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連翹

連翹

例句を挙げる。

いかるがの暮色連翹のみ昏れず 和田悟朗 法隆寺伝承
きはまりて連翹の黄は緑さす 松村蒼石 雁
つかぬこと伺ひますがと連翹越し 高澤良一 宿好
べっとりと連翹黄なり復活祭 百合山羽公 寒雁
ほころびて垣の連翹味噌っ歯めく 高澤良一 さざなみやっこ
また一人はなれて立ちて連翹黄 後藤夜半 底紅
みどり児の日々連翹も日々に濃し 百合山羽公
やみくもに連翹の芽をつけたがる 高澤良一 宿好
わが二十歳連翹の名を質舗に訊き 磯貝碧蹄館 握手
シヤガールといふ人連翹に倒れけり 岸本尚毅 選集「氷」
人待つと連翹活けて湯を沸かす 下村槐太 天涯
別れ来て連翹はなほ明る過ぎ 銀林晴生
吹き降りとなり連翹のいさぎよし 菖蒲あや
垣に結ひても連翹は粗なる花 開田華羽
寝しづみしひとの黒髪連翹忌 飯田蛇笏
忘れもの妻の追ひくる連翹垣 高澤良一 ねずみのこまくら
持て余す時間連翹真っ盛り 高澤良一 寒暑
日向水木連翹の黄を貶めて 高澤良一 寒暑
暗し青年連翹の黄に顔しかむ 田川飛旅子 『植樹祭』
枝揺れて連翹の黄の固くなる 後藤夜半 底紅
死病診るや連翹の黄に励まされ 相馬遷子 雪嶺
水郷の色連翹に出でにけり 小杉余子 余子句選
燦と日が連翹の黄はなんと派手 池内友次郎 結婚まで
町うらの連翹明り午砲ひゞく 金尾梅の門 古志の歌
病める母に連翹剪りて上り来し 雑草 長谷川零餘子
目に立ちて連翹ばかり遠敷郡 森澄雄
神将の口や連翹の風さわぐ 桂樟蹊子
穴を出し蛇連翹の黄を呑むか 萩原麦草 麦嵐
空白のありてすなはち連翹黄 後藤夜半 底紅
童画展連翹の黄がここに撥ね 福永耕二
羽ひらく連翹の前柩出づ 赤松[けい]子 白毫
芽吹く中黄なるは咲きて連翹に 林翔 和紙
葱と連翹太陽にペニスがある話 竹中宏 句集未収録
行き過ぎて尚連翹の花明り 中村汀女
行過ぎて尚連翹の花明り 中村汀女
連翹がこそばゆい黄を溢れしめ 河野多希女 納め髪
連翹といふ一宇宙ありにけり 吉田紫乃
連翹にかたまり行くや雀の子 増田龍雨 龍雨句集
連翹に一閑張の机かな 正岡子規
連翹に人住みかはる小家かな 高橋淡路女 梶の葉
連翹に唾して窓の郡守かな 楠目橙黄子 橙圃
連翹に大空の日の漲れり 濱人句集 原田濱人
連翹に届きて暮れぬ塔の影 花崎英湖
連翹に山風吹けり薪積む 飯田蛇笏 山廬集
連翹に巨鯨の影の月日かな 金子兜太
連翹に挨拶ほどの軽き風 遠藤梧逸
連翹に月のほのめく籬かな 日野草城
連翹に癩の余生の杖磨く 赤松[けい]子 白毫
連翹に登り来し息はづませて 右城暮石 声と声
連翹に空のはきはきしてきたる 後藤比奈夫 花匂ひ
連翹に芽やアンテナと丈競ひ 石川桂郎 高蘆
連翹に見えて居るなり隠れんぼ 高濱虚子
連翹に餅搗きし息はずみけり 皆川白陀
連翹のあかり差し込む納戸神 朝倉和江
連翹のうす黄のさそふなみだかな 久保田万太郎 草の丈
連翹のころの逆立つ寝ぐせ髪 和知喜八 同齢
