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畑打

畑打

例句を挙げる。

百段の畑も鋤かれぬ山法師 菊地一雄
畑を鋤き山肌の荒れ負いいたる 宇咲冬男
山畑の鋤かるる前の花なづな 石渡旬
うごくとも見えで畑打つ男かな 向井去来(1651-1704)
こぶし咲き五障のおんな畑打つ 穴井太 ゆうひ領
さびれゆく村に残りて畑打つ 柳俳維摩
ちかよりて見れば畑打つ女かな 枳邑 古句を観る(柴田宵曲)
どこからか花の散りくる畑を打つ 森田 雪子
はるかなる光も畑を打つ鍬か 皆吉爽雨
はるかなる天動説や畑を打つ 坂本宮尾
まだ打たぬ山畑つづき雉子歩む 伊藤京子
めづらしや畑打つ女五年ぶり 正岡子規
万屋へ畑打たぬ日を罷越す 尾崎紅葉
乙訓の四方の藪なり畑打 後藤夜半 翠黛
五畝打てば我事畢る畑かな 会津八一
亡國の畑に靖節の鍬を打つ 中勘助
人の世の畑打つ仕種のどかなる 深川正一郎
仏跡の畑舎利を打つならん 森下雨村
何年の恋や果して畑打つ 寺田寅彦
動くとも見えで畑打つ男かな 去来
千石の飛地ゆたかや畑打 厨川千江
吉野びと犬したがへて畑打てり 冨山青沂
名所とも知らで畑打つ男哉 正岡子規
吾のみの弔旗を胸に畑を打つ 佐藤鬼房 名もなき日夜
坐らに畑打つが見ゆ薄睡う 尾崎紅葉
埼玉の畑打つ昔近衛兵 川崎展宏
堂塔を日は塗りつぶす畑打 大峯あきら 鳥道
夕陽にもゆる顔あけ畑打 西山泊雲 泊雲句集
大山に日のあるうちは畑打て 大峯あきら 宇宙塵
大根蒔く母が死ぬまで打ちし畑 広瀬九十九
天向いて眠る赤子や畑打 大峯あきら 鳥道
天近く畑打つ人や奥吉野 青邨
天降りたる天女の岬の畑を打つ 田中英子
如意輪寺見えて段なす畑打てり 米沢吾亦紅
姉川の四五日濁る畑打 大峯あきら 宇宙塵
定年の男となりの畑も打つ 中根洋子
尊とやな畑打つ人の立姿 幸田露伴
山畑のなぞへ暖かに打ちにけり 青峰集 島田青峰
山畑を打つやをりをり母と話し 大峯あきら 鳥道
岬の畑打ちて日々見る帰雁かな 尾崎迷堂 孤輪
峡の畑人現れて打ちにけり 大久保橙青
忌に篭る妻を誘ひて畑を打つ 杉 千代志
戻り来て足音もなし畑打 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
打ち終へし畑美しき美濃路かな 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
打ち返しある山畑の落葉かな 渡辺水巴 白日
春蝉や畑打ねむき晝下り 室生犀星 魚眠洞發句集
村歌舞伎の静御前が畑を打つ 石川文子
柳の井畑打つ人の汲みてけり 菅原師竹
桃を折る我見てゐしが畑打つ 比叡 野村泊月
水分の峰に雲ゐる畑打 大峯あきら 鳥道
河原畑すか~と打てば日落つる 中塚一碧樓
浄見原見下ろす畑を打ちはじむ 小澤満佐子
浦風の遠くなりたる畑を打つ 古賀まり子 緑の野以後
海を見て十歩に足らぬ畑を打つ 夏目漱石 明治三十一年
激戦のありし丘とや畑を打つ 十川喜美代
火山灰の畑打ちゆき樅の影を打つ 大島民郎
牛を桃林に放ち畑打 岩木木外
畑を打つフランス鍬の修道女 西本一都 景色
畑を打つ修女に乳牛来て甘ゆ 西本一都 景色
畑を打つ土くれ足になだれよる 雁来紅 野田別天樓
畑を打つ父を賎しむ工女かな 月舟俳句集 原月舟
畑打ちし手もて仏の扉をひらく 片岡 青苑
畑打ちのほかほか暮れて水に星 永井龍男
畑打ちの四五人よりし昼餉かな 河東碧梧桐
畑打ち終へ洗へば紅きたなごころ 川口重美
畑打つて俳諧国を拓くべし 佐藤念腹
畑打つて大き足跡残しけり 片山由美子 天弓
畑打つて美濃の山城きらめかす 杉 良介
畑打つて酔へるがごとき疲れかな 竹下しづの女(1887-1951)
畑打つて飛鳥文化のあととかや 高浜虚子
畑打つもかりかり岩の土掻いて 楸邨
畑打つやつひに娶らぬ友ひとり 原裕 正午
畑打つや中の一人は赤い帯 森鴎外
畑打つや先づ立山ををろがみて 熊田 鹿石
