈姑の芽 野村喜舟
初雪や勝負もつかず比えあたご 水田正秀
初雪や古郷見ゆる壁の穴 小林一茶 (1763-1827)
初雪や唯は通さじ関燐り 浜田酒堂
初雪や四五里へだてゝひらの嶽 向井去来
初雪や土の混りし雪だるま 榎本栄子
初雪や塩売こけてなめて見る 来山
初雪や外出の刻せまりつつ 星野立子
初雪や夜すがら軒のなりひさご 立花北枝
初雪や奥羽山脈深々と 吉田狂草
初雪や妓に借りし絵入傘 日野草城
初雪や嬰の産着の白づくめ 栗山妙子
初雪や実は降のこす薮柑子 松岡青蘿
初雪や家族の数の藁帽子 大図四星
初雪や小坂に早くすべりみち 伊賀-配力 俳諧撰集「有磯海」
初雪や川ひとすぢの国境 大和美人
初雪や市にほのめく鮫の骨 会津八一
初雪や干柿を編む瞽女三たり 西本一都 景色
初雪や幸ひ庵にまかりある 芭蕉
初雪や懸けかかりたる橋の上 松尾芭蕉
初雪や旅へ遣たる従者が跡 炭 太祇 太祇句選
初雪や既に薄暮の嵐より 黒柳召波 春泥句集
初雪や末の玄猪の荒れついで 斗文
初雪や松にはなくて菊の葉に 北枝
初雪や柴に咲かせて山桜 上島鬼貫
初雪や柿に粉のふく伊吹山 許六
初雪や根の付きさうな竹の間(あひ) 千代尼
初雪や水へも分けず橋の上 千代尼
初雪や水仙の葉のたわむまで 芭蕉
初雪や江戸の人足(ひとあし)跡の沙汰 幽山 選集「板東太郎」
初雪や波のとどかぬ岩の上 淡々
初雪や消ればぞ又草の露 蕪村 冬之部 ■ 晋子三十三囘
初雪や淡島様へまろき橋 毛塚静枝
初雪や献上鷹の馬蒲団 臥高 俳諧撰集「藤の実」
初雪や田中の杭の一つづつ 柳居
初雪や真葛の枯葉降りつたふ 青蘿
初雪や石の寡黙は永久のまま 上村占魚 『玄妙』
初雪や笠に付けたる緋(べに)のきれ 服部嵐雪
初雪や紫手綱朱の鞍 井上井月
初雪や網代の小屋の高鼾 ぶん村 十 月 月別句集「韻塞」
初雪や羅紗の羽織にのしめ鞘 向井去来
初雪や聖小僧が笈の色 松尾芭蕉
初雪や膵臟のかげうすむらさき 塚本邦雄 甘露
初雪や花の遅れし茶の木原 吉武月二郎句集
初雪や袴重ねし乱れ箱 増田龍雨 龍雨句集
初雪や裾へとゞかぬ白丁花 服部嵐雪
初雪や見るうちに茶の花は花 千代尼
初雪や誰ぞ来よかしの素湯土瓶 一茶 ■享和三年癸亥(四十一歳)
初雪や車庫に今朝ゐる雀たち 金箱戈止夫
初雪や道が悪いとぬかし居る 龍眠
初雪や酒の意趣ある人の妹(いも) 炭太 (たんたいぎ)(1709-1771)
初雪や門に橋ある夕間ぐれ 其角
初雪や雀の扶持の小土器 榎本其角
初雪や鴉の色の狂ふほど 千代尼
初雪や鶏の出て来て田に遊ぶ 井月の句集 井上井月
初雪や麦の葉先きを仕舞ひかね 千代尼
初雪をどろにこねたる都かな 水田正秀
初雪をふるへばみのの雫かな 正岡子規
初雪を幼心に見てゐたる 家垣青泉
初雪を惜しまではたく頭巾かな 毛* 十 月 月別句集「韻塞」
初雪を知らずにいもを量りをる 阿部みどり女
初雪を見てから顔を洗ひけり 越人
初雪舞ひ地上の妻に理智給ふ 藤後左右
前山に初雪ありぬ眩しみぬ 高澤良一 燕音 
動きてはならぬものすこしうごきたり天山山脈初雪を受く 川野里子
博多人形の函を機上に富士初雪 田川飛旅子
向ひ嶺に初雪を見ぬ椎茸榾 高澤良一 燕音 