連翹のさざなみ手暗がりに曳く 川田由美子
連翹のどこか投げ槍なる黄色 櫂 未知子
連翹のはなちそめたるひかりかな 久保田万太郎 流寓抄
連翹のひかりに遠く喪服干す 鷲谷七菜子 天鼓
連翹のまぶしき春のうれひかな 久保田万太郎 流寓抄
連翹のハハハハと又ハハハハと 高澤良一 ねずみのこまくら
連翹の一枝づゝの花ざかり 星野立子
連翹の一枝円を描きたり 高浜虚子
連翹の一枝走る松の中 阿部みどり女 笹鳴
連翹の今を盛りに誰も来ず 高澤良一 さざなみやっこ
連翹の何も語らず黄より葉へ 渡辺桂子
連翹の凋落はやし学園スト 寺井谷子
連翹の咲くころひとは船に乗り 今井杏太郎
連翹の奥や碁を打つ石の音 夏目漱石 大正三年
連翹の影なき真昼会者定離 田口美喜江
連翹の明るき庭に下り立ちぬ 高木晴子 晴居
連翹の明るき雨となりにけり 今井杏太郎
連翹の明るさに舞ふ小蟲かな 濱人句集 原田濱人
連翹の暗みにしまうこころかな 政野すず子
連翹の暮れかねてゐるに子と遊ぶ 太田鴻村 穂国
連翹の枝さしかはす別れかな 川崎展宏
連翹の枝にさされて受験の子 長谷川かな女 花 季
連翹の枝の跳ね出せる道普請 高澤良一 ねずみのこまくら
連翹の枝伸び伸びて絡みけり 竹田 ひろし
連翹の枝結ひてあり田螺鳴く 殿村莵絲子
連翹の枝輪となりて空捕へ 上野泰 佐介
連翹の潤める花や水曇り 石川桂郎 含羞
連翹の猖獗ぶりや黄みどろに 百合山羽公
連翹の盛りその裡葉が勝ちて 高澤良一 寒暑
連翹の縄をほどけば八方に 山口青邨
連翹の花にとどろくむなぞこに浄く不断のわが泉あり 山田あき
連翹の花に夕のまだ寒く 田中冬二 俳句拾遺
連翹の葉がちとなりぬ投票日 高澤良一 ももすずめ
連翹の角を曲がれと案内図 小野富美子
連翹の迷ふことなき明るき黄 後藤比奈夫 初心
連翹の雨がみぞれにみぞれが雪に 林原耒井 蜩
連翹の雨にいちまい戸をあけて 長谷川素逝(1907-46)
連翹の雨のしとゞにふるはかな 久保田万太郎 流寓抄
連翹の黄が沸騰す風の中 加藤岳雄
連翹の黄に染まりゐし天下人 仙田洋子 橋のあなたに
連翹の黄のはじきゐるもの見えず 後藤夜半 底紅
連翹の黄の明るさを通りぬけ 川原 道程
連翹の黄を泣かしゐる村の奥 松澤昭 神立
連翹の黄色一心不乱なり 谷口千枝子
連翹はさみしき花よ夜の壁に 柴田白葉女 遠い橋
連翹は雪に明るき彼岸かな 渡辺水巴 白日
連翹へつぎつぎ馬の胸せりだす 中田剛 珠樹
連翹も微苦笑年金にも課税 高澤良一 宿好
連翹も葉がちとなりぬ風の中 佐藤漾人
連翹やかくれ住むとにあらねども 久保田万太郎(1889-1963)
連翹やこけし飾らむ他人の家 小林康治 四季貧窮
連翹やふるさと人の朝早き 金尾梅の門 古志の歌
連翹やみどりごは尿高くあげ 朝倉和江
連翹や人過ぎ人過ぎ黄うする 下村槐太 天涯
連翹や今年まだ来ぬ箒売 古賀まり子
連翹や位牌拭ふに白き布れ 松村蒼石 雁
連翹や北につめたきおほくま座 小川軽舟
連翹や唐子頭の愛らしく 遠藤梧逸
連翹や園守の子等土細工 雉子郎句集 石島雉子郎
