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雀の子

雀の子

例句を挙げる。

あきら日に子雀親とまぎれなく 原石鼎 花影以後
いそがしや昼飯頃の親雀 子規句集 虚子・碧梧桐選
いつとなく子雀の親とまがひけり 原石鼎 花影以後
おうおうと頷くばかり子雀に 田沼文雉
ふたなぬか過ぎ子雀の砂遊び 角川源義
ぽつたりと子雀の着く水辺かな 千葉皓史
よく跳ねて子雀下町育ちかな 二本松輝久
わりなしや痩せて餌運ぶ親雀 御風
一すじの藁しべ口に親雀 佐藤 華秋
一番子二番子雀巣立ちあひ 原石鼎 花影以後
五六間烏追けり親雀 一茶 ■文化六年己巳(四十七歳)
仔雀と吾子とかなしき声張るや 太田鴻村 穂国
仔雀と居て文学者稿を食む 萩原麦草 麦嵐
仔雀に地のひろさあれ貞明祭 村越化石 山國抄
仔雀の死しておもかげやや老けぬ 中村草田男
仔雀の落ちて転ろびぬなすの花 大関千沙春
仔雀や咽喉まで見せて餌を乞へる 石塚友二
仔雀や雛菊千が地を埋めて 草間時彦
原爆ドーム仔雀くぐり抜けにけり 草間時彦
坑道を出て子雀をいとほしむ 古賀まり子
墓守の軒に子雀親雀 山口青邨
壕の辺に子雀竹を渡り来る 臼田亞浪 定本亜浪句集
子雀に噴井の溝の裾うたふ 石川桂郎 四温
子雀に如来の前の広さかな 大峯あきら
子雀に学校の屋根まだ暮れず 上村占魚 鮎
子雀に楓の花の降る日かな 長谷川かな女 雨 月
子雀に餌をまく嫁よ身ごもりし 小野 秀子
子雀のかくも近くに下々の下座 橋本榮治 麦生
子雀のこぼれ落ちたる草の丈 佐藤鬼房
子雀のつばさに遁れつゝ距つ 篠田悌二郎
子雀のへの字の口や飛去れり 川崎展宏
子雀のもぐりきつたる砂遊び 八木荘一
子雀のよにまろび来る枯葉かな 木歩句集 富田木歩
子雀の三つかたまりて鳴けば鳴く 臼田亞浪 定本亜浪句集
子雀の争ひつつや地をひろげ 大澤ひろし
子雀の吹き落されし車椅子 森土秋
子雀の声切々と日は昏し 臼田亞浪 定本亜浪句集
子雀の糞ひり過ぎぬ推落花 島村元句集
子雀の膨み過ぎて転びけり 殿村莵絲子 花寂び 以後
子雀の飢あかつきの蒼さにて 千代田葛彦
子雀の骸は糸を引きにけり 野村喜舟 小石川
子雀はまこと子の顔大きな目 飴山實 『花浴び』以後
子雀はみんなどんぐり飴の色 木田千女
子雀はわがいそしみを見て鳴けり 山口青邨
子雀は葉のつやつやを怖れけり 鳥居おさむ
子雀やこぼれて二寸吹かるるも 小池文子 巴里蕭条
子雀や呂宋の空の青きこと 有馬朗人 耳順
子雀や土間に塩ふく塩の蔵 神蔵 器
子雀や寺の中まで浜の砂 大峯あきら 鳥道
子雀や遠く遊はぬ庭の隅 尾崎紅葉
子雀をいつくしむ鞄投げ出して 臼田亞浪 定本亜浪句集
子雀を盗るにはあらず梯出す 山口誓子
子雀を見に窓に来てよろけたり 赤城さかえ句集
子雀同士鎧坂学問所 松山足羽
手のひらの子雀飛ばす春の風 石井露月
昼暗き家内おどろく親雀 上田五千石 田園
玻璃内の眼を感じつゝ親雀 高浜虚子
脱衣函に子雀鳴かせ少年工 米沢吾亦紅 童顔
薪能殿の子雀寝そびれて 山田孝子
親雀人を恐れて見せにけり 高浜虚子
親雀舞ひおりくれば子雀も 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
親雀街にユッカの幹を啄む 下村槐太 天涯
親雀誓子書屋の簷に入る 山口誓子
親雀鳥毛咥へしよろこびに 山口誓子
話やめて子雀二羽をいとし見る 及川貞 榧の實
逃げない子雀傘のいのちを傘屋が生む 磯貝碧蹄館 握手
降りみ降らずみ子雀堂に来て遊べ 古沢太穂
雨上るらし子雀と親雀 高木晴子 花 季
顔出して頬の濃かりし親雀 石田勝彦 秋興
飛びかはすやたけごゝろや親雀 蕪村
いやな餌をぷいととばして雀の子 橋本鶏二
おそ春の雀のあたま焦げにけり 室生犀星 魚眠洞發句集
かたばみに雨ぴちぴちと雀の子 矢島渚男
しかばねも鳥のかたちに雀の子 斎藤玄
とぎ汁のはじめは濃ゆし雀の子 大峯あきら 鳥道
ふるさとは麦穂に溺れ雀の子 富安風生
めし粒に馴るゝあはれや雀の子 野村喜舟 小石川
クエーカー教徒の庭の雀の子 加藤耕子
一本の藁しべ軒に雀の子 石橋秀野
人に遁げ人に馴るゝや雀の子 鬼貫
人の親の烏追ひけり雀の子 上島鬼貫
僧に成児にはくれじ雀の子 高井几董
先づ逃げることを覚えて雀の子 森田幸夫
参詣のたばこにむせな雀の子 一茶 ■文化十三年丙子(五十四歳)
