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卒業

卒業

例句を挙げる。

「体ごと彼を卒業して来た」と 櫂未知子 貴族
あのせがれ父より伸びて卒業す 啓文
いびつなる自画像残し卒業す 河合澄子
いまそかるみ霊の父に卒業す 竹下しづの女 [はやて]
うなゐ髪あぐべくのびぬ卒業す 富安風生
かたく巻く卒業証書遠ひばり 木下夕爾
かたまりてなかなか散らぬ卒業子 由利雪二
ががんぼの一肢が栞卒業す 齋藤愼爾
こころざしアフリカにあり卒業す 大島たけし
この空をふるさとにして卒業す 三宅 桂
これよりは恋や事業や水温む 高浜虚子(高商卒業生諸君を送る)
これ以上褪せぬジーパン卒業す 北見さとる
たはやすく教師忘らる卒業後 能村登四郎
たゞならぬ世に待たれ居て卒業す 竹下しづの女句文集 昭和十二年
つじつまの合ひし顔して卒業す 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
つまだちて卒業式の歌歌ふ 清崎敏郎
なまけ降る目の前の雪卒業す 宮坂静生 春の鹿
なんとよく泣くよ今年の卒業子 森田峠 避暑散歩
はだれ野の安曇に聞けり卒業歌 及川貞 夕焼
ひらき見す卒業証書墨匂ふ 西村和子 かりそめならず
ま二つに割れたる辞書や卒業す 五十嵐播水 埠頭
ゆく雲の遠きはひかり卒業歌 古賀まり子
りんりんと木の芽の箴言卒業期 齋藤愼爾
わんこそば屋に卒業の前夜祭 吉田 ひで
アネモネは瓶に短かく卒業す 岸風三楼 往来
キューピーといふ名の先生卒業期 高澤良一 随笑
クレーンを見てたたずんで卒業子 行方克巳
グラウンド光溜めをり卒業す 鈴木貞雄
サヨナラと机に彫つて卒業す 石井とし夫
ステインドグラスの余光卒業す 行方克巳
タイムカプセル校庭に埋め卒業す 杉崎 あさ
ダイナモを駆りつつ若し卒業期 桂樟蹊子
チェロ抱いて京を落ちくる卒業子 赤松[ケイ]子
ヒヤシンス水に根を張り卒業期 樋笠文
ポケットの底抜けしまま卒業す 津田清子
一を知つて二を知らぬなり卒業す 高浜虚子(1874-1959)
一コリント十三章読み卒業す 大山多吉
一人子の卒業めでたかりけるよ 高濱年尾 年尾句集
一司書へ言葉をかけて卒業す 森田峠 逆瀬川
一樹よく耀く日以て卒業す 下村槐太 天涯
一葉の卒業証書小鳥来る 中山芳文
万金を約され撰手卒業す 吉良比呂武
三四人親友ありて卒業す 滝井孝作 浮寝鳥
上りホーム下りホームに卒業子 辻桃子 童子
下宿去る荷の中に寝て卒業子 黒坂紫陽子
下駄箱の別れそのまま卒業す 田口風子
主婦の顔は家に置き来て卒業歌 花田春兆
乙女像の楠の香発てり卒業展 鍵和田[ゆう]子 浮標
二十あまり美男となりぬ卒業子 高橋淡路女 梶の葉
二十一世紀へ大志卒業す 谷口八星
交換日記少し余して卒業す 黛まどか
人の子の卒業論文わが閲す 山口青邨
今日限り廃校となる卒業歌 佐藤信子
作曲も芸に生くる身卒業す 池内友次郎
俗語(スラング)のみ覚えて彼の卒業す 櫂未知子 貴族
偸安のいくつ顔ある雲に鳥(卒業の餞に) 飴山實 『次の花』
兄いもと遠く隔てゝ卒業す 大場白水郎 散木集
先生に渾名残して卒業す 白根純子
凧揚ぐるまだ征服の卒業子 下村ひろし 西陲集
切り株は森の演壇卒業す 皆吉司
制服の襟よく拭いて卒業す 吉屋信子
