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広島忌

広島忌

昨日は広島忌であった。
私と広島との遭遇は、私が昭和39年大学を卒業しNECに入社し、初めて担当したユーザーが放射線影響研究所と広島大学であった。共に原爆放射能の研究施設であった。
前者は米国と日本の共同研究施設、後者は日本の被曝研究施設であった。
広島への出張はしばしば寝台夜行で東京を発ち、早朝一番広島駅構内の洗面所で顔を洗い、駅周辺で朝飯をかっ込んでから意気揚々と出陣したものであった。

因みに放射線影響研究所の現行の研究方針を見ると大きく変わっていた。引用すると…
放射線影響研究所が外部被曝研究のデータのみで、福島第一原発事故による福島県民の内部被曝の不安に応える事が出来なかった事から、放射線影響研究所の新たな方針として過去の業績と蓄積した資料を使い、原爆に限らず一般の放射線の慢性影響に関する世界の研究教育センターを目指し、「放射線影響研究所将来構想2012」を出した。将来構想では、内部被曝を含めた低線量被曝のリスク解明し、現在日米共同機関を将来の課題として国際的組織にして、被爆者情報のデータベース化して国内外の研究者に開放し、共同研究で放射線影響研究所に少ない内部被曝のデータ収集をして、福島県民の不安に応えられるようにしていくとしている。