声の松初雪遅しシテ柱 濯心子 選集「板東太郎」
夢の端に女が坐り初雪す 板垣鋭太郎
妙高の初雪を背に背負籠負ふ 久米正雄 返り花
妻縁を走り障子開け初雪見せにけり 原石鼎 花影以後
富士初雪日向はどこも鉄くさし 加藤楸邨
寐る門を初雪ぢやとて叩きけり 夏目漱石 明治二十九年
寝るまでに初雪積り飛騨の山 藤田湘子
山々は初雪勤労感謝の日 藤田あけ烏 赤松
山の初雪蚕屋の二階は閉したる 久米正雄 返り花
山人のよき顔に初雪来 宇多喜代子 象
山初雪やどりぎの毬白くしぬ 山口青邨
山初雪鍬の柄熱き日の盛り 永井龍男
山門の仁王が遠くを見る初雪 蓬田紀枝子
岩木初雪聞く夜寒帰心あわたゞし 安斎櫻[カイ]子
師走六日初雪消えて髭のびて 林原耒井 蜩
帰りには初雪の富士車窓にす 森口住子
建前の木やりが呼びし初雪か 永井東門居
月山の初雪狐追い出だす 長谷川かな女 花 季
枯菊に初雪すこしふりにけり 桑村竹子
比良初雪碁盤を窓に重ねる店 竹中 宏
浮み出て初雪の不二歪みなし 菅裸馬
海の上に初雪白し大鳥居 正岡子規
湯戻りの袖に初雪かゝりけり 日野草城
滝に咲きすでに初雪みし薊 神尾久美子 掌
田頭として初雪を被りたる 宇多喜代子 象
直ぐ消えし富士の初雪空の紺 森田游水
立山に初雪降れり稲を刈る 普羅
英霊に日ざし初雪あとを止めず 渡邊水巴 富士
蓼科の初雪見入る父なりき 久米正雄 返り花
見足らぬを初雪とこそ申すなれ 雅因
誰かある初雪の深さ見て参れ 正岡子規
貨車の屋根の煤雪の上に初雪す 原田種茅
赤城嶺に初雪計らざりにけり 石塚友二 方寸虚実
遊ぶやうなる初雪の降り始め 加藤瑠璃子
遠富士の初雪父母の墓洗ふ 依田由基人
都庁舎へ富士の初雪見にのぼる 幸喜美恵子
長期戦富士は初雪はや白し 渡邊水巴 富士
雄山に初雪を見る日か鳥の行く空(立山町) 荻原井泉水
雪といひ初雪といひ直しけり 藤崎久を
雲捲けど嶺の初雪まぎれなし 相馬遷子 山国
風痩せの木々に初雪来し那須野 西本一都 景色
飯喰ふや今朝初雪のうつすりと 小澤碧童 碧童句集
餅焦げる匂ヒたま~はつ雪す 久保田万太郎 流寓抄以後
鳩ゆるく舞ひて初雪降りいでぬ 石田あき子 見舞籠
にぎりしむ茂吉の国の新雪を 坂井たづ子
まるめろにはや新雪の槍穂高 加藤楸邨
会釈したき新雪の富士麦を蒔く 粟飯原孝臣
富士新雪托鉢僧の列ゆけり 塩川秀子
富士新雪落葉松の金厚くなる 青木よしを
影先だて新雪の上笑みて来る 桜井博道 海上
御嶽の新雪に天くらみたり 三嶋隆英
新雪が天深く嶺ひきあぐる 中島斌男
新雪が消すわが跫音わが思ひ 古賀まり子 緑の野以後
新雪すでに山を覆へり発哺に灯 及川貞 夕焼
新雪にひたひた及ぶ午後のいろ 櫂未知子 蒙古斑以後
新雪にやもめ炊爨ラヂオ鳴る 飯田蛇笏 春蘭
新雪にわが影法師まだ老いず 古賀まり子
新雪に一歩また一歩あゆみ出づ 相馬遷子 山河
新雪に何か声澄むさるをがせ 飯田龍太
新雪に出て橇犬のふる尾かな 飯田蛇笏 春蘭
新雪に唇濡らす四十才 石橋辰之助
新雪に白鳥百の擬態あり 河野多希女 こころの鷹
新雪に目覚めこの生の声を出す 加倉井秋を 『風祝』
新雪に足跡残すは咎のごと 古賀まり子 緑の野以後
新雪に足跡残る不幸かな 森田智子