制服の釦つぶれて卒業す 玉田年春
剣賜ひ水漬くかばねと卒業す 及川貞 夕焼
劇に出て鼠の役や卒業す 田川飛旅子 『外套』
劇中に銀の斧あり卒業す 中村 和弘
勝修羅の能仕り卒業す 文挟夫佐恵 遠い橋
医を継ぐと眉はれやかに卒業す 海老根美枝
卒業し父母の菩提の僧となり 山口笙堂
卒業すプールの梯子垂直に 宮坂静生 樹下
卒業す一粒の麦地に播かれ 番條澄子
卒業す以下同文の一人とし 大久保白村
卒業す片恋のまま ま、いいか 福地泡介
卒業す片恋少女鮮烈に 加藤楸邨
卒業す眼鏡はづして幼き顔 中拓夫 愛鷹
卒業といふ卒業かとも思ふ 行方克巳
卒業と入学の間にただよへる虹の時間が遠くありたり 内藤明
卒業に下宿の荷物まとめけり 上村占魚 鮎
卒業のこの門出でていづくへか 福田蓼汀 山火
卒業のこの雪の田も水音す 桜井博道 海上
卒業のその後の彼を誰も知らず 藤松遊子
卒業のひとり横向く写真かな 大橋櫻坡子 雨月
卒業のまつすぐ馬場に来てゐたり 波多野爽波 『一筆』
卒業のめもとすゞしく泣く娘はも 西島麦南 人音
卒業のをさなの答辞師に添はれ 皆吉爽雨 泉声
卒業のアルバムどれも空青く 徳永茂代
卒業のアルバム未来見つむ瞳よ 山田弘子 螢川
卒業の一人々々の面輪かな 清崎敏郎
卒業の丘に椿の咲きにけリ 岸風三樓
卒業の健啖に飯かしがなん 赤松[ケイ]子
卒業の兄と来てゐる堤かな 芝不器男(1903-30)
卒業の制服を脱ぐホックの音 木田千女
卒業の吾娘制服をまだ脱がず 五十嵐播水
卒業の城山へ笛携へし 山本洋子
卒業の大靴ずかと青荒地 西東三鬼
卒業の娘の晴著持ち上京す 加藤晴子
卒業の娘らに春秋いかならむ 西村和子 かりそめならず
卒業の娘ら泊む妻の夜具も混ぜ 羽部洞然
卒業の子が拾ひ集めし言葉 太郎良昌子
卒業の子にたしかなる喉仏 安田 晃子
卒業の子のむすびたるリボンかな 上村占魚 球磨
卒業の子のー人ゆく峠あり 岸 霜蔭
卒業の子の戻り来る峡の家 皿井節子
卒業の子の持つている夢袋 石井紀美子
卒業の子の行く道はあるがまゝ 稲畑汀子 汀子第二句集
卒業の子を乗せ父の船帰る 大澤柿村
卒業の少女に日射す父母の墓 服部ますみ
卒業の巾着をみな異にせり 松村幸一
卒業の帽子百千空へ空へ 松山足羽
卒業の日の下駄箱を閉める音 長島富郎
卒業の日の病棟に在る患者 山口誓子
卒業の日の鐘さやにきこえけり 木下夕爾
卒業の暁といふことばかな 京極杞陽 くくたち上巻
卒業の校歌に和せる老教授 高浜年尾
卒業の歌詞を市電の中にうたふ 岩崎照子
卒業の歩幅に母は追ひつけず 今瀬剛一
卒業の汝が為によき旅もがな 高濱年尾 年尾句集
卒業の涙はすぐに乾きけり 今橋真理子
卒業の盲学生ら握手せり 小室風詩
卒業の看護婦夜雨にさゞめける 五十崎古郷句集
卒業の答辞ベトナム戦にも触れ 福田蓼汀 秋風挽歌
卒業の素顔の吾子をよしと見き 鈴木しげを
卒業の群のもつとも濃かりけり 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
卒業の翼そのまま父との旅 赤松[ケイ]子
卒業の胴上げ軽き教師かな 森本綾女
卒業の花抱く吾子と並みゆけり 村上 光子
卒業の赤きじゆうたん踏みて去る 手塚基子
卒業の酔歌を許し眼鏡ふく 桂樟蹊子
卒業の金髪少女日本の名 沢木欣一 赤富士
