極月 補遺

極月 補遺

人の声極月の水渡りきらず  橋閒石 朱明
人肌を恋ふ極月の皿九枚  橋閒石 無刻
元祿十五年極月十四日夜の事也 正岡子規 師走
北斎を見る極月の橋わたり 橋閒石 和栲
声嗄らしきて極月の草みどり  橋閒石 朱明
明るくて嶽の骨組極月へ 斎藤玄 狩眼
極月といふものの立ち塞がれる 富安風生
極月に入る川筋のかすみつつ 廣瀬直人 帰路
極月のくらやみに山羊鳴きにけり 安住敦
極月のとぼけ顔して地獄耳 福田蓼汀 秋風挽歌
極月のともしびを追ふ風吹けり 廣瀬直人 帰路
極月のやりくり時間にもありし 稲畑汀子
極月のゆふなぎの月の大いなる 日野草城
極月の乏しき餅をふるまはる 加藤楸邨
極月の人々人々道にあり 山口青邨
極月の人を見てをり寒鴉 加藤楸邨
極月の人着飾りて地荒れたり  橋閒石 朱明
極月の僧も暇なり我も暇 高野素汁
極月の勘助わたし越えたりき 加藤楸邨
極月の友二の墓へ人連れて 星野麥丘人
極月の喜捨乞ふと佇ち義手義足 小林康治 四季貧窮
極月の墓ものがたり一くさり 亭午 星野麥丘人
極月の墓地へ張り出す厨棚 岡本眸
極月の夜の風鈴責めさいなむ 渡邊白泉
極月の大南風吹く一と日かな 川端茅舎
極月の大瀬を雨の通るなり 飯田龍太
極月の子を守る嫗と貝殼虫 松村蒼石 雪
極月の尾羽打枯らす鳶の舞 岡本眸
極月の岩場に盲ひ佐藤美紀 佐藤鬼房
極月の峡へのりだす星座かな 上田五千石『田園』補遺
極月の征く友の大きな目がありき 加藤楸邨
極月の心願汝と異にすや 上田五千石 天路
極月の打水いたく惜しみたり 上田五千石 森林
極月の扶持乏し筆氷るまで 小林康治 四季貧窮
極月の折蘆の水の静かかな 富安風生
極月の掃苔一つ果しけり 寒食 星野麥丘人
極月の旅併走の貨車長し 岡本眸
極月の星ある水に咳落とす  橋閒石 朱明
極月の昼寝の夢のはかなしや 日野草城
極月の月は大学の藪の上に 山口青邨
極月の松風もなし萬福寺 石田波郷
極月の枯蓖麻は引き抜かれけり 岸田稚魚 負け犬
極月の柳の青葉光る老女 飯島晴子
極月の毛糸の嵩を編みはじむ 中村汀女
極月の水一枚の田を満たす 廣瀬直人
極月の泉夕日を得てゐたり 廣瀬直人 帰路
極月の法師をつつむ緋夜着かな 飯田蛇笏 山廬集
極月の海大いなる旅にあり 岡本眸
極月の爪折りくらふ海の蟹 鷹羽狩行
極月の男ばかりに風呂汚れ 伊丹三樹彦
極月の白昼艶たるは海の藍 飯田蛇笏 雪峡
極月の白雲ふかく水のなか 鷲谷七菜子 一盞
極月の石に注連張る峠口 燕雀 星野麥丘人
極月の磯波に義歯抜きとられ 佐藤鬼房
極月の神棚の下稿をつぐ 山口青邨
極月の空低くそこら水流す  橋閒石 朱明
極月の竃火みゆる巷かな 飯田蛇笏 山廬集
極月の竹藪の橋誰か越ゆ 廣瀬直人 帰路
極月の笹やどの戸も片ひらき 石橋秀野
極月の翳の大きくかぶさり来 富安風生
極月の花うつくしく飽食せり 日野草城
極月の花嫁に庭恍とあり 廣瀬直人 帰路
極月の苦労の果の死なりけり 大野林火 潺潺集 昭和四十一年
極月の萬両あかき微恙かな 富安風生
極月の街の真中を隅田川 福田蓼汀 山火
極月の西の橋詰鍼どころ 古舘曹人 樹下石上
極月の豪雨に叩き起こされし 相生垣瓜人 明治草
極月の重々しげに来る事よ 相生垣瓜人 負暄
極月の雲ひとつなしあてどなし  橋閒石 朱明
極月の電車出づれば死後の町 平井照敏 天上大風
極月の鼻すぢとほる草木原 飯島晴子
極月やかたむけすつる桝のちり 飯田蛇笏 山廬集
極月やなほも枯れゆく散紅葉 渡邊白泉
極月やなまぐさ絶たず酒絶たず 上田五千石『琥珀』補遺
極月やほうと立ちたる芥の火 岸田稚魚
極月や三十日のなげきとことはに 石塚友二 光塵
極月や友来る人形焼さげて 山口青邨
極月や夜目にも白き波の牙 鈴木真砂女 夏帯
極月や孔雀の翼肉厚く 飯島晴子
極月や張り替にやる三味二挺 日野草城
極月や心惹かるゝ新書古書 日野草城
極月や朝を勝負の魚市場 鈴木真砂女
極月や桝目のからき小売塩 飯田蛇笏 春蘭
極月や紅き生姜の水の中 平井照敏
極月や蜆・浅蜊は地に置かれ 鈴木真砂女 夕螢
極月や裸の炬燵畳の上 日野草城
極月や醜の魚の売れ早し 鈴木真砂女 紫木蓮
極月や雪山星をいただきて 飯田蛇笏
極月や雪山星をいたゞきて 飯田蛇笏 霊芝
極月や髪に油を塗りに出づ 細見綾子
極月を夫婦共々誕生日 高濱年尾
極月を讃ふる説を又聞けり 相生垣瓜人 負暄
極月八日潮の明暗醜を攘つ 飯田蛇笏 白嶽
男手のなき極月の松葉掃く 廣瀬直人
畷路や極月晴の榛の禽 西島麦南 人音
白妙荘極月の蝿太らせて 上田五千石『森林』補遺
白鳥の沼極月の吹きざらし 佐藤鬼房
白鷺ゆき極月の田居空澄めり 西島麦南 人音
空青し極月の塵宙を舞ひ 桂信子「草影」以後
脚組んで極月の灯の高階に 三橋鷹女
遮莫(さもあらばあれ)極月の墓洗ふ 亭午 星野麥丘人
酔の尾や極月の貧躱しえず 小林康治 四季貧窮
鯉岸に鼻つけてをり極月や 森澄雄

以上
by 575fudemakase | 2015-12-08 00:03 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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