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鳥の巣

鳥の巣

例句を挙げる。

あなかまと鳥の巣みせぬ菴主哉 炭 太祇 太祇句選
いばら藪日も夜も鳥の巣を攻めつ 栗生純夫 科野路
かの鳥の巣と暗黒を同じくす 徳弘純 麦のほとり 以後
しなやかに朝の懸巣鳥の二枚舌 すずきりつこ
てのひらに鳥の巣といふもろきもの 石寒太
まるき目の巣籠鳩や若楓 八木林之介 青霞集
一と声もこぼさず鵲の巣籠れる 久木原みよこ
丹頂の首を正して巣籠れり 福山英子
丹頂もさだかに鶴の巣籠れる 岡本浩村
乙鳥の巣にさす棚の燈かな 松香
人悲し命命鳥の巣に孵り 中勘助
便追の巣鳥がたちぬ樹の根より 水原秋櫻子
南京城内にして鳥の巣のかかる樹を 長谷川素逝 砲車
喪の家越え巣組みの藁を運ぶ鳥 羽部洞然
墳山の巣鳥が落とす檜の実 民井とほる
夜の雷火巣鳥ひそめる栂照らす 斎藤 道子
大木や鳥の巣のせて藤かゝる 高浜虚子
大虎杖しがらみなして善知鳥の巣 文挟夫佐恵 遠い橋
山門に仰ぐ巣鳥の胸白き 米沢はる子
山鳩の巣籠る声や月おぼろ 石丸恭子
巌に倚れる樹の鳥の巣や深山なる 尾崎迷堂 孤輪
巣をたちし巣鳥の鋭声あはれなる 水原秋櫻子
巣籠の鶴のほとりを掃いてをり 神吉五十
巣籠りの妻より痩せて飛ぶ燕 前田普羅 春寒浅間山
巣籠りの燕に見呆け日焼顔 前田普羅 春寒浅間山
巣籠りの空みるまなこ風のなか 鷲谷七菜子 天鼓
巣籠れる妻の燕は巣にあふれ 前田普羅 春寒浅間山
巣鳥いま空の深さへ羽ひらく 雨宮抱星
巣鳥なく夕山守の炊ぐかな 癖三酔句集 岡本癖三酔
巣鳥はも遠くは去らず巣を見守る 水原秋桜子
巣鳥鳴く森のしとねの草木瓜に 皆吉爽雨
常磐木に鳥の巣明し冬の山 中島月笠 月笠句集
憂きものに巣鳥鳴きけり方丈記 尾崎迷堂 孤輪
懸巣鳥なき比叡に天台秘法あり 岸風三楼 往来
旅人に砂丘の星と鳥の巣と 小林貴子
明月や竃の下のきりきりす 鳥の巣 松瀬青々
月青し鷭巣籠りのころならん 藤永霞哉
木の又に巣組みし鷭や走り梅雨 田中敦子
村々の鳥の巣くれてゆきにけり 清原枴童 枴童句集
榧咲いていつか山鳩巣籠りし 真鍋蟻十
水汲場より見てかささぎの巣籠る木 藤田湘子
流れ来しやうに鳥の巣掛かりをり 大串章(1937-)
濁流や巣籠りのまたうつうつと 鷲谷七菜子
瀬を早み鳥の巣仰くべうもなし 尾崎紅葉
父子ゐて巣組鴉の遠まはり 堀口星眠 営巣期
物書くは巣籠るに似て啄木忌 鷹羽狩行
痩せてゆく鳥の巣よ陽のおちるたび 渋谷道
竹の子の生えみだるゝに懸巣鳥 細見綾子 花寂び
良寛さまの山への道よ巣鳥啼き 臼田亜浪 旅人
菖蒲見るにぬいで下駄貸す女あり 鳥の巣 松瀬青々
菜の花のはじめや北に雪の山 鳥の巣 松瀬青々
落ちさうな鳥の巣見ゆる机なり 晏梛みや子
落ちて来し巣組みの枝の一尺余 池田世津子
藪柑子狐巣籠る穴小さし 羽田岳水
貌鳥の巣につけば日々垂直なり 橋石 和栲
鐘ついてあたりゆるるや時雨雲 鳥の巣 松瀬青々