卒業の青き山また山なりし 山本洋子
卒業は昨日なりしに連れだち来 森田峠
卒業やほとばしらせて父母批判 赤松[けい]子 白毫
卒業やモンペの並ぶ古写真 大塚とめ子
卒業や丘は斜めに櫟立ち 中村汀女
卒業や今はあとなき旧校舎 五十嵐播水 播水句集
卒業や名を持つ星と持たぬ星 櫨木優子
卒業や尻こそばゆきバスに乗り 西東三鬼
卒業や教師吹かるるたび歩む 今瀬剛一
卒業や海に合はむと海に来て 遠藤若狭男
卒業や畳しづけく思ほゆる 山口誓子
卒業や紙のコップに陽が当り 桜井博道 海上
卒業や身のふくらみを弥陀ほどに 赤松[ケイ]子
卒業や高野聖となる日なり 北澤瑞史
卒業をうたひ終りて喉もゆる 赤松[けい]子 白毫
卒業をして東京に未練なく 中川きよし
卒業を見下してをり屋上に 波多野爽波 鋪道の花
卒業前ぶさ~歩りく藁田かな 廣江八重櫻
卒業即浪人の子と野に遊ぶ 細川加賀 生身魂
卒業唱歌楢は水のよな葉をとどむ 佐野良太 樫
卒業子ならびて泣くに教師笑む 森田峠 避暑散歩
卒業子の答辞加筆し居残れる 木村蕪城 寒泉
卒業子厠をいでて方違へ 長谷川双魚 『ひとつとや』
卒業子去れり窓辺に教師暮れ 林翔 和紙
卒業子大方は皆村を出る 杉 艸子
卒業子島発つ朝の牛磨く 築城 京
卒業子巌かすかに動きたる 宮坂静生 春の鹿
卒業子散る校門に駒ケ岳 下田稔
卒業子校門を出て川のぞく 中村明子
卒業子等身鏡より出発す 能村研三
卒業子線路伝ひに帰り来る 津田清子
卒業子霞の末となりにけり 五十嵐播水 播水句集
卒業子龍馬の海へ石を投ぐ 森藤千鶴
卒業式すゝむ拳を膝に置き 岸風三樓
卒業式劇の仕種に似て寒し 宮坂静生 青胡桃
卒業式待つまの草を藉きをりぬ 木下夕爾
卒業式辞雪ちらつけり今やめり 森田峠 避暑散歩
卒業期われにも古き日記あり 前田 鶴子
卒業期樹は根元より水に映る 津田清子 二人称
卒業期紅葉裡に並む檜笛 香西照雄 対話
卒業歌えよ励めよとピアノ鳴り 原裕 『王城句帖』
卒業歌おくれ唄ふは泣き居らむ 田島 秩父
卒業歌ぴたりと止みて後は風 岩田由美 夏安
卒業歌をはりしなみだすぐかわく 木下夕爾
卒業歌をはりし浪のきこえけり 細川加賀
卒業歌八雲の裔を師と仰ぎ 長谷川史郊
卒業歌声つまづきてよりかなし 永松白葉子
卒業歌弾くこの家のをとめまだ吾見ず 橋本多佳子
卒業歌指揮して吾も職退きぬ 若木 睦
卒業歌教師を酔はす麻薬なり 楠節子
卒業歌木造校舎燥ききる 津田清子
卒業歌止んで花壇の石黙る 百合山羽公 寒雁
卒業歌水田も波をたたみつつ 神田 岩魚
卒業歌沖に真白き船一つ 濱永育治
卒業歌泣かぬ子多したのもしかり 石川桂郎 含羞
卒業歌海峡遠く濤立ちて 吉田鴻司
卒業歌瞼とづれば暗かりし 落合水尾
卒業歌終はりし浪のきこえけり 細川加賀 『傷痕』
卒業歌胸いたきまで髪匂ふ 寺山修司 未刊行初期作品
卒業歌貨車からは豚がおろされる 加倉井秋を 午後の窓
卒業歌遠嶺のみ見ること止めむ 寺山修司
卒業歌青き吾子の頭見当りぬ 石川桂郎 含羞
卒業生らしきが掃きし校舎裏 加藤正尚
卒業生退場青き椅子の波 中尾杏子
卒業証書いだき寂寞海のごとし 宮坂静生 青胡桃
卒業証書の平は巻きて失ひし 津田清子 礼 拝
卒業証書まるめて覗く青き天 山畑禄郎
卒業証書を握り汗ばみて我に向かひ立ち 河東碧梧桐