咥へとぶ親を見てゐる雀の子 角川春樹 夢殿
囀りの国より零れ雀の子 斉藤美規
在原寺雀の子まだ飛べずして 細見綾子
子を負うて畑に雀の子を拾ふ 太田鴻村 穂国
宮様のお屋根かしこし雀の子 野村喜舟 小石川
富本のはやる町なり雀の子 長谷川かな女 雨 月
小坊主や隠し持ちたる雀の子 円谷枯山
山晴るる牛方宿に雀の子 櫛原希伊子
平らかな地をすこし跳び雀の子 長谷川双魚 風形
慈悲すれば糞をする也雀の子 一茶 ■文政七年甲甲(六十二歳)
戌の日の帯解寺に雀の子 太田壽子
戒名をつけてやらねば雀の子 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
掌の中に吾子の手雀の子のごとし 篠原梵
教室に預かるはぐれ雀の子 樋笠文
晩年の父より知らず雀の子 樋笠文
木歩の忌秋の日向に雀の子 飯田龍太
松笠に紛るる芝の雀の子 阿部みどり女
松風に吹かれて来たる雀の子 今井杏太郎
根つからのおしやべり好きで雀の子 明石洋子
水浴びの溺れるごとし雀の子 山県よしゑ
海際の砂踏むかるさ雀の子 磯貝碧蹄館
濱草に踏めば踏まるゝ雀の子 原石鼎
火吹竹吹きをれば鳴く雀の子 柑子句集 籾山柑子
父の骨一片もらひ雀の子 辻桃子
牢屋から出たり入たり雀の子 一茶 ■文政六年癸未(六十一歳)
猫の飯相伴するや雀の子 一茶 ■文政六年癸未(六十一歳)
田の焦げて春の雀の乱れゐる 小島千架子
甲斐性のなくてゐ竝ぶ雀の子 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
看板の傾きてゐる雀の子 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
穴一の穴に馴けり雀の子 一茶 ■文化六年己巳(四十七歳)
繭部屋に立てたる梯子雀の子 藤田あけ烏 赤松
羽振ひをして蹤きてゆく雀の子 鈴木貞雄
老松のどこか揺るゝは雀の子 飴山實 『次の花』
聲がして葬儀半ばの雀の子 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
落柿舎や頭めぐらす雀の子 大木あまり 火球
虫けらに勝つて芝跳ぶ雀の子 林翔 和紙
蝿打ちに馴るる雀の子飼ひかな 河瓢 芭蕉庵小文庫
諸悪莫作捕るべからずの雀の子 尾崎迷堂 孤輪
赤馬の鼻で吹けり雀の子 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
速玉の梛に宿りぬ雀の子 鈴木しげを
連翹にかたまり行くや雀の子 増田龍雨 龍雨句集
雀の子こけるこけると走りけり 原田喬
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る 小林一茶 (1763-1827)
雀の子はや羽虱をふるひけり 一茶 ■文化五年戊辰(四十六歳)
雀の子ふりむくことは知らぬらし 神田ひろみ
雀の子一尺とんでひとつとや 長谷川双魚(1897-1987)
雀の子一羽のための入日どき 加藤秋邨 怒濤
雀の子三尺ばかりとぶことよ 大橋櫻坡子 雨月
雀の子啼いて春暁乳臭き 萩原麦草 麦嵐
雀の子家に入り来てけろりとす 角川源義
雀の子忠三郎も二代かな 正岡子規
雀の子我も虚子より三代目 高木産風
雀の子拾ひ温さを持て余す 勝井良雄
雀の子握りてやれば温かく 野村喜舟
雀の子旅の一と日がもう減つて 中村明子
雀の子早う帰りやれ燈がともる 高田蝶衣
雀の子生涯白きままの腹 宇多喜代子 象
雀の子石燈籠をいぶかしむ 澤木欣一
雀の子砂を浴びたる跡ならぶ 後藤夜半 底紅
雀の子算盤塾の外にこぼれ 南典二
雀の子藪いでて顔ふくらます 長谷川双魚 『ひとつとや』
雀の子蘇枋の花の中をとぶ 岡井省二
雀の子踏み外したる巣の残り 後藤夜半 底紅
雀の子道の半ばに出て飛べり 星野恒彦
雪つけて来し葬りの雀の子 萩原麦草 麦嵐
音たててふいに落下す雀の子 吉開さつき
飯粒に足踏んばつて雀の子 中村幸子
魚河岸のあらき情に雀の子 有馬籌子

以上
by 575fudemakase | 2015-04-24 00:21 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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