青い卵ある鷭鳥の巣なり他にもある筈なり 安斎櫻[カイ]子
飛び移りては鳥の巣の在りどころ 藺草慶子
高枝の巣鳥に風のやゝ強し 左右木韋城
鳥の巣か軒端ことこと夢うつつ 中保 郁子
鳥の巣が木にも土にも山畑 松瀬青々
鳥の巣が樹の上をおどりありくかな 冬の土宮林菫哉
鳥の巣に一とかたまりの伏家かな 清原枴童 枴童句集
鳥の巣に産座といへる窪みかな 大木孝子
鳥の巣に落葉松が降るものがたり 和知喜八 同齢
鳥の巣に蓋して置くは椿かな 支考 二 月 月別句集「韻塞」
鳥の巣に運び集めし女の髪 右城暮石 上下
鳥の巣に鳥が入つてゆくところ 波多野爽波(1923-91)
鳥の巣に鳥悔恨の巣に悔恨 内藤吐天 鳴海抄
鳥の巣のあらはなることあはれなり 高浜年尾
鳥の巣のありありと妻痩せにけり 田中裕明 先生から手紙
鳥の巣のありありみゆる榎かな 一茶
鳥の巣のからつぽに空晴れわたる 中山純子 沙 羅以後
鳥の巣の上枝の鳥や向ふむく 楠目橙黄子 橙圃
鳥の巣の中をさらして育てけり 如月真菜
鳥の巣の崩れてをりし枯木かな 大山 百花
鳥の巣の懸からぬ枝も伸びてをり 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
鳥の巣の明れば暮る日数かな 白雄
鳥の巣の松の高さに松曇り 阿部みどり女
鳥の巣の西日の下の擲銭戯 清原枴童 枴童句集
鳥の巣も共に一家や花盛り 松瀬青々
鳥の巣も頼むや子安観世音 正岡子規
鳥の巣やおのづと消ゆる夕茜 芝不器男
鳥の巣やそこらあたりの小竹の風 芝不器男
鳥の巣や一つ~にある仏 東洋城千句
鳥の巣や既に故郷の路にあり 露月句集 石井露月
鳥の巣や江畔のポプラ伸びやまず 楠目橙黄子 橙圃
鳥の巣や谷から峯へ高い樅 尾崎迷堂 孤輪
鳥の巣や金剛山の旅の中 松根東洋城
鳥の巣をびつくり箱のごとく持ち 仙田洋子 橋のあなたに
鳥の巣を見上ぐ啓示を仰ぐかに 上田日差子
鳥の巣拾ふ赤き毛糸のまじりしを 寺山修司 未刊行初期作品
鳥の巣日進月歩しているか 森田智子
鳶の巣の藁吹き散るや青嵐 吟江
雲雀巣に育つを見つゝ通学す 小山白楢
巣籠の鶴のほとりを掃いてをり 神吉五十槻
鷹の巣の崖を背らに一札所 荒川あつし
鷲の巣のそれかあらぬか絶壁に 湯浅桃邑
鷹の巣や大虚に澄める日一つ 橋本鶏二
鷲の巣の下を行きたる菌狩 相生垣瓜人
荒海や巣立鴎は鳶の色 成田千空
鷹は巣にもどり大嶺日を没れぬ 馬場駿吉
雲雀の巣見つけしことを言はざりし 真鍋 蕗径
国原を瞰して鷹巣作れる 玉置 仙蒋
鷹の巣や大虚に澄める日一つ 橋本鶏二
鷲の巣の樟の枯枝に日は入ぬ 凡兆
鳶の巣や樹下石上の坐禅僧 正岡子規
鷹の巣といふあら~としたるもの 高野素十
雲雀の巣さがせば暑く麦匂ふ 杉山 岳陽
鷹の巣のまぎるる樺の芽吹きけり 斎藤 道子
鷹の巣も巌も飛ばして雪崩れけり 飯塚 秀城
鷲の巣の鷲が見てゐる百草採 中島杏子
鷹の巣は古巣といへど霧巻きぬ 加藤楸邨
鷹の巣や太虚に澄める日一つ 橋本鶏二
鷹の巣やひとり泉のゆらめける 山上樹実雄