原爆忌

例句を挙げる。

がぶがぶとピカドンの日の真水のむ 高澤良一 暮津
眼も耳も広島の忌も皆風化 高澤良一 暮津
その昔リトルボーイの降り来しそら 高澤良一 暮津
エノラ・ゲイぶーんと飛び来て止め刺す 高澤良一 暮津
あさがほのはつのつぼみや原爆忌 久保田万太郎 流寓抄
あしたより供華の水沸く原爆忌 殿村莵絲子 雨 月
あの雲はいつか見た雲原爆忌 塩谷めぐみ
けりけりと深山ひぐらし原爆忌 秋元不死男
ごくごくと白湯飲む朝や原爆忌 美谷島寸未子
そしてまたアンケート来る原爆忌 櫂未知子 貴族
そそり立つ雲見ればこそ原爆忌 今泉貞鳳
その時刻駅に立ちをり原爆忌 本宮鼎三
その朝の猫に牛乳原爆忌 鳥居おさむ
だしぬけに叫ぶケツトル原爆忌 高田熊星
どの蟻も同じ貌して原爆忌 河野南畦 湖の森
なまぬるきポストの口や原爆忌 内田美紗 誕生日
はるかとも昨日のこととも原爆忌 貞吉 直子
ふくらはぎ朝より重き原爆忌 菖蒲あや
ふんだんに水出る蛇口原爆忌 小川裕子
ぼうたんの白炎を挿し原爆忌 木田千女
ぼろぼろの記憶をつなぐ原爆忌 朝倉和江
まさしくけふ原爆忌「インデアン嘘つかない」 中村草田男
わが齢傘寿となりぬ原爆忌 町田しげき
アロハシャツ刺して朝日や原爆忌 百合山羽公 寒雁
キャベツに怖る畸形の頭蓋原爆忌 川辺きぬ子
キャラメルの赤き帯封原爆忌 吉村 明
ビル影は地に貼りつきて原爆忌 大東 晶子
一人来て群衆となりし原爆忌 谷沢白城
一房のぶだう浸せり原爆忌 原裕 葦牙
一閃を永久につたへて原爆忌 蔦三郎
三日目も燃えゐし記憶原爆忌 宇川紫鳥
不揃ひの噴水原爆忌の広場 河野南畦 『広場』
両の手に拳二つや原爆忌 山崎ひさを
乳を知る赤子の舌や原爆忌 脇本星浪
人に仕事ゆづりて戻る原爆忌 岩田昌寿 地の塩
人も蟻も雀も犬も原爆忌 藤松遊子
人影のみなくらみくる原爆忌 石原八束 『断腸花』
今日ばかり風死してをり原爆忌 細木芒角星
供華となる花剪り尽す原爆忌 朝倉和江
八月の月光部屋に原爆忌 大井雅人
半世紀悔い尽きるなし原爆忌 草柳和夫
原爆忌いま地に接吻してはならぬ 中村草田男(1901-83)
原爆忌ごぼりごぼりと泉の穂 加藤楸邨
原爆忌ぬかづきてみな無帽なる 宮下翠舟
原爆忌の夕空「血池の上澄み」ぞ 香西照雄 対話
原爆忌の睡り誘ふ夜風欲し 楠本憲吉
原爆忌の空を草田男翔るなり 林 翔
原爆忌の黙祷田草掴みて立ち 八木原祐計
原爆忌ひまはりの丈子が制す 原コウ子
原爆忌へ一歩つまづく炎天下 小林康治 玄霜
原爆忌一つ吊輪に数多の手 山崎ひさを
原爆忌万の市民の短い影 木村里風子
原爆忌乾き切ったる舗道かな 鳥居 太郎
原爆忌乾けば棘をもつタオル 横山房子
原爆忌人は孤ならず地に祈る 飯田蛇笏
原爆忌介護ハウスで黙祷す 北村恭孝
原爆忌使徒のごとくに身灼きをり 小林康治 玄霜
原爆忌信濃の雲のありがたし 西本一都 景色
原爆忌割れば卵の黄味ふたつ 松本三千夫
原爆忌医師がえがきし地獄の図 井上杉香
原爆忌即丸山定夫忌なり修す 安住敦
原爆忌土埃あげ駝鳥駈く 熊谷愛子
原爆忌墓地炎熱の袋の中 橋本夢道 良妻愚母
原爆忌子がかげろふに消えゆけり 石原八束
原爆忌子供が肌を摶ち合ふ音 岸田稚魚 筍流し
原爆忌左が利き手署名せり 小西幸一
原爆忌市電無数の手を吊りて 今井勲
原爆忌暾の熱さには耐ゆるべし 磯貝碧蹄館 握手
原爆忌有無を言はせず空白み 百瀬美津
原爆忌死者に生者に今年また 辻七星女
原爆忌海一滴もそこなはず 宮坂静生 春の鹿
原爆忌滝を見つめてゐたりけり 松尾隆信
原爆忌犬いきものの舌垂れ来る 復本冬一郎
原爆忌生きて自愛の卵割る 中村孝一
原爆忌瞑目ことに絢爛と 赤松[ケイ]子
原爆忌祖国の唄を聞く夜かな ガルシア繁子
原爆忌空に一本高き樫 長谷川かな女 花 季
原爆忌籠の卵の割れてをり 川崎陽子
原爆忌老女も靴を履くあはれ 殿村菟絲子 『旅雁』
原爆忌耳朶すこし痒くなる 大石雄鬼
原爆忌腕鈴なりの電車過ぐ 隈治人
原爆忌舌に残れる粉薬 大橋敦子 匂 玉
原爆忌農薬マスク息苦し 松倉ゆずる
原爆忌近しホースが芝を這ひ(厚木「銀鱗閣」) 河野南畦 『風の岬』
原爆忌近づく朱き花咲けば 岸風三樓
原爆忌酌みて別れし酒は「幻」 相良秀抱
原爆忌雲の墓標へ鳩放つ 木田千女
厨の手休めて祈る原爆忌 小谷久子
吊革に千手きらめき原爆忌 赤松子
向日葵が花頭捧ぐる原爆忌 榎本冬一郎
含嗽して雲を目にとむ原爆忌 町田しげき
吾が影に入るる子の影原爆忌 町野けい子
嗤ぐために 原爆忌のデモ 那覇からもだ 伊丹三樹彦 覊旅句集三部作 神戸・長崎・欧羅巴
地球儀にたまる埃や原爆忌 天谷 敦
墨の絵となりゆく松や原爆忌 原裕 青垣
子が残す飯の白さよ原爆忌 佐藤木鶏
実印の印影鮮明原爆忌 平島尚典
岸蹴つてボート押し出す原爆忌 黛 まどか
川に無数の幽霊の手や原爆忌 田川飛旅子 花文字
左の手が真熱発す原爆忌 赤尾兜子
年々に詠みてなほ詠む原爆忌 下村ひろし 西陲集
想ひ起すことが供養の原爆忌 石山佇牛
手がありて鉄棒つかむ原爆忌 奥坂まや
折鶴にいのち吹き込む原爆忌 平岡しづこ
抽斗に下着が填まり原爆忌 白井久雄
