竜の玉

竜の玉

例句を挙げる。

いちにちの奥に秘めおく龍の玉 中丸涼
かざしみて異なる青や龍の玉 中田剛 珠樹以後
かの世への永住龍の玉となり 鳥居真里子
ここには暗き愛のかたちと龍の玉 久保純夫 熊野集
こころねの深きところに龍の玉 中尾寿美子
このおもひ恋にはあらず龍の玉 加藤三七子
このごろの重き瞼に龍の玉 細川加賀 生身魂
この世には無き色として龍の玉 手塚美佐 昔の香 以後
この家の龍の玉ともさやうなら 細川加賀 『玉虫』
こほらじとして龍の玉零れたる 中田剛 珠樹以後
さぐりあてたる手を龍の玉こぼれ 松尾緑富
しわくちやの手に龍の玉のつてゐる 岸本尚毅 選集「氷」
すでに國廃れたるとぞ龍の玉 中田剛 珠樹以後
てのひらに寓話がひとつ龍の玉 望月哲土
なまぬるき夕日をそこに龍の玉 岸田稚魚 『筍流し』
ぬかづけばわれも仏弟子竜の玉 鳴瀬芳子
はきはきと喉使ひぬ竜の玉 河合照子
ひげ深く天の紺秘め龍の玉 河野静雲
ひそかなるものは美し竜の玉 中村玲子
ひたぶるに念佛いたせ龍の玉 辻桃子
ひとつぶの瑠璃ころげいづ龍の玉 飴山 實
ひとり子のひとり遊びや竜の玉 板橋美智代
みづうみの芯がまつくら竜の玉 加藤勝
みどりより濁りをはらひ龍の玉 中田剛 珠樹以後
わがこゑに父のあらはれ龍の玉 中戸川朝人
わが胸のうちにもあるぞ竜の玉 青柳志解樹
ポケツトに黒ずみてをり龍の玉 三浦照子
丈草の墓より貰ふ竜の玉 飴山實 辛酉小雪
下向いていくつかあるや龍の玉 松藤夏山 夏山句集
世をみつめるものの一つに龍の玉 中嶋秀子
亡父より波郷が恋し竜の玉 北野 登
人の手に惜しみ返しぬ竜の玉 皆吉爽雨
仙人の置き忘れしや竜の玉 長田等
住職はめつたに現れず龍の玉 下田稔
余世こそ凡に永かれ龍の玉 殿村菟絲子
余生こそ凡に長かれ竜の玉 殿村莵絲子 雨 月
先祖累代耶蘇を憎みて龍の玉 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
入門を許されてをり龍の玉 佐々木六戈 百韻反故 初學
其色のとしの身に添ひ龍の玉 安東次男
十二支にはづれし猫や龍の玉 吉原文音
古井戸に定紋のあり竜の玉 赤尾恵以
名付親喪ひ龍の玉探す 細川加賀
地球またかく青からむ龍の玉 鷹羽狩行
地震のあとひそかに龍の玉こぼれ 高島茂
少年のゆめ老年の夢竜の玉 森澄雄 空艪
山の日の山に傾ぎぬ竜の玉 角川春樹
山中の一窯守りて竜の玉 北見さとる
左京より上京しづか龍の玉 大峯あきら
巫女の秘む幼き恋や龍の玉 中山輝鈴
師の快癒願へば碧し龍の玉 池田秀水
年とつて優しくなりぬ龍の玉 大串章(1937-)
我したること吾子もする竜の玉 上野章子
手にのせて吾かも映り龍の玉 皆吉爽雨
手に取りて人肌となる龍の玉 澤本三乗
手を入れて見れどまだまだ竜の玉 高澤良一 ぱらりとせ 
手を洗うための常蔭に龍の玉 久保純夫 聖樹
掌中に幸ある如く竜の玉 星野椿
探ぐり得ていろあざらけき龍の玉 高橋淡路女 梶の葉
掻き分けて龍の玉のみとりだせる 中田剛 珠樹以後
新聞を父が叱れり龍の玉 太田土男
旅にあると思へと龍の玉遺し 大石悦子
日のいろの闌けてやさしや龍の玉 中田剛 珠樹以後
日を知らず実のりて碧し龍の玉 高橋淡路女 梶の葉
日當りを一點はじき龍の玉 八木林之介 青霞集
昼すこし寝て日のくれの龍の玉 細川加賀 生身魂
暗きまで紺引き締めて龍の玉 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
曇り日の留守せし竜の玉探しき 香西照雄 素心
本復はまだまだ龍の玉撫でつ 高澤良一 燕音 
沈黙も言葉のひとつ龍の玉 太田寛郎
浮き出でていろの定まる龍の玉 伊藤敬子
湖霧に濡れては覚めん竜の玉 飴山實 辛酉小雪
生きものに眠るあはれや龍の玉 岡本眸
病む母にはづませ見せし竜の玉 吉田きよ子
病む母は父の名を呼ぶ龍の玉 大木あまり 火球
碧玉の昃ればただの竜の玉 三村純也
碩学を育てたる家竜の玉 森田峠 逆瀬川
磐座の人をこばみし龍の玉 土谷和生
空の日の曇ればくもる竜の玉 鈴木しげを
竜の玉あらためて天仰ぎをり 岡村榮治