鷹の巣といふあら~としたるもの 高野素十
鷹の巣のひとり高しや芽立前 石田波郷
鷹の巣や太虚に澄める日一つ 橋本鶏二
てのひらの匂い雲雀の巣の匂い 坪内稔典
鷹の巣や大虚に澄める日一つ 橋本鶏二
紅鶴の巣に籠るあり子連れあり 吉良比呂武
鷲の巣の鷲が見てゐる百草採 中島杏子
巣燕に金星見えぬとも限らぬ 三橋鷹女
鳶の巣に枯山膚を近づけて 成澤たけし
鶴巣村刈田越しなる円空堂 高澤良一 素抱
巣籠の鶴のほとりを掃いてをり 神吉五十
雲雀巣に育つを見つつ通学す 小山白楢
鷹が巣を営む雪解はじまれり 篠田悌二郎
鷹の巣や太虚に澄める日一つ 橋本鶏二
野鼠にゆかり持ちたり鶉の巣 西鶴
鷹の巣の断崖藤の花かけて 山口青邨
鷹の巣といふあらあらとしたるもの 高野素十
鳶の巣を見下す岨や五十丈 正岡子規
小鳥の巣二本の枝にしつかりと 高野素十
鷹の巣のひとり高しや芽立前 石田波郷
小鳥来て巣藁入れゆく郵便受 太田土男
鷲の巣の樟の枯枝に日は入ぬ 野沢凡兆(?-1714)
鷹の巣や太虚に澄める日一つ 橋本鶏二(1907-90)
苔の巣に通ふ小鳥の足たまり 右城暮石 声と声
雲雀の巣手にして童とりまかる 米沢吾亦紅 童顔
鷹の巣の粗朶相組める粗笨かな 栗生純夫 科野路
鷹の嘴朽枝光らせ巣を工む 栗生純夫 科野路
おのが身を容るるに鷹の巣の端し 栗生純夫 科野路
鷲の巣の下を行きたる菌狩 相生垣瓜人 微茫集
鷹の巣や大虚に澄める日一つ 橋本鶏二 年輪
雲雀の巣抱きて痩せたりその麦は 木津柳芽 白鷺抄
初夏の嶺小雨に鳶の巣ごもりぬ 飯田蛇笏 霊芝
焼茨の油ぎりをり雲雀の巣 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
鷹の巣の崩壊の冬谿に来ぬ 和知喜八 同齢
熊鷹の巣作りはじまる雪の山 阿部みどり女 月下美人
雛の頭を鷹の巣巌の霞かな(青海鴫) 松根東洋城
熊鷹の巣作りはじまる雪の山 阿部みどり女
うらゝかや帽子の中に雲雀の巣 比叡 野村泊月
鷹の巣部落は谿田代掻一日ひとり 岸田稚魚 筍流し
春さむく雲靆きそびゆ鳶巣山 飯田蛇笏 春蘭
巣籠の鶴のほとりを掃いてをり 神吉五十
雲雀巣に育つを見つつ通学す 小山白楢
鳶の巣の安き日もなき礫かな 尾崎紅葉
鶴の巣や日は入りはてて散るさくら ぶん村 三 月 月別句集「韻塞」
鳥追うて花つかみ行く巣鷹かな 恕風 俳諧撰集「有磯海」
野鼠にゆかり持たり鶉の巣 井原西鶴
はなのさく草は巣にせであげ雲雀 松岡青蘿
鶴も巣を今日かけ初めむ雛の宿 松岡青蘿
鷲の巣の樟の枯枝に日は入りぬ 野澤凡兆
鳶の巣としれで梢に鳶の声 立花北枝
鷲の巣の樟の枯枝に日は入ぬ 野沢凡兆

以上
by 575fudemakase | 2015-04-24 00:23 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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