畑打つや土よろこんでくだけけり 阿波野青畝
畑打つや屯田兵の裔いまも 東 天紅
畑打つや羽摶くものを空に待ち 金箱戈止夫
畑打つ音や嵐の桜麻 松尾芭蕉
畑打にけふの終ひの山の影 野中亮介
畑打に切貼障子とざしけり 石橋秀野
畑打に声かけてゆく帰省かな 瀧澤伊代次
畑打に替えて取りたる菜飯かな 服部嵐雪
畑打に林檎の花のさかりかな 瀧澤伊代次
畑打に沼の浮洲のあそぶなり 芝不器男
畑打に絵馬の女の顔白し 藤田湘子
畑打に風のかゞやく風日和 草城
畑打のうしろ客船過ぎゆけり 藤井寿江子
畑打のかしらがうつる障子かな 松瀬青々
畑打の一人の景となつてをり 高島秋峯
畑打の中を貫く室生道 大峯あきら 宇宙塵
畑打の午下人の数美濃太田 猪俣千代子 秘 色
畑打の右も左も名所かな 尾崎紅葉
畑打の幼な顔なる修道女 西野郁子
畑打の影日を追ふて膨らめり 加藤 典昭
畑打の点景を野のひろがりに 今村青魚
畑打の畑ゴルフ場傾ぎ合ふ 津田清子
畑打の鍬に応ふる障子あり 緒方句狂
畑打の鍬のかゞやきばかりかな 皆吉爽雨
畑打の鍬天に触れかくれ里 大東晶子
畑打の音ひやひやととゞくなり 飴山實 少長集
畑打の馬穴に捨つる*すくもむし 茨木和生 遠つ川
畑打は頑なまでの振り子です 猪原丸申
畑打やひとり見送る天津雁 細木芒角星
畑打やや僅に乾く土の色 法師句集 佐久間法師
畑打や代々につたへて畠の墓 飯田蛇笏 山廬集
畑打や制札読みに又一人 西山泊雲 泊雲句集
畑打や大根花咲く傍に 子規句集 虚子・碧梧桐選
畑打や孔子去る魯の国境 大谷句仏
畑打や富士をかるつて唯一人 河野静雲
畑打や崖の下なる海の音 藤井紫影
畑打や影まねびゐる向ふ山 芝不器男
畑打や我家も見えて暮れかぬる 蕪村
畑打や春風に乳房ひろげゝり 神津美那女
畑打や朝暮に拝す里内裏 亀田小蛄
畑打や木の間の寺の鐘供養 蕪村
畑打や柳の奥に村一つ 古白遺稿 藤野古白
畑打や母が灯すを見て戻る 雉子郎句集 石島雉子郎
畑打や池田の鯉を手捕つたり 誓子
畑打や湖の返照散らしつつ 白井爽風
畑打や畑でうべなふ寄進帳 渡辺水巴 白日
畑打や真淵の大人が出て行きやる 四明句集 中川四明
畑打や豆になる迄汽車走る 柑子句集 籾山柑子
畑打や鍬の光のたとへなく 小杉余子 余子句選
畑打ををへたるふたり墓のまへ 中田剛 竟日
畑打女籠の野蒜をどっと捨て 山本 悦子
白萩に尻さはられつ畑を打つ 飴山實 辛酉小雪
白虹の貫く天や畑打つ 五十嵐播水 播水句集
目を向ける方に出てをり畑打 楠目橙黄子 橙圃
相よりて夕づく塊や畑打 銀漢 吉岡禅寺洞
磧来てやがて畑打つ人となりぬ 野村喜舟 小石川
竹秋の奈落の畑を打つてをり 大峯あきら 鳥道
縦に打ち横に打つ畑隣かな 三輪未央
能登の畑打つ運命にや生れけん 高浜虚子
芽吹き競ふさまに苗木や畑打つ 碧雲居句集 大谷碧雲居
茎立や継ぐあてもなき畑を打ち 滝谷 章
荒畑のひとひろがりを打ち始む 綾部仁喜 寒木
落凧を餘所に我畑を打ちにけり 中塚一碧樓
行春やよく打たれたる寺畑 楠目橙黄子 橙圃
西日の丘の小さき畑を小さき人打つ 篠原梵 雨
負へる子を振り落さずや畑打 岡田耿陽
里遠く畑打つ老か若者か 会津八一
鈍き日の木立音なし畑打つ 南浪句集 南南浪句集、渡辺水巴編
鉾杉の夕影いたる畑打 村岡 悠
長元坊のゆききを指呼に畑打つ 中戸川朝人
降つて来る端山の空や畑打 柑子句集 籾山柑子
雲水のまだ~馴れぬ畑打 森永杉洞
雲無心南山の下畑打つ 子規句集 虚子・碧梧桐選
雹のあと空の蒼さや畑打つ 碧雲居句集 大谷碧雲居
韓人の妻と畑打つものうげや 寺田寅彦
麻を蒔く畑深打に熔岩浮び 久保 武
黒潮のうねりを沖に畑を打つ 安福春水

以上
by 575fudemakase | 2015-03-24 00:38 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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