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いぬふぐり

いぬふぐり

例句を挙げる。

ありあまるときが過ぎゆく犬ふぐり 古館曹人
ありあまる時の過ぎゆく犬ふぐり 古舘曹人 樹下石上
あを空の近寄つて来る犬ふぐり 守谷ゆき
いぬふぐり三時のバスが通つたぞ 有働 亨
いぬふぐり今の話を聴いてゐし 西村和子 窓
いぬふぐり咲くよろこびに遠けれど 野見山朱鳥
いぬふぐり囁く足をあとしざり 阿波野青畝
いぬふぐり堰落つる水力あり 秋元草日居
いぬふぐり昔は驢馬のパン屋来て 角 長子
いぬふぐり星のまたたく如くなり 高浜虚子
いぬふぐり歩き初む子を野におろす 西村三穂子
いぬふぐり毛描きの藍に浅黄刷き 西本一都 景色
いぬふぐり水の光に眼は遊び 林翔 和紙
いぬふぐり瑠璃をぶちまけ咲き足らふ 西本一都 景色
いぬふぐり百姓の橋低くして 有働亨 汐路
いぬふぐり眠りしままに散つてをり 西本一都 景色
いぬふぐり貧しきものの胸ひらく 水谷 晴光
いぬふぐり踏む畦土は壊え易し 石塚友二
いぬふぐり雪山は雲湧き立たせ 斎木直治
いぬふぐり青も乾坤蔵す色 坂井建
うす~と置く日をとらへ犬ふぐり 稲畑汀子
かげろふをまたしても消す犬ふぐり 下村槐太 天涯
これしきの雨に花とぢ犬ふぐり 森田峠 避暑散歩
これやこの一番星の犬ふぐり 三村純也
こんこんと日は恙なし犬ふぐり 森澄雄
すぐそこに日暮が来るよ犬ふぐり 加藤 紅
ちりばめて必死の花の犬ふぐり 戸梶一花
ふぐりまだもたず疾風の犬ふぐり 原田喬
みな閉ぢてをりせつかくの犬ふぐり 山田閏子
み仏にまみえてをりし犬ふぐり 藤島 きぬゑ
もろともに路肩と崩れ犬ふぐり 高澤良一 ももすずめ
わが俳句足もて作るいぬふぐり 西本一都 景色
わが影を置きしところに犬ふぐり 淺野敏夫
ガリバーの足が来てをり犬ふぐり 蔦三郎
ハレー来る地に大粒の犬ふぐり 橋本榮治 麦生
レールより雨降りはじむ犬ふぐり 波多野爽波 『湯呑』
一天へ申しあはせて犬ふぐり 吉田紫乃
佐保川やペルシャ瑠璃透くいぬふぐり 小檜山繁子
停年や燦爛と日の犬ふぐり 皆川白陀
傘さして庭墟にあるや犬ふぐり 有働亨 汐路
先達の教え授かり地錦(いぬふぐり) 高澤晶子 純愛
厚底の靴に恋した犬ふぐり 三宅李佳
口あけて死者来る朝の犬ふぐり 坪内稔典
古利根の春は遅々たり犬ふぐり 富安風生
国道の死者に線香犬ふぐり 百合山羽公 寒雁
地錦(いぬふぐり)など識り老ゆる同棲者 鈴木六林男 悪霊
均等に日を配らるる犬ふぐり 高澤良一 素抱
堰き止めて水の古びし犬ふぐり 馬場移公子
大空のもとの祭典犬ふぐり 高澤良一 随笑
大空を急ぐ音あり犬ふぐり 和田耕三郎
太陽の機嫌よき朝犬ふぐり 木村享史
子の頬にまたかすり傷いぬふぐり 林翔 和紙
学問の長きに娶り犬ふぐり 赤松[けい]子 白毫
御手開げ青畝説法いぬふぐり 小澤實
扉なき森の入口犬ふぐり 安田汀四郎
手術待つ我に生きよと犬ふぐり 山本歩禅
抽出に小銭の記憶犬ふぐり 長谷川双魚 風形
揚舟の傷縦横に犬ふぐり 橋本榮治 麦生
日にふるへ風にきらめき犬ふぐり 藤陵紫泡
日は赤く東京へゆき犬ふぐり 和知喜八 同齢
星一つ西に生れて犬ふぐり 遠藤梧逸
星座図に犬ふぐり座を加へなむ 平柳草子
春昼やものの細かき犬ふぐり 松本たかし
晴れてゆく風見えてをり犬ふぐり 松本照子
晴天にあやかり点青犬ふぐり 香西照雄 素心
木の電柱の鳴りしは昔犬ふぐり 北原志満子
末の子が来てうす日さす犬ふぐり 長谷川双魚 風形
殉教の千の沈黙いぬふぐり 上柿照代
殉教の地の土赫し犬ふぐり 山田美保
水湧きて形をつくす犬ふぐり 長谷川双魚 風形
水音のかたさ失せゆく犬ふぐり 平子 公一
汝に謝す我が眼明かいぬふぐり 高浜虚子
沢音も窯場への道犬ふぐり 小林康治 『虚實』
測量器の脚さだまらず犬ふぐり 大西恵美子
犬ふぐり一つ見つけて百花ほど 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
犬ふぐり一ぱい咲いてゐる孤独 加倉井秋を 午後の窓
犬ふぐり一寸離れて牛はこべ 高澤良一 随笑
犬ふぐり三時のバスが通つたぞ 有働亨 汐路
犬ふぐり侍し無縁墓根ざすかに 香西照雄