卒業証書を眼鏡にし青空覗きをり 青木健作 落椎
卒業証書積まれぬこれは白き墓 藤岡筑邨
卒業論文書き了へたるに誤字ひとつ 根岸 善雄
卒業證書の平は巻きて失ひし 津田清子
卒業間近か日々名曲をきかされて 宮坂静生 青胡桃
原爆に焦げし頬も癒え卒業す 宮武寒々 朱卓
友の卒業ちかしざんげの心もつ 川島彷徨子 榛の木
口に出てわれから遠し卒業歌 石川桂郎 含羞
君に降り吾に降る雪卒業す 北澤瑞史
吹奏楽卒業ちかき校舎より 猪俣千代子 堆 朱
喘息の児もうたひ終ゆ卒業歌 大川鶴園
地球儀の海を見てをり卒業子 朝倉和江
垂れ髪に雪をちりばめ卒業す 西東三鬼(1900-62)
夜空蒼しひとりごと言ひ卒業す 加藤秋邨 まぼろしの鹿
夢のたね文集に蒔き卒業す 吉原文音
大きな絵抱へて美校卒業す 深田久彌 九山句集
大学のからの馬小屋卒業す 宮坂静生 春の鹿
大学生今年は卒業初燈明 池上京子
大方は善き子なりけり卒業す 森田公司
天井を見て卒業の歌うたふ 本井 英
太陽ヘボールを蹴つて卒業す 片山由美子 風待月
婚約の成立を聞く卒業子 塙 きく
学帽を天に投げ上げ卒業す 上崎暮潮
學園の犬巨いなり卒業す 横山白虹
寝ころべば靴青空へ卒業期 香西照雄 対話
専攻は悪所文学卒業す 櫂未知子 貴族
少女らの瞳濃くなる卒業期 向野由貴子
山彦を山へかへして卒業す 遠藤若狭男
山手線の日の中にゐる卒業子 斎藤夏風
島の医になる臍かため卒業す 塚原木犀
島よりの航跡ながし卒業歌 長田喜代子
巻きぐせのはやも卒業証書かな 日原傳
巻き込んで卒業証書もう古し 福永耕二
帆のごとく胸かがやかせ卒業す 大熊輝一 土の香
廃校式次に控へて卒業す 藤田美智子
待たれたる卒業なりし吾子よ嬉し 高濱年尾 年尾句集
思い出を紙筒に入れ卒業す 斉藤浩美
恋を得しテニスラケット卒業す 山田弘子 こぶし坂
愚かなる顔せあげて卒業子 橋本鶏二 年輪
慣れそめし父の任地に卒業す 西村和子 かりそめならず
才色の母に及ばず卒業す 清瀬代山
教室に海鳴りが満つ卒業後 今瀬剛一
教室の金魚放ちて卒業す 樋笠文
断髪の生まの襟足卒業す 上田五千石 田園
日に月に遠ざかるもの卒業歌 大橋敦子
日本の負けいそぐとき卒業す 大牧広
春雪の解くるが如く卒業す 前田普羅
木を植ゑて風桃色に卒業す 小嶋治子
木綿着し祖母をうしろに卒業す 長谷川双魚 風形
末の子の見上ぐる背丈卒業す 稲畑汀子
東京を去る未練なし卒業す 辻口静夫
枇杷萌えて掌合すごとし卒業期 古沢太穂 古沢太穂句集
校塔に鳩多き日や卒業す 中村草田男
校庭の山羊にも別れ卒業す 成瀬櫻桃子 素心
校庭の沈丁の香に卒業す 吉屋信子
校長と初めて握手卒業す 赤澤新子
棒切のごとき記念樹卒業す 橋本榮治 麦生
樹影地に卒業の子ら散りぢりに 柴田白葉女 遠い橋
母が購ふ菫一瞥卒業す 文挟夫佐恵 黄 瀬
母に添ふこころ淡しも卒業す 赤松[けい]子 白毫
母の名を保護者に負ひて卒業す 竹下しづの女 [はやて]
母の手に明るく育ち卒業す 岩川みえ女
母われの最も泣きて卒業歌 都筑智子
水と火が家々にあり卒業す 長谷川双魚 『ひとつとや』
水荒く使ふ卒業式より帰り来て 能村登四郎
水音の四辺よごさず卒業す 松澤昭 神立
沖に出て気球虹色卒業期 小野恵美子
沖をゆく流氷窓に卒業歌 伊藤彩雪
沖を過ぐ時間の青し卒業す 寺井治