拭いてすぐ曇る眼鏡や原爆忌 伊藤仙女
持ち古りし被爆者手帳原爆忌 竹下陶子
擬宝珠の蕾ひしめき原爆忌 石田あき子 見舞籠
教堂に純白の壁原爆忌(神戸にて) 飴山實 『おりいぶ』
新聞の切り抜き整理原爆忌 山下 渓水
暑くともなほ暑くとも原爆忌 山田みづえ 草譜
朝雲のたかき静けさ原爆忌 下村ひろし 西陲集
木の中をのぼる水音原爆忌 益田 清
木を擦りて火を出すあそび原爆忌 長谷川双魚 『ひとつとや』
果実吸う原爆忌の妻蟹のように 前川弘明
森を抜け森に入りたる原爆忌 大石雄鬼
検査衣に着替え原爆忌の鐘を 大野岬歩
極彩のブリキの玩具原爆忌 白石司子
歴史にはもしもが利かず原爆忌 後藤洋子
死は今も現し身に添ふ原爆忌 下村ひろし 西陲集
水槽に鯛の目玉の原爆忌 森田智子
水飲みて鳩と目の合う原爆忌 鈴木三光子
流氷の基地いま無人ぞ原爆忌 香西照雄 素心
海の面にあまた凹凸原爆忌 松森向陽子
海底に船骸のこり原爆忌 福永志洋
消えぬ怒り消えぬケロイド原爆忌 下村ひろし 西陲集
満々と今日の河あり原爆忌 板津尭
焼却炉に物投げ入れて原爆忌 鈴木真砂女 夕螢
照り白む道のわが影原爆忌 嶋田麻紀
白蛾の目玻璃に紅彩原爆忌 原田孵子
盛大に花火を上げむポスターのまたうつくしく原爆忌来る 竹山広
直角にわが影が立つ原爆忌 原コウ子
碑の文字のかくるるほどに千羽鶴吊られて暑し今日原爆忌 上河原紀人
秒針の音なく進む原爆忌 赤尾恵以
空鑵に育つぼうふら原爆忌 原田青児
老皺を繰りこむ波止場原爆忌 熊谷愛子
聴診器胸に祈れり原爆忌 水原春郎
背泳ぎに空を見てゐる原爆忌 大森理恵
膝小僧よごれてならぶ原爆忌 仙田洋子 橋のあなたに
舌やれば口辺鹹し原爆忌 伊丹三樹彦 人中
芋の葉にかくれしことも原爆忌 千布道子
茄子に照る完璧な空原爆忌 百瀬ひろし
裸子の匂へることよ原爆忌 白澤良子
豪雨に放つ幾千の鳩原爆忌 木田千女
躓いて手をつく坂や原爆忌 山野邊としを
造花の百合を運ぶ青年原爆忌 鍵和田[ゆう]子 浮標
雨欲しき日となりにけり原爆忌 角川春樹
電工のいちにち高し原爆忌 秋元不死男
青垣山したたる国の原爆忌 三嶋隆英
青年は登山具鎧ひ原爆忌 百合山羽公 寒雁
顔洗う手に目玉あり原爆忌 五島高資
馬面のやたらに釣れて原爆忌 原田青児
髪の根をわけて川風原爆忌 赤松[ケイ]子
鯉跳ねて大河動けり原爆忌 鈴木信行
黒蝶の塊を擦る原爆忌 殿村莵絲子 雨 月
黙祷の背ナみな老いし原爆忌 宮坂秋湖
まくなぎを払ひてゐたり広島忌 辺見じゅん
スーパーに山積みの水広島忌 並木緑之
個人タクシー出て頭垂れ広島忌 松山足羽
写真の子が乳房吸いだす広島忌 古田 海
噴水は水の花束広島忌 杉田久美子
広島忌人集まつて黒髪なり 池田行三
広島忌声あげてゐる影絵たち 小泉八重子
広島忌川をタイヤの流れゆく 田中義了
広島忌止まることなき人の列 本郷和子
広島忌蔓あるものは宙に伸ぶ 青木重行
広島忌近し見遺りて鵜飼の火 宮坂静生 春の鹿
広島忌零は印度で生れたる 和久利甫
広島忌騒がしきまで蝶の群れ 原裕 葦牙
月の川見えざる川の広島忌 小檜山繁子
河童碑を残す日射しや広島忌 石川桂郎 四温
片脚のばつたが歩く広島忌 井上土筆
牛洗ふ角をつらねて広島忌 原裕 葦牙
竹とんぼ遠くへ飛んで広島忌 北村菜々子
若木また揺れてゐるなり広島忌 岡林英子
赤ん坊のつむじより風広島忌 嶋田麻紀
鎮魂の火の穂短かし広島忌 藤井艸眉子
雲灼けて声なき山河広島忌 伊東宏晃
十一時二分わたしの祷り長崎忌 山崎芳子
太陽が鳴らすオルガン長崎忌 脇本星浪
消えてより蜥蜴の蒼さ長崎忌 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
珊瑚樹の朱き実房や長崎忌 斎藤朗笛
耳環にも反射光あり長崎忌 田口美喜江
二つ目の原爆の日も過ぎにけり 三橋敏雄(1920-2002)
原爆の日あぁ水餃子さめやすし 池田澄子
原爆の日の太陽の下歩く 林十九楼
原爆の日の拡声器沖へ向く 西東三鬼
原爆の日の洗面に顔浸けて 平畑静塔
原爆の日の病む手足洗ひをり 石川桂郎 含羞
原爆の日の蟹の穴無数なり 石寒太 翔
原爆の日やコロッケの俵形 宮島晴子
原爆の日やステーキの焼き加減 小川千鶴子
原爆の日や濯ぎ水地に返す 穂苅きみ
原爆の日や白茶けし雀ゐて 森田公司
原爆の日や蝉の穴数へては 藺草慶子
原爆日ごぼりごぼりと泉の穂 加藤楸邨
原爆日噴水は穂を高うせよ 下村ひろし
原爆落とされし日の屋上の望遠鏡 池田澄子
空の紺 ふかく 原爆のあの日ちかづく 吉岡禅寺洞
而して處女受胎長崎原爆日 篠田悌二郎
雀来て原爆の日の水たまり 山本雅子
平和祭の地に伏し汚れ塗装工 鈴木六林男
平和祭真中の川を子が泳ぐ 鈴木貞雄
平和祭龍舌蘭も花擧げて 下村ひろし 西陲集


以上
by 575fudemakase | 2015-08-07 01:53 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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