犬ふぐり咲くよと見ればかたまれる 清崎敏郎
犬ふぐり咲けりと棺に従ひて 京極杞陽
犬ふぐり園児道無きみち好む 高井北杜
犬ふぐり土のやさしさ語るかな 高木晴子 花 季
犬ふぐり堤飾るを怠らず 高澤良一 素抱
犬ふぐり大地は春を急ぐなり 阿部みどり女
犬ふぐり大地漸く乾きそむ 波多野爽波 鋪道の花
犬ふぐり子は母の瞳につながれて つじ加代子
犬ふぐり少年合唱団のやう 山本歩禅
犬ふぐり屈みて山の陽を額に 平田よしこ
犬ふぐり屯す郵便受の下 高澤良一 寒暑
犬ふぐり崖石にまでレールの錆 秋元不死男
犬ふぐり川はなめらか音立てず 高澤良一 素抱
犬ふぐり心許なき日影得て 高澤良一 素抱
犬ふぐり愛し吾が一と日を愛し 原田青児
犬ふぐり指さし物はまだ言へず 西村和子 夏帽子
犬ふぐり星のまたゝく如くなり 高浜虚子
犬ふぐり朝の餉に下駄鳴らしゆく 角川源義
犬ふぐり殊勝といふに余りある 高澤良一 素抱
犬ふぐり波郷旧居の跡もなし 清水 白郎
犬ふぐり浴びる旭の真新し 高澤良一 寒暑
犬ふぐり海辺で見れば海の色 細見綾子 黄 瀬
犬ふぐり炭の嘆きも終りけり 石塚友二
犬ふぐり瑠璃濃き日なり素陶干す 中村 彌
犬ふぐり畦の疾風に脚細り 千代田葛彦 旅人木
犬ふぐり神の昌寿の跼みゐて 岸田稚魚 筍流し
犬ふぐり素直な心誰も持つ 阿部みどり女
犬ふぐり色なき畦と思ひしに 及川貞
犬ふぐり色似しと目を空へやる 高濱年尾 年尾句集
犬ふぐり藍より青き日を返す 石塚友二
犬ふぐり融け了るべき雨となる 相生垣瓜人 明治草抄
犬ふぐり見てゐる前で踏まれけり 奥田杏牛
犬ふぐり見てストーブの辺に戻る 原田青児
犬ふぐり跼めば子等も来て跼む 阿部美恵子
犬ふぐり身にほどほどの仕事とは 小島千架子
犬ふぐり野川かがやきついて来る 米谷静二
犬ふぐり関の目こぼし犬くぐり 百合山羽公
犬ふぐり集落のごと點在す 高澤良一 素抱
犬ふぐり風の*めくばせまたうくる 河原枇杷男 蝶座 以後
犬陰嚢(いぬふぐり)あらぬ文ン字をあてがはれ 高澤良一 素抱
瑠璃てふは眼を洗ふ色犬ふぐり 村上杏史
生きること一所懸命いぬふぐり 松山足羽
町中を水の音して犬ふぐり 濱田のぶ子
百姓の俄豆腐屋犬ふぐり 金子伊昔紅
盛りともなれば疎まれ犬ふぐり 谷口 君子
目に入る花卉乏しくて犬ふぐり 高澤良一 素抱
空讃え水音讃え犬ふぐり 高澤良一 随笑
納骨の膝つけば瑠璃いぬふぐり さぶり靖子
脚下より湧きくる瀬音犬ふぐり 佐藤脩一
膝ついて膝より低きいぬふぐり 嶋田 淑子
致死量の遊びせんとや犬ふぐり 三木冬子
花一つ一つ眼ざめて犬ふぐり 深川正一郎
花閉じて明日も晴れる犬ふぐり 旗川万鶴子
親しくて好きではこべら犬ふぐり 遠藤梧逸
跼まればここ瑠璃世界いぬふぐり 鈴木貞雄
跼みたるわが影あふれ犬ふぐり 深見けん二
躓くものなくてつまづく犬ふぐり 下村ひろし
軍港へ貨車の影ゆく犬ふぐり 秋元不死男
返り咲く最も小さき犬ふぐり 阿部みどり女 月下美人
迷ひてもゆきつける道犬ふぐり 橋内五畝
遊び田をそつくり占めて犬ふぐり 黒坂光博
道とひてこゝろもとなや犬ふぐり 下田実花
遺溝吹く風の続きに犬ふぐり 高澤良一 素抱
郵便をふところにして犬ふぐり 遠藤梧逸
野の草に醜草はなし犬ふぐり 稲畑汀子
開発とは戦車の下の犬ふぐり 熊谷静石
陽は一つだに数へあまさず犬ふぐり 中村草田男
雀二つの猛きあそびや犬ふぐり 中拓夫
靴先に犬ふぐり咲きかたまれる 西村和子 夏帽子
風あそぶところ色濃く犬ふぐり 畠中じゆん
風のよう遠き人来るいぬふぐり 黒川憲三
風呂の水落す末寺の犬ふぐり 長谷川双魚
風塵のそこひにあはく犬ふぐり 川島彷徨子
田のたにし犇と片寄りいぬのふぐり 木津柳芽 白鷺抄
犬のふぐり花こまごまと古銭塚 青木重行
田浦梅林
犬ふぐりひとっこひとり来ぬ山に  高澤良一  素抱
登り口オオイヌフグリちりばめて  高澤良一  素抱
 

以上
by 575fudemakase | 2015-02-20 00:29 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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