連翹や垣のうしろに残る闇 寺田寅彦
連翹や垣ゆすり行く梯子売 柑子句集 籾山柑子
連翹や塗られて手紙待つポスト 月舟俳句集 原月舟、長谷川零餘子編
連翹や大きな鹿がいつの間に 岸本尚毅 舜
連翹や大悲のほとけ見て飽かず 角川春樹
連翹や天の緑に枝とどく 百合山羽公 寒雁
連翹や嬰児はじめて雲に会ふ 神尾季羊
連翹や昨日は雨に*えり挿して 藤田湘子
連翹や朝のひかりのまつしぐら 福永 耕二
連翹や椿や谷の口は春 長谷川かな女 牡 丹
連翹や権力と嘘ポケツトに 檜山火山
連翹や歳月我にうつつなし 角川源義
連翹や溢れかへりて女の声 中田剛 珠樹以後
連翹や焼杭を打つ宇治の院 沢木欣一 雪白
連翹や田水を叩く海の雨 斉藤美規
連翹や真間の里人垣を結はず 水原秋櫻子
連翹や箒たのしむ人の老 遠藤梧逸
連翹や紅梅散りし庭の隅 子規句集 虚子・碧梧桐選
連翹や茶室の棟の赤瓦 四明句集 中川四明
連翹や蓮如の寺の屋根の鞠 角川春樹
連翹や蛭ケ小島は石ばかり 林 徹
連翹や蝶の舞ふかに活け上げて 吉田 麗子
連翹や軒ふかぶかと留守ばかり 豊田都峰
連翹や軛をとかれ尾張る馬 雑草 長谷川零餘子
連翹や雨の堅田の蓮如みち 星野麥丘人
連翹や鳴く鶴の子の口赤し 閭門の草(櫻[カイ]子の自選句集) 安斎櫻[カイ]子
連翹や鶏舎をのぞいて雛見たし 雑草 長谷川零餘子
連翹や黄母衣の衆の屋敷町 炭 太祇 太祇句選
連翹をこゞみ出て来る鶴のあり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
連翹をたわめたわめて疾風過ぐ 岸風三樓
連翹を括りて終る庭仕事 滝田英子
連翹を明るすぎると思ひをり 森泉悠子
連翹を鎮むる雨の降り続く 相生垣瓜人 明治草抄
連翹を風のほぐすは美しき 西本一都 景色
連翹山吹門に春慶庵と題す 尾崎紅葉
連翹満開このあかるさはただならず 五味洒蝶
連翹澄明老婆三人弥勒駅 夏石番矢 楽浪
遠山を連翹の黄の立ちふさぐ 波多野爽波 鋪道の花
鋏もて計り連翹剪りにけり 西本一都 景色
雨の中連翹の黄の流れだす 長谷川 櫂
雨風の連翹闇の中となる 橋本多佳子
雪解風連翹黄を発しけり 久保田万太郎 流寓抄以後
風たちて連翹の黄はうすれけり 川島彷徨子 榛の木
鳥過ぎて連翹は西方の花 金子皆子
黄昏の黄の連翹に鉄の柵 和田悟朗
黒ずめる連翹の芽に雨つめた 高澤良一 ももすずめ
風荒く日もまた粗くいたちはぜ 高澤良一 素抱
れんげうに笑ひかけらる日も近し 高澤良一 ももすずめ
れんげうの葉をもこと解く天気雨 高澤良一 ももすずめ
れんげうのざっくばらんな枝を四方に 高澤良一 さざなみやつこ
灼かれても青葉が綺麗いたちはぜ 高澤良一 暮津

以上
by 575fudemakase | 2015-04-07 00:05 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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