竜の玉うしろに夕日まばたきて 岸田稚魚 筍流し
竜の玉おもてざたにはできぬこと 岡田史乃
竜の玉つましき数を蔵しをり 清 和子
竜の玉ときに悪霊跳ねまわり 徳弘純 麦のほとり
竜の玉などもてあそぶ日もありぬ 山口青邨
竜の玉なんぞ詠む季(とき)来たりけり 高澤良一 ぱらりとせ 
竜の玉まろびたまれる窪みかな 緒方氷果
竜の玉三十路の顔となりにけり 古沢太穂 古沢太穂句集
竜の玉並べ寅年親子かな 皆川白陀
竜の玉升さんと呼ぶ虚子のこゑ 飯田龍太
竜の玉命のはてを見てきし眼 石河義介
竜の玉宵月の辺は縹色 中村草田男
竜の玉心富みつゝ生くべかり 石田あき子
竜の玉掻きこぼしたる熊手かな 西本一都
竜の玉旅鞄よりこぼれ出づ 山崎ひさを
竜の玉沈めるこころ沈めおく 石田いづみ
竜の玉深く蔵すということを 高浜虚子
竜の玉父の齢は生きがたし 藤田源五郎
竜の玉男が拗ねて何とする 辻田克巳
竜の玉空あこがれて空の彩 八牧美喜子
竜の玉覗かば老の貌見えむ 遠山和子
竜の玉識れるは竜の玉ばかり 高澤良一 ぱらりとせ 
竜の玉雌伏のいまとおもふべし 上野一孝
竜の玉龍太語録が生きてをり 高澤良一 寒暑 
竜の髯に深々とある竜の玉 皿井旭川
老いて人澄みゆくばかり竜の玉 永方裕子
老いの手をのべて探りて龍の玉 富安風生
職乞ひの膝くづれたり龍の玉 細川加賀 『傷痕』
葎より一つ授る龍の玉 加藤耕子
葬式に来ている故人龍の玉 森田智子
見届けたき死のひとつあり龍の玉 岸洋子
読み書きは無言に如かず竜の玉 宇多喜代子 象
誰がための深き瑠璃いろ竜の玉 鈴木二郎
谷間に生れて住みて龍の玉 柳澤和子
足音の往き来にふとる竜の玉 高澤良一 さざなみやっこ 
野つ鳥の声を張りゐる龍の玉 橋本榮治 越在
鍵かけていづる看取りや竜の玉 帰山綾子
長き生(よ)を子として仕へ龍の玉 橋本榮治 越在
門前に竜の玉あり寒造り 森澄雄
門松にこぼれてありぬ龍の玉 中村汀女
開かれしまゝの山門龍の玉 遠藤 善蔵
陸はもと海なり青き竜の玉 中村苑子
雑俳にたましひありぬ竜の玉 成瀬櫻桃子
雨戸引くこと早き家龍の玉 大峯あきら
雨粒か露か吸ひつき龍の玉 中田剛 珠樹以後
雪中に瑠璃冴えにけり竜の玉 荻野泰成
霜枯の中に紫紺の竜の玉 阿部みどり女 月下美人
龍の玉うしろに夕日まばたきて 岸田稚魚 『筍流し』
龍の玉ここはどっこい正念場 高澤良一 随笑 
龍の玉こころに遠く母のこと 石嶌岳
龍の玉こころ叶はぬいろにして 中田剛 珠樹以後
龍の玉こつんほんとのことを知る 夏井いつき
龍の玉なんぞありそな館とも 高澤良一 宿好 
龍の玉ひとびと影を踏みあへり 古舘曹人 砂の音
龍の玉イエスの視界晴れそめし 野間口千佳
龍の玉亡き子の豊髪手分けたし 香西照雄
龍の玉冷たい額持つ男 大竹広樹
龍の玉升(のぼ)さんと呼ぶ虚子のこゑ 飯田龍太
龍の玉吾子が嫁く日は深みどり 大峯あきら
龍の玉地に喝采のあるごとし 大石悦子
龍の玉塀の窓にも未知の世界 香西照雄 対話
龍の玉日月とどめおく處 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
龍の玉深く蔵すといふことを 高浜虚子(1874-1959)
龍の玉目が似てゐるといはれけり 太田土男
龍の玉碧き匂ひのありにけり 三ケ尻 とし子
龍の玉虚子眼中を逸れしもの 中田剛 珠樹以後
龍の玉蝕まれゆくひとつあり 中田剛 珠樹以後
龍の玉触ればこぼれ出て雌か 永田耕衣 殺祖
龍の玉雌伏のいまとおもふべし 上野一孝
龍の玉髪括りたるひかりかも 中田剛 珠樹以後
龍の髭から龍の玉痛こぼれ 永田耕衣 殺祖
龍の髯に深々とある龍の玉 皿井旭川
一茎に龍髯の実の瑠璃七ツ 五十嵐播水 播水句集
籠る間も時移りをりはずみだま  高澤良一  素抱

以上
by 575fudemakase | 2015-01-27 00:31 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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