新雪に踏み入りおのれ影小さし 石橋辰之助 山暦
新雪に頬白の影聚り来 内藤吐天 鳴海抄
新雪に魚影のごとく映りゆく 今井 聖
新雪のきしむはひとのたなごころ 横山白虹
新雪のとびとび親子句碑の間 野中亮介
新雪のまぶしさに息つまりたる 和田耕三郎
新雪の一里一尺塩の道 加倉井秋を 『隠愛』
新雪の千の白糸浅間嶺に 堀口星眠 営巣期
新雪の富士や忙しき里車 石塚友二 光塵
新雪の山へあしたの喪服垂れ 葛西杏維子
新雪の山見えて居り毛糸編む 田中冬二 行人
新雪の山遠し沼ところどころ 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
新雪の嶺さゝげ起つ牛の角 中島斌男
新雪の嶺に三日月のみを許す 加倉井秋を
新雪の嶽を眩しむ無一物 鈴木正代
新雪の浅間燃えたり人丸忌 相馬遷子 山国
新雪の消えてしばらく山日和 福田蓼汀 秋風挽歌
新雪の白馬も見ゆれ夕月夜 金尾梅の門 古志の歌
新雪の蔵王炎々たるを見き 石塚友二
新雪の蔵王瑠璃光浴びて聳つ 小倉英男
新雪の那須岳見ゆる窯場訪ふ 伊東宏晃
新雪は言葉なきまま指を過ぐ 能美澄江
新雪やナプキンにあるたたみ皺 原田青児
新雪や太陽のほか許さざる 橋本輝枝
新雪や日輪檜原よりあがる 岸風三楼 往来
新雪や襞ふかく棲む巌の鷹 河野南畦 『花と流氷』
新雪をくぐりて蒼し谷の水 杉山青風
新雪をふむさびしさにふりかへり 那須乙郎
新雪をまぶしむ朝の厨窓 杉本則江
新雪をわが家の客が踏みかへる 山口波津女 良人
新雪を口に含みて踏み続く 堀越胡流
新雪を掘れば雪穴青く澄む 関谷昌子
新雪を来て返しゆく郵便夫 右城暮石 上下
新雪を染めざる浦の溢れ潮 飯田蛇笏 雪峡
新雪を被てはるかなる加賀の山 石塚友二 光塵
新雪を踏みしめて山高きかな 小林百合子
新雪を踏み新雪をかがやかす 栗山恵子
新雪を鹿と踏みゆく単独行 米本義弘
新雪厳しき穂高湖心を明るくす 加藤知世子 花寂び
新雪踏む言葉成熟するまで踏む 加倉井秋を
日当れば消ゆる新雪職を辞す 加倉井秋を
月山新雪すでにものの芽青し赤し 加藤知世子 花寂び
林中へ新雪のみちわがつくる 黒木 野雨
根雪ふみ新雪にぬれ旅の町 及川貞 夕焼
白菊は富士新雪を前に光る 山口青邨
秋の山新雪の富士なかぞらに 佐野青陽人 天の川
積りたる雪に新雪降りつづく 山口波津女 良人
覚めて新雪割箸折つて火を創る 中島斌雄
遠嶺新雪すぐ旅立てる世ではない 秋庭俊彦 果樹
風凪ぎて富士の新雪輝かす 村上辰良
高射砲陣地新雪の丘に子ら指すは 古沢太穂 古沢太穂句集
鶲啼き新雪樅にうすかりき 石原舟月 山鵲
新(さら)の雪踏み来て宋代禅講座  高澤良一  さざなみやつこ
初雪のそれがこんなに降ろうとは  高澤良一  随笑
丹沢山系新らの雪置きだるま市  高澤良一  寒暑
初雪をはたけり鳥の発つやうに  高澤良一  暮津

以上
by 575fudemakase | 2014-12-21 00:08 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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