波ふえて卒業の日の沖見えず 藤田湘子
波音を聞きに来てゐる卒業子 山田弘子 螢川
流れ合ふ卒業式の心かな 京極杞陽 くくたち下巻
渾名まづ目に浮ぶ子よ卒業す 富永 小谷
演劇にかけし青春卒業す 山崎和代
焼肉の口がけぶれり卒業歌 中拓夫 愛鷹
父のけふ卒業乙女両脇に 赤松[ケイ]子
父の声もちし吾子なり卒業歌 小川廣男
父の意にそはぬ学部を卒業す 中井文人
父の纜発止と受けて卒業す 斎藤節子
父の謝辞きくもとなさに卒業す 赤松[ケイ]子
片ゑくぼ吾に似し子の卒業す 田中英子
牛を曳く卒業の唇一文字に 原裕 葦牙
玉石の石よからずや卒業す 米田双葉子
田や畦やけふ卒業の木綿服 石川桂郎 含羞
留学の子の卒業期今年竹 及川貞 榧の實
病み耐へてあす卒業の寝押し服(長男徹郎) 石川桂郎
病む父の職継ぐてふ子卒業す 斎藤志津子
直角に曲り卒業証書受く 真下耕月
石蹴つて石光らしむ卒業期 林翔 和紙
硝子戸に雪原あふる卒業歌 有働亨 汐路
空気まで持ち去りしごと卒業す 江川由紀子
紀の山河校歌に讃へ卒業す 堀康代
紅白の幕のふくれて卒業す 田中英子
網干せる父に卒業してもどる 亀井糸游
綿のごときひかり暮雪の卒業生 桜井博道 海上
群鴎卒業航海挙手に発つ 西村梛子
羽根交はすごと語を交はし卒業す 金箱戈止夫
而して以下同文と卒業す 福神規子
耶蘇髭を貯め彫刻科卒業す 岡田貞峰
聖母像うしろの昏き卒業期 原田青児
胸ならぶとき卒業歌たかぶれる 赤松[ケイ]子
腕白も卒業子とて畏まり 伊東白楊
船橋に立つ日憧れ卒業す 高林蘇城
花時計に粗き雨あし卒業期 鍵和田[ゆう]子 浮標
茶髪の子髪かきあげて卒業式 大谷美入
菊花展卒業式のごとくなり 高澤良一 燕音
落書の先輩後輩卒業す 森田峠 避暑散歩
裏山に巣箱を掛けて卒業す 原口洋子
誰も来て仰ぐ大樹や卒業期 山岡季郷
講堂に卒業の歌始まりぬ 千原草之
講堂は明治の柱卒業す 中村明子
講堂は真昼の昏さ卒業式 津田清子 二人称
起立礼起立礼して卒業す 蔦三郎
踏青やきこえて遠き卒業歌 木下夕爾 南風抄
軒を垂るる巣藁幾すぢ卒業す 木下夕爾
転居荷に卒業証書間に合はず 山田弘子 螢川
運命は笑ひ待ちをり卒業す 高浜虚子(1874-1959)
遠き日の共に泣きたる卒業歌 原田和子
鉛筆で指す海青し卒業歌 寺山修司 花粉航海
鉛筆に残りし歯形卒業す 古屋 元
鍵盤に山の端が映え卒業歌 今瀬剛一
門柱を撫で振返る卒業子 林昌華
降る雪に卒業写真撮りにゆきし 大橋櫻坡子 雨月
階落ちて音なきボール卒業後 林翔 和紙
雪国の海きらきらと卒業す 高木弘子
雪嶺に面をあげて卒業歌 岩崎健一
雪雲の尾のめぐる空卒業す 川崎展宏
雲あふれ卒業の日の水たまり 片山由美子 風待月
雲を洩る日のひとすぢや卒業す 大野林火
頬燃えて自画像出来ぬ卒業す 皆吉爽雨
馬の目を念入りに拭き卒業す 折井眞琴
鵞鳥三羽逆立一人卒業す 山口青邨(1892-1988)
黄落のなかに卒業記念樹も 佐野美智
黒き瞳の乙女幾列卒業す 中島斌雄

以上
by 575fudemakase | 2015-03-17 00:45 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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